成り変わりカイザー理事の奮闘物語   作:CoCoチキ

99 / 179
九十九話 決まった結末なんて存在しない

 

 「“ゲーム開発部とシロコはリジーとコンの後ろの隠れて、リジーとコンはシールドを“」

 「ぐぉ!?ヘリがピンポイントでロケットを撃ち込んできやがった!」

 『この程度の威力なら余裕で耐えれますね』

 

 コンからシールドを受け取って爆風を上に逃すように構えた直後、強烈な衝撃が腕に加わった。

 

 『すご〜い!ロケット弾を正面から受け止めたよ!』

 『しかも受け流しも完璧』

 「モモミド姉妹は感心してないで撃て!」

 

 相手のシロコがドローンを飛ばすがこっちのシロコもドローンを飛ばしてミサイルを相殺してから、俺の肩の上に飛び乗り手榴弾を投げた。

 

 「…ん、あっちの私がなんか光った。気を付けて」

 「“全員アリスのところに集まって!“」

 『頭上より高エネルギー反応!』

 「なに!?」

 

 慌てて後ろに下がると上からビームが降り注いで時計回りをして消え、その途切れた瞬間を狙って彼女の蹴りが飛んできた。

 

 「あっぶね」

 「本当に……あなたはしつこい!」

 

 蹴りを受け流し、連続で繰り出される蹴りやパンチを全部避け、HGで反撃したけど彼女もシールドで受け止めバックステップで距離を取られた。

 

 「“リジー!レールガン!“」

 「俺への指示が雑じゃないか!?」

 

 パワードスーツに飛び乗りフルまで溜めてからプレナパテスごと撃ち抜くが、プレナパテスに当たる寸前に左へ曲がり少しだけ壁を抉っただけで終わる。

 

 「やっぱり当たらんか!」

 「“狙いはリジーのステータス上昇だから別に当てなくも良い“」

 『おぉ〜!アリス以外にも光の剣を持っている人が居ます!』

 『別の場所のアリスさん、あれは魔剣です』

 

 別の場所の生徒でもマイペースなのは変わらないな!

 

 今度はプレナパテスが何か画面を弄ったと思ったら視界が白に覆われてアビドスの砂漠に変わっていた。

 

 「これは……」

 「…はい、あげる」

 「しまっ!?」

 

 砂漠に変わった事に気を取られていると目の前にシロコが迫っていてEMP爆弾を放り投げてきた。

 

 −バン!

 

 「ガァッ!?」

 

 シールドで咄嗟に防いだけど、それでも完全には防ぎ切れずにEMP爆弾を食らった。

 

 「だ…が、さっき、よりはマシだ」

 「“コンはリジーをパワードスーツから降ろして前に出て!リジーは足が動くなら後方へ移動!ウタハはリジーの前にドローンを出して!“」

 『分かりました!』

 「“シロコとモモイで相手を牽制して!“」

 

 多少の痺れがあるが、それでも動く事は出来るな、ヘリからの攻撃が来たが、先生の指示のお陰でどうにか食らわずに済んだ。どうやらパワードスーツにはEMP対策がされてたみたいで特にダメージも無さそうだ。

 

 「“アヤネ、リジーに回復物資をお願い“」

 『任せてください!先生!』

 

 俺を中心に物資が投下されて痛みが引いていく。どう言う原理なのか分からないが着地した瞬間に効果が発動するのは凄いな。

 

 『雷ちゃんと似た構造の物があるけれど、あれは?』

 「こっちのウタハが作った自立走行の机、電ちゃんと水鉄砲の暁ちゃんだ」

 『ほう、素晴らしい』

 

 そう言いながらもミニ雷ちゃんは出すんだな。これは何を改造した物なんだ?ミニチュアの椅子か?

 

 俺はシールドを水平に持ってモモイとミドリを呼ぶ。

 

 「ジャンプ台は好きか?」

 『もしかして…コンビネーションアタック!?やろう!』

 「アリス!シールドの端を持ってくれ!」

 

 シールドは俺の体格に合わせて作られた物だから一人なら余裕で乗れるスペースがある。

 

 「それじゃ一気に行くぞ。せーの!」

 『光よ!!』

 『私の怒りの弾丸を食らえぇええ!』

 

 モモイを最初に上に飛ばしてシロコに攻撃させる。流石に上からの攻撃と下からの攻撃は避け切れないだろ。

 

 「ミドリはヘリのプロペラの軸を撃ってくれ。せーの!」

 『光よ!!』

 『結構楽しいかも!』

 

 さっきから鬱陶しかったヘリをミドリに撃ち落とさせた後、モモイとミドリをキャッチした。

 

 『ナイスキャッチ!』

 「そりゃどうも、ん?お前ら!危ない!」

 『わぁ!?』

 

 シールドを拾って俺の後ろに二人を隠しながら砲弾を弾くがそれでもそこそこの数の砲弾が俺たちに当たった。

 

 「ッチ!先生が生徒を指示するならプレナパテスは兵器ってか?」

 「“そろそろ相手のシロコの体力が削り切れるから頑張って!“」

 「それもシッテムの箱の機能か?便利だな」

 

 彼女がSGで攻撃してくるのを同じようにSGで相殺して、MGで乱射してくるのをシールドを持って至近距離まで接近して全部の弾丸を受け止める。

 

 「“今だ!ユズ!“」

 『標準は、定まりました!』

 

 さっきから静かにしていたと思ったら、トドメを狙うために温存してたのか。

 

 『レトロよ……永遠であれ!』

 「…っ!」

 

 ユズの撃った弾丸はGLにも関わらず相手のシロコがいる方向に曲がって着弾し、ゲームチックな爆発を引き起こした。

 

 「元の場所に戻った…」

 「シロコ、油断するな、プレナパテスが何かしたぞ」

 

 何だ?いま何かを砕いたように見えたが。何をした?間違いなく彼女を戦闘不能にまで追い込んだ。

 

 相手のシロコがドローンを取り出し、それからミサイルが発射されるのを見て何か嫌なものを感じ取った。

 

 「全員俺の後ろに隠れろ!」

 

 俺の後ろに全員を隠し、シールドを構えた直後、最初に受けたヘリのロケットの比にならない程の衝撃が腕に走りシールドが吹き飛んだ。

 

 「っぐ!」

 

 腕をクロスして出来るだけ後ろにミサイルが行かないように受け止める。

 

 「“アヤネ!リジーに回復物資!モモイはEXスキルで牽制!ミドリはリジーに回復、ウタハはドローンを向こうのシロコの前に!シロコとコン、ユズは爆撃をして向こうの視界を遮って!アリスはレールガンをチャージして発射!“」

 

 間違いなくさっきより威力が上がっている。バフを掛けたのか!

 

 ARとSMGに持ち替えて前線に戻ろうとすると、先生に止められて耳打ちをされる。

 

 「“コストが溜まるまで少し待って“」

 「……分かった」

 

 先生に言われた通り、その場に止まり怪しまれないようにダメージが大きくて銃が持ち上げられない風を装う。

 

 『足が速くて、パワードスーツでは追えません!』

 『諦めないで!コンちゃん!きっとチャンスは来る!』

 

 確かに、速い、あの速度で走る彼女にRGを当てるのは至難の技だ。どうする。

 

 「“彼女の動きを予測出来ない?“」

 「……演算や計測は全部コンに任せていたからな、出来るかは分からんがやってみるさ」

 

 内蔵されている演算システムを起動して彼女の行動パターンを解析する。動きの中にはある癖があるのを見つけて、その時が反撃のチャンスになる事が分かった。どうやら彼女はEXスキルだけじゃなく行動パターンまでホシノたちを模倣している時がある。

 

 「“いま!“」

 「こっちに来い!コン!」

 『了解です!』

 

 俺は一瞬で立ち上がってパワードスーツに飛び乗りMGを乱射する、もちろん当てるのが目的じゃない。

 

 「……無駄」

 

 MGの弾が迫るのを見て彼女はボソリと呟き、シールドとSGを構えた。

 

 「それを待っていた!」

 「……!!」

 

 ホシノのEXスキルを使った時には必ず足を止める、それにバリアも張られないからここがチャンスだった。

 

 これで俺のEXスキルを当てれば勝ちだ!

 

 「終わりだ!」

 「………」

 

 床に着弾したRGは大爆発を起こし、先生たちがその爆風で少し後ろに仰け反っていたが、それでも前を睨み付けていた。

 

 「………そっか……そっか」

 

 彼女がそう小さく呟いて、その場に倒れ込んだ。

 

 「……どれだけ経験を積んでも。あなたが居るんじゃ、勝てないんだね」

 「…いいや、俺が居なくても、お前は勝てなかっただろうな。なんせ俺は一度も先生に勝った事がないから」

 

 俺は彼女の側に寄って座り込む。

 

 −−−ようやく落ち着いて話せるな。シロコ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。