続きはない
「 と言う訳でスカウトしに来たよ!」
「そう言う訳だから彼らの下で働いてくれ」
「???????」
少女の言葉と共に、青褪めた表情の店長に食堂と隣接する形で建てられた事務所に呼ばれた俺の頭は、目の前の状況に情報を処理し切れなかった。
何しろ、目の前にいる少女はONE PIECEのFILM REDの登場キャラにしてメインヒロインでも歌姫のウタであり、店長が青ざめている理由もギルド・テゾーロやダグラス・バレット、黒腕のゼファーや金獅子のシキと言ったFILMシリーズに登場したラスボス級のメンバーが一堂に介していたからだ。
(あかん、死ぬ。一歩間違えば死んでしまう)
そして、ウタは兎も角としてテゾーロは笑みは浮かべていたものの目は笑っていなかったし、バレットはこちらを値踏みする様に見ていたし、シキに至っては喜劇を見ているかの様にニヤニヤと笑みを浮かべていた。
その為、この場で少しでも選択肢を間違えるとシキは別にしてもテゾーロとバレットに殺されかねない、と思いながら時計を見ると昼時なので1つの提案をしてみた。
「場違いかもしれませんが一品、食べていきませんか? そしたら実力が分かると思いますし」
「ジハハハハ、俺達を前にして飯の提案とは肝が据わっているのか、馬鹿なのかが分からねぇな?」
「戦えればそれで構わん。それにコイツはコックなんだろう? なら腕が確かな方がいい」
「ではお願いする」
俺の提案に、シキを始めとして賛同してくれたので彼らを連れて食堂に向かったのだが、そんな俺達にウタがむくれた顔で抗議してきた。
「えーっ、私は好きなんだけどなぁ」
「そりゃあ、お嬢ちゃんは先に食べたから分かってるんだろうが俺達は初めてだからな。どれ程の実力なのか、確かめてやろうって魂胆さ」
「そう言う事だ。もしも不味かったらアイツを海に叩き落としてやる」
物騒な言葉が聞こえてきたが、気にしたら負けだと思って食堂に少女1名とむさいおっさん4名を引き連れたので、悪魔の実の能力で姿形を変えながら彼らに向き直った。
「オイオイ、お前も悪魔の実の能力者かよ」
「そうだよ。
「ジハハハハハ、卵か団子みたいな姿だな。そんなんで本当に料理ができるのか?」
「なんでか知らないけどできちゃうんだよなぁ」
コックカワサキの姿を見れば分かると思うが、人間の手の様に指がない状態でも人間と同じ様に料理ができるので、その姿になった俺も普通にできると言う不思議生物である。
だが、そのおかげで海賊が跋扈するワンピースの世界で料理人として働けているので、何とも言えない気持ちなのだが今は料理を求める客に料理を振る舞う時間なので、彼らの要望を踏まえながら料理を振る舞った。
その結果は勿論、料理人として彼らの元で働く事になった。