ちまちま書いてたらすごい期間開いちゃいました…
「んぁ…もう朝?」
眠くて開かない瞼を擦りながら私は目を覚ました。
昨日はぶいすぽのメンバーとゲームに熱中しすぎて、寝たのが4時前くらいだったっけ?
スマホを手に取って時刻を確認、画面にはPM14:30と表示されていた。
「昼かーい」
体感的にいつもより長く寝ていた気がしたが、まさか昼を過ぎてしまっているとは…
「12時前くらいには起きるつもりだったのに…あーお腹空いた…」
昨日のゲーム中にお菓子を食べてたけど、食べてから10時間以上も経ってるから流石にお腹が空いた。
遅めの朝、いやもう昼ごはん…それともおやつ?になるのか…
何か食べるものを探すためにベッドから起き上がった。
「よっ、と…よし、今日はまだ床見えるな…」
床に足を付けて足場に余裕があるのを確認した。
うちの部屋は基本汚い…でも最近部屋を綺麗にしてくれるのが母やひなーの達以外にも増えて、部屋の床が見える機会も増えた。
床がごみで埋もれていない足場を確認しながら移動して部屋から出た。
「あっ、うるは起きた?」
「うんー、おはよー」
「おはよう」
部屋から出てリビングに行くと、うちの彼氏がいた。
出会いはひなーのの彼氏の紹介で、ひなーの達と一緒にゲームをしてたら、ちょっと頼りがいはないけど、大人しく、優しい人柄っていうのは出会った最初の日で分かった。
その後も一緒に遊んで話してたら好きなものの共通点が多く、お互いの波長?も合ってるように感じた。
先月に相手から電話で告白されて、まぁ別に嫌いじゃなかったし、一緒に遊んだり話したりしても楽しかったからOKした。
OKした時に普段は大人しい彼がはしゃいでいたのを覚えている。
最初は付き合っても何も関係ないだろうな、って思ってたけどいいことが1つあった。
「なんかご飯ない?お腹すいちゃってさぁ…」
「そうだなぁ、簡単なものでよければ焼きそばかチャーハンだったら作れるけど?」
「あー、焼きそばいいね…うん焼きそばがいいわ」
「オッケー、ちゃちゃっと作るから、待ってる間顔でも洗ってきておいでー」
彼のいいところの1つとして家事能力がめちゃくちゃ高いところがあげられる。
食事作りは勿論家の掃除だってそうだ。汚部屋と言われているうちの部屋をあっという間に綺麗にしてしまうほど、整理整頓も得意。ひなーのやべに達にも部屋を掃除してもらっているが、最近の頻度としては彼にやってもらうことの方が多い気がする。彼女としてはどうかと思うけれど…
彼に顔を洗うよう言われたので洗面所に言って顔を洗うことにした。
眠気が覚めるよう冷たい水でゴシゴシと洗った。
朝早く起きた時とかに顔を洗ったらめちゃくちゃ気分いいのってなんでなんだろうね。
…まぁ基本夜型人間だからうちが早起きするなんて仕事とか予定がある時にしかないけども…
そんなことを考えているとリビングから良い匂いがしてきた。
匂いにつられてお腹が鳴ってしまった。あー、早く食べたい。
「うるはー、もうすぐできるよー」
「はーい!今行くー」
ドタドタ足音を立てながらリビングに向かった。
リビングに戻ると彼がお皿に焼きそばを盛り付けをしているところだった。
「おお…もう完成?」
「いや、あとこの焼きそばの上に…よっと」
「目玉焼き!!しかも半熟…!」
「やっぱ焼きそばに目玉焼きはかかせないでしょ~、さっ、はやく食べよ?」
「うん!いっただきまーす」
出来立ての焼きそばにがっついた。
美味しい。インスタントとかで作る焼きそばも美味しいけど、手作りの焼きそばは格別…
「いやー、本当に美味しいわぁー」
「そりゃどうも~まっ、今のうるはの顔を見てたらそう思ってくれてるのがわかったよ」
彼はうちが焼きそばにがっついてるのを見て優しく微笑んでいた。
冷やかしたり、バカにしているわけではないだろうけど流石にちょっと恥ずかしい。でも仕方ない、それほどまでに美味しいんだもん…
あっという間に焼きそばを食べきってしまったうちはひと息ついた。
「ごちそうさまー、今日も美味しかったです。いつもありがとね」
「はい、お粗末様でした。いつも残さず食べてくれて嬉しいよ」
「さっ、今日も配信するかぁー…っとその前に」
配信するために部屋に戻ろうとしたけど、あることを思い出し、リビングにある冷蔵庫に向かった。
理由はもちろん配信中に飲むエナドリを持ってくるためだ。この間の飲みかけのやつがまだ冷蔵庫にあったはず。
「エナドリエナドリ~、これがないと配信やってる気がし…ない?」
…ない
いつも取り出しやすい冷蔵庫のドアポケットのところに入れているのに…
「ねぇー、うちのエナドリ知らない?」
「エナドリ?…ああ、中身がちょっと入ってたやつ?あれなら一昨日捨てておいたよ?」
「ええっ!?なんで!?」
「なんでって…開けてから日にち経ってたし、中身もちょっとしかなかったから捨てたんだけど…」
「何で勝手に捨てんの!信じらんない!!」
「え、あれうるはに確認「もう知らん、部屋に戻る!あほっ!!」ちょ、うるは!」
何かうちに声を掛けようとしてたけど、その静止を振り切って部屋に戻った。
(むしゃくしゃする…コラボ配信でもしてひなーの達にでも愚痴ってみるか…)
「「それ、うるはさん(先輩)が悪くない??」
「ええっ、なんでよ!」
あれからひなーのと、べにとゲーム配信を始めて、さっきの話をゲーム中に愚痴ってみたらうちが悪いと2人に言われてしまった。
「いやー、中身ちょっとしか入ってないやつ捨てられても別にねぇ…」
「うるは先輩の彼氏さんも悪気があったわけじゃないんでしょ?」
「うっ…まぁそうだろうけど…そうだ!こ、コメントの皆どう思う!?」
ひなーのとべにには理解されなかったけど、ぽたく達なら…!
『彼氏さん悪くなくね』
『むしろのせさんを守ったまである』
『彼ぴかわいそう』
『家事が出来て優しい彼氏さんを俺にください』
『のせさんの汚部屋地獄を見てきた者だ…面構えが違うんだろうなぁ』
期待したうちが馬鹿だったわ。そして最後にコメントしたやつ配信終わったらブロックしてやるかんな。
「まぁ100歩譲って、うるはさんに声をかけずに捨てたのはどうなのかな?とは思ったね」
「でしょ!?人のものを勝手に捨てんのとかありえなくない?こればっかりはうちは許す気ないね」
ひなーのがうちの意見に賛同してくれた。せめて一言うちに声を掛けるべきだ。
…でもいつもは声かけてくれてるのに、なんで今回は勝手に捨てたんだろ…?
「…あれ?ちょっと待って」
「ん?べに?どしたん?」
「うるは先輩、そのエナドリ捨てられたのっていつですか?」
「え?確か…一昨日って言ってたと思うけど、なんで?」
「…うるは先輩、それ捨てるのうるは先輩に確認取ってましたよ?」
「はっ!?いつ!?」
「一昨日、うるは先輩と私とみみたやで配信してたじゃないですか?その時に…」
一昨日
「今今!今ならやれる!!ミミちゃん右から!べには左から行って!」
「うるはー」
「何ー!今配信中ー!」
「あっ、ごめんごめん。冷蔵庫にある飲みかけのエナドリ飲まないなら捨ててもいい?」
「いいよそんなの!ごめんけど今いいところだから忙しい!」
「はーい、ごめんね~」
「うるはさん今の彼氏さん?」
「うるは先輩の彼氏さん声すっごく優しいですよねー、家事もできて羨ましー」
『のせさんの彼ぴの声聞こえた!』
『彼ぴ君見ってる~?』
『彼氏さんに構ってあげて…』
「今はいいから!ほら敵来てるよ!」
「…ってな感じで返事してましたよ?」
「…まじ?」
「うわぁ…」
嘘…確かに配信中に何か声を掛けられたのは覚えてるけど…
『そういや彼ぴの声聞こえてたな』
『流石に草』
『のせさん彼氏にDVしたってま?』
「こいつら…」
とりあえず最後のコメントはブロックしておいた。
…ってか今回の件うちが悪いじゃん…何やってんだほんと…
そういえばさっきも何か言おうとしてたみたいだし…うち何で聞いてあげなかったんだろ…
「とりあえずうるはさん謝っておいたら?」
「今日で収まるなら今日中がいいと思いますよ?長引いたらお互い気まずくなっちゃうし、最悪の場合…」
べにの一言でゾッとしてしまった。
うち…もしかしたら捨てられちゃう…?親からもあんなにいい人他に見つからないって言われたのに…
やだ…やだっ!
「べ、べに…ひなーの…うち、捨てられちゃう…?」
「はっ!?ないないない!べに!縁起でもないこと言うなって!」
「うそうそ!嘘ですって!うるは先輩が捨てられるなんて絶対ないですから!…たぶん?」
「おいっ!」
「…ごめん、もう今日配信やめる…」
「あっ、うん…」
「うるは先輩…気を確かに…」
『のせさん頑張れ…』
『元気出たらまた配信してくれな…』
うちはひなーの達に配信をやめることを伝えて、PCの電源を切った…
配信を終えてから少し時間が経った。
今うちはベッドに置いてたクッションを拾い抱えて、ゲーミングチェアの上で体育座りをして俯いている。
彼にすぐに謝らなきゃって思って部屋から出たけど、今彼はちょうど出かけていたようで家にいなかった。
家にうちしかいないからか、家の中が静まり返っている。いつもなら彼がリビングにいるから何かしらの音が聞こえてくるのに…
(なんだか胸のあたりがズキズキする…)
憂鬱な気持ちになっていると、玄関が開く音がした。彼が帰ってきた。
「ただいま…あっ、うるは」
「お、おかえり…」
気まずい…
謝らなきゃいけないと思っているんだけど言葉が出てこない。
「うるは、ちょっと時間ある?」
彼に何か話しかけようと言葉を選んでいると、彼から声をかけられた。
顔を見るといつも穏やかな表情を浮かべている彼が、今は少し暗いように感じる。ま、まさか…
「ご、ごめんなさい!謝るから…うちを捨てないでぇ…」
「う、うるは!?どうしたの!?」
「家事も手伝うし、部屋も綺麗に…なるべく散らかさないようにするからぁ…うちと別れないでよぉ…」
さっきのべに達との会話が頭をよぎり、彼に捨てられたくないがあまりに子供のように泣きついてしまった。
彼と別れてしまうとまた1人になってしまう。最近は真人間らしい生活も少しはでき始めていたのに、それもまたできなくなってしまう…
何よりも…彼と離れることになるのは嫌だ。
「やだ…やだよぉ…」
彼の胸の中でむせび泣いてしまった。
そんなうちの様子をみて最初彼はぽかーんとしていたが、しばらくすると彼は苦笑しながらうちの頭を撫で始めた。
「ねぇうるは?僕はうるはを捨てるような人間に見える?」
「ぐすっ…無いと思いたいけど…ひっく…さっきひどいこと言っちゃったし…」
「ああ、確かにあほって言われたような気がするなぁ…」
「ううっ…ごめんなさい…」
「ってうそうそ。何にも怒ってないよ。」
「ほんと…?」
「ほんとほんと。ほら、さっき外に出てたのは新しいエナドリを買って来ただけだから。後でまたこれ冷蔵庫入れておくね。」
「うん…ありがと…」
うちがお礼を伝えると彼は笑ってくれた。でも…
「…なんかうるはは腑に落ちない?」
「だ、だって!今回はうちが悪かったし…」
「あっ、じゃあうるはに1個お願いをしたいんだけど…いいかな?」
「うん!うちにできることなら…あっ、でもエッチなことは…」
「違う違う!そんなことお願いしないから!」
お願い…なんだろ?家事の手伝いかな?さっきやるって言ったから手伝うけど…
「じゃあお願いなんだけど…僕とデートしてくれない?」
「えっ、デート?」
「そうそう、ほら僕たち付き合ってから間もないけど、外に出てデートってしたことないからさ…思い出作りにうるはとデートをしたいなぁって…」
「確かに…」
よくよく考えると付き合い始めてからデートらしいこと全然してなかった…
デートってことは外に出るってことだよなぁ…外かぁ…
でも、何でもするって言った手前断るわけにはいかない。
「わ、分かった…で、できればあまり遠くないところがいいか…も…」
「うん、そこは近場で考えてるから任せて」
よかった…外に出るのは少し痛いが、彼と別れることにならなくてよかった…
普段恥ずかしいから言えないけど、今なら言える気がする。
「ねぇ?」
「ん?どうしたのうるは?」
「…大好きだよ」
「…うん、僕もうるはのことが大好きだ」
「…甘えてもいい?」
「もちろん」
さっきのように泣きつく形ではなく正面から力強く抱き着いた。
彼もそれに返すように抱き返してくれた。
普段はふわふわしてるような彼で頼りないように見えるけど、今はこうしてくれることに凄く安心する。
「これからもうちと一緒に居てくれる?」
「当たり前だよ。むしろ僕の方がお願いしたいくらい」
「捨てないでね?」
「絶対ないから大丈夫」
まだ付き合って間もないけど、彼とはずっと仲良くしていたい。
今の幸せな日常を壊さないよう、2人で乗り越えていきたいな…
おまけ
結局デートはうちが疲れないように家から近場での公園でピクニックとなった。
ここの公園は自然が豊かで園の中心には花畑が広がっていて、知る人ぞ知る穴場スポットになっていた。
「うーん…いい天気だ!平日だから公園も人が少ないし僕らの貸し切りみたいだ。ねっ、うるは?」
「暑い…疲れた…家に帰りたい…」
「まだ家から出て10分だよ!?」
「普段外出しないうちからすると、家から出るだけでもかなりハードルが高いことしてると思うんだよ…」
「これは重症かもね…はいこの帽子被って、後は飲み物もあるからこれ飲んで」
「あと普通にお腹すいたかも…」
「うるは家出るギリギリまで寝てたからね…ちょっと早いけどあっちのベンチに行ってお昼にする?今日はお弁当作ってきたから」
「食べる~」
その後はお弁当を食べながら談笑し、花畑を歩いていたがうちの活動限界が早くも訪れ帰宅することとなった。
お弁当や花畑の写真をSNSに上げてみたら、ぶいすぽメンバーやぽたく達から、
『うるはさんが外に出た!?』
『歴史的快挙』
と多くの反応が寄せられネットニュースにまで取り上げられてしまった。
もう少し外に出る機会を増やすか…