滅亡後の世界で運悪くゴジラと怪獣の殺し合いに巻き込まれた男の悲劇
短編です

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死に逝く世界の怪獣王

かつてアメリカと呼ばれたその場所。

この地はゴジラと呼ばれる黒い恐竜のような姿をした怪獣により、地表を焼き尽くされていた。

人類の多くは地下へ逃げ延び、放射能と死で覆われた地上から逃げるために地下都市を築き上げていた。

 

 

そんな地上は、砂がただただ広く広がっていた。

その中を一人の男が走っていた。

彼は、食料を探しに地上にやってきた。

 

 

「はあ、はあ・・はあ・・・」

 

 

足がちぎれるように走った男は、後ろをふとみた。

先ほど捕食者たちが彼を追いかけてきていた。

巨大なアゴを持ったサンドワームは、男を追いかけていた。

男の仲間は先ほどサンドワームに襲われ殺された。

 

 

「こんなことになるなんて・・」

 

 

男は久々に地上に出た。

地下のシェルターの世界は鬱屈した。

湿気が強く暗いシェルターには、不気味な虫くらいしか食料がない。

だが、地上には食料という問題ではなかった。

もはや、ガレキすらなく文明があった形跡すらない。

勿論そんな状況で人間はいない。

 

 

 

地上は砂塵がまい砂嵐が起きていた。

もはや、地上は荒野に包まれてしまったようだ。

 

 

そんな時だった。

男の足が何かに絡まり大きく尻もちをついた。

 

 

「いだっ!!!」

 

男が地面にこけた。

すると、サンドワームは男を追い詰めたジリジリと迫ってきた。

 

 

「ああ、ああ・・・」

 

 

男がそんな呻き声を出した。

その矢先だった。

数百mあるサンドワームの動きがピタリと止まった。

そして、大きな地鳴りがひびくとサンドワームは何者かに引きずり込まれるように砂嵐の中に消えていった。

 

 

「…!?」

 

 

男が地上をみると、そこには砂嵐の中に何かがいた。

それは人型の姿をしていた。

砂嵐の中に、それは赤い目を輝かせていた。

砂嵐の勢いは、衰えると…その人型の生命体の様子がみえた。

筋骨隆々な体系と髪の毛が生えていない男のような顔をしていた。

そして、サイのような乾燥したごつごつとした肌をしていた。

下半身は黒い毛でおおわれていた。

巨人だ。

 

 

「・・・・・あ、あ・・・」

 

 

巨人は赤い目を輝かせ男を睨んだ。

その手元には巨人以上の大きさがあるサンドワームの体が引き千切られ、引き摺られているのがみえた。

巨人はサンドワームの顎をつかむと大きな口をあけ、バリボリとサンドワームを食い散らかした。

その隙だった。

男は、必死で逃げた。

なぜならこの巨人は肉食性で、人も襲うからだ。

300mほどある巨人はバリボリと食った。

 

 

すると、砂嵐がまた吹き荒れた。

 

 

「!?」

 

 

男はふと目の前に岩山があるのがみえた。

黒い岩山だ。

巨人は、赤い目を男に向けた。

男は、神を呪った。

 

 

「ああ、チクショウ…こんな!!」

 

 

そんな時だった。

 

 

ズシィィィン…。

 

 

地鳴りがした。

巨人は、赤い目を大きく震わせながら怒りの表情を見せた。

男は、みた。

前方に黒い岩山がある。

 

 

「あそこに登れば…」

 

 

男は岩山に近づいた。

だが、それは動いていた。

 

岩山が動く、そんなことはあり得ない…。

男はそう思った矢先だった。

男が見上げた500m上空に白い光が光っていた。

否、それは光ではなかった。

目だ。

 

 

「あ・・・」

 

 

男はのけぞった。

岩山の正体であったそれは大きな口を開けると、砂嵐の風や砂塵を吸い込んでいった。

男はあえて、「それ」の足元に隠れた。

砂嵐のエネルギーは、「それ」に吸い込まれた。

巨人は掌を前方で覆い隠すように隠した。

 

 

 

すると、太陽の光がみえた。

明るさが戻ってきた。

男は気が付いた。

岩山ではなかった、それは「ゴジラ」だった。

 

 

 

男は絶句し、急いでその場から離れた。

すると巨人はゴジラに対して苛立たしそう睨みつけた。

そして、大きく大気を吸い込むと、ブフッーとふきかけた。

 

 

男はその時、知った。

これが砂嵐の正体か。

巨人が砂嵐を起こしていたのだ。

男は何とか近くの岩にしがみついた。

 

 

砂嵐が再び起きると、大きな突風がゴジラを包んだ。

その時だった。

ゴジラは雄たけび声をあげた。

 

 

 

グルウうううううううううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおオオオン・・!!!ンンンンン!!!!

 

 

 

巨人の起こした砂嵐は吹き飛ばされ、巨人は大きくあまりの風圧に逆に吹き飛ばされ尻もちをついた。

男は砂嵐が消えたことに感謝した。

しかし、そうとばかりはいっていられなかった。

 

 

巨人は立ち上がると、ゴジラの顎にその右拳をぶちあてた。

 

 

 

 

ゴオオオおおオオオン!!!!!

 

 

巨大な衝撃波がおきる。

男は再び吹き飛ばされそうになった。

巨人はニ発目の拳をあてた。

 

 

ゴおおオオン!!!!

 

 

また衝撃波がおきた。

巨人は怒り狂っている赤い目が輝いている。

そして、三発目を放とうとしたその時だった。

ゴジラの顎が動くと、巨人の右腕に食らいついた。

 

 

 

グギャあああああああああああッ!!!!

 

 

巨人の右腕はゴジラに食らいつかれている。

そして、そのまま持ち上げられた。

巨人の右腕から血が流れる。

そんな時だった。

 

 

グおおおおおお!!!

 

 

ゴジラの横から別の巨人がやってきた。

どうやら連携攻撃のようだ。

だが、ゴジラは別の巨人の首を尾でつかむと締め上げた。

そして、別の巨人がゴジラの腹部にめがけてタックルを繰り出した。

 

 

グああああああああああ!!!

 

 

3人目の巨人はゴジラの体を持ち上げようとした。

ゴジラはまるで無視するように前進しながら、まるで怪力自慢の相撲取りように、押し出していった。

3人目の巨人は焦り、苦悶の表情をあげていた。

力負けをしている。

 

 

ゴジラはまずアゴにぶら下がった一人目の巨人の右腕を噛みついたまま首を横に大きく放り投げた。

 

 

 

ブチッ!!!

 

 

巨人の右腕は引き千切れると、赤い血を滝のように吹き出しながら地面に倒れた。

 

 

男はその様子をゾッとした目でみていた。

 

 

ゴジラは尾で締め上げていた巨人の首を絞める力を強くした。

二人目の巨人は口から泡を吹いた。

そして、痙攣すると、次の瞬間。

 

 

ゴキッ…ギビギビッ…。

 

 

鈍い音がした。

巨人の首の骨が砕けていた。

ゴジラは尾にぶら下がった巨人をゴミのように捨てると、下半身で相撲するように踏ん張っている別の巨人をみると、大きなアゴをつかい巨人の首に食らいついた。

 

 

 

ゴギャああああああッ!!!

 

 

巨人はそのままゴジラの顎で噛みつかれると、ゴジラは力任せに顎を振り回した。

赤い血しぶきが雨のように降り注いだ。

やがて、巨人の上半身と下半身はバラバラに吹き飛ぶと、ゴジラは巨人の上半身を食いちぎり、そのまま呑み込んでいった。

 

 

右腕を失った巨人は地面を芋虫のように張っていた。

彼は死のうとしていた。

だが、ゴジラはタダで許す気はなかった。

背びれを青白く光らせた。

 

 

 

黙って怪獣同士の殺し合いを見入っていた男は気が付いた。

 

 

 

「やめろ!!!やめてくれええええええええええ!!!」

 

 

 

男は震え逃げ出した。

だが手遅れだった。

ゴジラは口から青白い光線を放つと巨人にあてた。

そして、それは大きな爆発を起こした。

男はその爆風と爆炎に巻き込まれ、一瞬で灰となった。

ゴジラは勝利を確信すると雄たけびを上げた。

 

 

 

もはや、人類は地球の支配者ではなくなった。

ゴジラこそ地球の支配者なのだ。

 

 

 

fin

 

 

 


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