Blue Archive -Document GUYS feat.LXXX-   作:LN58

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EP15 繁殖する侵略者を撃て -Ⅴ.新しい夜明けを築くため-

 

 

――――――現在、怪獣無法地帯と隣り合わせながら復興の道を歩んでいる【アビドス高等学校】は侵略宇宙人の攻勢を受けていた。

 

 

この時に備えて【アビドス】に進駐していた【キヴォトス防衛軍】の防衛基地の対空兵装が次々と展開され、侵略宇宙人の攻勢に怯まず迎撃に移った。昨日の蝗害に続き、移動遊園地(funfair):リトルプラネットは四次元空間へと避難せざるを得なかった。

 

そして、非戦闘員の避難をプログラム通りに完了させ、同地に残るのは理由は様々でも怪獣退治の使命を帯びて戦うことを決意した勇気ある者たちである。

 

同地を治めている【アビドス高等学校】の生徒たちから逃げ出す者は一人もいない。【キヴォトス防衛軍】から提供された新兵器を一通り使えるように訓練を受けており、怪獣無法地帯から現れる怪獣たちには絶対に負けないという闘志を漲らせる。

 

また、本来は“連邦生徒会長”が失踪したことで閉校となるところを“シャーレの先生”が最高責任者となって存続に尽力してもらった大恩がある【SRT特殊学園】の生徒たちも【キヴォトス防衛軍】の主戦力として“GUYSの先生”の号令に嬉々として従い、人知を超えた超常の存在の総称である“怪獣(KAIJU)”に対して自分たちが磨き上げてきた能力を発揮できることを光栄に思っているほどだ。

 

その他にも、【キヴォトス防衛軍】や【キヴォトス防衛学園】で居場所や才能を見つけられた生徒たちもどれだけ最悪の戦場であろうとも希望を捨てずに立ち向かっていくのである。

 

元より当代随一の傑物と言われた“連邦生徒会長”ですら秩序を回復させることができない犯罪天国(ゴッサムシティ):キヴォトスの住人である。恐怖を我が物として覚悟を決めたのなら、どれだけ巨大な相手であろうと愛銃を片手に敢然と立ち向かうのだから、地球人:北条 アキラにとっては物悲しい戦士としての素質と環境であった。

 

それでも、玉砕など以ての外であり、最悪の状況に備えて総員撤退の準備も進められており、何が起きても不思議じゃないからこそ常日頃から準備を万端にしてきた【キヴォトス防衛軍】軍事顧問:北条 アキラの人心掌握と名采配が光ることになる。

 

一方、今回の侵略者の正体に心当たりがあるのが“宇宙の帝王”グレゴール星人:グレゴリオであり、アビドス砂漠に通じている怪獣墓場から現れたと思しき宇宙昆虫:サタンビートルとは別個体の黄金の羽が輝く上位種:ヘラクレスサタンビートルを送り込んできた敵に対して怒りを露わにしていた。

 

その敵は自らの身体を分裂させて編隊飛行で地上に攻撃を加えており、その迎撃に惑星守護神:ギガデロスと一体化した“地獄の釜の番人”神代キヴォトス人:サーベラスが対応しているが、先日の蝗害の時と言い、分身して単騎で集団火力を実現しても2m前後の小型の敵を撃ち落とすのは一苦労である。

 

巨大アリの時ですら撃ち漏らしが多数あって生徒たちに迎撃を任せてきたと言うのに、今回は巨大バッタから更に進化してアビドス砂漠の空から編隊飛行で地上を攻撃してくる巨大ロブスターのような何かともなると、かつてない被害が新アビドス自治区にもたらされたのである。

 

しかし、そんな状況だからこそ、思いを一つにして 力を合わせて 不可能を可能にする奇跡をこの豊穣と不毛とが交差する【アビドス】の地にもたらすのである。

 

 

錠前 サオリ「撃てぇ! 撃てぇ! 撃てぇ!」バキューーーーン!

 

槌永 ヒヨリ「は、はいぃ!」バキューーーーン!

 

戒野 ミサキ「とにかく、今はギャラクシー・スナイパーライフルだけが頼りなんだから! しっかり、ヒヨリ!」

 

秤 アツコ「地を這うアリ、砂漠を渡るバッタ、今度は空飛ぶロブスター?」

 

錠前 サオリ「ああ、それだけにサーベラス様の撃ち漏らしも多くなっている! 空高く飛んで編隊飛行をしているんだ! あそこまで届く武器は限られている!」バキューーーーン!

 

錠前 サオリ「だが、中てることができれば一撃だ!」バキューーーーン!

 

戒野 ミサキ「とは言っても! あっちはすばしっこい空の点々で、数撃ちゃ当たるまで こっちは撃たれ放題だよ、リーダー! 負傷者の手当もそうだけど、退路の確保だって考えなくちゃ!」

 

錠前 サオリ「怯むな! 敵はアリやバッタの群れと比べたら圧倒的少数だ! 落ち着いて1つ1つ狙うんだ!」バキューーーーン!

 

錠前 サオリ「お!」

 

秤 アツコ「RABBIT4(霞沢 ミユ)、撃墜数:8」

 

戒野 ミサキ「――――――は、『8』ぃ!? ヒヨリはまだ撃墜数:3だよ!?」

 

錠前 サオリ「さすがだな。コーイチがキヴォトス最強の狙撃手と見込んだだけのことはある」バキューーーーン!

 

秤 アツコ「――――――【便利屋68】社長:陸八魔 アルも撃墜数:3になったよ」

 

戒野 ミサキ「ヒヨリ!」

 

槌永 ヒヨリ「え、えええええええええ!?」バキューーーーン!

 

 

ズガガガガガガガガガガガ・・・!

 

 

ロボット職員「ダメだ! すばしっこい! ロブスターが空を飛ぶな! 自動照準が追いつかないか! 手動で予測射撃するしかない!」

 

ロボット職員「GUTSガルーダは小回りが利かない。あれはあくまでも50m前後の怪獣を想定した対怪獣兵器だから、それ以下の巨大生物との空中戦には向かない」

 

ロボット職員「くっそー! GUTSウイングがあれば、あんなのに後れを取ることはないのに……!」

 

剣先 ツルギ「落ち着いてください、“教父(せんせい)”。対空機関砲は狙いを定めて撃ち続けているだけでも圧力を掛けることができてますから」

 

美甘 ネル「ああ。直接 獲物に中てるのは腕自慢の狙撃手(スナイパー)たちに任せて、あたしたちは対空砲火で追い込みをかけるんだよ」

 

美甘 ネル「まあ、あたしもギャラクシーを撃つ方に回りたかったんだけどなぁ」

 

美甘 ネル「けど、チーム単位で対空砲とギャラクシー・スナイパーライフルを貸し出されて報酬が出るとあったら、あたしが部隊を指揮して追い込み猟を成功させないとだからな。それが“コードネーム:ダブルオー”のあたしの役目だからな」

 

美甘 ネル「ほらよ、一丁上がりだ。やるな、カリン。その調子でアスナに続け」

 

剣先 ツルギ「“教父(せんせい)”、マシロがやってくれましたよ」

 

ロボット職員「いい調子です。その調子です、みんな」

 

ロボット職員「この戦い、高射砲を効果的に運用する防衛部隊と狙撃部隊の連携が重要か。あとは狙撃部隊の位置取りや退路の確保を支援する護衛部隊にも気を配らないと」

 

ロボット職員「みんな、一所懸命に頑張ってくれている。【正義実現委員会】も、【C&C】も、【便利屋68】も、【美食研究会】も、【RABBIT小隊】も、【百鬼夜行】も、【山海経】も、【ハイランダー】も、みんな一人一人が……!」

 

ロボット職員「もちろん、【キヴォトス防衛軍】のみんな、【アリウススクワッド】も、【アビドス対策委員会】も、誰一人としてあきらめてなんかいない……!」

 

 

――――――あとは、先生方におまかせするしかない! 頼みましたよ! 先生! サーベラス様! グレゴリオ様!

 

 

人とは慣れていくものだ。すぐに慣れてしまう。それは若さ故の学習能力と元々がそういった環境で下地があったことですぐに適応できたという理由はある。

 

しかし、怪獣頻出期を迎えた学園都市:キヴォトスの生徒たちはすでに【キヴォトス防衛軍】の指揮下で恐るべき怪獣や侵略者と戦う準備と覚悟ができており、普通なら腰が抜けるか、形振り構わず逃げ出してもおかしくないのに、今となっては非常に頼もしい限りだった。

 

こうして対空迎撃用の高射砲と超長射程の狙撃銃を貸し与えれば、編隊飛行を組んで地上を攻撃してくる侵略者を少しずつだが着実に撃ち落としており、おそらく想定を超えた反撃を前に敵の攻勢が弱まっていくのを肌で感じられたことだろう。

 

また、指揮所である【キヴォトス防衛軍】防衛基地と政庁となる【アビドス高等学校】には対空防御として原始的ながらアーム制御で巨大な盾を構えることで敵の対地攻撃を防いでいた。

 

この防衛兵器:シャッターマシンに使われている装甲材はこれまでキヴォトスに現れては爆発四散してきた地底怪獣やロボット怪獣の破片を研究したことで生まれた新素材を使用しており、

 

構造も装甲材をアームの両腕に挟むだけのものなので、消耗したら装甲材を交換するだけで非常にわかりやすい。もちろん、これで怪獣の口から放たれる熱線を防げるわけがないのだが、少なくとも攻撃を防ぐ意志があることを敵に見せつけることはできる。

 

すなわち、今回のように知恵が働く侵略宇宙人の場合、重要施設の防御のために盾を構えているシャッターマシンが展開していない側面や背後を狙うように攻撃側の思考が誘導されることにより、

 

対空迎撃の高射砲で追い込みをかけられながら、対地攻撃するべき場所も目立つように配置された盾に誘導されていたことにより、敵は反撃の要となる腕利き揃いの狙撃部隊によって効率良く射止められていったのだ。

 

その一方で、巨大戦力同士の戦いの行方は――――――。

 

 

――――――反撃ダークガルネイトボンバー!

 

 

侵略宇宙人の刺客である宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートルはクリーン星人が使役した宇宙昆虫:サタンビートルを改良した上位種として、攻撃されると誘爆する恐れがある腹の弱点と克服しながら攻撃能力を高めていた。

 

背中の羽が黄金に輝き、改良された腹部からはロケット砲に代わって強力な熱線が連続発射され、上位種であることを示す身体能力の上昇によって更に鋭く尖らせた角によるマッハ9の突進攻撃の串刺しをお見舞いする。

 

しかし、どれだけパワーアップした上位種であろうと所詮はサタンビートルでしかないのだ。多少は能力が上がったようだが、一度見た技は二度と喰らわないのが最強たる所以。

 

超音速で繰り出される突進攻撃:ビートルチャージを“帝王グレイ”は見切り、ヘラクレスサタンビートルの突き出された角を紙一重で躱すと同時に瞬時に掴み上げ、圧倒的な力の差を見せつけるかのように強引にジャイアントスイングに持っていき、そこから背負投の叩きつけを喰らわせたのである。

 

強烈な叩きつけによってサタンビートルの弱点となる腹を晒したところにすかさず“帝王グレイ”が飛び掛かってきたところをヘラクレスサタンビートルが熱線を連続発射して迎撃するものの、

 

気の力で練り上げた超高熱光弾:ダークガルネイトボンバーに熱線が吸収され、飛びかかった勢いのままにヘラクレスサタンビートルの腹に 直接 ダークガルネイトボンバーが叩き込まれたのである。

 

結果、ダークガルネイトボンバーの火柱が新アビドス自治区の外で巻き起こり、火柱を背に黒光りする宇宙人の巨体が虚空の先の一点を見抜いた。

 

 

フォッフォッフォッフォッフォッ・・・!

 

 

――――――

奥空 アヤネ「先生! グレゴリオ様が――――――、いえ、“帝王グレイ”がサタンビートルを撃破しました! 火柱が上がっています!」

――――――

 

北条先生「よし! 残るは空飛ぶ巨大ロブスターの殲滅だ!」 ――――――トライガーショット!

 

戦場カメラマン「数は順調に減らしてはいるが、まだまだ油断はできない!」 ――――――ブラストショット!

 

北条先生「……くそっ! 怪獣墓場から出てきたサタンビートルに便乗してきたか! 変身できれば簡単に倒すことができたのに!」

 

戦場カメラマン「……ギガデロスがいくら優秀であっても、機関銃で虫退治をするには的が小さすぎる!」

 

北条先生「けど、こいつら、何だ? 捕食か? それとも、キャトルミューティレーションを狙っているのか!? 新アビドス自治区には無差別攻撃をしてくるわりには、僕たちの周りをやたらと低空まで降りてきて……?」

 

北条先生「まあ、おかげでこっちの射程内に自分から入って来ているから迎撃できているけど、このままだと残弾と体力は保つのか?」

 

北条先生「にしても、ヘラクレス座の宇宙格闘士がヘラクレスオオカブトの宇宙昆虫の相手をしたわけか……」

 

北条先生「夢があるなぁ……」

 

戦場カメラマン「この感じ、地球の紛争地域を思い出すな……」

 

戦場カメラマン「もっとも、俺が構えていたのはカメラであって、銃ではなかったんだがな……」

 

戦場カメラマン「どちらも人の死に向けられたものではあるか……」

 

 

おそらく普通のサタンビートルと上位種のサタンビートルの出現が重なったのは偶発的な出来事だったのであろう。

 

宇宙昆虫:サタンビートルは侵略者が送り込む文明破壊兵器としては非常に完成度が高く、航空機が主力の防衛軍ではまったく刃が立たないが、航空機じゃないと相手にもならない優位性を持った、まさに“悪魔のカブトムシ(サタンビートル)”であった。

 

カブトムシの名に恥じぬ鉄壁の装甲でありながら、マッハ8の超音速飛行が可能で、そのまま腹部からのロケット砲による空爆ができ、更にはカブトムシの角によるラムアタックで立ち塞がる障害を真正面から粉砕していくのだから、通常兵器では手も足も出ないのだ。その上で【ドキュメントMAC】の記載では“毒のゴミ”と書いてある毒ガス攻撃もできるため、完全に放置することなどできない人類文明の天敵である。

 

そのため、その危険性から可能な限り迅速に倒す必要がある怪獣であり、サタンビートルを上回るマッハ9の飛行速度を誇るウルトラマン80とメタフィールドで相手の逃げ場を封じるウルトラマンネクサスで速攻を仕掛けて撃退するのであった。やはり、ロケット砲の炸薬が誘爆するのか、ムーンサルトキックが腹部に直撃したことで楽々と倒すことはできた。

 

しかし、三次元世界から隔離されるメタフィールドで怪獣を倒したことに安心して変身を解除してしまったことで、次の変身できるまでの時間を稼がなくてはならない状況に陥ってしまった。

 

幸い、ウルトラマンがいなくても怪獣と戦える“シャーレの職員”“シャーレの研究員”“シャーレの指導員”といった豊富な人材は取り揃えているので、すでに理想的な布陣は確保しているのだが、ウルトラマンに変身できない間に街が攻撃されている状況で平静さを保つのは難しい。

 

自分がやった方が他の人に任せるよりも結果を出せるとわかっているが故のこの焦れったさを押し殺しながら人類と侵略者の生きるか死ぬかの真剣勝負にはハラハラが止まらない。みんなは無事で居るだろうか。

 

 

――――――だが、今の状況は何かがおかしい。

 

 

そうだ。宇宙昆虫:サタンビートルを倒してすぐに上位種のサタンビートル(ヘラクレスサタンビートル)が現れ、変身ができないのだから、すぐにでも【アビドス高等学校】に帰還して防衛の指揮を執るべきなのだ。

 

なのに、どうして砂漠に呑まれた旧市街地で空飛ぶ巨大ロブスターの相手なんてしているのだ。相手は群れなのだから、ハンドガン程度で殲滅できるわけもないのに、こうして廃ビルに逃げ込んでいるのはなぜなのだ。さっさと迎えを呼んで窮状を脱するべきなのに。

 

宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートルをヘラクレス座の宇宙格闘士(グレゴール星人)が倒した証である火柱の方を見ると、なんと怪獣サイズの巨大な繭がアビドス砂漠に落ち、舞い上がった衝撃波が轟音と共に襲ってきたのである。

 

何かが勢いよく落ちてきた衝撃が伝わるや否や、廃ビルの中に急いで身を隠してやり過ごすことになったのだが、そこで敵の正体が何なのか、ようやくわかったのである。

 

 

フォッフォッフォッフォッフォッ・・・!

 

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……ほう、ギガデロスとはちがった方法で分身体を生み出していたのか」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……そして、この巨大な繭か。怪獣カプセルなのであろうな」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「手を出すな、サーベラス。これはオレとやつらの因縁だ」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「断る。そう言うのならば、喧嘩なら外でやって欲しいものだな。この惑星は我ら光の勢力の領域だ」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「大方、尾けられていたのであろう? “宇宙の帝王”は人気者だな?」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「母星を自分たちの科学実験で滅ぼしておいて、そこから新天地を目指すというのは聞こえはいいが、所詮は闇の種族。難民らしく慈悲に縋って慎ましく生きていればいいものを、新天地と称して先住民を狩り尽くしては何度も同じ轍を踏んで星々を滅ぼしている、救いようのない宇宙の屑共だ」フン

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「で、そうやって難民であることを弁えずに宇宙のあちこちで星々を滅ぼしてきた過去の所業から行く先々で迫害を受けていくようになり、その逆恨みから自分たちの生存圏確立のために全宇宙の支配を目論む邪悪な種族に成り果てたわけだ」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「ああ、そういうことか」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「つまり、弱いんだな、こいつらは?」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「ああ。太古の時代から宇宙に存在して未だに“宇宙の帝王”を自称している生きた化石:バド星人並みに、科学の発展と引き換えに理性を蒸発させた 生まれながらにして宇宙にとって有害物質のロブスターマンの種族というわけだ」

 

 

パワードバルタン星人「黙れ! 黙れ! 黙れ! 貴様に殺された同胞たちの仇を討たせてもらうぞ、グレゴール星人! そして、今日こそ我らバルタン星の科学力が宇宙最強であることを証明するのだ!」

 

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「貴様らこそ黙れ、下衆が! 貴様らに滅ぼされた星々の人間たちの怒りや哀しみを忘れたとは言わせんぞ!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「むしろ、そっちの方から出向いてきてくれて探す手間が省けたと言うものだ!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「いいか、グレゴール人の神聖な決闘(デュエル)を穢したものに下されるのは名誉と誇りを懸けた決闘(デュエル)ではなく、邪悪を討つための誅伐(パニッシュメント)なのだ!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「さあ、かかってこい! クリーン星人が使役していた宇宙昆虫:サタンビートルなんぞを使わなければならんほどに落ちぶれた宇宙忍法で何ができる、バルタン星人!」

 

パワードバルタン星人「ならば、見せてやろう! バルタン星の科学力は新生物の創造すら可能であることをな!」

 

パワードバルタン星人「さあ、目覚めよ! 今日が貴様の命日だ、グレゴール星人!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「――――――繭から怪獣が現れるか」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「な、なにぃ?! こ、こいつはまさか――――――!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「…………?」

 

 

ゼットーン! ピポポポポ・・・!

 

 

パワードバルタン星人「どうだ、グレゴール星人?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……何だ、こいつは? 使役するのが青光りするロブスター星人なら、今度は黒光りするカミキリムシの怪獣か? 本当に虫と縁があるな、アビドス砂漠は」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「――――――宇宙恐竜:ゼットンだと!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……なに、『宇宙恐竜』とな?」

 

パワードバルタン星人「その通り、我がバルタン星の科学力によって完璧に改良(パワード)された最強怪獣だ」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「……はったりを! ゼットン星人が生み出した改造怪獣を完璧になど改良できるものか!」

 

パワードバルタン星人「では、試してみるといい」

 

パワードバルタン星人「行け! グレゴール星人を抹殺しろ、パワードゼットンよ!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「――――――後ろだッ!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「わかっている! 貴様ら宇宙忍者:バルタン星人のやり方は見飽きたわッ!」ガシッ

 

 

――――――黒光りする宇宙格闘士:グレゴール人と黒光りする宇宙恐竜:ゼットンがアビドス砂漠で激突する! それも、ただの宇宙格闘士ではない! ただのゼットンではない! “宇宙の帝王”グレゴリオとパワードゼットンの激闘である!

 

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「で、人様の星にやってきて挨拶もなしか? バルタン星人というのは相当な田舎者であるようだな? 恥ずかしいから田舎者は帰りな?」

 

パワードバルタン星人「グレゴール星人の肩を持つのなら、貴様たち原生生物も容赦せん」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「いや、喧嘩をするなら他所でやって欲しいだけだが、そういった社会常識も礼儀作法も知らないような 頭が良いだけの 我らの隣人にふさわしくない異星人には早々にお帰り願いたい」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「あ、帰る田舎がないんだっけっか? ご自慢の科学力で母星を滅ぼしたせいで?」

 

パワードバルタン星人「下等生物の分際で我らバルタン星人を侮辱するな!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「ほら、来た。暴力しか取り柄のない闇の蒙昧種族の分際で 高度な文明を誇る社会的生物の言葉らしきものを囀るが、相変わらず この手の輩には生産性がなく 建設的じゃなく 中身がないな」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「社会常識や礼儀作法を理解する知性がないくせに、自分が馬鹿されたことだけは理解できる 中途半端な脳味噌というのは おいたわしくて 痛々しくて おかわいそうでしかたがないな!」

 

パワードバルタン星人「許さん! 許さんぞ! 貴様も今から我らバルタン星人の抹殺リストの仲間入りだ!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「さあ、こんなにもわかりやすい悪の宇宙人だ! 今こそ真価を発揮するぞ、惑星守護神:ギガデロス!」

 

 

――――――300万年前のアンバランス期の文明を守り抜いた惑星守護神:ギガデロスと数々の惑星を滅ぼしてきた悪の宇宙人:パワードバルタン星人との決戦も始まった。

 

 

本来ならば“地獄の釜の番人”神代キヴォトス人:サーベラスとしては侵略の意思がないのなら無関係で通すつもりでいたのだが、“宇宙の帝王”グレゴール星人:グレゴリオと宇宙中で悪名高い侵略宇宙人:バルタン星人の因縁に巻き込まれ、否応なく応戦する羽目になっていた。

 

もっとも、手を出さないように言ってきた“宇宙の帝王”グレゴリオだったが、バルタン星人が用意してきた最強種の刺客である宇宙恐竜:パワードゼットンの相手をすることになって手持ち無沙汰となり、

 

それはそうとして、こうして侵略してきた異星人を始末するのも“地獄の釜の番人”神代キヴォトス人:サーベラスの役目であるため、久々の異星人狩りに光の眷属としての血が騒いでいた。

 

つまり、神代キヴォトス人:サーベラスは個人的な欲求とそういう役割から宇宙忍者:パワードバルタン星人との戦闘を始めたわけなのだが、そこにはこの惑星で今を生きるキヴォトスの子らを因縁に巻き込んだことへの怒りがあり、同時に そこまでの科学力があって やっていることが侵略というどうしようもなさにやりきれなさを抱いていたのだった。

 

そう、北条先生がキヴォトスで書き上げようとしている論文で説かれていた『生態の進化』はあったとしても『文明の進歩』などそこにはなく、やっていることが理性主義からの明らかな後退であることに気づかぬまま、宇宙中で恨みを買いまくった挙げ句に逆上して全宇宙の征服などという誇大妄想狂に陥っているバルタン星人の行く末をただただ憐れむ他なかった。

 

神代から続く超古代文明の生き残りである光の眷属:サーベラスにとっては、自分の母星を滅ぼしておいて それを自慢してくるバルタン星人が誇る科学力など、超古代文明を滅ぼした光と闇の最終戦争の時代で雨霰のように飛び交っていた巨人同士の光線技の激突と比べたら大して自慢になるようなものでもないと正直に思っていたのだった。

 

 

――――――戦いは熾烈を極めることとなる。

 

 

ゼットン星人が生み出した最強種として名高い宇宙恐竜:ゼットンは地球人:北条 アキラも知る強豪怪獣の一角であり、初代ウルトラマンの必殺技を尽く打ち破る強力な能力の数々を持っており、正直に言って現状の【キヴォトス防衛軍】の戦力で勝てるような相手ではなかった。

 

それが光の国に匹敵する科学力を誇るバルタン星人によって強化された個体ともなると戦闘能力は段違いであり、バルタン星人と因縁があるグレゴール星人を抹殺するために調整を施されたパワードゼットンはまさしく最強の敵であり、前座となる宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートルを一蹴した“帝王グレイ”と互角以上の戦いを繰り広げていた。

 

通常のゼットンには見られなかった展開された翼と角張った外見に加えて、鈍重さとは異なる重みのある動きが強烈な威圧感(プレッシャー)となって相手に放たれており、それでいてテレポーテーションによる強襲を一瞬で仕掛けてくるという とんでもなく緩急をつけた動きから繰り出される 見た目通りの黒光りした打撃の重さがグレゴール星人の身体を激しく打ち付ける。

 

が、激痛に怯むことなくグレゴール星人が一瞬でカウンターを仕掛けると、パワードゼットンは硬い動きでようでいて無駄のない的確な動作でカウンターを捌いて、逆にグレゴール星人に即座にカウンターをお見舞いし、廃ビルへと吹っ飛ばしてしまうのだ。

 

そして、テレポーテーションで小刻みにジグザグに近づきながら両手からエネルギー弾を四方八方から放ち、廃ビルに身体を打ち付けることになりながらも両手でダークバリヤーを展開して攻撃を防ぐグレゴール星人の真上から宇宙恐竜が襲いかかってくるのである。その動きはまるで宇宙忍法である。

 

しかし、所詮は自分たちの科学力が至高であると思い上がって母星を滅ぼし やっと見つけた新天地を次々と滅ぼしては宇宙中で恨みを買うことを止められなかった 知能は高くても愚鈍な種族であるため、バルタン星人の高度な科学力と戦闘術が融合した宇宙忍法もまた旧態依然としたものであった。

 

というより、宇宙恐竜:ゼットンの戦闘能力と宇宙忍者:バルタン星人の宇宙忍法の相性が良すぎてグレゴール星人の刺客として用意したパワードゼットンはゼットンの姿をしたバルタン星人のような戦い方に染まってしまっているため、バルタン星人の宇宙忍法(やり口)を熟知しているグレゴール星人への力押しが通用しなくなっていたのだ。

 

そう、変身怪人:ゼットン星人が生み出した宇宙恐竜:ゼットンが何故に最強種として恐れられているのかと言えば、それは生みの親である変身怪人:ゼットン星人の得体の知れなさや不気味さを反映させた不条理にあり、

 

たしかに代名詞とも言える一兆度の火球は星系消滅レベルの脅威であるが、非生物的な特徴から感情らしきものが読み取れず、挙動や思考を予測できないことが実際に宇宙恐竜:ゼットンを目の前にして相手が感じる最大の圧力であったのだ。

 

ところが、宇宙忍者:バルタン星人の美意識と知性が注がれた宇宙恐竜:パワードゼットンはたしかに元々から初代ウルトラマンを圧倒する基本能力が更に上昇した上に全身黒光りする無機質さから威圧感が増しているのだが、

 

逆に生みの親である変身怪人:ゼットン星人の精神性が反映された得体の知れなさや不気味さに由来する不条理が解消されており、かえって挙動や思考が予測できる存在に成り下がっていたのだ。

 

恐怖とは()()()()()()()()()()()()()()()()に由来するストレス反応であり、宇宙恐竜:ゼットンが最強種として宇宙中で恐れられた要因と言うのは一兆度の火球やテレポーテーションと言った圧倒的な戦闘能力に上乗せされた()()()()()()()()()()()()にあるわけであり、

 

それが隙あらば自分たちの科学力を自慢してくるような自己顕示欲の塊である宇宙忍者:バルタン星人らしい挙動や思考が反映されて元の持ち味が殺されていることがわかってしまえば、宇宙恐竜:パワードゼットンはただの一兆度の火球やテレポーテーションと言った戦闘能力の高さを誇る宇宙怪獣の一体でしかなくなってしまうのだ。出方さえわかってしまえば対策は立てられるのだから。

 

そう、顔の表情が存在しない無機質な容貌によって外見からは『感情』が読み取れないのだが、完璧に計算された無駄のない動きこそが制作者の明確な『意思』が存在していることを雄弁に語ってしまっているのだ。

 

そのため、基本能力ではたしかにグレゴール星人を抹殺するために入念な調整と万全の対策を施した宇宙恐竜:パワードゼットンが圧倒していたのだが、暗黒宇宙で拳一つで成り上がって“宇宙の帝王”の称号(タイトル)を勝ち取ったグレゴール星人:グレゴリオがその程度のことで屈するわけがなかったのだ。自分よりも力だけが上回る相手とは数え切れないほど拳を交えて打ち勝ってきたのだから。

 

テレポーテーションで真上から大斧のように威力抜群の手刀を振り下ろしてくるパワードゼットンに対して、アビドス砂漠に思い切り背中を預けて手刀が振り下ろされるタイミングをずらしたかと思いきや、肩の力だけで大地を跳躍したことにより、振り下ろされる手刀よりもリーチの長い鍛え抜かれた剛脚を天を貫かんばかりの勢いで“帝王グレイ”は連続で叩き込んだのである。

 

データにはなかった まさかの反撃によって 重力に反して勢いよく浮き上がる身体を展開された翼から浮力を出して勢いを殺そうとするパワードゼットンを気の力で赤熱化した腕を突き出した炎の弾丸となった“帝王グレイ”が全速前進で射出される。

 

しかし、並みの怪獣ならば一巻の終わりであり、自分自身を炎の弾丸にするダークガルネイトボンバーで土手腹に大きな風穴を開けられるはずだったが、パワードゼットンは並大抵の怪獣ではないため、無防備になった土手腹に強烈な一撃が叩き込まれても貫くことができなかったのだ。

 

すぐに怯みから復帰して懐に入り込んできた敵を払い除けようとパワードゼットンが手刀を叩きつけようとするが、今度は“帝王グレイ”がパワードゼットンの両手を絡め取って顔面を引き寄せて膝蹴りを浴びせて頭が跳ね上がった一瞬にパワードゼットンの脚を掴み上げてひっくり返すと、

 

パワードゼットンの背中から再び気の力で赤熱化させた腕を胴体を切断する勢いで食い込ませて回転の勢いをつけることでパワードゼットンの体細胞に火が着き、炎の竜巻のごとく空中から地表へと勢いよく真っ逆さまにパワードゼットンが叩きつけられることになったのである。これもまたダークガルネイトボンバーの応用。

 

そして、パワードゼットンの立派な角がドリルのように地表を削り取ることになり、パワードゼットンの上半身が完全に埋められてしまったのであった。

 

しかし、さすがはバルタン星の科学力で強化された宇宙恐竜:パワードゼットンであり、テレポーテーションで素早く地面に埋まった状態から脱出して、抹殺対象であるグレゴール星人とは元の無機質さと威圧感を取り戻した姿勢で再び向き合うのだった。

 

それでも、土手腹に撃ち込まれたダークガルネイトボンバーの体当たりと背後から鯖折り(ベアハッグ)を掛けられながら火を吹かせたダークガルネイトボンバーの脳天杭打ち(パイルドライバー)を連続で叩き込まれたことで腹部を中心にして外見は無事でも内部では重篤な損傷を受けた状態となっており、血も涙もない精密機械の殺人マシンのようなキレが失われていたのである。

 

 

よって、ここは一気呵成に攻め立てるのではなく、格の違いを見せつけるかのように“宇宙の帝王”グレゴール星人:グレゴリオは帝王の傲岸さを湛えて 刺客として送り込まれた宇宙恐竜:パワードゼットンのすでに精彩さを欠いた攻撃を耐えながら必殺の一撃を叩き込む機会を窺っており、想定以上にグレゴール星人が粘りを見せる様子に計算違いだとバルタン星人が狼狽するのであった。

 

 

というのも、目的である“帝王グレイ”抹殺を見届けるためにアビドス砂漠に姿を現したバルタン星人だったが、本来ならば戦う必要がなかった辺境の惑星の原生生物からの挑発を受けて激昂してしまう――――――。

 

これにより、純粋な戦闘能力ではウルトラマンを完全に凌駕している惑星守護神:ギガデロスとの交戦状態に入り、ウルトラマンと互角程度の戦闘能力しか持っていないバルタン星人ではまったく刃が立たない状況に陥ってしまったのだ。

 

これこそが惑星守護神:ギガデロスの真骨頂であり、バルタン星人が宇宙忍法から繰り出すバルタン星の科学の結晶であり誇りである宇宙忍法が次々と真正面から打ち破られてしまうのだ。

 

300万年前のアンバランス期に人類文明を追い詰めたスペースビーストを封印まで追い込んで現在も現役で稼働している継戦能力の高さとロボット怪獣としての頑丈さはあくまで一個の生命体として生身で戦っているバルタン星人では根本的に比べ物にならないものであり、

 

鋭く尖らせたバルタン星人のハサミがギガデロスの装甲の前ではまったくの無力であることがわかるなり、宇宙忍法の身軽な挙動から間合いを取って赤色破壊光線:バイオビームをギガデロスに中ててしまったことで、そこからデロスイリュージョンでギガデロスの分身体を無尽蔵に生み出すことになってしまうのだ。

 

それに対抗して青光りするバルタン星人もまた分身体を繰り出すのだったが、バルタン星人の分身は文字通りに自らの体組織を分裂させたものである一方、ギガデロスの分身体は敵が放ったエネルギーから創り出す質量を持った残像であるため、

 

惑星守護神:ギガデロスの装甲と特殊能力(デロスイリュージョン)を突破する方法がない以上は、分身体同士の削り合いになると一方的に消耗させられてしまうのは文字通りに身を削っているバルタン星人の方であったのだ。

 

そのことにご自慢の知能で逸早く気づいてしまい、バルタン星の科学が何処の馬の骨ともわからない科学者が創り上げたロボット怪獣ごときに遅れを取っている事実にかつてないほどの屈辱を自分一人で勝手に味わっているのを光の眷属:サーベラスは嘲笑う。

 

それで更に頭に血が上ったバルタン星人が両手のハサミから周囲の廃ビルを吹き飛ばすほどの威力を誇る衝撃波:フラッシュ念動波を繰り出すのだったが、吹き飛ばすはずのギガデロスだけは不可視のバリアーによって衝撃波を防いでいたのだった。

 

それどころか、次の瞬間にはバルタン星人の開いたハサミが自分の意思に反して限界以上に広げられて自壊することになり、それを光の眷属:サーベラスは嘲笑うどころか嘲笑して勝ち誇るのである。

 

そう、これは惑星守護神:ギガデロスではない。ギガデロスを動かしている光の眷属:サーベラスの仕業であり、肉体を伸縮させて巨大化するのではなく、光と一体化することで本来の肉体を取り戻す光の眷属であるが故に精神力が鍛え抜かれており、科学の発展の代償に精神性が退化したバルタン星人の念動波を逆利用することぐらいお茶の子さいさいであったのだ。推定3000万年以上の超古代より遥か以前の神代からの生き残りなのだから年季が違うのだ、年季が。

 

そのため、惑星守護神:ギガデロスと光の眷属:サーベラスが持つ時代を越えた正義の力が1つになって発揮された相乗効果は人間の心を失って邪悪な種族に成り果てたバルタン星人の宇宙忍法を完全に封じることに成功しており、

 

それは行く先々の星々を滅ぼしておいて 新生物の創造が可能であるとまで豪語する 神の領域に踏み込んだバイオテクノロジーですぐさま損傷を修復したバルタン星人の心を折るのに十分すぎるものであった。

 

それはまさしく目の前に立ち塞がる惑星守護神:ギガデロスと光の眷属:サーベラスの能力の全容がわからないが故の恐怖であり、宇宙恐竜:ゼットンが最強種として恐れられた要因である不条理を今まさに数々の星々を滅ぼしてきた侵略宇宙人が味わっているわけである。

 

だからこそ、本来の目的である“帝王グレイ”抹殺のために送り込んだ宇宙恐竜:パワードゼットンの方を見た。粉々に砕かれて欠片ばかりになったプライドを満足させるために 今回は小手調べということにして 本来の目的を達成したら勝ち逃げすることで己の溜飲を下げるつもりであった。

 

しかし、計算では“帝王グレイ”の抹殺はすでに完了しているはずが、想定外の粘りを見せてパワードゼットンの攻撃を耐えている“帝王グレイ”の奮戦に絶望感が綯い交ぜになって更に苛立つことになるのであった。

 

そう、バルタン星の科学を誇りとするぐらいに卓越した頭脳に裏付けされたプライドの高さがあるわけだが、そうやって自分たちの存在を至高に位置づけることで自身の能力を疑わなくなった結果、計画通りにいかないことに対する堪え性や煽り耐性がまったく育たなくなり、ご自慢の科学力の高さに反して すぐに感情的になってしまう幼稚さが浮き彫りとなる。

 

そして、それをいつまでも繰り返すのだから、本当に学ばない連中である。

 

追い詰められたことで戦場で知性の高さを取り繕うこともできなくなった下衆が次にとる行動はいつも決まっているのだ――――――。

 

 

パワードバルタン星人「て、抵抗を止めろ、グレゴール星人! これを見ろ!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「なにっ!? 何だ、その袋は!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「まだ分身体を潜ませていたか!」

 

パワードバルタン星人’「そうだ! 貴様たちが必死に守ろうとしている下等生物共だ! それがこの袋の中に詰められている! 中身を透視してみろ!」

 

パワードバルタン星人”「バルタン星の動物園に連れて帰るつもりだったが、この上は宇宙格闘士:グレゴール星人の名誉と誇りを奪うための生贄としてくれる!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「まさか、そこに囚われているのは――――――!」

 

――――――

北条先生「ぐああああああああああ!?」

 

戦場カメラマン「くぅうううううううう!?」

――――――

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「――――――先生たちか!?」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「……サタンビートルを倒した後の回収(迎え)が間に合わなかったというわけか」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……不覚ッ!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「なら、そっちは――――――」

 

 

ロボット職員(インナースペース)「――――――アツコたちを返せッ! このロブスター星人ッ!」

 

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「――――――GUTSガルーダ! ということは、コーイチか!?」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「ダメだ! 撃つなッ! こいつらは人質を別々に持っている!」

 

ロボット職員(インナースペース)「なっ!? 卑怯だぞ!」

 

――――――

秤 アツコ「う、ううううううううううう!」

 

錠前 サオリ「だ、大丈夫だ、姫! 何があっても私が守る!」

 

聖園 ミカ「きゃあああああああああああ!?」

 

勘解由小路 ユカリ「ああああああああああああ?!」

――――――

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「――――――ミカ!? それにユカリもか!? どういう巡り合わせだ、これは!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……ほう、サオリとアツコがいるのか」

 

パワードバルタン星人’「そうだ! 動くな、グレゴール星人! 人質がどうなってもいいのか!」ブンブン!

 

パワードバルタン星人”「ロボット怪獣と戦闘機の方もだ! 妙な真似をしたら、人質の命はないと思え! バイオビームですぐに灰にしてくれる!」ユサユサ!

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「おのれ! どこまでも見下げ果てたやつらだ! 誇りはないのか!?」

 

パワードバルタン星人'「黙れ! これは我らバルタン星人の正当なる復讐だ!」

 

パワードバルタン星人"「グレゴール星人にとどめを刺せ、パワードゼットン!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「ぐおおおおおおおおおおお!?」

 

ロボット職員(インナースペース)「ぐ、グレゴリオ様ああああああああ!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……アツコよ」

 

 

ゼットーン! ピポポポポ・・・!

 

 

侵略宇宙人:バルタン星人は行く先々で星々を滅ぼしては原生生物をバイオテクノロジー研究の実験動物として持ち帰っており、2体の分身体が更に細かくたくさん分離して新アビドス自治区を高射砲が届く高度から低速で編隊飛行をしながら攻撃をしてきたのは現地の防衛能力の確認と捕獲する原生生物の品定めをしていたからであった。

 

もちろん、バルタン星人にとってこの侵略は復讐のついでに行われているものであり、復讐対象であるグレゴール星人が超古代の伝説の巨人と決闘するために辺境の惑星に降下した時点で斥候を放っており、

 

キヴォトスの中心地である【メトロポリス(首都:D.U.)】の防衛力がどの程度のものかを測るためにサンクトゥムタワーに送り込まれたのが宇宙怪獣:エレキングの正体であった。

 

そして、バルタン星人の弱点であるスペシウム光線を基本技とするM78星雲/光の国のウルトラマンがサンクトゥムタワーの防衛のために現れ、その場で突然変異させて戦闘能力を強化した宇宙怪獣:EXエレキングが撃破されたことにより、下手に天敵であるウルトラマンの相手をするよりも復讐対象であるグレゴール星人の追跡を優先することになったのである。

 

そう、本当ならば文明破壊兵器になる改造怪獣を何体も送り込んでサンクトゥムタワーを一気に陥落させることも容易であったのだが、ウルトラマンがキヴォトスに現れたことがバルタン星人の侵略活動を大きく狂わせる抑止力になったのである。

 

それから天敵であるM78星雲/光の国のウルトラマンと復讐対象であるグレゴール星人:グレゴリオが一箇所(【アビドス】)に集まったということで一網打尽にすべく復讐と侵略を同時に決行することになったのだった。

 

その先鋒として改造を施した宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートルによる地上攻撃でウルトラマンを釣り出す手筈だったのだが、偶然にも怪獣墓場から復活した同じ宇宙昆虫:サタンビートルが作戦を代行することになったのである。

 

余談だが、本来ならば宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートルによる【アビドス】襲撃に並行して、【ゲヘナ】のヒノム火山を噴火させるべく凶猛怪獣:ギーストロンも事前に仕込んでいたのだが、そこが光の眷属:サーベラスの領地であったことから即座に察知されたことで排除されていた。

 

そして、怪獣墓場で復活した宇宙昆虫:サタンビートルを倒したウルトラマン2人の正体は見抜いており、変身を解除して【アビドス】に徒歩で帰還するところを分身体で低空飛行して追い回すことで疲弊させる捕獲作戦を展開していたのである。

 

その理由こそがバルタン星にある動物園に侵略した惑星から連れ去った原生生物を充実させたいというコレクション欲によるものであり、天敵であるM78星雲/光の国のウルトラマンというウルトラレア原生生物を捕獲できるかもしれない絶好の好機を逃がすわけにはいかなかった。

 

そのための陽動作戦としてグレゴール星人に復讐するために用意した宇宙恐竜:パワードゼットンの投入タイミングを計っており、怪獣カプセルとなる巨大な繭が地表に降下したタイミングで捕獲作戦が実行に移されたわけである。

 

今回の原生生物捕獲作戦の肝は宇宙怪獣:EXエレキングを倒すほどの実力を見せたウルトラマン80の変身者である地球人:北条 アキラであり、そのついでに未確認のウルトラマンの変身者も捕獲できたのはこの上ない幸運であった。

 

一方、一番の獲物であるウルトラマンの変身者を捕獲できたので捕獲作戦の成果としては十分だったのだが、地上攻撃を加えている新アビドス自治区からも可能な限りの原生生物を持って帰ろうと欲張った結果、

 

地上に降り立ったバルタン星人の迎撃に逸早く現れ、宇宙忍法で翻弄して誘いをかけ、それに深追いして孤立してしまった生徒たちが動物園の檻の中へと入れるために捕獲される事態になっていたのだ。それが聖園 ミカ、勘解由小路 ユカリ、錠前 サオリ、秤 アツコの4人であった。

 

しかし、得意の宇宙忍法で一瞬で催眠ガスが充満している袋の中に所狭しと詰めし込まれることになった原生生物たちだったが、なかなか眠りに落ちることがなくジタバタと暴れ回るのでどうしたものかと思っていたところに、本命であるグレゴール星人への復讐を決行していた本体が逆に追い込まれるという計算違いの事態になっていたのである。

 

そのため、窮地に追い込まれた本体を助けて復讐を遂げるために捕獲作戦を担当していた分身体が救援に駆けつけ、形振り構わない人質作戦を展開したのである。

 

元々、復讐ついでの原生生物の捕獲作戦である。その辺でたくさん捕れる原生生物の命など、どうなろうがかまわないのである。とりあえず、ウルトラレア原生生物であるウルトラマンを手放すのは惜しいから、それよりも軽い命と見なされた4人のキヴォトス人の方を先に人質として使い潰す――――――。

 

まさに外道の所業に対して成す術がなく、形振り構わない復讐の暴力が宇宙恐竜:パワードゼットンとなってグレゴール星人:グレゴリオに容赦なく襲いかかり、まさに絶体絶命――――――。

 

 

――――――その時である!

 

 

Come on!

 

Neos-let!

 

Connect on!

 

 

――――――青光りするバルタン星人が手にした人質が詰められた袋から眩い閃光が天へと昇ったのである!

 

 

――――――誰もが天を見上げた一瞬の隙に隣り合ったバルタン星人の分身体の袋から袋へと光が移し渡されたのである!

 

 

 

光の絆で輝きを放つ短剣(エボルトラスター)が勢いよく引き抜かれて天へ掲げられた!

 

 

 

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――――――次の瞬間、紅い閃光と共にウルトラマンネクサスが現れ、腕から伸ばす光の帯(セービングビュート)で人質が入った袋がバルタン星人から解放されたのである。

 

 

ロボット職員(インナースペース)「やった! あれはウルトラマンネクサス!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「……よくやってくれた、アツコよ」

 

パワードバルタン星人’「な、なにっ!?」

 

パワードバルタン星人”「ば、馬鹿な……!?」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「覚悟はいいか、この下衆が!」グググ・・・! ――――――パワードゼットンの攻撃を受け止めながら!

 

 

パワードバルタン星人「――――――!」バッ ――――――翅を展開して逃走を図る!

 

ロボット職員(インナースペース)「待てッ! 逃がすか、このロブスター星人が!」 ――――――パワードバルタン星人を追跡!

 

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「なるほど、分身体は捨て駒にして我らを足止めか。正しい判断だな」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「まだやれるか、適能者(デュナミスト)よ?」

 

戦場カメラマン(インナースペース)「……ああ、アツコから受け取った“光”だ。無駄にはしない」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「では、反撃と行こうか! 覚悟はいいか、バルタン星人とやら?」

 

パワードバルタン星人’「こ、こんなはずが……!」

 

パワードバルタン星人”「な、なめるなああああああ! この下等生物共があああ!」

 

戦場カメラマン(インナースペース)「……この力は決して希望を捨てない人々の為にある」

 

戦場カメラマン(インナースペース)「お前たちもそうであったはずなのに、そのことを忘れて侵略を繰り返すお前たちが勝てるはずがない!」

 

 

ゼットーン! ピポポポポ・・・!

 

 

北条先生「みんな、大丈夫ですか! 怪我はないですか!?」

 

聖園 ミカ「せ、先生……!」ゴホゴホ・・・

 

勘解由小路 ユカリ「み、身共! 身共、本当に怖かったです……!」ヒッグ・・・

 

北条先生「うん、怖かったね」ヨシヨシ

 

北条先生「……これで全員ですか?」

 

錠前 サオリ「ああ、ロブスター星人の奇怪な術で捕らえられたのは突出した私たち4人だけだ。危うく動物園の見世物にされるところだった……」ゴホゴホ・・・

 

秤 アツコ「でも、近くにサーベラス様たちがいたから」フフッ

 

北条先生「……そうですね」

 

北条先生「さあ、早く【アビドス】へ避難してください」

 

聖園 ミカ「せ、先生は……?」

 

北条先生「逃走した個体のことも気に掛かりますが、それはGUTSガルーダに任せて、今はバルタン星人とゼットンの撃滅です!」

 

北条先生「秤さん、もう少しだけ力を貸してください」

 

秤 アツコ「うん。先生がそう言うのなら」

 

聖園 ミカ「え、何をする気なの、先生?」

 

勘解由小路 ユカリ「もしかして、さっき見えた光と何か関係があるのですか?」

 

錠前 サオリ「……先生、どうする?」

 

北条先生「……そうだねぇ」

 

 

北条先生「じゃあ、聖園さんも勘解由小路さんも目を瞑ってお祈りをしようか」

 

 

聖園 ミカ「え」

 

勘解由小路 ユカリ「……お、『お祈り』を?」

 

北条先生「そう、今から行うことは【アリウス】の秘儀だから、目を瞑って祈りを捧げて欲しい」

 

北条先生「目を開けちゃいけないよ。直視したら目が潰れるからね」

 

聖園 ミカ「え、えええ?」

 

勘解由小路 ユカリ「わ、わかりました! 身共、平和のために祈ります!」

 

北条先生「さあ、聖園さんも! 【トリニティ】の代表なんでしょう? お祈り、出来ますよね?」

 

聖園 ミカ「う、うん! 私だってそれぐらいは……!」

 

北条先生「錠前さん、2人が見ないように僕の上着で視界を奪っておいてください」ヌギッ

 

錠前 サオリ「わかった」

 

北条先生「じゃあ、始めてください」

 

秤 アツコ「うん! そのために私はここにいるよ、先生!」

 

 

――――――静かに目を閉じ、意識を集中させ、右手に光を漲らせる。

 

 

北条先生「まさかの宇宙恐竜:ゼットンの登場にも驚かされたが、宇宙忍者:バルタン星人もアビドス砂漠に現れるだなんて、とことん厄介な性質だよ……」

 

北条先生「それはそれとして、【アーカイブドキュメント】で見た個体とは随分とちがうようだけど、二度に渡るウルトラマン80との戦いを最後に地球で姿を見せなくなってから本格的に侵略宇宙人として悪名を轟かせるようになっていたのか……」

 

北条先生「けど、それなら気兼ねすることなく敵として葬ることができるか。本当に残念だけれども……」

 

 

Come on!

 

Nexus-let!

 

Connect on!

 

 

Come on!

 

Tiga-let!

 

Connect on!

 

 

北条先生「バルタン星人の弱点はスペシウム光線だ!」

 

北条先生「さあ、受け取ってください、ウルトラマンネクサス! カイザー・グレイ!」

 

北条先生「せーの!」

 

秤 アツコ「クロスタッチ!」パシッ ――――――左腕で先生とクロスタッチ!

 

秤 アツコ「受け取って、この光を!」

 

 

――――――タイガスパークからの光が秤 アツコの祈りを通じてキヴォトスの守護神たちに送り届けられる!

 

 

勘解由小路 ユカリ「????」

 

聖園 ミカ「え、何?」チラッ

 

聖園 ミカ「あ」

 

錠前 サオリ「――――――」バサッ ――――――勘解由小路 ユカリと聖園 ミカの視界を塞ぐ。

 

錠前 サオリ「先生の言いつけを破るな、聖園 ミカ」

 

聖園 ミカ「……ごめん」

 

聖園 ミカ「……あ、これ、先生の臭いだ」

 

聖園 ミカ「……うん。わかったよ、先生」

 

 

――――――私、祈るね。

 

 

パワードバルタン星人’「聞こえているぞ、馬鹿め! 本体のために捨て駒になったとは言え、おとなしく弱点であるスペシウム光線の的になると思っているのか!」

 

パワードバルタン星人”「何をしている、ゼットン! 今すぐに一兆度の火球で下等生物共を皆殺しにしろおおおおおお!」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「おっと、油断したな。念動力では我の方が圧倒的に上であるし、本体の方がみっともなく逃走したのだから、せめて身代わりのお前たちは潔く散れ」

 

パワードゼットン星人’「なっ、か、身体が――――――!?」

 

パワードゼットン星人”「な、何が――――――!?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「ほらほら、お前たちの命など脱皮した脱け殻のように打ち捨てられたものなのだから、あとはどんな扱いを受けようが文句はあるまい?」

 

神代キヴォトス人(インナースペース)「おい、ゼットンも我が抑えておくから、さっさと我が光の勢力の領域に土足で踏み込んできた不埒者を何とかいたせ」

 

戦場カメラマン(インナースペース)「この光は――――――、そうか、わかったぞ、先生!」

 

宇宙格闘士の帝王(巨大化)「なるほどな、今までは拳一つで立ちはだかる敵を打ち砕いてきたから気にしたこともなかったが、それならば これで終わりだ、バルタン星人! 受けてみろ!」

 

 

タイガスパークの光を受け取って放たれるは――――――!

 

ウルトラマンネクサス アンファンスのスペシウム・シュトローム!

 

カイザー・グレイの暗黒が炸裂するダークスペシウム光線!

 

 

こうして移動遊園地(funfair):リトルプラネット開園2日目の怪獣災害は終結を迎えたのであった。昨日の蝗害と言い、激動の連続であった。

 

光の国に匹敵する超常の科学力によって両手がハサミになったセミ人間もどきに進化したバルタン星人であったが、生身で巨大化して分身やテレポーテーションを駆使してウルトラマンと互角の戦闘能力を発揮するものの、ウルトラマンの基本技とされるスペシウム光線が弱点であったため、

 

キヴォトスに来てから()()()()()()()()()8()0()()()()()()()()()()()()()地球人:北条 アキラのタイガスパークの光を“ユザレの末裔”秤 アツコから介して受け取った神秘なる銀色の巨人と勇壮なる黒光りの巨人が両手で十字を組んで放った光線により、シャープな外見の青光りするバルタン星人の分身体はアビドス砂漠から完全に消え去るのであった。

 

そして、残るはバルタン星人の手によって改造を受けた宇宙恐竜:パワードゼットンであったが、“帝王グレイ”を抹殺するために完璧な調整を受けておきながら、データにはなかった変幻自在かつ臨機応変の歴戦の勇士の業が痛手となって完全にキレを失い、更には指揮命令者を失ったことでデータにはない不測の事態への対処能力までもが完全に失われていた。

 

そこで披露された“地獄の釜の番人”神代キヴォトス人:サーベラスの奇策というのが、まさかの『宇宙恐竜:パワードゼットンの捕獲』であり、上級スペースビーストが徒党を組んで攻め込んできた時に不発になった策が日の目を見ることになったのである。

 

そう、惑星守護神:ギガデロスやスペースビースト:ラフレイアが封印されていた超古代文明に由来する300万年前のアンバランス期の古代遺跡の封印を利用したのである。

 

さすがは最強種と名高い宇宙恐竜を封印まで運び込むことは力尽くでは容易ではなかったのだが、グレゴール星人を抹殺する目的で用意された改造怪獣であったため、“帝王グレイ”が囮になって誘い込んだら、ノコノコと釣られてテレポートした直後にあっさりと罠が発動して封印することができてしまったのだ。

 

宇宙忍者:バルタン星人のことは【アーカイブドキュメント】でしか触れたことはないが、所属である防衛チーム【GUYS】でもマケット怪獣として戦力化しようとして失敗した過去の事例から、宇宙恐竜:ゼットンの脅威を正しく理解している地球人:北条 アキラもこの結果には唖然とする他なかった。

 

 

北条先生「本気ですか、サーベラス様!? 宇宙恐竜:ゼットンは一兆度の火球を放つことができる上に地球で初代ウルトラマンを倒した最強怪獣の一角なんですよ!?」

 

神代キヴォトス人「ほう、それは頼もしいな。最強種という話はあながち嘘ではなかったか」

 

神代キヴォトス人「で、初代ウルトラマンを倒したという最強怪獣はその後どうなったのだ? 地球は一兆度の炎に包まれたのか?」

 

北条先生「いえ、その後、ペンシルロケット型の試作兵器:無重力弾が直撃したことで上空に浮き上がって爆散しましたけど……」

 

神代キヴォトス人「やるではないか、地球人も。ウルトラマンを倒した最強怪獣を討ち取るとな」

 

神代キヴォトス人「なら、大丈夫であろうよ」

 

 

神代キヴォトス人「では、先生。こいつを光怪獣化させるから楽しみにな」

 

 

北条先生「……そんなことができるんですか?」

 

神代キヴォトス人「できる。だから、捕獲したのだ、最強種という話の宇宙恐竜をな」

 

神代キヴォトス人「なにしろ、こいつは科学の発展と引き換えに知性が退行した宇宙人の手が入れられているからな。あやつ(グレゴリオ)が言うにはバルタン星人の挙動や思考が反映された宇宙忍法に染まっているが故に、生みの親であるゼットン星人の精神性を体現した不条理が失われて、能力が高くなっていても かえって動きが読みやすくなっていたそうだ」

 

神代キヴォトス人「それだけに、人の意識が馴染みやすい上に分身のしすぎで己というものが希薄なバルタン星人の闇は容易く我が光の精神に呑まれてしまうのだ」

 

神代キヴォトス人「まあ、基本的に動きが固いようだが、バルタン星人仕込みの宇宙忍法が使えるのであれば、俊敏さを求める我とは相性がいいことだろう」

 

神代キヴォトス人「これで一つ問題が解決したな、先生よ」

 

北条先生「え」

 

 

神代キヴォトス人「――――――“枯れた森”をこれで一気に焼き払えるな? 蝗害対策はこれで決まりか?」

 

 

北条先生「!」

 

北条先生「それを見越して……?」

 

神代キヴォトス人「まあ、焼き払うだけなら同じ場所に封印されていた異生獣(スペースビースト):ラフレイアの花粉を利用しても同じだったろうがな」

 

北条先生「けど、本当に大丈夫なんですか?」

 

神代キヴォトス人「安心せよ。危険物の取り扱いはヒノム火山で慣れておる。この惑星で誰よりもだ」

 

北条先生「それを言われたら、その言葉、信用するしかないですけど、くれぐれも取り扱いには気をつけてください」

 

神代キヴォトス人「ああ、信じるのだ、我のことを」

 

北条先生「はい……」

 

北条先生「でも、まさか、こうして【GUYS】では果たされなかったマケット怪獣化による怪獣の防衛戦力化に近いことが現実のものになるだなんて……」

 

北条先生「それも宇宙恐竜:ゼットンをだ……」

 

 

――――――惑星守護神:ギガデロスに並んで地下遺跡に封印された宇宙恐竜:パワードゼットンを見上げる。それは見るものを圧倒する威圧感(プレッシャー)を放ち続ける漆黒の悪魔像(Colossus)のようであった。

 

 

神代キヴォトス人「ところで、先生が男同士で仲良く袋詰めにされていた時、その黒い手甲(タイガスパーク)で最初に放った天への光は何だったのだ? あれが良い目眩ましになってアツコの光を受け渡すことができたが」

 

北条先生「ああ、あれですか」

 

北条先生「いきなり屋内に現れた青光りする異星人に一瞬で捕らえられて、ウルトラマンに変身するまでの時間をどうすることもできなかったということで、本当はあまり頼りたくはなかったのですが、最後の頼みの綱として放った緊急コール:ウルトラサインですよ」

 

北条先生「まあ、緊急コールした先が何かする前に秤さんもバルタン星人に捕まっていたという不幸中の幸いで窮地を脱することができましたが……」

 

北条先生「しかし、逃げられてしまったな……」

 

北条先生「きっと、また復讐にやってくるに違いない。それは明日の出来事なのか、はたまた何年後かの話なのか、遠い未来のことになるのかはわからない……」

 

北条先生「禍根を残す結果になってしまったな。情けない……」

 

神代キヴォトス人「まあ、気休めにしかならんだろうが、その時はその時だぞ、先生よ」

 

 

神代キヴォトス人「だがな、あの場にアツコがいたであろう。全ては()()()()()()なのだ、先生」

 

 

神代キヴォトス人「そうでなければ、我は先生にもキヴォトスの子にもこうして会うことがなかったのだからな」

 

神代キヴォトス人「だから、先生は恐れず前に進め。そして、未来を切り拓いていくのだぞ」

 

神代キヴォトス人「我はそのために光の眷属として忠勤に励もう。宇宙恐竜を飼い慣らすのもそれ故」

 

 

――――――共に推して参ろうぞ、遠くの星から愛と勇気を教えに来てくれた先生よ。

 

 

北条先生「……そうですね」スッ

 

神代キヴォトス人「うん? そのブレスレットは?」

 

北条先生「これがウルトラサインをするために渡されたウルトラブレスレット……」

 

神代キヴォトス人「どうした?」

 

北条先生「あ、いやね、僕が地球人ってことで気を利かせて()()()()()()()()()()()()()()()()を呼べるようになっているらしいんだけど、聞かされたのは知らないウルトラマンなんですよね」

 

北条先生「本物のウルトラマン80を呼んでもらえたら僕としては最高だけど、このタイプの顔(シルバー族)のウルトラマンは地球に4人ぐらい来ているから光の国では結構ありふれた顔ってことで他の誰かと間違えられているんじゃないかな?」

 

北条先生「もしかしたら、3000年前に復活怪獣:タブラを封印した“光の巨人”とか、5000年前に磁力怪獣を撃退したウルトラマンそっくりの“ノアの神”とか――――――?」

 

神代キヴォトス人「まあまあ、我にも詳細を教えよ。いずれ協働するかもしれんからな」

 

北条先生「それもそうですね」

 

北条先生「本当によろしく頼みますよ。せっかくウルトラサインを出したってのにどこで何をしているやら……」

 

 

 

――――――ここで話はGUTSガルーダが逃走したパワードバルタン星人を追撃した場面に戻る。

 

 

 

ロボット職員(インナースペース)「こ、こんな馬鹿なッ?! 計器が故障しているのか!? あ、ありえない……!」

 

ロボット職員(インナースペース)「――――――リオ! ヒマリ! こいつのスピードはマッハ10を超えているぞ、間違いなく! 僕の眼から視てもだ!」

 

ロボット職員(インナースペース)「追いつけない! こんなのッ! こんなの、どうすればいいんだ!?」

 

――――――

調月 リオ「……ヒマリ」

 

明星 ヒマリ「……ええ、間違いないです、リオ。これは 認める他ない れっきとした事実ですね」

 

調月 リオ「――――――マッハ27。観測史上最速の飛行速度を誇る怪獣です」

 

明星 ヒマリ「…………我らがヒーロー:ウルトラマン80の3倍の飛行速度ですか」

 

調月 リオ「………………」

 

明星 ヒマリ「過去に撃退した有翼怪獣が尽くGUTSファルコンを上回る速度で、追加ブースターで追い付こうと躍起になっていたというのに、そこに桁違いの速さの怪獣が現れるだなんて…………」

 

調月 リオ「だとしても、私たちは立ち向かわなくてはならないのよ」

 

明星 ヒマリ「ええ。この戦いは絶対に勝たなくてはならないもの――――――。弱音を吐いている場合ではないです」

 

調月 リオ「今できることは可能な限りの追跡を行って逃げた先を捉えること」

 

明星 ヒマリ「幸い、見惚れるような綺麗な翅を広げてくれているおかげでシルエットが大きいので捕捉は簡単ですが……」

 

調月 リオ「これが今の私たちにできる精一杯よ」

 

明星 ヒマリ「……こんな結果、認めませんよ、私は」

 

明星 ヒマリ「――――――?」

 

明星 ヒマリ「待って、リオ。見ましたか、これを」

 

調月 リオ「……何? これは墜落している?」

 

調月 リオ「――――――“教父(せんせい)”! 目標は原因不明の墜落を遂げています! 急行してください!」

――――――

 

ロボット職員(インナースペース)「え、急にどうしたんだ?」

 

ロボット職員(インナースペース)「――――――『墜落』? 飛んでいる最中に隕石にでもぶつかったのか? それぐらいの質量をぶつけないと無理だろう、怪獣相手に? 本当だとしたら何という偶然だ!」

 

ロボット職員(インナースペース)「えと、そうか。マッハ27とは言っても、かつてキヴォトス最大の勢力を誇っていた【アビドス高等学校】の裏庭のアビドス砂漠だぞ。あれからまだ10分も経ってない」

 

ロボット職員(インナースペース)「そうだ、思い出した。柳田 理科雄の空想科学読本東京(メトロポリス)からマッハ20で世界各国の主要都市に何分で着くかを検証した結果だと、ニューヨークまで25分ぐらいかかるはずだ。10分ぐらいで中国のどこかぐらいだったよな」

 

ロボット職員(インナースペース)光の速さ(マッハ88万)と比べたらマッハ20なんて大したことはない。マッハ27もここまで来たら似たようなものだ」

 

ロボット職員(インナースペース)「じゃあ、この辺は“枯れた森”とはちがう方面で まだアビドス砂漠なんだ。抜けられていたら本当にどうしようもなくなっていたな」

 

ロボット職員(インナースペース)「それで、バードストライクならぬメテオストライクで即死してくれていたら万々歳だけどな、ロブスター星人め! よくも生徒たちを動物園の見世物にしようとしてくれたな! 絶対に許さないぞ!」

 

ロボット職員(インナースペース)「あ、見えた――――――!」

 

ロボット職員(インナースペース)「え、あれって――――――、え?」

 

 

――――――あれは銀色の巨人!? ウルトラマン!?

 

 

ヘッ!

 

トアッ!

 

 

ネオスラッシュ!

 

 

ヘッ!

 

トアッ!

 

 

マグニウム光線!

 

 

形勢不利と見て一目散に逃走を図ったパワードバルタン星人を追跡したGUTSガルーダであったが、過去最速のマッハ27の飛行速度を誇るパワードバルタン星人に追いつくことなど不可能であり、一瞬で振り切られたのを目の当たりにしてもはや愕然とする他なかった。

 

それでも、地球では地上最速と言われている動物:チーターの狩りは20秒/500mと言われており、命からがらの全速力であっても そう長くは保たないと 何とか冷静に自分に言い聞かせて追跡を継続する。

 

マッハ27で超高速飛行する怪獣はこれまで現れた怪獣の飛行速度がマッハ10以内だったために完全に想定外であったが、それでも地球脱出速度(マッハ33)の観測自体はキヴォトスでも行われていたため、何とかパワードバルタン星人の軌道を辿るぐらいのことはできていた。

 

そして、学園都市:キヴォトスでも最高峰のスーパーコンピュータがパワードバルタン星人が突如として失速した瞬間を捉え、墜落と判定したことで一縷の望みが託されることになったのだ。“帝王グレイ”と因縁のある侵略宇宙人を相手にGUTSガルーダだけで勝てるかどうかなんて考えてもいない。

 

しかし、航空機の常識を超えたUFOの挙動で急降下したGUTSガルーダの全方位カメラが収めたアビドス砂漠には青光りするパワードバルタン星人を真っ二つにして光線技でとどめを刺す銀色の巨人の姿があったのである。

 

そう、あれこそがマッハ27で逃走する侵略宇宙人:パワードバルタン星人を倒すためにウルトラサインで召喚された 史上最速を誇るパワードバルタン星人をも上回るマッハ30を記録する“初めて地球に現れた”誰にも負けない銀色のヒーローであったのだ。

 

 

ミラクルマンを超えたミラクルな新世紀のヒーロー!

 

宇宙警備隊 勇士司令部所属!

 

その名は ウルトラマンネオス!

 

 




-Document GUYS feat.LXXX No.15-

宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートル 登場作品『ウルトラマンフェスティバル2016』第1部ステージ登場
ウルフェス生まれの怪獣であり、サタンビートルの上位種という位置づけだが、基本的に怪獣軍団の一体といった感じの役割での登場がほとんど。
見た目もサタンビートルと大して変わっていないことから、観客からは単なるアトラクション用サタンビートルと見られることがほとんどだった。
原種のサタンビートルとの差異は背中の羽根が金色であること、角が若干ヘラクレスオオカブトのように変化している点が挙げられる。


宇宙恐竜:パワードゼットン 登場作品『ウルトラマンパワード』第13話『さらば! ウルトラマン』登場
初代ウルトラマンを倒した宇宙恐竜ゼットンの同族であり、作中ではパワードバルタン星人がウルトラマンパワード打倒のために送り込んだ刺客:パワードドラコの戦闘記録を元に完成させた改造怪獣であり、二段構えの作戦によって完全な作戦勝ちに持ち込んでいる。
初代と比べると、体が細くなった代わりに頭が大きくなり、全体的に角張った印象を与える他、
ゼットンの特徴であった白い蛇腹状の手足は全て黒一色に塗られ、その動作を含めてより無機質な感じになっている。
また、背中からは硬質の翼が展開されており、飛行シーンはなかったものの、設定上は飛行可能とされている。
なお、設定では身長99.9m、体重6万6666tだが、どう見てもそんなにでかくない。

初代ゼットン同様に一兆度の火球、ゼットンファイナルビーム、エネルギー吸収板を標準搭載しつつ、ウルトラマンを圧倒する格闘能力を持ち、設定上はチートラマンの数値を誇るウルトラマンパワードすらも正面からは刃が立たないほどの最強の戦闘能力を誇る。
また、最小限の動きでパワードを圧倒する様子から、初代ゼットンにあった不気味さよりもウルトラマン抹殺のために送り込まれた最後の刺客としてラスボスの貫禄があり、実にアメリカナイズされたパワフルなゼットンと言える。
更に、劇中では使用することがなかったが、見た目通りに展開された翼で飛行が可能とされており、制作者がバルタン星人であるためか、バルタン星人の宇宙忍法を再現するための機構ではないかと推測される。
しかし、それ以上に恐ろしいのは小回りが効くエネルギー弾を両手から放つことできるようになった汎用性の高さに加え、
直撃したらどんな怪獣も一瞬で爆散させるメガスペシウム光線をエネルギー吸収板を受け止めることもあれば、ゼットンファイナルビームの構えからメガスペシウム光線を即座に撃ち返している点であり、
基本的に重厚かつスマートな貫禄のある外見ながらも最強怪獣としての威容でどっしりとした構えをとっていながら、とんでもない緩急をつけた動きも見せてくるため、
設定ではゼットンシャッターやテレポーテーションがあるとは書かれていないものの、その汎用性と基本能力の高さからウルトラマンを倒すには十分すぎる凄まじい性能となっている。


宇宙からW.I.N.R.アメリカ支部に直接落下してその機能を全て破壊すると、明け方の戦車隊の包囲をその場一歩も動かずに迎撃し、そのままカイ隊員と分離したウルトラマンパワードとの決戦となった。
ウルトラマンパワードとパワードドラコの戦いを経て送信された戦闘データに基づいて戦闘力や身体能力を強化調整されており、パワードの行動パターンや攻撃を完全に解析して先手を取り続けている。
また、ゼットン側は一切攻め込まず、ひたすらパワードのエネルギーが尽きるのを待つのみで消極的だが隙がなく、限られた時間でしか戦えないウルトラ戦士がもっとも苦手とする効果的な戦法を展開。
最後はW.I.N.R.アメリカ支部の壁に反射させたメガスペシウム光線を振り向いて吸収したために背後をさらし、吸収板が装着されていない背中にメガスペシウム光線を受けて消滅する。
このため、変身者と分離した状態でかつ満身創痍の状態のウルトラマンパワードにあっけなく撃破されたとして、最強怪獣としての評価がイマイチであり、前座のパワードドラコの方が強そうな印象を持たれる逆転現象が起きているが、
直撃すれば一瞬で爆散させる威力のメガスペシウム光線を連発して、なおかつ狙いを研ぎ澄ました怒涛の3連射により、完璧な対策が施されたパワードゼットンの思わぬ欠点を土壇場で突くことができたウルトラマンパワードがチートラマンなので、むしろ大健闘した方と言える。
そして、ゼットンの消滅と同時にパワードも力を使い果たしたため、結果的に相討ちとなって その役目を完遂しており、まさにウルトラマン抹殺のために完成された兵器であることを視聴者に印象付けた。


宇宙忍者:パワードバルタン星人 登場作品『ウルトラマンパワード』第1話『銀色の追跡者』登場
多くの惑星を滅ぼしてきた凶悪な宇宙人。ウルトラマンパワードは彼らを追って地球に飛来した。
1クールで『初代ウルトラマン』をリメイクする都合上、アメリカナイズされたヒーローものの悪役(ヴィラン)として『多くの惑星を滅ぼしてきた凶悪な宇宙人』という身も蓋もない説明がされており、元々は母星が滅んで移住先を求めて地球侵略を決行した初代バルタン星人とは大違いである。
全体的にメタリックな青い体色をしており、セミ人間のそっくりさんと言われているバルタン星人と比べると流線型で鋭角的なデザイン。
そして、セミやトンボの様な美しい翅を持ち、空中をマッハ27の超スピードで飛行するのが最大の特徴である。*1
また、パワードダダが宇宙人ではなく電子生命体としてリメイクされているため、パワード怪獣では唯一の宇宙人となっており、
映像作品での客演はないものの、バルタン一族である為か、『アンドロメロス』のメカバルタン同様に他媒体での客演は多め。

初代同様にテレポーテーションや分身能力、攻撃を受けても脱皮して起き上がる能力、宇宙忍者の別名にふさわしい高いジャンプ力を持っている。
見た目通りに鋭く伸びたハサミが特徴的であり、赤色破壊光線:バイオビーム、一瞬でパワードをも吹き飛ばすほどの威力を誇る 空間を圧縮する反重力波:フラッシュ念動波や口から吐く白いガスを武器とする。
他にはバイオテクノロジーが極めて発達しているらしく、新生物の創造すら可能なレベルであることを証明するかのように、打倒ウルトラマンパワードのための刺客となる改造怪獣を送り込んでいる。


節足動物の甲殻と同じ成分で構成されている大型母艦で地球へ接近するように飛来すると月の裏側へ入り停止。そこから3体の先遣隊を地球へ降下させ、以降は地球の衛星軌道上を周回しつつ待機していた。
先遣隊はロサンゼルスの倉庫街で侵略の準備を行い、調査に訪れた市警の警官を襲っていたが、W.I.N.R.のエドランド隊長たちの活躍によってその行動を喝破された。
そこで先遣隊は合体して巨大な1体のパワードバルタン星人となり、市街地の破壊を始めたが、そこへカイ隊員と合体したウルトラマンパワードが現れ、激しい格闘戦と空中戦を繰り広げた。
最期はパワードの掌底突きを受けて空中に吹き飛ばされた所にメガスペシウム光線を撃ち込まれ、緑色の閃光を残して消滅した。

これを受けて先遣隊の敗北を受けて母艦が地球から撤退するも、その後も密かにウルトラマンパワードの戦いを監視し続けており、彼の戦闘データを着々と収集して刺客となるパワードドラゴとパワードゼットンを送り込んでいる。
そして、最終回ではリーダーであるであるサイコバルタン星人と共に1.6kmに達する巨大母艦で再び地球に襲来。サイコバルタンの身辺警護を担当しているのか、宇宙船から外へと出ることはなかった。
最終的に最後の刺客となるパワードゼットンによって結果としてウルトラマンパワードを相討ちに追い込んで戦略的勝利を掴み取ったが、
サイコバルタン諸共、パワードの仲間であるM78星雲/光の国から来た2体の赤い玉とスカイハンターによるビーム攻撃を同時に受け、母艦諸共 爆死して全滅した。






本作でアビドス砂漠に現れたヘラクレスサタンビートルとパワードゼットンは宇宙格闘士:グレゴール人に復讐するためにパワードバルタン星人が強化して送り込んだ改造怪獣として登場しており、
それと同時並行してヒノム火山を噴火させるべくギーストロンを送り込んでいたのも、それ以前に第2のXデーとしてシレッとキヴォトスを滅亡寸前まで追いやったEXエレキングの出所もこのバルタン星人である。
いずれも人の手で運用すると仮定すると、とんでもない汎用性と攻撃性能を誇っており、バルタン星の科学が誇るバイオテクノロジーの凄まじさが窺える。
しかし、ヘラクレスサタンビートルは文明破壊兵器としての運用であり、同胞の仇であるグレゴール星人を誘き寄せるための囮であったために“帝王グレイ”に一蹴され、
対グレゴール星人兵器:パワードゼットンははじめは目的通りに“帝王グレイ”を圧倒していたものの、歴戦の猛者である“帝王グレイ”がその場で臨機応変にデータにはない動きで計算を狂わせ、
形勢不利とみて指揮命令者であるバルタン星人が逃走したことで基本命令である“帝王グレイ”の抹殺に忠実であったために、アビドス砂漠で発見された地下遺跡の封印まで誘い込まれたことであっさり捕獲されてしまっている。
そして、パワードバルタン星人は復讐ついでにバルタン星の動物園で展示する下等生物を現地から攫っていたことが裏目に出て、
近くまで運ばれた“ユザレの末裔”秤 アツコから光を受け取ったことで変身に必要なエネルギーを回復した姫矢 ジュン/ウルトラマンネクサスによって人質が奪い返されており、
形勢不利と見て即座に逃走を図ったところ、それより前にタイガスパークからのウルトラサインで駆けつけていたウルトラマンネオスの追撃を受けることになり、
アビドス砂漠に墜落して新手の光の巨人と応戦するものの、初代ウルトラマンに撃破されたバルタン星人二代目のごとく身体を真っ二つにされた後に弱点であるスペシウム光線の派生技で念入りに撃破されている。

グレゴール星人:グレゴリオの存在が呼び寄せてしまったことで遭遇してしまった災厄であり、間違いなく過去最大の敵戦力であり、乗り越えることができたのは奇跡としか言いようがない。
復讐ついでのキヴォトス侵略に本気になっていたら、一瞬でサンクトゥムタワーが崩壊し、ヒノム火山が爆発し、あちこちが非人道的な無差別爆撃と毒ガス攻撃に晒され、対怪獣兵器が宇宙中に名を轟かせた最強種によって血祭りに上げられ、バルタン星の動物園の見世物にするために現地人が次々と攫われる地獄絵図と化していたのだから。
今回のグレゴール星人への復讐ついでのキヴォトス侵略に投入された戦力は以下の通り。

●宇宙忍者:パワードバルタン星人の戦力
司令官……宇宙忍者:パワードバルタン星人
陸戦用……凶猛怪獣:ギーストロン
海戦用……宇宙怪獣:EXエレキング
空戦用……宇宙昆虫:ヘラクレスサタンビートル
抹殺用……宇宙恐竜:パワードゼットン

*1
『ウルトラマンサーガ』でマッハ33のハイパーゼットンが登場するは地球で最速で飛行できる怪獣だった。

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