無題な小説のお題は「女子高生だった彼女が転生したら王女になっていた」ってやつでしょうか...なんか違う気もしますが...
図書室にて、俺は菊池さんの書いた小説を読んでるはずだったが
なぞの無題の短編があるのに気が付いた。
「アルシア、魔法工芸大会の優勝おめでとう。」
「ほんとすごいなあ。」
「ん~優勝よりも、賞品のこの宝石が欲しかったの。試してみようよ。これで飛竜はとぶはずよ。」
「じゃあ、お礼にアルシアのほしいものプレゼントするね。アルシアの好きなものってなあに」
「えっとチーズと...ゆけ!打ちまくりブイン...かな?」
「ん、チーズはわかるけど、そんなのでいいの?あとのゆけなんとかってなあに」
(あっ、そっか...ここは異世界なんだ...)
「はッ、ごめん。変なこと言っちゃったね。」
「わたしは、なんでももっているわ。だからこそ何もない。だからクリスの好きなものがほしいな」
「それはいやです。」
「友崎くんはだれにも渡したくないです。」
「菊池さん。これって....」
「ごめんなさい。単なるメモです。一緒のファイルに書いているので...」
菊池さんはみるみる赤面していった。
「そうですね…一緒に印刷されちゃいますもんね…」
翌日、第二被服室
「さあ、気になっている女の子はいないの?誰にするか決めた?」
「というか…菊池さんの小説の下書きに…友崎くんは誰にも渡したくないって…」
「へえ….」
日南は口角をあげてにやつくがいきなり顔をしかめた。
「で、あなたは風香ちゃんと付き合うの?花火大会デートの時、告白できたのにしなかったといったわよね?それに、これからわたしの提案することは全然意味ないことになるわよね。」
日南はため息をついた。
「日南」
「何?」
「相手を好きになるってどういうことなんだ?」
「何、恥ずかしいこと真顔で言ってるの?」
「お前、誰かを選べって言ったとき『それともわ・た・し?』とちゃっかり自分加えてたし、中村と泉をくっくけるキャンプのきもだめしでペアになったときキスしようとして、からかっただろ?」
「ん~、からかったつもりはないんだけど…なんかおもしろそうだったから?」
「ほらみろ、からかってたんじゃないか」
「ちょっと違うかな」
「何が違うんだ?」
「さあ、それは秘密」
日南は少し顔を赤らめそっぽを向く。
「あ~あ、拒否しなければよかったかもな。あの無敵な日南を赤面させられるチャンスだったのに。ただひっぱたかれる結末まで今なら思い浮かべられるけど」
「…そうね。ひっぱたいたでしょうね。」
「なんだよ。その間は」
「別にいいでしょ。でも困ったわね。とりあえず、考えてきたクエストを送るわ」
こいつきりかえも、ごまかしも一級品だな。ピンチを瞬時にかわしてきやがった。
俺はスマホを見た。
「異性とつきあうことの意味を話し合う、意図的に5秒間以上手をふれあわせる、おそろいのアクセサリーをつける?」
「そう、なんとなくだけど意味はわかるでしょ?」
「恋愛シュミレーションのイベントマップみたいなやつだな」
「おにただ。距離を縮めて、相手に意識させて、告白の成功率を挙げるための課題ね。でも風香ちゃんから実質上告白されてるわけだから…」
「すごく効率悪い課題をださせてることになるな。」
「でしょう?」
「やりこみとコンプ要素以外の意味はないな。」
「でも、けっこうそういうの好きでしょう。nanashiは….っていうか巧みに答えそらされてるけど、まだあなたが返事していないわけだからさっさと返事してきなさい。」
こうして俺は、中くらいの目標を達成することができた。デートしてイベントマップをコンプしたことはいうまでもない。生粋のゲーム好きだからな、俺は。