成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

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九十四話 そりゃもう一回来るよなぁ!

 

 「先生を回収!」

 「“あれ?パワードスーツに乗ってないの?“」

 「こっちは今数が少ないからな。少しでも手数を増やす為にオート戦闘にしたんだ」

 『もちろん操作しているのはこの優秀なAIのコンです』

 

 先生をパワードスーツに乗せて俺は電ちゃんの上に立ちSRで近づく敵を狙撃していく。俺が撃ち漏らした敵はコンがARで一掃していくといった感じで第二エンジンまであっさりと辿り着いた。

 

 「“この二人ちょっと強過ぎない?“」

 「いや正直言ってゲヘナの風気委員長に勝てる気はしない」

 『良くて引き分けに持ち込めるくらいですかね?』

 

 いやぁ、彼女の戦いっぷり見てたけどありゃ普通にやってても勝てないわ。

 

 「……生身で戦えるなんて知らない。あなた…一体誰?」

 「それは俺のセリフだ!さっきからお前俺のことをカイザーPMC理事としてしか見てないじゃないか!なんなんだ!」

 「………行って」

 

 今度は砲台を連結したケテルが俺たちの間に滑り込んできて開幕早々ぶっ放してきた。

 

 「あぶね!」

 『反撃開始!』

 

 パワードスーツを盾にして砲弾をやり過ごすと俺とコンでお返しにGLとRLをお見舞いした。

 

 「ッチ、今回は先生を奥に行かせる事は出来なさそうだな」

 『ケテルの耐久度も上がっています。シロコさんを相手にしながら戦うとなると……厳しいですね』

 「“……二人とも、ちょっと耳を貸して“」

 

 先生から耳打ちをされて、本当にそんな単純な作戦が上手くいくのか?と言うほどに単純な作戦を聞かされたが、自信満々だし、言うことを聞く事にした。

 

 「しょうがない……捕まえた!」

 

 近くに寄ってきた四角いのを捕まえてルールブレイカーを構える。本当に大丈夫なんだろうな?これ。

 

 『シロコさんすみませんが大人しくしてもらいますよ!』

 「……」

 

 コンがARやミサイルでシロコを追い詰めていくが涼しい顔をしているから態と追い詰められたフリをしてるんだろうなと言うのが分かる。

 

 「だぁもうケテルはともかくこのちっこいのが本当に鬱陶しい!!」

 

 武装が砲台だから俺が当たると危ないが正直当たる気がしないから気にする必要がないし、シロコはコンが相手しているから俺が相手するのは必然的にこのチビになるわけだ。

 

 ケテルに出来るだけ与えないようにして注意を引き続けている間にコンがあちこちを走り回りシロコを追い掛ける。

 

 近寄ってくる四角いのを倒して横目で見るとケテルが砲撃の準備、シロコがケテルと直線の位置に着地するのが見えた。

 

 「“リジー!“」

 「っふん!」

 

 ケテルの砲身に四角いチビがホールインワン!我ながら素晴らしい投擲能力だと思う。

 

 砲身が詰まったケテルは自爆してダウン。その瞬間に先生がタブレットを操作すると、俺の体が淡い光に照らされ勝手に動き出す。

 

 「っ!?…先生、何をした!?」

 

 俺の体が勝手にパワードスーツの中に乗り込んでRGが真正面に向いた。RGはシロコを巻き込んでケテルに命中し、ケテルがワイヤーで撤退した。そのついでに奥にあるエンジンも壊したみたいだな。

 

 いや、でも今のはなんだ?まるでEXスキルみたいな動きを……え?マジで?

 

 「…先生、今のはなんだ?」

 「“コストが溜まったからEXスキルを撃っただけだよ“」

 「お前いつ俺にシッテムの箱を使った!?そもそも俺はお前の生徒だったのか!?」

 「“出来ちゃったからつい……“」

 

 いや、「出来ちゃったから」じゃねえんだよヘイローないし生徒でもない俺がなんで先生の指揮下にあったんだ?

 

 『リジー、これは仮説なのですが。先ほどの侵入の時…私たちはアリスさんと繋がりが出来ました。それは表面的なものではなくもっと概念的なモノで……その時に私たちにもほんの少しですが…名もなき神々の王女の力が流れ込んでくるのを感じました。アリスさんと言う生徒を通して私たちにも先生との繋がりが出来たものと思われます』

 

 ふむ、一応筋は通ってるのか?神秘が無い俺の体は受け皿には丁度良さそうだし。

 

 「……」

 

 シロコが一瞬眉を顰めたと思うとまた撤退しようと歩いていく。アレは一体どう言う原理で移動しているんだ?

 

 「待って!!」

 「シロコちゃん!!」

 「っ……」

 

 後かやらやって来たホシノたちが声を掛けると、シロコが一瞬だけ動揺していた……まるで彼女たちを怖がっている様に。

 

 彼女の浮かべた表情について考えていると、その間にまた逃げられた。

 

 「……むぅ」

 「“どうしたの?“」

 「いや……俺とホシノたちの差は一体なんなのかと思ってな。俺に対してはどこか敵を見る様な、お前がどうしてここに居る?みたいな困惑と敵意を感じるんだが…ホシノたちを見る目は諦めと恐怖を感じるんだ」

 

 反転しただけでそんな事になるのか?

 

 「リジーもそう思った?…あのシロコちゃんは私たちと向き合うのを恐れているような…」

 「な、なんで……!?怖がる必要なんてないじゃない!」

 「…そう、無いんだ。シロコが反転したところでその根本の性格まで変わる事は無い。だけど彼女はどこか致命的に、俺たちの知ってるシロコとは違う気がするんだ」

 

 気がするだけで、俺の気のせいかもしれないけど。色彩やプレナパテスについて何も知らなさ過ぎる。黒服も詳しい事は分からないみたいだし…やっぱり彼女から直接聞くしかないか。

 

 「まぁまぁ、リジーも考え過ぎないでさ。ここからは私たちも一緒に行くし、捕まえてから事情を聞こうよ…ね?」

 「そうよ!捕まえて事情を聞き出すんだから!」

 「…猫が狼に噛み付くところを見る事になるとはな」

 「それ関係ないでしょ!?」

 

 いや、ふと考えてしまったんだからしょうがなくないか?ちょっと場を和ませようとしただけだけど

 

 −−−シロコが敵になって参ってるだろうなと思って、そんな事はなかったな

 

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