「リジー、着いたよ!」
「助かったモモイ、まだノイズは酷くて見え辛くてな」
「良いよ良いよ!凄くカッコいいもの見せてもらったし!」
モモイに手を引かれながら元の場所に戻り、手摺りに捕まる。
「ふむ、今の衝撃により多少のダメージは受けましたが許容範囲内です」
「当初の想定よりも低いダメージで助かったわ。これなら離脱をする時にも使えそう」
「念の為にエンジニア君に船を使わないで脱出する手段を探してくれるよう頼んでおいてくれ。不測の事態になった時にすぐ動かせるようにな」
お、ようやく視界が戻ってきた。
「う〜ん…目が見えるようになったと思ったら四方八方から敵に囲まれてる状況だった」
「“凄く呑気だね“」
「正直この程度の軍勢なら相手にもならん」
「“発言が強過ぎる“」
実際、ホシノ達とこいつらどっちが強い?と聞かれたら真っ先にホシノ達だと答えるな。それくらいの差がある。
「呑気なこと言ってる場合ですか!船が壊されたら終わりですよ!?」
「ちょいと失礼」
俺は近くの機器を操作して船に運び込んだアレと接続する。
「“これって、ゴリアテ?“」
「そうだ。何が来るか分からない状況で俺が動くとその隙を突かれる可能性がある。だからこの場に居ながら戦う為のこいつを用意してたんだ」
「“用意周到だね。もしかして夜の間ずっと車の音とかがしてたのって?“」
「俺が色々と兵器を運び込んでた」
この船は武器が乏し過ぎるから、外部から持ち込むしかないんだ。
『でしたら私も戦えますよ』
「ベアトリーチェか、いけるのか?」
『えぇ、ロイヤルブラッドの神秘はありませんが、アリウス分校の生徒に戦術を教えたのは私です。人数で劣る場合での戦闘も……』
「じゃあそっちにはゲーム開発部が居るだろうし連携して戦ってくれ」
ベアトリーチェはGLを手に持ち、動きやすい様にジャージ姿だった。いつの間にドレスから着替えたんだ。
『ではこちらは私が相手をしよう…我が人工天使、ヒエロニムスならばどれほどのカラクリが傷を付けようとも無に等しい』
「ならそっちは美食研究会と協力してくれ」
マエストロまでやる気とは珍しい、いや、それだけ自分の芸術作品を奪われたのがムカついたって事か。
『私は船内からの援護射撃をさせてもらいましょう。弾薬ならば腐るほどあります』
『まぁそういうこった!』
「頼んだぞ?……いや待てデカルコマニーはそれ見えてるのか?」
『余裕なこった!』
……なら良いか。
「ちょっと過剰戦力だな。ゴリアテは控えさせておこう」
「使える手札は少しでも残しておきたいですしね」
ハッチのところで待機モードにして戦闘を見守っていると、ベアトリーチェは動きこそ鈍いもののそれをテクニックで補っている。遮蔽物や敵の残骸を利用して的確に弱点や目眩しをしてサポートに専念してる。マエストロの方は言わずもがなヒエロニムスが無双してるな。あれもうヒエロニムスだけで良いんじゃないか?ゴルコンダは弾薬を気にする必要がないからか乱射してとにかく数撃ちゃ当たる戦法をとっている。
「マエストロだけ強さが異常じゃないか?ゲマトリア」
「そもそも我々は探究者であって軍人ではありませんからね」
「それもそうか」
外の様子を見続けていると今度は後ろで爆発が起こった。
「……今度はなんだ」
「…どうやら向こうから出向いてくれた様ですね」
後ろを振り返ると俺たちの中心に姿が変わっているシロコが立っていた。髪は伸び、身長も高くなっている。何より、“ヘイローが燻んだ“色になっていた。
「…おかしい………どうしてあなたが居るの?」
「?…何を言ってるんだ。俺がここに居るのは当然だろう?」
「そんな筈ない…ここに居る大人は「先生だけ」の筈」
「…なんだと?」
先生だけ?シロコなら俺の性格を知っているだろ。それなのに俺が…まるで俺じゃなくて“カイザーPMC理事“が存在する事があり得ないと言ってる様な口ぶりじゃないか。
「悪いが事情を聞く前に、ここに来た以上捕まえさせてもらう」
「………」
懐に忍ばせていたルールブレイカーを取り出してシロコ?に向ける。
彼女は無言で走り出し先生に近付こうとするが俺が前に立ってそれを止める。
「さぁ、大人しくしてもらうぞ。友人の生徒にあまり銃を向けたくないのでな」
「……友人?カイザーPMC理事と、先生が?」
「…お前、本当に俺の知ってるシロコか?シロコは俺のことをカイザーPMC理事とは呼ばん」
なんだこの違和感、反転した影響で呼び方を変えたと言うなら納得は出来るが、彼女は俺と先生の関係を全然知らない様に見える。彼女の目からは困惑する雰囲気を感じるし。色彩の影響だとしても記憶まで操作されるのか?
「………」
「…手榴弾!?」
シロコが絶対にしない、先生を巻き込んでも構わないと言わんばかりの攻撃に驚き動きが止まった隙を突かれ。手榴弾を放り投げられた。
「こんの!!」
足で手榴弾に蓋をして爆発する方向を誘導したら俺が上に吹き飛ばされた。
「上に飛ばされるのは子ウサギ公園以来だなぁぁああ!?」
「いやリジー余裕過ぎか!!」
「これでもかなりテンパってるぞ!モモイ!」
空中に飛ばされる途中でアビドス復興委員とゲーム開発部が戻ってるのが見えたが、シロコはいつの間にか消えていた。
「おぉっと!?」
「わぁ、10点満点の着地だね」
「“それよりも大丈夫なの?もろに食らってたけど“」
「安心しろ、RABBIT小隊の地雷でも傷付かない鋼鉄の体だ」
ましてやこの程度の手榴弾じゃちょっと煤が付くだけだ。
「……少し安心出来ないかもしれませんね。先程の爆発によりシステムに異常が発生しました。これでは動かせません。幸いにも爆風は一点に集中した事により大したダメージではありませんが、修復には時間が掛かるでしょう」
「本当ですか?黒服さん。修復までにはどれ程の時間が掛かるのでしょうか?」
ヒマリがそう声を掛ける中でも黒服は難しい顔をして画面と睨めっこをしていた。
「…分かりません。幸いにもここに技術者がかなり居るので短縮は出来ますが……前言撤回します。私は修復に加われません」
「…!?なぜ?この船に詳しいあなたが修復出来ない程のダメージだったのでしょうか?」
黒服が椅子を立ち上がりヒマリの居る場所まで移動して機械を弄り始めた。
「いいえ、「私は」修復に加われないと言ったのです。どうやら砂狼シロコの狙いは先生ではなく、ウトナピシュティムへのハッキング…このまま何もしないままで居ればこの船は掌握される事でしょう。私はそれに集中しなければいけません……ですが一体なぜ?砂狼シロコにハッキングの技能は無かったはず…加えるならばウトナピシュティムに接続出来るのは先生の所有しているシッテムの箱かサンクトゥムタワーのみ、それと同等の遺産が無ければ接続した瞬間その機器のデータが破損する…現状、ハッキングが止まる気配はありません。プレナパテスは該当する遺産を所有していたとでも?」
あぁ、黒服が自分の世界に入ってしまった。これは納得する答えを見つけるか声を声を掛けるまでずっと一人で呟いてるぞ。
『現在こちらからハッキングされている場所を特定しました。エンジニア部の皆さんに送ってもらったデータによると「アトラ・ハシースの箱舟」第4エリアの中央部……多次元解釈エンジン管制室「ナラム・シンの玉座」からハッキングされています…優秀ですね彼女たち、どうです?ミレニアムスクールを卒業したらウチに来ません?』
エンジニア君、今は勧誘してる場合じゃないだろ。気持ちは分かるけどさ。
『リジーには良いデータや資金を貰っているからね。前向きに検討するよ…それとこんな事もあろうかと彼から貰った資金で対ハッキング用のドローンを開発していたんだ。ドラム缶を改造して作った防御システム…その名も「響ちゃん」だ』
「だから原型が無いんだって!!何をどうしたらドラム缶がそんな形になるんだよ!!」
通信機越しに姿を見せたウタハはタワーの様な形になっているドローンを見せてきた。キャタピラ付きのタワーだ。
「…リジー、私はハッキングに対応しなければいけないので説明を省きますが方舟に存在する次元エンジンを破壊してください」
「それが方舟攻略の鍵なんだな?」
「えぇ」
「良し!暴れるのは大の得意だ!任せろ!」
パワードスーツに乗り込んで外に飛び出す。どうせ先生の後から来るだろ!俺はその間に少しでも押し上げないとな。
−−−さぁ反撃開始だ!散々やってくれたんだ。倍返しにしてやる!
【 プロフィール 】
名前:リジー(決戦仕様)
フルネーム:海崎リジー
レアリティ:⭐︎3
役割:STRIKER
ポジション: FRONT
クラス:タンク
武器種:デフォルトSMG&SG(ハーネルMP41ペガス散弾銃)全種類(編成画面により武器、クラス、ポジションの変更可能)
EX:一神秘無き機械仕掛けの軌跡:コスト10
演出:パワードスーツに乗り込みレールガンを構える
直線に対してレールガンを放ち敵に攻撃力の1128%分のダメージを与え、40秒間パワードスーツに乗り全ステータスを51.4%上昇
NS:定まった結末を覆す
40秒事にミサイルを放ち1体の敵とその付近の敵に攻撃力の573%分のダメージを与える
PS:決して壊れぬ盾
HPを26.6増加
SS: 大きな背中
アビドス復興委員、便利屋68、ゲーム開発部、トキ、アビドス傭兵団、アリウス学園、RABBIT小隊の回避率・防御率を20%増加