R18ソシャゲの世界に転生したのだが、無条件の忠誠心を示す『英傑美少女』たちが恐ろしい件 作:たたたった
「終わったのか……やっと、これで解放され……る……」
最後の1人となる英傑美少女を穿つ肉杭を引き抜いて、そのまま床に崩れ落ちる英傑の姿を見ながら、俺が10日間を超える種付けバトルロワイヤルの激闘を制したことを理解する。
庭園に広がる景色はまさに酒池肉林。524人という英傑美少女たちが果てた証として、ベッドやカーペットのみならず、テーブルにまるで調理された料理のように様々な体位で並べられる英傑たち。果ては木の上に全裸でぶら下がった者を含めて、あらゆる英傑たちの要望に応えてプレイをした結果、とても筆舌に尽くし難い程の惨状を作り出してしまった。
体感で10日間くらいか……?飲まず食わずで、寝ることもできずに狂ったように種付けセックス……どんな性豪でも枯れて死ぬような状況だったのに、俺は生き残ったぞ……ッ!世界の時間は再び歩み出した!この長い戦いは終わったんだ!
灼けるような股間の痛みに耐えながら、全裸で空を見上げれば瞬く星の輝きは、世界が正常に戻ったことを告げている。
無音の静寂が支配する世界から、時が止まっていた524人の英傑美少女たちが快楽の余韻に耽る嬌声が聞こえ、そして地面に寝そべる英傑たちはまだもの足りないとばかりに、誘うようにこちらに流し目と腕を伸ばしてきた。
ずりぃ……ずりぃ……っ。
それは這いずるゾンビのように、底なしの性欲に本能まで支配された英傑美少女はにじり寄る。
これが腐った死体ではなく、絶世の美女や美少女だろうと孕む狂気は掛け値なしの本物であった。心底、縮み上がりそうな光景を前にして、俺は震える声を必死に抑えながら性獣と化した英傑たちに向かって叫ぶ。
「貴様ら……ッ!もう
俺は咄嗟に身を翻して、庭園から全力で逃げ去る。流石に妊娠した英傑美少女を踏むことは出来ないので、地面を埋め尽くす英傑たちの肉床を踏み抜かないように慎重な足取りで、そして絡める触手のように襲い来るその腕から逃れ、国王である俺の名を呼び肉欲の底へと沈めようとする誘惑の声を振り切り、なんとか王城内の廊下まで辿り着く。
「はぁ……はぁ……なんとか逃げ切った。あの色欲猿共めっ!どれだけ俺から精を絞り尽くせば良いんだよ!」
回復魔法の間違った運用方法というものを身に沁みて理解した10日間だった。
英傑美少女たちを抱いて、どれだけ精も根も搾り尽くされようとも、回復魔法を掛けられれば、次の瞬間には準備万端の状態にさせられるのだ。
精力ヨシ!体力ヨシ!気分が落ち込んでる?なら、精神系バフでヨシ!こうして、心身ともに枯れようとも、英傑美少女たちの支援魔法を掛けられれば、あら不思議、まるでヤクを打ち込まれた兵士のように精力漲る性豪へと肉体改造させられる。連戦を超える連戦で性欲が落ち込もうと、そこにたっぷりと英傑の最強支援魔法をぶち込まれれば理性はぶっ飛び元気になる。
それはもう肉欲の天国ではなく、淫獄という地獄で種付けマシーンとなった俺は、気持ち良いけど二度と体験したくないという摩訶不思議な状況を味わい尽くした。
「風呂入ろう……ちょっと身体が色々と洗わなくちゃいけない状況になってる」
体液でべっとりした身体を見て、王城内にある浴場へと向かう。本音を言えば、このままベッドにダイブして朝までぐっすりと眠りたい位には、肉体的にはどれだけ元気でも、精神というか魂という根源的なものが摩耗している感じがするのだ。どれだけ魔法でドーピングしても無理が出てくるのだろう。
王家のためだけに作られた豪奢な浴場。黄金と白金で作られた浴室で、まずは湯浴みをして身体を洗ってから風呂に入る。本来なら湯番としての英傑美少女が、俺の要求に合わせて薬湯を用意してくれるが、その肝心の薬師が庭園でのびているので、残念なことにただの湯に浸かるしかない。
ゆっくりと肩まで湯に浸かりながら、524人との死闘を果たした俺の疲労を解していく。
「明日には526人の子供……自重をしなかったら、毎日のように倍々に子供たちが増えていく……俺が色に狂ったら王国が終わる。毎日のように種付けパーティーをしていたら、闇の軍勢との開戦の日には10万を超える子供たちで王城内どころか城下町まで溢れ出す……自重しよう。これ、自重しなかったら王家の血が爆安叩き売りしてるようなもんだろこれ」
今回のようなイベントが発生する度に王国で人口が大爆発を起こす。
1日で妊娠と出産まで終えるという、頭の悪いエロソシャゲの世界観。子供の成長も1日で成人といえる10代半ば辺りまで、すぐに成長するので子育てのための負担が少ないことが救いだろうか。ゲームならば強大な戦力を大増産であるが、生まれて1年も経っていない子供を戦場に送り込むほどにトチ狂ってはいない。
英傑美少女は死んでもカードに戻るだけだが、生まれる子供たちは蘇ることがないのだから。
「戦力としていくら期待できようと、子供にそんなことを背負わせたくないからぁ……」
とはいえ、母親である英傑の血を引き継いだ子供たちなのでポテンシャルは凄まじい。
危険のない王国内での後方支援として働くだけでも十分に王国に貢献できる。恐れることは、戦場で死ぬという取り返しのつかない事態であり、それだけはなんとかして避けなければならない。そして闇の軍勢との戦争に負けて、こちらの破滅となれば自分だけではなく、英傑美少女とその子供たちの命にも直結するので、直接的な戦力ではないが子供たちにも頑張ってもらわなければならない。
「まぁ、そこら辺は色々と調査しないとな……現実とゲームの差異も気になるし」
湯船の中で色々と考えを巡らせるが、結局は検証するまで答えは出ない問題なので考えるのをやめた。
身体を綺麗にしたし、湯船に十分に浸かったので、そろそろ浴室から出ようかと扉を開けようとしたら――――
「あっ、お父様。庭園での祝宴はもう終わったのですか?」
「終わったよ。うん、十分すぎるほどに堪能した」
「なら、明日には可愛い妹たちが524人も誕生するのですね!楽しみですわ!」
「うん、うん……お前は本当に良い子に育ったな、シトリン」
「どうしたのですか……?私の何がお父様を喜ばせるようなことを……」
母親たちのような性欲滾る瞳で見つめてこない純真さ……ッ!やっとまともな関係を築けた……。
――――娘であるシトリンと出会い、この短い会話だけでも俺は感動のあまり涙を流してしまう。
まともなのだ。英傑美少女たちのように、全裸である俺を肉食獣のような獲物を見る視線を寄越さないし、踏んでくださいとか、罵倒してください、とか倒錯したようなSMプレイも要求なんてしない。この世界に来てからやっと出会えた真っ当なコミュニケーションが成立する存在、こんな当たり前のような会話すら英傑美少女たちとでは成立しない。
これだよ……っ!俺の求めた普通のコミュニケーション!これが英傑美少女だったら、局部をガン見して床に這って下からのアングルで普通に覗いてくるからな……ッ!そして不敬ですまみせん、からの罰として踏んでくださいのスリーコンボ!
「シトリン……お前はそのまま純真な心で育ってくれ」
「大悪魔にそのようなことを言われましても……いえ、お父様の望みならば私も応えてみせますわ!」
互いに裸ではあるが、親子であるからそこまで気にはしていない。というより、気にしなさすぎてちょっと不安になるが、考えてみれば生後1日も経過していない娘であることを思い出す。つまり、まだ色欲の大悪魔と化した母親であるセスラに毒されていない。あの大悪魔はボテ腹になっても、性欲が衰えるどころか滾りに滾っているので恐ろしい。
俺の言葉で俄然としてやる気を出すシトリンの姿を見て、このまま純真に育ってくれという親のエゴが見え隠れする自分の心にちょっと恥じ入りながら、すれ違うように浴場と浴室を互いに移動して。
「そういえば、お母様が妹を出産なさったので、第三子となる御子を望みに寝室で待っていますわ」
「そうか……産んですぐに仕込みに入るか……そうか…………そうか……ぐっ――――ッ!!」
シトリンの前では悪態は吐けない。本音では、あの色ボケ悪魔のクソッタレ!と大声で罵倒したい気持ちはあったが、シトリンはマゾではないので父親の罵倒を聞いても困らせるだけだろう。母親のセスラは恍惚と天上の音色を聞くように俺の言葉に耳を傾けるが、娘にはそんな子には育って欲しくない。
俺はなるべく平静を装いながら、浴室にある服に手を付けて浴衣に着替える。そしてもちろん、行き先は寝室ではなく、これ以上のセックスは魂を削り摘まれるので緊急避難場所へと逃げ込む。
「王家の者しか開けない宝物庫……そこに朝まで布団を敷いて寝よう」
金銀財宝、古今東西の宝物と魔道具に溢れる王庫という最強の警備の敷かれる場所で、朝まで色ボケした英傑美少女たちの来襲を逃れることにした。
(あれ……?クランべリアはシトリンの傍付きなんじゃ……部屋で待機してるのか?)