今回の話から一気に応募キャラが登場すると共に、今までのキャラも久々という事で説明付きで再登場させていきます。
長くなる様でしたら分けますのでよろしくお願いします。
それではどうぞご覧ください。
Mission.9「チーム結成 その1」
「それでドッピン。『ブラック・イルカマン闘技大会』ってなんだい?」
彼はイーブイの「エボ」。
大量殺人の大罪を冒し、ここブラック・イルカマン監獄に収監された。が、本人にやった覚えがないどころか、そもそも自分の名前以外の記憶がないときた。
「この闘技大会は年に一度、Level.3までの囚人たちが集まってチーム戦を行うんだ」
ワンリキーの「ドッピン」。
エボが収監されてから色々と世話を焼いてくれている。
そんな彼の罪はドーピングという本人も自覚有りのしょーもない事であり、これで1000年収監されると聞いた時は絶望したらしい。
「Level.3までって言うけど、Level.3が絡んでくる時点で、この大会が如何に規模が大きいかわかるでしょ」
彼女は「アイリー」。今はコジョフーだ。
元々進化後の姿をしていたが、この地下に落とされると、もれなく全員強制的に退化と弱体化されてしまう。
本来はコジョンドであり、なんだかんだで面倒見が良く、最初の依頼について来てくれたのも彼女だ。それ以降は基本的にエボはアイリーと共に依頼をこなすことが多い。
「闘技大会なんてやめておいた方がいいですよ!死にます!」
「そんな事よりミントキメようぜぇ……」
「性欲なら解消してあげられるんだけどなぁ〜」
順に「ヒカソ」「ギマリ」「ラヴ」の3人が並び立つ。
ヒカソはドーブルで凡作を傑作として偽って売りつけて捕まり、ギマリはネイティで性格を変えるミントの過剰使用により捕まった。
ラブはあまり大声では言えないあっち系の"姉妹ミミロップ"という作品において超人気俳優であったが、それがバレたことにより即刻逮捕された。本人は"役には立っていた"ので気にしていない。
そんな訳でエボたちは雑居房へと一旦戻り、全員が集まったタイミングでドッピンが話し始めた。
「エボ、お前はこの大会優勝したら何が貰えると思うよ」
「お金がいっぱい貰えるとか?」
「あぁ。それもそうだが……重要なのはそこじゃねーんだ。金よりも貴重なものといえばだぜ?」
「────あっ!もしかして命ッ!?」
「あ、うん。まぁ……そうだな。うん。直球過ぎて逆にビビった……」
ドッピンは一度呼吸を整える。
「要は"刑期が減る"。それも1000年以上」
「せ、1000年以上!?それって僕たちLevel.1の囚人なんて優勝したら即釈放……ってこと!?」
「そうだぜ、小さくて可愛い奴め。しかもLevel.3の奴らに取っちゃ1000年なんてデカ過ぎるからな」
Level.3の囚人達に取ってこの1000年はあまりにも魅力的過ぎる。
何故なら、彼らは刑期3000年以上が確定で言い渡される。途方もない刑期を年に一度に1000年も減らせるとなれば話は別だ。
が、これを聞いてエボは更に疑問が浮かび上がる。
「確かに1000年って大きいけど、これってチーム戦なんでしょ?しかも年に1回のイベントなら、この1000年って"チームで1つ(1000年)って事"だよね?」
ドッピンは指を鳴らす。
「流石だ、エボ。それらはチーム全員で共有だから……言わずもがな争いが起きる」
「誰がどれくらい刑期を減らすか」
「あぁ。それで毎年の様に争いが起きてるし、しかも勝つのは決まってLevel.3の囚人どもだ。はっ!まぁ当たり前だが、奴らとはレベルがちげぇ……」
「………でも、ドッピンが話してきたってことは何かあるんでしょ」
そう言ってエボはニヤリと微笑む。
「なんとだな。今回の大会、出場者が"1チームしかいない"」
「え?」
「まぁ、そうなるよな。理由は単純に今年出る奴らが毎度優勝してるやべー奴らだからだ」
「毎年優勝!?」
「もちろんLevel.3のみで組んだ連中だ。それも強者揃いのな。あの中にいるんだよ1人。頭がキレる野郎が……どういう理由かは知らねーが、ロトガーが言うには地上で何かやらかそうとしてるって話だが……確信はないらしい。あくまで推測だ」
ロトガーは中年のロトムで、ここではだいぶ長いことLevel.1にいる古参の囚人だ。若い時には情報屋をしており、エリアBの知識については追従を許さない。金さえ払えば色々な情報をくれるのでドッピンはよく利用している。
「そんな奴らに勝てるのかな……」
「んまぁ、普通にやったらまず無理だ。だから勝つ為に仲間を集めんだよ」
「仲間?ドッピンとか?」
「いやいやいや無理だわ!俺とかじゃなくてLevel.1でもかなりの実力者がいる。そいつらに片っ端から声掛けて仲間になってもらうんだよ!」
「おぉー!なら、任せてよ。片っ端から声掛けるから!」
「やっぱり出るんだな、エボ」
「……うん、だって僕は外に出て見つけたいんだ。僕の記憶を」
「そっか。じゃあ幸運を祈るぜ。まぁ俺らも何人か誘ってみるわ」
「ありがとうドッピン!」
エボそう言って走り出した。
その後ろをついて行こうとするアイリーにドッピンが声を掛けた。
「なんか言いたそうだったな」
「もちろん。でも、エボならやるって言いそうだし」
「はぁーん。で、お前は出るのか?」
「今回は出ないわよ。エボのサポートに回るつもり……人数が足りなかったら出る事になると思う」
「お前ホントに優しいな」
「うるさい」
それからアイリーはエボを追いかけ始めた─────。
*****
後にエボはアイリーから大会の参加に必要なメンバー数を聞いた。
合計6人。エボは参加するとして、残り5人。メンバーになってくれる仲間を探さなければならない。
まず1人目はLevel.1で友好的な関係になったベトベター(元はベトベトン)の「マドロ」の元に向かった。
「これはご同胞……お久しぶりです……」
「マドロ、久しぶり。元気してた?」
全身が紺色で両目の横にサメのエラの様な窪みがある。
目付きはアローラベトベトンに類似しており、背部にはドドゲザンの頭部の物と思われる刃が突き刺さっているのが特徴。
温厚な性格で誰に対しても紳士的に振る舞う……が、彼は価値観がおかしい。彼はとある組織の元売人をしており、フェアリータイプを中心に容姿に優れたポケモンを拉致して売買するという行為をしていた。
ある日、はがねタイプのポケモンがその計画を阻止ししようと乗り込み、激しい攻防の最中、「何故悪事を繰り返すのか」と問われ、「悪事に恵まれた体質故」と返すと「ろくな死に方をしなくなる」、初めて心配をされ感銘を受けた。
そして、殺害────。
この様な狂った人生を歩んだ彼の歴史だが、その事についてエボは全く知らない。普段はこのような温厚であるが故にそう感じさせないのだが、彼の中には純粋な黒い心がある事を忘れてはならないのだ。
「連日の任務でお疲れでしょう……それで、私に何か御用でしょうか……?」
「単刀直入に聞くんだけど、僕と一緒に大会に出て欲しいんだ!」
「あぁ……例の闘技大会ですか……」
マドロは少し考えてから口を開く。
「ご同胞の気持ち……とても嬉しく思います……」
「でしょ!」
「しかし……私では力になれません……」
「え、どうして?」
「実は別件がありまして……ご同胞と共に出場することはできないのです……」
「予定被っちゃったやつか……」
「申し訳ありません……やはり先に誘って頂いたご同胞に申し訳が立ちませんので……」
「なら、仕方ないよね。ごめん、ありがとう!」
1人目は失敗に終わってしまった。
だが、その時だ。
「あぁん、チビ。相変わらずチンタラ歩きやがってよ」
「あ、君は!」
エボに話しかけてきたのは、フシデの「アクセル」。
元は暴走族の頭を張っており、昔「身長が高くて体が細くて真っ白のとんでもなく速い女」に一目惚れし、彼女を追いかけていくうちに、いつの間にかアクセルの後ろには共に走る仲間が増えていた。
喧嘩っ早く暴力的で高圧的な彼だが、中身は頭をしていたこともあって面倒見が良く、弱者には手を出さないという彼なりの任侠を重んじている。
彼が捕まった理由は仲間が警察と揉めた事による抗争において、それを止める為に手を出したはいいもののあまりにやり過ぎた為、彼だけが捕まることとなった。
エボとは最近知り合ったばかりで、エボのことをチビと呼ぶ。
しかし、ペンドラーではない今はエボと対して変わらない。
「アクセルじゃないか!」
「てめぇさっきからどういうつもりだ?ウロチョロとここら辺歩き回ってよ」
「実は──────」
アクセルに闘技大会について説明をする。
すると、少し期待はしていたが、まさしくその通りとなる。
「はっ!おもしれーじゃねーか。やってやるよ、その喧嘩」
「喧嘩じゃないけど……とにかく仲間になってくれるんだね!」
「勘違いすんじゃねぇよこの野郎。Level.1の奴らに対して威張ってるクソッタレどもが許せねーだけだ」
「ははっ、素直じゃないなー」
「あぁん!!?」
「え、ええええっと、とりあえずまた声掛けるから!それじゃ!」
エボは逃げる様に去っていく。
暫くして知り合いたちに粗方声を掛けたが、アクセル以降は了承してくれる仲間が集まらずエボは困り果てていた。
「はぁ……まだ全然足りないよ……」
その時、顔見知りの2人が声を掛けてきた。
「なんだエボ、悲しそうな顔しやがって。相談乗るぜ?金は掛かるがな。にひひ!」
「フォス、金を取るなんて事しちゃダメでごんす!友達の相談でごんすよ!」
「デブがなんか言ってらぁ……」(ボソッ
「あぁん!!!!??」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
今首根っこを掴まれて振り回されているのはクスネのフォス。元々はフォクスライで、スリの常習犯。捕まった理由も簡単でスリ。1000年という途方もない刑期に納得がいかず、今は地道に刑期を減らしている最中だ。
もう1人はマクノシタのキンタ。元はハリテヤマできのみが詰まった斜め掛けの背負いバッグを持っているのが特徴的だ。彼はポケモン助けや食い扶持ができるというのを聞いてとある犯罪ポケモンたちを手伝っていたが、頭が悪かった為、それが悪い事だとは知らずに利用され続け、結果的には監獄に落ちてしまった。
「2人とも早速なんだけどお願いがあるんだ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ……って、あ?あれだろ?大会だろ?俺様は出ない────」
「出るでごんす!」
2人の意見は真逆であった。
「ふ、ふざけんな!なんで、わざわざ最悪死ぬかもしれない大会に出なきゃいけないんだよ!」
「友達が困ってるでごんす!困った時は助け合いでごんす!」
「いやそりゃそうだけど……今回はマジでやばいんだって!」
「いいから行くでごんす!お金いっぱい貰えるんでごんすよ!」
「そんなんに騙されてたまるか!!!………………ちなみにいくらだ、エボ?」
エボは小さな手で円を描く。
それが今大会の優勝賞金の桁を表している。
「…………………ま、まぁ出てやろうかなーーー……」
「ほんとっ!?」
「あー待て!だけど、もしだ。人数がオーバーする様なら俺は抜けさせてもらうからな!わかったな!!」
フォスはそういうとそそくさとその場を立ち去った。
「フォスはあぁ言ってるでごんすが、助けになりたいと思ってるんでごんすよ」
「だよね。でも本当に助かるよ。ありがとう」
「そうと決まればエボどん、大会メンバーが揃ったら皆んなで特訓するでごんす!」
「うん、約束だ!」
これで合計4人。残り2人となった所で──────。
「あ、あれ?」
遂に勢いが止まってしまうのであった。
ほんっっっっっっっとにお待たせしました。
ちょっと雑ではありますが、大会編では熱いバトルを展開していけたらと思っております。
それでは次回、Mission.10「チーム結成 その2」
次回もよろしくお願いします!!