SAO-絶剣と怪物狩り   作:小説大工の源三

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大変お待たせして申し訳ない。

ホント執筆速度遅くて申し訳ない。


砕けない絆

シュバルトside

 

 クエストNPCを連れて、リンド達がいるダンジョンへ入り、テリー達から先に聞いていた敵mobを集団でリンチしながら蹴散らして、奥へと走っていく。

 

「確かこの先だね!」

 

「ああ!」

 ふと、起きて欲しくない事が脳裏をよぎる。

 

 もし、リンド達が受けているクエストと僕達が受けているクエストがインタンスだった場合だ。

 第三層で受けたエルフクエストの野営地のように、位相が違うようなことになっていたら、僕達はリンド達を助けることができない。

 そうなっていない事を祈りながら、僕は通路を走る。

 

「おイ! 見てみろヨ! あそこに扉が出来てるゾ!」

 

 どうやらこれがクエストによって生まれた扉のようだ。

 

『ここから先は、青き闘士が待つ闘いの間。ここでの戦いを制さずして、神に遣われしかのお方と闘う資格はありません。あなた方なら、青き闘士に打ち勝つと信じております──ご武運を』

 

 そう言ってクエストNPCはパーティを離脱して、扉の隣に立った。

 

「オイラ、ちょっとNPCと話して来るヨ。その間にシュバルトは準備をしていてくレ」

 

「わかった。アルゴも終わったら教えて」

 

 僕はストレージ内のアイテムを整理しながら、今使っている武器の耐久値を確認。割とやばかったので、砥石を使い、切れ味を元に戻して、耐久値を全開とはいかずとも、鍛冶屋に持って行かなくても大丈夫なくらいには戻った。

 このあとに、闘うであろうボスとの最中、いきなり武器が砕けて隙を晒すことはないだろう。

 

 アルゴがNPCとの会話を終え、その内容を報告する。

 

 どうやら、ボスフロア周囲にある待機部屋の天井が下がって来る仕掛けがあるそうだ。

 しかしリンド達がそれを知らずに入ることはないはずだ。情報の欠落は死につながる世界で、それを怠るような真似をする人ではない。

 

「何者かが、リンド達を煽ったんだろうナ」

 

「例のPK達か……」

 

「奴らは何を考えているんすかね……」

 

「殺人鬼の考えなんざ、分かりやしないし、分かりたくもない」

 

「とりあえず、リンドさん達を助けないと」

 

「ええ。木の実が光っているのに、連絡が取れないのも何かあったのかもしれないわ」

 

 しばらく通路を進んでいると、遂にボス前の待機部屋にまで辿り着いた。その待機部屋の中央ではリンド達が立ち往生していた。リンドの隣に立つシヴァタの姿を見るなり、リーテンは全速力で駆け出す。

 

「リッちゃん!」

 

「シバ…! 私、助けに来たよ……!」

 

「ありがとう……リッちゃん。来てくれるって信じてた」

 

「私も、シバが絶対生きてるって、信じてた」

 

 シヴァタの無事な姿を見たリーテンは嗚咽混じりの声を必死に絞り出す。

 

 そんな2人の雰囲気に魔を刺すのも悪いので、少し離れた位置にハフナーが居たので、そっちに事情を聞くことにした。

 

「ハフナー、無事でよかったよ」

 

「シュバルト。まぁな……シヴァタの機転でなんとかな」

 

「? それは一体…?」

 

「あの出っ張りを見てくれ」

 

 ハフナーが指を刺した先に、リーテンが持っていた木の実と同じ光が天井と出っ張りの間から放たれていた。

 

「アイツ、彼女との大事なお守りだってのに、躊躇うことなくあそこに噛ませて、天井を止めたんだよ。なんで木の実一つで止まってるかわかんねえがな」

 

「……もしかして、あのお守りの耐久値とんでもないんじゃ」

 

 リーテンに見せてもらったお守りの詳細を思い出す。

 

 確か、アイテムの耐久値は……

 

「999だ……」

 

「何がだ?」

 

「木の実の耐久値が」

 

「マジかよ……」

 

「2人の絆のおかげだね」

 

「……確かにな」

 

 全員の無事を確認した僕達は、例の木の実の状態を確認してもらい、しばらく大丈夫なことを把握して、ボス部屋へと突入する。

 

「それじゃあ、さっさとボスを倒して帰ろうか!」

 

「「「「「おう!!!」」」」」

 

「今回の指揮権はシュバルトさん! 任せて構わないか…!」

 

 リンドが、今回の戦闘では1人の人員として闘うことを表明する。

 どうやら、彼は今回の事件で迷惑をかけた分、戦闘で貢献しようとしているようだ。

 

「わかった!」

 

 僕はそれを了承した。

 ボスフロアの奥に居たのは、宝石の原石が集まり、そのまま動き出したような姿をしたゴーレムで、名前は『ブルーライト・ゴーレム』。鉱石の名前そのままのゴーレムだった。

 

 まずは奴の攻撃を知るために、HPがイエローゾーンに突入しないよう防御重視の立ち回りでいく。

 

「チームA! 右からガード姿勢のまま近づいて!」

 

 チームAがゴーレムに近づくと、左上にある尖った鉱石が、回転しながら、ゴーレムの足元周辺にいる彼らを薙ぎ払う。

 

 防御重視の立ち回りをしている彼等は問題なく回避し、攻撃の後隙に単発SSを叩き込む。

 それで減ったのはミリ程度だった。

 

 防御主体組でこの程度か……当たった部位を考慮して……連撃系且つダメージの通る所なら、この人数でも行けるな。

 あくまでもダメージを与えるのみならだが。

 次いで右側の大きな鉱石の塊は左に比べて動きは遅く、命中制度もそこまで高くない。

 一撃の威力は相当なものだが、攻撃を避ける余裕は現状、余裕だ。

 

 しかし、チームAが距離をとったその時、ゴーレムはコアである真ん中の巨大な鉱石から青白いレーザービームを放ってきた。

 距離をとったので、不意打ちを喰らったが、誰1人当たることはなかったのが幸いだった。

 

「何っ!?」

 

 チームAの1人が驚愕した声を出す。

 なんと、ゴーレムの周囲に浮いている鉱石が襲いかかって来たのだ。

 

「任せろ!」

 

 声上げたFWKの1人の前にシヴァタが盾を構えて前に出る。

 

「ぐぐっ…!」

 

 ががががっ! と、鉱石が何度もぶつかる音が響く。

 

「舐めるなぁ!」

 

 シヴァタは盾を横に振り払い、そのまま剣を振り下ろし、鉱石の一部を斬り払う。

 しかし、鉱石の群れはシヴァタの後ろから突撃して来る。

 

「ぐっ…! くそっ…キリがない!」

 

 シヴァタが盾を再び構えて鉱石の嵐を防ぐが、盾の範囲から漏れた小さいのが彼の身体にヒットし、HPを僅かに削る。

 

「この野郎!」

 

 ハフナーが両手剣を構えて突進系SSのアバランシュで、中央のコアを斬りつける。

 攻撃が通りやすい部分だったようで、鉱石の群れの動きが悪くなり、シヴァタに当たることなく明後日の方向へ飛んでいく。

 

「チームA! 一旦下がるぞ!」

 

 リンドがボスの攻撃範囲から離れる。

 ビームが来ないか確認していたが、そんなことはなく無事に僕達が待機している所まで下がることができた。

 

「シュバルトさん。行けるか?」

 

「ああ。ここから新しく別の攻撃が来なければ余裕を持って倒せるけど……そんなことは無いと思うし、HPの残量に気をつけて戦おう」

 

「わかった。俺達が攻撃を受けるシュバルトさん達は攻撃を頼む」

 

「おーけー」

 

 そこからはゴーレムの攻撃をしっかりと見て対処し、初見の攻撃が来た時は、離れた位置で観察していたアルゴの指示で対処。たむの薬草回復笛の効果もあり、ゴーレムのHPを危険域にまで減らした時の発狂攻撃もそこまで大したことではなく、リンド達の単独パーティなら危なかったかもしれないが、僕達のパーティが追加参加したことで、安全に倒すことができた。

 

 

「全員無事だね……」

 

「人数と観察さえしっかりやれば、何も問題なかったわね」

 

  僕達はボス部屋から出て、そのままダンジョンからも脱出する。

 

「……改めて……皆、大変な迷惑をかけてしまった。すまない」

 

 リンドがこの場にいる全員に頭を下げて謝罪をした。

 

「起きたことを今更問い詰めるつもりはないけど、リンド達はなんでこのクエストを誰にも相談しないで進めたの?」

 

「恥ずかしい話なんだが、クエストの報酬で手に入る多額のコルとランクの高い素材が欲しかったんだ。しかもこのクエストが回数制限があると言われてな……」

 

 それについてアルゴが訂正する。

 

「いや、あのクエストに制限なんてものはなかったゾ」

 

「リンド、そのクエストを教えた人のこと、覚えてる?」

 

「確か、髪の毛を全部覆うように被った帽子と暗めのマントのを装備していた男だったな……ただ帽子を深く被っていたから顔までは……今になって思うと怪し過ぎたな……」

 

 リンドも今、思い至ったようで頭を抑える。

 

「……回数制限で焦ったのか……素材は兎も角、コル?」

 

「ああ、ディアベルさんとキバオウさん達と話しててな、近々下層のプレイヤーを育成する為に必要な物を揃えるのにコルが必要になってな……」

 

「それでコルが多く貰えるこのクエストを受けたんだ」

 

「欲をかいてしまった結果がこれだと、下層のプレイヤーに合わせる顔はないがな……」

 

 リンドは後悔したように言った。

 

「とりあえず、クエストを終わらせましょう。そうしたら、フロアボスに必須の何かが手に入るかもしれません」

 

「ソーキの言う通りだ。PKの連中が持って来たって事は危険なクエストだとわかっていた。場合によってはそう言うクエストだってことになる」

 

 僕達はクエストNPCがいる場所に向かい、ボスを倒したことを報告する。クエストはこれで全てクリアのようで、リンドが言ったような報酬を獲得した。更に装備アイテムのベルトを手に入れた。

 

「なんだろこのベルト」

 

「僕装備してみますね」

 

 リクがそれを装備するも、これと言った特殊効果も発動はしなかった。

 

「うーん……何も起きないですね」

 

「条件があるのかそれともフロアボスに相対しないと発動しないとか?」

 

 ベルトを外したリクがそれをじっくりと調べる。何かを見つけたのか、顔を顰めながらそのベルトを注意深く確認する。

 

「団長、これ2つに分けられるみたいだ」

 

「2つに?」

 

「はい」

 

 そう言ってリクはそのベルトを半分に割いていく。

 

「本当だ……」

 

 リクは何か閃いたのか、そのベルトをシヴァタとリーテンの2人に差し出す。

 

「今回のクエストは2人のお守り……ひいては2人のの絆で全員が無事にクリアできましたし、これは2人が持つ方が良いかと」

 

「お、俺達が…?!」

 

「そ、そんな、今回運が良かっただけで……」

 

「だからこそですよ。フロアボスとの戦闘で2人か持つことで、特殊効果が発動して、2人が持つ方が良い効果が発動するかもしれません」

 

 そう言うリクに、2人は戸惑いながらもベルトを受け取り、ストレージに収める。

 

「わかった。そこまで言うなら受け取らせてもらう。リーテンも良いか?」

 

「うん。シバと一緒に装備したことで何かあるかもなら、私もそれに賭ける」

 

 こうして、クエスト報酬のベルトはシヴァタとリーテンの手に渡ることとなった。

 

「さてと……キリト達と合流して、今回の事件の顛末を共有しないとだね」

 

「うん。ボク達と別の場所に居たキリト達も襲われてたかもしれないからね」

 

 僕達は主街区まで急いで戻り、残りのギルドメンバーと合流する為に待ち合わせ場所をフレンドメッセージで送り、走っていった。

 

 

 




シュバルト

クエストボスとのレイドリーダーとして活躍した。
こう言う戦闘ならば、現状のスペックで対応できる。
大人になったらフロアボスレイドリーダーでディアベルを超える事ができるかも?

リンド

PK連中の策略に嵌められてしまった人。
FWK内で新しくやろうとしていることもあり、先走ってしまった。

シヴァタ

リーテンとのお守りの耐久力によりパーティメンバーを延命させた。
そして報酬のベルトをリーテンと分け合う形で受け取った。

リーテン
シヴァタとのお守りにより、彼らの無事を知り、助けに行くことが出来た。
そして報酬のベルトをシヴァタと分け合う形で受け取った。


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