ポケットモンスター 希望のミッション   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰してます。
それではどうぞご覧ください。


Mission.6「平和」

 あれから数日が過ぎ、エボは周囲に馴染み、だいぶ監獄生活をエンジョイしていた。

 監獄でエンジョイするというのもおかしな話ではあるが、それほどここの環境は住みやすいという他ない。

 

「アイリー、ここが地獄だってみんな言うけどさ。最近本当にそうなのかって思う様になっちゃった」

「地獄よ。煌びやかな雰囲気のショッピングとかテラスでお茶とかできないじゃない」

「僕、記憶を失ってるからかな。今の方が充実してる気がする」

「…………はぁ」

 

 エボの声が震えている。

 それは恐怖とか武者震いとかそういうのではなく、監獄内にあるマッサージ店で揉みほぐされているからだ。

 付き添いでアイリーがついて来てくれた。

 

「あぁ^〜………」

「気持ち良さそうね」

「気持ちいいよ。ここって本当になんでもあるね」

「全く……忘れてる様だから言っておくけど、外に出たら"死"が待ってるわよ。あなた死にかけたの忘れた?」

「忘れさせてぇ………」

 

 施術を受けたエボはツヤツヤになって監獄内を歩く。

 アイリーはなんだかんだと後ろからついて来た。

 

「アイリーありがとう。もう戻っても大丈夫だよ」

「それもそうね。それじゃあ────」

「おっ、お二人さんお久しぶりじゃねーか!ははっ!」

 

 2人が別れようとしている最中、エボ達に声を掛けてきたポケモン。

 それは共にあの戦いを生き延びた「フォス」であった。

 

「おぉ!フォス久しぶり!」

「やっぱりこの監獄は広いよな。一緒の階層にいるのに中々会えないなんてよ」

「そうだよね。今何してたの?」

「俺様はちょいとブラブラしてただけだ。お前らは?」

「マッサージ受けに行ってたんだ。すごくよかったよ」

「マッサージ……?」

 

 多分変な事を考えているであろうフォスを若干無視し、暫く話をしていると、これまた久々のポケモンに出会う。

 

「誰かと思えばみんな久しぶりでごんすね!」

「キンタ!久しぶり!」

「まさかこんなところで会えるなんて運がいいでごんすな!」

 

 フォスとキンタに出会ったエボは、そのまま流れるように監獄内にあるカフェへと足を運んだ。

 仲間は大勢居た方がいいと、後にドッピン、ギマリ、ヒカソ、そして【ラヴ】も加わった。

 

「僕も招待されるなんて嬉しいなぁ」

「ラヴさんも仲間だからね」

 

 ラヴは非常に珍しい真っ白なメタモン。ドッピン達と同じ牢屋で、変幻自在にその姿を変えられる。

 この事から捕まった理由は変装で人を騙す詐欺行為というのが考えられるが、彼は少々ベクトルが違う。間違っては居ないのだが、間違っている。

 それは誰かの"役には立っていた"からだ。

 

「それでぇ?僕は君たちとナニをすればいいのかなぁ?」

「何もしねーよ!」

 

 ドッピンがすかさず突っ込むが、ラヴはニタニタしながら言う。

 

「僕でお世話になった癖に」

「あぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」

 

 そう、ラヴは元々そっち系ビデオの出身だ。姉妹ミミロップという作品において爆発的人気を誇り、世の男たちは皆一度は目にしたことがある、買ったことがある、聞いたことがあると、その人気は留まることを知らなかった。

 が、ある日変身最中を見られてしまった事をきっかけに、全ての嘘がバレて収監される事となった。

 ただ本人からしたら騙していたつまりはなく、あくまで自らの欲求を満たすためであったので、本人になんら悪気もなければ反省するつもりもないらしい。

 処理は受け付けてやるよ、と彼の元に行けばすんなり受け入れてくれるので、色々と溜まっているポケモン達にはいいのかもしれない。知らないけど。

 

「そんな事よりミントをキメようぜおぉい……」

「やめなさいよ!わたしたちまで巻き添い買うじゃありませんか!」

 

 ギマリがまたミントをキメようとしている所を、慌ててヒカソが止める。

 こんな大勢でカフェに来て、せっかくの雰囲気が台無しになっているのだが、それでもこうして仲間と集まれた事は嬉しい限りだ。

 

「アイリーもついてきてくれたんだね」

「ついでだから」

 

 結局アイリーもついてきてくれた。端の方でメロンソーダを飲みつつ、満更でもない表情でこの光景を楽しんでいた。

 その店の奥ではロトムのロトガーが呆れたと言わんばかしのため息を吐いていたが、特に何も言うことはなくただ黙ってコーヒーを啜っている。

 

「んで、エボ。次はなんの依頼を受けるつもりだ〜?いい依頼なら知ってるぜぇ。にひひ」

「あ、あはは……そうだなぁ。今度その依頼受けてみようかな」

「お、話がわかるじゃねーか!」

 

 それについてアイリーは「やめときなさい」と静止する。

 フォスはまずは話を聞いてくれるように頼み、そのまま続けた。

 

「いやこの依頼なんだがよ。スゲェ楽な依頼の癖に報酬が激うまな訳」

「怪しくない……?」

「確かに怪しいっちゃ怪しい。ただこのスリ道一筋の俺様が大丈夫だと確信してる。それも依頼主がめちゃくちゃ信頼におけるポケモンなんだよ」

「依頼主か。そこまで信頼を寄せられるってことは凄いポケモンなんだよね?一体どんなポケモンなの?」

「聞いて驚くなよ!その依頼主ってのはな────」

 

 次にフォスがその名を口にした途端。カフェ内は急に静寂に包まれ、皆の視線を集めることとなる。

 

「エリアAを取り仕切っている謂わば市長。ピカチュウの『ブレイン』からだ!」




かなり短いですが間話ということで……。
そしてここでもお久しぶりです()
ホント申し訳ないです。次は早めなのでご安心ください!

次回、Mission.7「吸血」

次回もよろしくお願いします!!
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