帝都初恋剣戟譚 作:新免ムニムニ斎
【登場人物】
・
帝都大学の植物学講師。26歳。
旧姓は「
十一年前の日ソ戦時、山岳ゲリラとしてソ連軍と戦った『
刀一本で数多の敵兵を斬殺してきた『玄堀の首斬り小天狗』として名高い剣豪。
現在は幼馴染の
剣は非常に達者だが、射撃は大の苦手。
・
静馬の幼馴染にして妻。26歳。
明治時代に北海道の玄堀村へ移住した仙台藩士「藤林氏」の系譜を持つ。
日ソ戦時のゲリラ戦に参加した経験もあり、腕はそれなりに立つ。
虫も殺せないくらい優しかった静馬が「首斬り小天狗」に変じていく様子を、心を痛めながら見ていた。
・
神奈川県代表校、
中学三年生。
帝国陸軍の研究所『
生粋の科学オタク。
同級生の蓮美に好意を抱いており、彼女にお近づきになるために撃剣部に入った。
叔父から教わった
・
神奈川県代表校、中陸中学校撃剣部所属。
中学三年生。
撃剣部のエース剣士にして、一満の想い人。
昔、テレビで天覧比剣を勝ち抜く
復元された
・
北海道代表校、玄堀中学校撃剣部部長。
中学三年生。
十一年前までは
玄堀村の同世代の中で最も剣が達者。特に山歩きで鍛えられた強靭な足腰を活かした当身は、成人男性でも軽々と吹っ飛ぶほど。
玄堀村に伝わる柳生心眼流を使う。
・鴻翠剣(こう すいけん/ホン・ツイジェン)
帝国陸軍の研究室『特研』に協力していた中国人。
近代中国の裏社会で暗躍していた一族「鴻氏」の子孫であり、家伝の武術「
『特研』の室長である篤彦の依頼で村正を追跡し、その居所を見つけるも、村正の『呪剣』によって自刃させられ、帰らぬ人となった。
娘がいる。
・
光一郎が神田の駄菓子屋で出会った黒髪の美少女……に見える美少年。
千代田区予選で光一郎の試合を見て惚れ込み、知り合えたことを喜ぶ。
光一郎と年が近いが、その若さで至剣流を皆伝している天才。
整った所作と言葉遣い、リムジンで送り迎えを受けたりといった所を見るに、非常に良い家柄の生まれであることがうかがえる。
特撮ヒーロー、特に「ベクターシリーズ」が好き。
・トーシャ(アナトリー・エドゥアルドヴィチ・
世界各地で暗躍するロシア系マフィア『
日本国内における諜報活動や浸透工作を行っている。
ソ連が存在していた頃はKGBのエージェントだった。水面下で行われていた日米同盟計画の存在を掴んでモスクワに流し、日ソ戦争の火種を作った張本人。
会津戦争にて敗残した会津武士の系譜を持ち、薩長の延長線上にある現在の日本を強く憎悪している。
祖先から代々伝えられてきた至剣流を体得している。さらに至剣を二つも持っているという、至剣流の長い歴史においても前代未聞の逸材。
【至剣覚書】
『
〈体得者〉
〈概要〉
常識を超えた速さと威力を誇る一太刀。
刃が無いはずの木刀にすら無双の斬れ味が宿る。
その名前は、イザナギがカグツチを斬殺するのに使った神殺しの剣「天之尾羽張」の別名に由来している。
『
〈体得者〉
〈概要〉
自分に対する一時的な認識障害を相手に起こさせ、次の動きを読めなくする。
相手にはまるで、自分があたかも煙のような不定形になったように視える。
次期家元である寂尊にすら、この至剣を先読みするのは難しい。
→『
〈概要〉
『級長戸辺ノ太刀』を剣のみに作用させたもの。輝秀はこれを己の至剣であると偽っていた。
『
〈体得者〉
〈概要〉
斬りつけた相手に「呪い」を付与し、それによって自害および他害へと衝動的に駆り立てる。
ほんの小さな切り傷でも「呪い」はかかり、一度かかれば『呪剣』の使い手が死ぬまで続く。
使い方次第では、一国すらも滅ぼし得る非常に危険な至剣。
『
〈体得者〉
〈概要〉
「金の
その「金の蜻蛉」が飛翔して虚空に刻むのは「必勝の軌道」。それを剣尖で追いかけることで、その剣にも「必勝」を宿らせる。
「必勝」の宿った剣は、いかなる相手の剣も防ぎ、いなし、確実に勝利へと導かれる。
勝ち虫は止まらず、退かず、ただ勝利へと真っ直ぐに飛翔し、やがて「想い人」の元へと辿り着く。
そしてこの至剣に名を付けたのもまた「想い人」である。
→『劣化・蜻蛉剣』
〈概要〉
「金の蜻蛉」を一瞬だけ見ることができる。
その蜻蛉の位置が表すのもまた「必勝の軌道」だが、それはそのほんの一部に過ぎないため、素早くそこへ剣尖を合わせなければ「必勝」はすぐに過去のものとなり、効力を失う。
さらに、至剣を中途半端に使っている「半至剣」なので体力の消耗も激しく、連発すればすぐに疲れ果てる。
『
〈体得者〉
〈概要〉
己の構えを見た特定の相手に剣気を送り、強烈な「死のイメージ」を植え付ける。
これを受けた相手は、己のあらゆる死に様を鮮明に、何度も見せられる。それによる精神的負荷は凄まじく、ショック死することもある。
日ソ戦時、銃を撃ってこようとしたソ連兵を触れることなく殺害したことがある。超能力を研究する『特研』という機関が今なお小規模ながら帝国陸軍に存在し続けているのは、ひとえにこの至剣のせい。
『
〈体得者〉
トーシャ
〈概要〉
飛ぶ斬撃。
文字通り、刀の届かない遠くまで、振った刀の斬撃が届く。
「近づかないと戦えない」という刀剣の不利を克服したような至剣であり、これを使えば銃器で武装した相手とすら互角に戦える。
『????』
〈体得者〉
トーシャ
〈概要〉
トーシャが体得しているもう一つの至剣。
コンクリートの柱を豆腐のごとく切り裂く恐ろしい威力を誇る。
『
〈体得者〉
〈概要〉
あらゆる身体能力を底上げする。
そこに雷蔵の豪剣が加われば、まさしく連続爆発のごとき連撃で相手をねじ伏せられる。
単純な能力だが、それゆえに強力。
使用時は心拍数が上昇するため、肌が真っ赤になる。
『
〈体得者〉
田中太郎
〈概要〉
三本足のカラス『八咫烏』を見ることができる。
『八咫烏』が虚空に刻む軌道は「王道」。
その「王道」を辿って歩けば傷一つ付かぬ平穏が約束され、剣尖で「王道」を追いかければ絶対的な防御が約束される。
『蜻蛉剣』に効力が酷似した至剣。しかし『蜻蛉剣』が「絶対に勝つ剣」であるとすれば、『八咫烏』は「絶対に負けない剣」。
神武東征の古事に登場する、導きの霊鳥のごとく。