Blue Archive -Document GUYS feat.LXXX-   作:LN58

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EP17 虚構と現実に揺れるココロ -Ⅳ.本当の敵への反撃-

 

 

……ほう、このような状況になっても顔色一つ変えませんか。良いでしょう。

 

さあ、次は北条先生、あなたのターンです。

 

ゲームとは攻守が入れ替わるもの。もちろん、防戦一方でいるつもりはありませんがね。

 

ヒッ、ヒヒヒッ……。

 

このキャンペーンはあくまでも小生の求道;実験でも、研究でも、儀式でもないですから、ルールに縛られる必要性もないのです。

 

 

――――――攻略法その3:心は予測も制御できない。

 

 

欲望や罪悪、恐怖、執念、悲嘆――――――。

 

それらが衝突し生み出された混沌が、あなたの前にのしかかってくることでしょう。

 

さて、プレイヤーとなったあなたが、どう攻略していくのか見物です。

 

ヒヒヒッ、ヒヒヒヒヒヒッ! イヒヒヒヒヒヒッ!

 

 

 

 

 

 

 

十六夜 ノノミ「………………」

 

黒見 セリカ「な、何よ、それ!?」

 

奥空 アヤネ「つまり、砂漠横断鉄道が存在するせいで【プライベートファンド】の総会に半径2kmを吹き飛ばすサーモバリック爆弾が落とされるわけですね……」

 

北条先生「総帥閣下がそう言っていました。だから、『総会に参加してはならない』という事前通達です」

 

宇宙格闘士の帝王「なるほどな。【プライベートファンド】はそれで殲滅して、残った【ハイランダー鉄道学園】と【セイント・ネフティス】に襲撃をかけて、今回の一件の落とし前をつけるというわけだな、【真なるアビドス生徒会】は」

 

ロボット職員「そんな……!」

 

神代キヴォトス人「――――――『眠れる獅子を目覚めさせた』というわけだな、先生が」

 

北条先生「そうなりますね。【アビドス】復興の可能性がこんな事態を招くことになるだなんて、僕は……」

 

砂狼 シロコ「ううん、先生のせいじゃない。先生がいなかったら何も変わらなかった。誰もどこにも進めなかった……」

 

十六夜 ノノミ「はい。無限の可能性には良いことも悪いことも含まれていることを見落としていたんです……」

 

 

――――――みんな、良かれと思ってやってきたことなんです、全て。

 

 

神代キヴォトス人「だが、現実とはこんなものだ。原因不明の砂漠化を止められないとわかった以上、将来性のない土地を放棄して新天地を目指すのは間違ったことではないのだ。全てはそこから始まったのだ」

 

十六夜 ノノミ「そうなんですよ。私もそれを聞いて『何も間違ったことはしていない』と思ったぐらいです」

 

十六夜 ノノミ「だから、将来的に砂漠に呑まれることになる街に入らないように立入禁止にしていましたし、不法滞在者を追い出すために管理業者を雇っていたことも今なら理解できます」

 

神代キヴォトス人「落ち度があったとすれば、【連邦生徒会】に不法滞在者の詐欺集団が【アビドス生徒会】として公認されていたことに気づかずに放置していたことだろうな」

 

宇宙格闘士の帝王「いや、どう考えても【連邦生徒会】の落ち度だろう? 【アビドス生徒会】を自称する不法滞在者の詐欺集団を公認さえしていなければ、最初から【アビドス】に問題など存在しなかったのだからな。今も昔も【真なるアビドス生徒会】は適切な対応しかしていないだろう、話を聞く限り?」

 

砂狼 シロコ「うん。それはそう」

 

北条先生「ですが、数十年前のことなんですよ。行政を司るのが年若い生徒たちで、高等部3年で卒業となって組織の新陳代謝も目まぐるしいともなれば、砂漠化に呑まれて【アビドス】で次々と重要な資料や文献が失われていったのと変わらない勢いで、『そもそも【真なるアビドス生徒会】が首都機能移転を果たしていた』と言う事実さえも風化していったのが今の状況です」

 

北条先生「完全に業者任せになったのがいけなかったんですよ。定期的に現場視察で戻ってきて【真なるアビドス生徒会】が健在であることを各方面に知らしめる努力が足りなかったのです」

 

錠前 サオリ「だが、それを言ってもしかたがないだろう、先生」

 

錠前 サオリ「それで、これからどうすればいいんだ、先生?」

 

黒見 セリカ「そ、そうよ! たしかに、今回の一件はいろいろな問題が絡み合った結果だけれど、【真なるアビドス生徒会】が動く原因になった砂漠横断鉄道の再開発を進めたのは【プライベートファンド】が<列車砲:シェマタ>を得ようと画策したからなんでしょう?」

 

宇宙格闘士の帝王「ああ、それでどうする? 言われた通りに総会に参加しなれけば、アビドス中央駅旧庁舎を中心とした半径2kmにある全てが消滅して【プライベートファンド】もこの世から消え去るから、全てに片がつくぞ?」

 

ロボット職員「――――――『見捨てろ』と言うのですか、民間人を!?」

 

宇宙格闘士の帝王「――――――『民間人』? いや、『犯罪者予備軍』だろう? 怪獣頻出期を迎えた天変地異の時代に【キヴォトス防衛軍】以外に強大な軍事力を持つことを歓迎されていない連中が何をしでかそうとしているかなど明白だろう?」

 

神代キヴォトス人「そもそも、時勢を読めない阿呆のせいで我らの貴重な時間を使わされていることが大罪だということをわかってもらいたいな、コーイチよ? こうして会議に取らされた時間を時給換算して賠償請求すべきではないか?」

 

秤 アツコ「じゃあ、総会に落とされるサーモバリック爆弾を撃墜する?」

 

奥空 アヤネ「止めることができないのなら、そうするしか――――――」

 

砂狼 シロコ「でも、それこそ、民間の取引に介入する大義名分が要るよね? 助けるにしても、総会を制圧するにしても」

 

黒見 セリカ「ええ? いくら【プライベートファンド】が憎いからって、見殺しにするのは何か、こう、ちがうじゃない!」

 

黒見 セリカ「それに、今は【プライベートファンド】に買い取られた旧アビドス自治区でも、アビドス中央駅の一帯が地図から消えるなんてこと、人として許せるの?」

 

奥空 アヤネ「どうなんですか、先生?」

 

北条先生「まず、建前の話をするけど――――――、『旧アビドス自治区の所有権は今も昔も【真なるアビドス生徒会】のものであり、管理すべき住民がいなくなった無人の街並み(ゴーストタウン)の再開発のために戦略兵器を行使して更地にする』という名目上、そこに居るのは今も昔も不法滞在者という認識だから、その対処も自治区の法に従うことになる」

 

北条先生「だから、ミサイルを撃ち落として妨害するのはアビドス自治区への重大な内政干渉になるし、【真なるアビドス生徒会】の所有物への器物損壊になるから、理屈の上ではどうあっても介入するための大義名分は得られない」

 

ロボット職員「ええ……?」

 

北条先生「そもそも、【真なるアビドス生徒会】を差し置いて【アビドス生徒会】を自称した詐欺集団を生徒会活動に公認した【連邦生徒会】への不信感もあって、【連邦生徒会】への報復も視野に入れていたぐらいなんです」

 

北条先生「――――――しない理由はないよね? きっちりと落とし前をつけさせるべきでしょう、普通の感覚なら?」

 

黒見 セリカ「それはそうだけど……」

 

奥空 アヤネ「やり過ぎなのは問題です……」

 

北条先生「それで、僕では【連邦生徒会】への報復攻撃を白紙化に持ち込むぐらいまでしかできなかった……」

 

北条先生「さっき言ったように、僕は業者任せにして自分の所有物の管理が行き届いていなかったことへの非を認めさせる形で、【アビドス生徒会】を自称する詐欺集団に騙されていた人たちの過去の罪は水に流すように話を持っていったんです。それは『当時の【真なるアビドス生徒会】が黙認した』と解釈されることですから」

 

砂狼 シロコ「なるほど」

 

ロボット職員「過去に起きた出来事は今更どうしようもないことですからね」

 

北条先生「そうなると、現在進行形で【真なるアビドス生徒会】の怒りを買い続けている【プライベートファンド】【ハイランダー鉄道学園】【セイント・ネフティス】の弁護は僕でも無理だ……」

 

十六夜 ノノミ「……そうだったんですね。最初に先生が私たちのために土地を取り戻してくださりましたが、キヴォトス全体の平和を通してずっと私たちを守り続けてくれていたんですね。本当にありがとうございます」

 

神代キヴォトス人「まあ、良いのではないのか? 黙って見てさえ居れば、【アビドス】を取り巻く問題が一挙に解決するぞ? 無理に介入して火傷する必要はあるまいて?」

 

宇宙格闘士の帝王「そうだな。この問題を長引かせてアビドス遠征の進行を遅らせる方が問題なのだから、さっさと片付けるべきだ。こんなことに時間を割くのはもったいないぞ」

 

黒見 セリカ「い、嫌よ、そんなこと! たしかに、あいつらなんか消えてなくなればいいとは思っているけど、思っていることを本当にしたら、それは()()()()()のやることよ!」

 

黒見 セリカ「それに、それで【プライベートファンド】を消した後は【ハイランダー】と【ネフティス】なんでしょう!? そのために私たちの自治区でお構いなしに軍事演習なんかしてさ! メチャクチャよ!」

 

ロボット職員「……本当に最悪でしたね、あれは」

 

錠前 サオリ「だが、互いに引くことができないからこそ、今の状況になったわけだぞ」

 

錠前 サオリ「となれば、平和的な解決が望める一線をもう越えてしまった」

 

 

宇宙格闘士の帝王「そうだ、もう戦争しかあるまい。生死を賭けた一戦で相手を完膚無きまで叩きのめして屈服させるのみだ。それこそが宇宙開闢の時から全ての生命に共通の究極の解決方法なのだからな」

 

 

十六夜 ノノミ「………………」

 

秤 アツコ「本当に戦争になっちゃうの、先生?」

 

北条先生「いや、正当性は【真なるアビドス生徒会】にあることは全員が知っているわけだから、今の状況は『いかに沈む船から脱出するか;1つしかない救命ボートに誰が乗れるか』の競争をしているから、戦争と呼べるような事態には絶対に発展しないよ」

 

秤 アツコ「じゃあ、どうして?」

 

北条先生「だって、自分たちに非があることをわかっているのに絶対に謝らないんだもん!」

 

北条先生「それをしたら社会的立場だとか体面が損なわれるとか言って『状況的にしかたがなかったから、自分たちは謝る必要はない!』って自分勝手な理屈をキヴォトス最強校の歴史と信仰を今も受け継ぐ【真なるアビドス生徒会】に対して披露したんだから、完全に判断を誤ったんだよ!」

 

宇宙格闘士の帝王「まあ、そう思うのもしかたあるまい。現地の【アビドス対策委員会】を見て、【真なるアビドス生徒会】が今も最強で在り続けているとは思いも寄らないことだろう」

 

神代キヴォトス人「そうであろうな。現在の学園外勢力の伸張には最大の存在感を放っていた最強校【アビドス高等学校】の衰退もあるだろうから、時代の変化で『生徒たちが大人に舐められるようになった』力関係の変化もあって、まさか時代を超えて復活を果たそうとしている過去の遺物に対して勘違いをしてしまうのもしかたがないことだ」

 

宇宙格闘士の帝王「なあ、先生よ。こんな守る価値もないやつらのためにここまで心を砕くことはないだろう。時間の無駄だ。先生はもう何も気にせずアビドス遠征に専念すればいい。元はと言えば、非常事態宣言が解除されたわけでもないのに怪獣無法地帯に欲をかいて押し入ろうとした連中の自業自得だ」

 

ロボット職員「だとしても! 先生、そんなことは許されないはずだ!」

 

神代キヴォトス人「コーイチよ、悪党共がこれ以上の罪を重ねないように引導を渡してやるのも慈悲というものだぞ。何度も言われているように、これは自治区の問題であって、それに対して外部の人間が横入りするのは内政干渉になるぞ。それが法治主義であろう」

 

ロボット職員「本当にそうなんですか、先生!?」

 

 

北条先生「……今日のところはここまでにしませんか?」

 

 

ロボット職員「え」

 

北条先生「現状把握と情報共有はできたということで、問題解決に向けて考えを整理しておきましょう。それ以外にも僕たちにはやることがありますから」

 

ロボット職員「あ、はい」

 

錠前 サオリ「そうだな。新しい情報はこれ以上はないようだからな」

 

十六夜 ノノミ「はい! 総会まで まだ時間がありますから、ここからですよ!」

 

砂狼 シロコ「うん。今はそうするべき。まだ慌てる時間じゃない」

 

秤 アツコ「じゃあ、今日のところはこれで解散だね」

 

ロボット職員「………………」

 

 

奥空 アヤネ「それでは、【アビドス対策委員会】の定例会議を始めます』

 

奥空 アヤネ『本日は先生にもお越しいただいたので、いつもより真面目な議論ができると思うのですが……』

 

十六夜 ノノミ『は~い☆』

 

砂狼 シロコ『もちろん』

 

黒見 セリカ『何よ、いつもは不真面目みたいじゃない……』

 

小鳥遊 ホシノ『うへ、よろしくねー、先生』

 

 

奥空 アヤネ『早速 議題に入ります。本日は私たちにとって非常に重要な問題『学校の負債をどう返済するか』について具体的な方法を議論します』

 

黒見 セリカ『じゃあ、【アビドス対策委員会】の会計担当として言わせてもらうわ』

 

黒見 セリカ『現在のわが校の財政状況は破産の寸前としか言いようがないわっ! このままじゃ廃校だよ! みんな、わかってるよね?』

 

黒見 セリカ『毎月の返済額は利息だけで788万円! 私たちも頑張って稼いではいるけど、正直 利息の返済も追いつかない! これまで通り、指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ!』

 

黒見 セリカ『このままじゃ、埒が明かないってこと! 何かこう、でっかく一発狙わないと!』

 

奥空 アヤネ『――――――『でっかく』って、例えば?』

 

黒見 セリカ『これこれ! 街で配ってたチラシ!』ピラッ

 

小鳥遊 ホシノ『――――――『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットで一攫千金』ねぇ?』

 

黒見 セリカ『そうっ! ガッポガッポ稼ごうよ! この間街で声をかけられて説明会に連れて行ってもらったの! 運気を上げるゲルマニウムブレスレットってのを売ってるんだって!』

 

小鳥遊 ホシノ『却下ー』

 

奥空 アヤネ『セリカちゃん。それ、マルチ商法だから……』

 

砂狼 シロコ『儲かるわけない』

 

黒見 セリカ『そっ、そうなの? 私、2個も買っちゃったんだけど!?』

 

十六夜 ノノミ『セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆』

 

小鳥遊 ホシノ『まったく、セリカちゃんは世間知らずだねー。気を付けないと、悪い大人に騙されて、人生取り返しのつかないことになっちゃうかもよー?』

 

 

奥空 アヤネ『えっと、それでは、黒見さんからの意見はこの辺で、他にご意見のある方……』

 

小鳥遊 ホシノ『はい! はい! 我が校の一番の問題は、全校生徒がここにいる数人だけってことなんだよねー。『生徒の数』=『学校の力』。【トリニティ】や【ゲヘナ】みたいに、生徒数を桁違いに増やせば、毎月のお金だけでもかなりの金額になるはずー』

 

奥空 アヤネ『え、そうなんですか?』

 

小鳥遊 ホシノ『そういうことー! だから、まずは生徒の数を増やさないとねー。まずはそこからかなー』

 

小鳥遊 ホシノ『そうすれば議員も輩出できるし、【連邦生徒会】での発言権も与えられるしね』

 

奥空 アヤネ『鋭いご指摘ですが、でも、どうやって……?』

 

小鳥遊 ホシノ『簡単だよー。他校のスクールバスを拉致ればオッケー』

 

奥空 アヤネ『はい!?』

 

小鳥遊 ホシノ『登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするのー』

 

小鳥遊 ホシノ『うへ~、これで生徒数がグンと増えること間違いなーし!』

 

砂狼 シロコ『それ、興味深いね』

 

砂狼 シロコ『ターゲットは【トリニティ】? それとも【ゲヘナ】? 【ミレニアム】?』

 

砂狼 シロコ『狙いをどこに定めるかによって、戦略を変える必要があるかも』

 

小鳥遊 ホシノ『お? えーっと、うーん、そうだなあ、【トリニティ】? いや、【ゲヘナ】にしよーっと!』

 

奥空 アヤネ『ちょ、ちょっと待ってください! そんな方法で転校とかってありなんですか?!』

 

奥空 アヤネ『それに、他校の風紀委員が黙っていませんよ……』

 

小鳥遊 ホシノ『うへ~、やっぱ、そうだよねー?』

 

奥空 アヤネ『ホシノ先輩、もっと真面目に会議に臨んでいただかないと……』

 

 

砂狼 シロコ『――――――いい考えがある』

 

砂狼 シロコ『銀行を襲うの』

 

奥空 アヤネ『はいっ!?』

 

砂狼 シロコ『確実かつ簡単な方法。ターゲットも選定済み。市街地にある第一中央銀行』

 

砂狼 シロコ『金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから』

 

奥空 アヤネ『さっきから一生懸命見てたのは、それですか!?』

 

砂狼 シロコ『5分で1億は稼げる。はい、覆面も準備しておいた』

 

小鳥遊 ホシノ『うわー、これ、シロコちゃんの手作りー?』

 

十六夜 ノノミ『わあ、見てください! レスラーみたいです!』

 

小鳥遊 ホシノ『いやー、いいねぇ。人生一発でキメないと。ねえ、セリカちゃん?』

 

黒見 セリカ『そんなわけあるか! 却下! 却下ー!』

 

奥空 アヤネ『そ、そうです! 犯罪はいけません!』

 

 

奥空 アヤネ『みなさん、もうちょっとまともな提案をしていただかないと……』

 

十六夜 ノノミ『あのー! はい! 犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンかつ確実な方法があります!』

 

十六夜 ノノミ『アイドルです! スクールアイドルです!』

 

奥空 アヤネ『――――――あ、『アイドル』ぅ!?』

 

十六夜 ノノミ『そうです! アニメで観たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです! 私たち全員がアイドルとしてデビューすれば――――――!』

 

小鳥遊 ホシノ『却下』

 

十六夜 ノノミ『あら、これもダメなんですか?』

 

黒見 セリカ『なんで? ホシノ先輩なら、特定のマニアに大ウケしそうなのに』

 

小鳥遊 ホシノ『うへー、こんな貧弱な身体が好きとか言っちゃう輩なんて、人間としてダメっしょー。ないわー、ないない』

 

十六夜 ノノミ『決めポーズも考えておいたのに……』

 

十六夜 ノノミ『水着少女団のクリスティーナで~す♧』ジャーン!

 

黒見 セリカ『何が『で~す♧』よ! それに『水着少女団』って! だっさい!』

 

十六夜 ノノミ『えー、徹夜で考えたのに……』

 

 

奥空 アヤネ『あの、議論がなかなか進まないんですけど、そろそろ結論を……』

 

小鳥遊 ホシノ『それは先生に任せちゃおう』

 

小鳥遊 ホシノ『先生、これまでの意見で、やるならどれがいい?』

 

奥空 アヤネ『えっ!? これまでの意見から選ぶんですか!? も、もう少しまともな意見を出してからの方がいいのでは!?』

 

小鳥遊 ホシノ『大丈夫だよー。先生が選んだものなら、間違いないって』

 

奥空 アヤネ『ちょ、ちょっと待ってください! なんでそう言い切れるんですか!?』

 

黒見 セリカ『ま、まさか『アイドルをやれ』なんて言わないよね?』

 

十六夜 ノノミ『アイドルで☆お願いします♧』

 

砂狼 シロコ『ん、銀行を襲う』スッ ――――――覆面を被る。

 

 

――――――先生! ――――――先生! ――――――先生!

 

 

秤 アツコ「――――――()()!」

 

ロボット職員「ハッ」

 

ロボット職員「え?」

 

秤 アツコ「ほらね。コーイチは物思いに耽っている時に“先生”って呼んだ方が反応がいいんだ」

 

十六夜 ノノミ「ありがとうございます、アツコさん」

 

ロボット職員「えと、どうしました、ノノミさん?」

 

十六夜 ノノミ「()()、ちょっとお時間もらいますね☆」

 

ロボット職員「へ」

 

 

現在、唯一の【アビドス生徒会】役員であった副生徒会長:小鳥遊 ホシノが精神崩壊して代表交代を余儀なくされ、【アビドス生徒会】の後継組織となる【アビドス高等学校廃校対策委員会】から新たに選出された生徒会長:十六夜 ノノミは一番苦しい立場に置かれていた。

 

実家である大企業【セイント・ネフティス】と本来の入学先だった【ハイランダー鉄道学園】が十数年前に失敗に終わった砂漠横断鉄道の裏で開発が進められていた<列車砲:シェマタ>を狙う【プライベートファンド】の策謀によって【真なるアビドス生徒会】の怒りを買うことになったのである。

 

今まで現地のことは管理業者に任せきりでずっと放置していたわけなのだが、原因不明の砂漠化に対する明確な解答をもたらした北条先生のアビドス遠征が【真なるアビドス生徒会】が歴史の表舞台に復帰する最大の原因となっているだけに、眠れる獅子を目覚めさせてしまった北条先生を責めることは誰にもできなかった。

 

というのも、アビドス遠征を始める前に【真なるアビドス生徒会】の存在に辿り着いて許可を取り付けていた北条先生以外、誰も予想がつかなかった展開だと天地がひっくり返ったかのように驚くばかりであり、

 

土地の所有権が今も昔も【真なるアビドス生徒会】にあることを把握していれば絶対に起こるはずがないような、現地にいる誰もが【アビドス高等学校】の正体が不法滞在者の詐欺集団の()()()()()であることに、復興の志を持って入学してきた【アビドス対策委員会】や租借地の管理を任された【カイザーPMC】、取引相手である地元の大企業【セイント・ネフティス】でさえも気づかなかったのだから、第三者から見れば お間抜けしかいない集団コントであった。

 

しかし、本来ならば制裁の対象になるはずだった【アビドス生徒会】の後継組織【アビドス高等学校廃校対策委員会】は北条先生の執り成しでアビドス遠征の現地協力者として新アビドス自治区を設置して対応させる理と利を説いたことで実質的に所領安堵となり、【アビドス対策委員会】が抱えていた問題の多くを解決に導いたのである。

 

なので、【アビドス】復興の立役者である北条先生には大恩こそあれど恨むのは筋違いというものであり、北条先生自身も周囲に敵を作らない完璧な立ち回りで【真なるアビドス生徒会】【カイザーコーポレーション】からも支持を受けていたぐらいであった。知らぬのは現地の人間ばかり。

 

となれば、いかにして【真なるアビドス生徒会】からの矛先を躱すかの醜い争いへと繋がることになり、その一方で【真なるアビドス生徒会】は北条先生でも弁護できなかった【プライベートファンド】【ハイランダー鉄道学園】【セイント・ネフティス】の三者を壊滅させることをすでに決定していたため、こちらから何かをするまでもなく、そのまま【真なるアビドス生徒会】が地方自治を全うするのを見守るだけのはずだった。

 

 

――――――しかし、本当にそれでいいのだろうか?

 

 

北条先生の執り成しによって【真なるアビドス生徒会】からお目溢しを受けることができ、新アビドス自治区の外で起きる騒動を高みの見物ができる立場になったとは言え、決して無関係とは言えない因縁がありすぎる【アビドス生徒会】生徒会長:十六夜 ノノミはずっとそのことを自問自答していたのである。

 

そう、正式な自治区の支配者が自治区の法に則って犯罪者を裁いているだけに過ぎないが、それに対して割り切れない思いをずっと抱いているのは上に立つ者としての自覚が足りていないからなのか――――――。

 

だからこそ、早速 生徒会長と副生徒会長にのみ許された特権を使って北条先生と徹底的に話し合った上で、自分が選ぶべき行動が定まったのである。

 

そして、アビドス遠征に端を発する この問題に関しては 北条先生は“GUYSの先生”として政治に不干渉の公正中立の立場の取り続けなければならないため、役割分担として“シャーレの職員”ロボット職員:マウンテンガリバーにその役目を期待する他なかったのである。

 

 

――――――そして、十六夜 ノノミには確信があった。

 

 

ロボット職員「どうしたんですか、あらたまって?」

 

十六夜 ノノミ「やっぱり、ガリバーさんも【トリニティ】で教員をやっていたから“先生”って呼ばれた方が嬉しいですか?」

 

ロボット職員「ま、まあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

十六夜 ノノミ「もしかして、先生をやっていて辛いこともたくさんあった感じですか?」

 

ロボット職員「え」

 

十六夜 ノノミ「最近、ガリバーさん、物凄く思い詰めているようだったから……」

 

ロボット職員「そ、そうなのかもしれませんね。すみませんね、今一番困っているのは【対策委員会】のみんななのに……」

 

十六夜 ノノミ「初めてガリバーさんに会った時からずっと思っていたんです」

 

 

十六夜 ノノミ「――――――ガリバーさんは家族ぐるみで付き合いの長い執事さんのように親近感があって、それでいて執事さんよりも今の私のことをよく知っている感じがしていたんです」

 

 

十六夜 ノノミ「それってなんでなんでしょうね? もしかして、昔、会ってましたか?」

 

ロボット職員「……さあ、なんでなんでしょうね? もしかしたら、会っていたかもしれませんね、()()()()()()()()()()

 

十六夜 ノノミ「でも、あの時、私のために執事さんに言ってくれたことが本当に嬉しかったです」

 

十六夜 ノノミ「だから、いつもいつも私たちのことを見守ってくれているガリバーさんにお礼がしたくて」

 

十六夜 ノノミ「見てください! ガリバーさんに膝枕をするために用意してもらった特注サイズのクッションですよ!」

 

ロボット職員「ええ?」

 

十六夜 ノノミ「さあ、横になってください!」グイッ

 

ロボット職員「ああ……! ミニガンを軽々と持てる腕力に逆らえない……!」ドサッ*1

 

十六夜 ノノミ「どうですか、私の膝の感触は? ホシノ先輩も愛用の自慢の膝枕は?」ニコニコ

 

ロボット職員「いや、私には人間と同じ感覚器官が備わっているわけじゃないから――――――」

 

十六夜 ノノミ「でも、心は完全に私たちと同じ人間(ヒト)ですよね、ガリバーさんって」

 

ロボット職員「え」

 

十六夜 ノノミ「だって、執事さんにもしたことがあるんですけど、膝枕、こんな反応にはなりませんでした。普通のロボット族には絶対ない感情の動きがあるんです、ガリバーさんには」

 

十六夜 ノノミ「ロボット族にも喜怒哀楽はありますけど、ガリバーさんのように本当に人間(ヒト)らしい心の響き方はまったくしないんです。何と言うのでしょうか、いつでもどこでも心に響く演技ができる良い役者さんなんです、ガリバーさんは」

 

十六夜 ノノミ「視線だってそうですよ。ガリバーさん、たまにイヤラシイ視線を向けてますよね。私の場合は特に膝で、胸の方もいっぱいチラチラ見てましたよね。ロボット族は普通そういった感情は持たないはずなのに」

 

十六夜 ノノミ「だから、膝枕なんですよ、今日は」

 

ロボット職員「え、えええええ!?」ドキッ

 

十六夜 ノノミ「ああ、暴れないでください。もう少しだけ私の膝を堪能していってください」ググッ

 

ロボット職員「うう……」

 

十六夜 ノノミ「これはガリバーさんだけへのサービスですから、二人だけのひ・み・つですよ?」

 

ロボット職員「あ」

 

 

――――――これは()()だけへのサービスですから、二人だけのひ・み・つですよ?

 

 

ロボット職員「――――――」プイッ

 

十六夜 ノノミ「あ、ダメです、()()! ちゃんと横になっててください!」ググッ

 

ロボット職員「――――――ッ!」ビクッ

 

十六夜 ノノミ「あ、本当でした。アツコさんが言っていた通り、“先生”って呼んだ方が反応がいいです」

 

十六夜 ノノミ「それに、今のは何だか――――――」

 

十六夜 ノノミ「それはそれとして、ガリバーさんって可愛い人ですよね☆」

 

ロボット職員「へっ!?」

 

十六夜 ノノミ「そういうところがです。物凄く甘やかしたくなるんですよね、ガリバーさんみたいに頑張り屋な照れ屋さんのことが」

 

十六夜 ノノミ「だから、ホシノ先輩やセリカちゃんなんかスゴくイイです」

 

ロボット職員「あ、いや、いやいやいや、こういうのは北条先生に――――――!」

 

十六夜 ノノミ「たしかに、北条先生のことは尊敬しています、誰よりも」

 

十六夜 ノノミ「けど、北条先生の視線はガリバーさんのような熱は籠もってないんです。むしろ、ガリバーさんの方が人間らしいと言いますか、北条先生は“連邦生徒会長”と同じ“超人”って感じがして同じ“人間”って感じがしないんです」

 

十六夜 ノノミ「私の気のせいかと思って他に先生と距離が近い子にも聞いてみたら、やっぱり同じように感じている子がいっぱいいましたから」

 

 

――――――ある人曰く、地球人である北条先生にとって私たちはキヴォトス人という異種族でしかないのだと。

 

 

ロボット職員「……それはしかたがないことです。先生にとってウルトラマンが一番の憧れを持った宇宙人ですから」

 

十六夜 ノノミ「はい。しかたがないことなんですけど、だからこそ、誰よりも公平中立な視線で学園や生徒たちを見ることができているのも事実なんです」

 

十六夜 ノノミ「今回の件もそれぞれの立場から視えているものがちがうことで起きた問題で、【真なるアビドス生徒会】が解決の目処が立たない砂漠化に対して適切な対応をとったことは間違いないんです」

 

十六夜 ノノミ「そして、いつの間にか【アビドス生徒会】になりすましていた私たちの先輩たちも【セイント・ネフティス】と事業提携して本気で砂漠化の問題に取り組んでいたのも本当のことなんです」

 

十六夜 ノノミ「だからこそ、精神崩壊するまで【アビドス】を守り抜いてくれていたホシノ先輩やこれからの【アビドス】を担う後輩のためにも、そんな大変な時に生徒会長になった私にできることが何なのかをずっと考えていたんです」

 

 

――――――総会当日、私のことを守ってくれることになっているガリバーさんとはしっかりと考えを共有しておきたくて。

 

 

ロボット職員「もしかして、総会に参加するつもりなんですか!? やめるんだ! サーモバリック爆弾が――――――!」

 

ロボット職員「本当に撃ってきたとしたら、対怪獣兵器として範囲を限定したものなんかとは比べ物にならない被害範囲なんですよ、半径2kmは!?」

 

十六夜 ノノミ「わかっています。でも、セリカちゃんが言っていたように、そんなことになったら私たちは今度は【カイザーコーポレーション】よりも更に悪辣だった()()()()()の【真なるアビドス生徒会】に従わされることになるんです」

 

十六夜 ノノミ「それは本当に先輩方が望んだ【アビドス】の未来なのでしょうか? たとえ、不法滞在者の詐欺集団がなりすました【アビドス高等学校】だったとしても、私たちが信じた【アビドス】への想いは偽物だったはずがありません!」

 

十六夜 ノノミ「本物だったからこそ、ホシノ先輩はあんなにも傷つきながらも守り抜いたんです! 本当に大切だったのなら、先生が言うように業者任せにしないで定期的に現場視察に来て自分たちで不法滞在者の一掃をするべきだったんです!」

 

 

十六夜 ノノミ「――――――()()()()()()()()()()()()()()()? それこそ、ホシノ先輩と同じかそれ以上に」

 

 

ロボット職員「………………」

 

十六夜 ノノミ「流れ弾一発で即死しかねない北条先生の安全を考えてガリバーさんが最初に現地入りしたのは理屈としては当然で、その裏では北条先生が【真なるアビドス生徒会】と交渉を続けていて新アビドス自治区を勝ち取る結果になったので、これが最善だったことは理解できます」

 

十六夜 ノノミ「それはそうなんですけど、よくよく考えると()()()()()()()()()()()()()()()()としか思えないぐらい、ガリバーさんは生徒のことを知り尽くしているんですよね。【メイド部】の方たちが言っていました」

 

十六夜 ノノミ「ほら、セリカちゃんが誘拐された時に私たちの武器を運んできてくれましたよね? まだ見せたことがないはずなのに私の愛銃がM134(ミニガン)で<リトルマシンガン(ファイブ)>って名前なのも知ってましたよね?」

 

十六夜 ノノミ「だから、『先生よりも先にガリバーさんが私たちの許に駆けつけてくれた』と考えるのは、恋愛ドラマの見過ぎでしょうか?」

 

 

――――――守るべきお姫様のアツコさんと同じぐらいに私たちのことを守ろうとしてくれる騎士様。

 

 

ロボット職員「………………」

 

十六夜 ノノミ「同じことをシロコちゃんも感じていたんですよ。ガリバーさんはライディングに誘える(自転車に乗れる)身体(ボディ)じゃないから、声を掛けづらかったみたいですけど」

 

十六夜 ノノミ「それで、みんなでショッピングに誘った時は『荷物持ちになる』って言ってくれて執事さんのことを思い出しましたけど、同じロボット族なのに恋愛ドラマに出てくる男の人みたいな反応がいっぱい見られて、その時から物凄く興味を持ったんです」

 

十六夜 ノノミ「何というのか、外見がロボット族じゃなかったら本当に普通の人間(ヒト)って言いますか、なのに謎めいていると言うか、ホシノ先輩と同じように秘密をいっぱい抱えながら、私たちのことを大切に思ってくれているのが凄く伝わってきて」

 

十六夜 ノノミ「たぶん、北条先生は宇宙人とも仲良くできるから各学園の難しい立場の生徒会長とも仲良くなれたんだと思うんですけど、それがかえって普通の人の感覚から掛け離れている;良い意味で常識破りで悪い意味で理解するのが難しい塩梅なので、キヴォトスを救うためには本当に必要な人だとはわかるんですけど、本物のアイドルのように画面の向こうの遠い人に感じてしまうんです」

 

ロボット職員「まあ、北条先生の地球は半世紀に渡って怪獣と戦い続けた歴史をお持ちなので、そこからして怪獣や宇宙人に対する考え方がだいぶちがいますので……」

 

ロボット職員「ほら、ノノミさんが見ているスクールアイドルのアニメのように、社会現象とまではいかなくても、もう少しだけ生徒にとって遠すぎない存在であって欲しいと思うのは、普通の生徒たちの自然な欲求だと思いますよ」

 

ロボット職員「だとすると、世界的な映画スターよりも、ノノミさんが借金返済で提案したスクールアイドルぐらいの存在感が普通の生徒たちにはちょうどいいわけですよね」

 

十六夜 ノノミ「え」

 

ロボット職員「あ、つまりね、先生は地球人代表として恥ずかしくないように地球の文化に精通したプロですから。まあ、本職じゃないという意味ではアマチュアなんですけど、【地球文化館】を開いているので実質的にプロと言いますか、その道の第一人者としてセミプロと呼ぶわけにもいかないので、そこが一般から隔絶しているところと言いますか……」

 

十六夜 ノノミ「あ、はい。言いたいことはわかります。あまりにも凄すぎて存在自体が嘘みたいに感じられる奇跡の人ですよね。その価値を理解できる人たちからすれば本当に素晴らしい人ですが、普通の人にとっては『嘘臭くて信じられない』みたいな壁を感じてしまうんですよね」

 

十六夜 ノノミ「だから、大丈夫ですよ、ガリバーさん」

 

ロボット職員「え」

 

 

十六夜 ノノミ「ガリバーさんぐらいがちょうどいいんです、普通の学園生活を目指している私たちには」

 

 

十六夜 ノノミ「悲しいですけど、アビドス遠征が終わったら、私たちは北条先生から必要とはされなくなるでしょう。私たちにはキヴォトス全体の平和のために提供できるものが何もありませんから」

 

十六夜 ノノミ「だから、せめて“シャーレの当番”に呼んでください。そこで 精一杯 恩返しをさせてください」

 

ロボット職員「それはちがうと思います。怪獣退治の専門家としてはたしかに【キヴォトス防衛軍】にとって有用かどうかで見る必要はありますが、同時に怪獣退治をして守るべきなのは人々の暮らしですから、人々の暮らしを守ってくれているだけでも北条先生としては大助かりなんです。あとは【キヴォトス防衛軍】の怪獣退治への理解と連携ですね」

 

十六夜 ノノミ「……そういうことじゃないんです」ムスッ

 

ロボット職員「え」

 

十六夜 ノノミ「じゃあ、聞いてください」

 

十六夜 ノノミ「たぶん、私ぐらいですよ、ガリバーさんのことを支えられるのは。物理的に。これでも晄輪大祭で砲丸投げで優勝を狙えるぐらいなんですから」*2

 

ロボット職員「……そ、そうだったんですか」

 

 

十六夜 ノノミ「――――――それを踏まえて聞いてもらいたいんです、()()()()()()

 

 

ロボット職員「え?」ピクッ

 

十六夜 ノノミ「まず、【プライベートファンド】に<シェマタ>を渡さないためにも、総会で【ネフティス】に残額を支払います」

 

ロボット職員「でも、そうしたら――――――!」

 

十六夜 ノノミ「ですので、総会が開催される旧庁舎目掛けて降ってくるサーモバリック爆弾を撃墜してください」

 

ロボット職員「どうやって? 報告書を見る限り、【真なるアビドス生徒会】は北条先生に信頼を寄せていても、今回の問題の遠因となった【連邦生徒会】に対して報復攻撃も辞さないつもりでいたんですよ?」

 

十六夜 ノノミ「そうです。相手は【旧キヴォトス三大学園(BIG3)】で筆頭格だった本物の【アビドス高等学校】というわけで、それだけに【ゲヘナ学園】や【トリニティ総合学園】以上に荒っぽいやり方も押し通してきたからこそ最強校だったのは考えてみれば当たり前のことでした」

 

 

十六夜 ノノミ「ですが、北条先生は総帥閣下には隠そうとしても隠しきれない優しさがあったことを見抜いていました」

 

 

ロボット職員「?」

 

十六夜 ノノミ「北条先生の見立てでは――――――、砂漠化から数十年、たしかに【真なるアビドス生徒会】は古来からの伝統である最強校としての誇りと信仰を捨てずに大切に受け継いできましたが、『それが本当に数十年前のアビドス生と同一なのか?』と言えば『NO』と結論付けていたんです」

 

十六夜 ノノミ「たしかに【真なるアビドス生徒会】の在り方そのものは変わらなくても、それを構成している生徒たちの個々の在り方はこの数十年の時間の流れで確実に変わっていっているんですよ」

 

十六夜 ノノミ「実際、数十年前の砂漠化が始まった頃にガリバーさんが【トリニティ総合学園】で始めた学制改革運動と同時並行のIT革命で広まったスマートフォンのような便利なものはなかったわけですからね」

 

ロボット職員「ああ……」

 

十六夜 ノノミ「本当は私たちと何も変わるところがない同じキヴォトス人(現代人)だと、北条先生はさっき教えてくれたんです」

 

十六夜 ノノミ「――――――『心はアビドス生でも、振る舞いは完全にトリニティ生だった』というのが結論でした」

 

ロボット職員「!」

 

ロボット職員「だから、本当はそれこそ()()()()()にはなりたくはない?」

 

十六夜 ノノミ「そうです。それで大きな借りを作るんです」

 

 

――――――ガリバーさん、見せつけてやりましょう。ううん、()()()()()()が私たちと一緒に守ろうとした【アビドス高等学校】の底力を。

 

 

 

1つ、繁栄の理を取り戻すこと。

 

 

2つ、陰謀の夜を超えること。

 

 

3つ、王権を自ら掴み取ること。

 

 

 

神代キヴォトス人「で、どうするつもりなのだ、悩める若人共よ?」

 

砂狼 シロコ「どうするも何も、私たちはホシノ先輩から受け継いだ在り方を貫くだけ」

 

黒見 セリカ「そうよ! 相手が悪党だからって人の道から外れたやり方をしちゃったら、私たちはもう二度と真っ当な人の道を歩けなくなる! ブラックマーケットで資金洗浄の証拠を得るために銀行強盗をした時も持って帰ることになった1億円に手を付けなかったのもホシノ先輩が止めてくれたおかげだから!」

 

 

神代キヴォトス人「――――――青臭過ぎて敵わんな。死臭も未だに漂う」フフッ

 

 

神代キヴォトス人「何を騒いだところで【アビドス】に問題など最初からなかったのだ。存在しないはずの【アビドス高等学校】を守ろうと必死になって借金返済に明け暮れ、そこに先生がやって来なければ、そのまま砂の中に埋もれていくだけの青春でしかなかったのだ」

 

神代キヴォトス人「更に、先生の執り成しがなければ、お前たちのやってきたことは【真なるアビドス生徒会】【連邦生徒会】の両方にとって現地を実効支配してきた非合法の自治会で、どこからも承認が下りたものではない」

 

神代キヴォトス人「つまり、【アビドス高等学校廃校対策委員会】の存在を示すものは本当は何もなかったのだ」

 

神代キヴォトス人「だが、喜べ。あのまま【アビドス高等学校】を詐称していた場所がなくなれば、お前たちが勝手に背負い込んだお涙頂戴の借金地獄は綺麗さっぱり無くなることになっていたようだ」

 

奥空 アヤネ「………………」

 

錠前 サオリ「サーベラス様は【アビドス対策委員会】のこれまでの活動の全てが虚無(vanitas)だったと言いたいのか?」

 

神代キヴォトス人「いや、小人閑居して不善を為す、やることがなくて暇潰しのために非行に走るよりかはとても健全であるよ。その点では【アビドス】に屯していた不良生徒や傭兵バイトより遥かに徳が高い」

 

神代キヴォトス人「実際、本当はありもしない借金返済という目標を設定して、その達成のために日々努力してきたこと自体は決して虚無(無駄)などではない。そこで得た経験や能力は貴重なものだから、卒業後の進路で大いに役立つであろうよ」

 

秤 アツコ「そういうことを褒められたいわけじゃないと思うんだけど、サーベラス様?」

 

黒見 セリカ「そうよ! このままで終われるわけないじゃない! 私たちは【アビドス】で何も成し遂げてない! 大切なのは今なのよ!」

 

砂狼 シロコ「これ以上、私たちから何も奪わせはしない! 私たちがたしかにここで生きてきた証を残す! それがたとえ【真なるアビドス生徒会】を敵に回しても!」

 

神代キヴォトス人「ほう、まさか自分たちがいかにキヴォトスで恵まれた立場なのかを理解していないのか?」

 

神代キヴォトス人「たしかに、砂漠化によって何の価値もない土地へと成り下がってはいたが、それでも キヴォトス最強校として誰もが憧れた 夢があふれる黄金郷【アビドス高等学校】が存在していた場所であるという事実がお前たちの心の拠り所になっていた」

 

 

――――――国家;キヴォトスにおいては学園と自己を同一化すれば、自己研鑽は不要となり、アビドス生というだけで自らを誇れるようになる。

 

 

神代キヴォトス人「数千は存在しているという学園都市:キヴォトスにおいて学園の名が知れ渡っているというのはそれだけでも価値があるということだ。過去に【アビドス生徒会】の()()()()()を考えた連中の頭にあったのはそれだ」

 

神代キヴォトス人「そして、お前たち【アビドス対策委員会】が存在していようが存在してなかろうと、アビドス遠征は滞りなく遂行される。お前たちはその御零れに預かっていたに過ぎん」

 

神代キヴォトス人「言わば、居ても居なくても世界にとって何の影響力も持たない凡百の生徒に過ぎん。お前たちが自身の存在価値の拠り所として土地の歴史に依存してきたように、お前たちに救いの手が差し伸べられたのもまた土地の重要性に付随したものに過ぎん。土地の重要性が低ければ、最初の遠征先に選ばれることはなく、お前たちはそのまま借金地獄に溺れていたのが事実だ」

 

神代キヴォトス人「だが、終わることのないように思えた借金地獄でさえも幻想に過ぎなかった。【真なるアビドス生徒会】が【カイザーコーポレーション】と交わした租借契約は100年で、お前たちが抱えていた借金はたしか9億円;仮に廃校を免れて後輩たちに負の遺産を永遠に相続させようとしたところで、それを何百年もかけて返済されるのを待つ道理は最初からなかったというわけだ」

 

黒見 セリカ「わかっているわよ、そんなこと。でも、情報を整理してくれてありがとうございます、サーベラス様」ハァ・・・

 

砂狼 シロコ「うん。言いづらいことを代わりに言ってくれるおかげで状況把握が捗っているよ、サーベラス様」

 

錠前 サオリ「そうだな。自己を学園と同一視することで自らを誇れるようになるわけか。その前提として、誇れるものがある学園はそもそもとして恵まれているわけだな……」

 

奥空 アヤネ「そうですね。普通なら『今ここで戦って何かが変わるのか』不安になって心が弱くなるところです」

 

秤 アツコ「それだけサーベラス様に怒られ慣れたってことだよね。こういうのを愛の鞭って言うんだろうね」クスッ

 

黒見 セリカ「……慣れって怖いよね。これが有り難い教えってことで普通に受け入れられるようになった辺り」

 

奥空 アヤネ「はい。たとえ、私たち【アビドス対策委員会】の存続を脅かすものと戦って勝てたとしても、その後が問題なんです。学校がなくなったら、もう戦う意味がありません。学校をどうにか取り戻せたとしても、私たちはこれからもお金の問題で首が回らない状態のまま……」

 

砂狼 シロコ「だから、私たちはもう『アビドス遠征以前の借金返済に追われる日々に戻りたい』なんて思わない。怪獣頻出期を迎えた天変地異の時代を逞しく生きていくよ」

 

奥空 アヤネ「はい。ですから、先生が必要な分だけ取り戻してスリム化してくださった新アビドス自治区を発展させていくことに全力を注ぎます」

 

奥空 アヤネ「なにより、ホシノ先輩の後を継いで私たちが【アビドス生徒会】になるんです!」

 

奥空 アヤネ「私たちだけがこんなにも辛い目に遭わされているわけじゃないんです。楽な道を選びそうになったとしても、私たちはホシノ先輩が私たちに残してくれた【アビドス高等学校】の在り方を誇りを持って貫いていこうと思います」

 

秤 アツコ「おお」

 

 

神代キヴォトス人「――――――いいだろう。だいぶ覚悟が決まったようだな。その瞳に宿した灯を消すでないぞ」

 

 

砂狼 シロコ「当然。ノノミも生徒会長になってどうすれば最悪の事態を回避できるかを懸命に考えて計画を立ててくれているから、私たちは当初の予定通りに総会までの道を切り拓く準備をするだけ」

 

錠前 サオリ「だが、総会の開催日に敵は一帯を封鎖するために総力を挙げて防衛線を張るわけだが、敵も馬鹿ではないぞ」

 

砂狼 シロコ「うん。何日も前からアビドス中央駅の周辺施設を詰め所にして兵隊が現地入りしているのを確認している」

 

奥空 アヤネ「こちらが詰め所に出入りしている兵員輸送車や輸送トラックの規模から推測される敵兵力です」ピピッ

 

錠前 サオリ「なるほどな、攻撃ヘリコプターや対空砲も準備しているようだな。機銃座や戦車もこれだけ用意しているか」

 

黒見 セリカ「これだけの大兵力を集結させたら、だだっ広いアビドス砂漠なんだもん、丸わかりよね」

 

秤 アツコ「隠しきれるはずがないから、逆に大きく見せようと掻き集めて来たのかもね。当日は日雇いの傭兵バイトも今以上に来るかもね」

 

黒見 セリカ「今更、そんな脅しが私たちに通用すると思っているのかしらね! ここまで来たなら行くっきゃないわ!」

 

奥空 アヤネ「ええ。相手が形式にこだわって私たち【アビドス対策委員会】を総会に招待したのなら、その上で正々堂々と<シェマタ>の所有権をいただくまでです」

 

砂狼 シロコ「ん、総会を襲う」

 

錠前 サオリ「この強さ、見習わないとな」

 

秤 アツコ「うん。そうだね、サッちゃん」

 

 

 

――――――学園の未来は私たち生徒自身の手で創り上げてみせる!

 

 

 

御陵 ナグサ「差し出がましいと思いますが、本当によろしいのですか? それが北条先生の御意志なのでしょうか?」

 

御陵 ナグサ「この問題は【アビドス】だけじゃなく、キヴォトス全体の問題に発展する恐れがあります。企業による学園の侵略に変わりない以上、【百鬼夜行】としてはいつでも介入する準備はできています」

 

宇宙格闘士の帝王「ああ。【アビドス対策委員会】が関係することは“シャーレの職員”マウンテンガリバーに全て一任している」

 

宇宙格闘士の帝王「ならば、それは“シャーレの先生”が自身の半身と呼んだ“シャーレの職員”の手腕次第ということだ」

 

宇宙格闘士の帝王「間違っても独断で介入することは許されない。お前たちは控えていろ」

 

宇宙格闘士の帝王「これは【アビドス高等学校】の次代の在り方を問う【アビドス対策委員会】と【アレクサンドリア財団】の決闘なのだ」

 

銀鏡 イオリ「しかし、通達がされたとは言っても、本当に北条先生は見ているだけなのか? 私たちが怪獣退治で使っている以上の半径2kmを破壊し尽くすサーモバリック爆弾がアビドス居住区に落とされるのだぞ?」

 

仲正 イチカ「そうっすよ。『その日は通常通りに【キヴォトス防衛軍】は未調査領域の調査を進める』って言われても、いろいろと気になるっすよね」

 

宮藤 セルマ「だが、状況は二転三転としている。事はそんな単純なものではなくなっている」

 

宮藤 セルマ「家に帰ってきてみれば庭に砂漠横断鉄道なんて粗大ゴミが捨てられていることに家主である【真なるアビドス生徒会】が本気で怒っていることが世間に知れ渡ったんだ」

 

宮藤 セルマ「それなら、総会が中止に追い込まれるんじゃないのか?」

 

御陵 ナグサ「普通は別の機会や別の場所に変更になると思いますが、そうはなっていないですよ」

 

山高 カムロ「ああ。少なくとも、アビドス中央駅旧庁舎近辺を詰め所にして何日も居座っている兵隊たちは今のところ帰り支度をしている様子は見られない。人っ子一人、出ていく気配がない」

 

銀鏡 イオリ「ど、どういうことなんだ!? もしかして何も知らされていないのか、現場は!?」

 

仲正 イチカ「どっちにしろ、正気じゃないっすね」

 

服巻 クロモ「――――――当然じゃない、そんなこと!」

 

銀鏡 イオリ「え、『当然』なのか? それはどういうことなんだ?」

 

服巻 クロモ「わからない? もうね、【プライベートファンド】は詰みの状態なのよ、これ?」

 

服巻 クロモ「もし【プライベートファンド】が当日に総会を中止にしたら、あれだけの兵隊を用意したのに【アレクサンドリア財団】の脅しに屈したということで面目丸潰れだし、」

 

服巻 クロモ「総会を中止せずに強行して本当にサーモバリック爆弾が落ちてきた場合、それが本当に半径2kmを木端微塵にする威力があるかは別として、事前の警告を無視して多くを失うことになったことへの非難は避けられないの」

 

服巻 クロモ「つまり、どっちに転んでも【プライベートファンド】としては負けが確定しているわけなんだけど、どっちがマシなのかを考えたら――――――、どうよ?」

 

足坂 エル「それで『総会を強行する方が利点がある』という判断になったわけなのですか?」

 

銀鏡 イオリ「――――――安全第一主義の先生とは大違いだな!? 先生なら迷いなく総会の即刻中止を言い渡すはずだぞ!」

 

仲正 イチカ「間違いないっす。そこが利益第一主義の商人との大きなちがいっすね」

 

服巻 クロモ「でしょう! しかも、【プライベートファンド】はブラックマーケット系の団体や悪徳企業の組合なわけだから、先生の教育の甲斐あって意識改革が進んだキヴォトスで主流(トレンド)になった 北条先生の安全第一主義に真っ向から反する利益第一主義を掲げる キヴォトスにとって時代遅れの有害な連中だって、これではっきりしたわね!」

 

山高 カムロ「完全に判断を誤ったな。そもそも、アビドス遠征が終わってもないのに<シェマタ>を欲張ったんだから最初からだけど」

 

銀鏡 イオリ「まあ、私たち【ゲヘナ学園】がアビドス遠征に大々的に協力しているのも【“雷帝”の遺産】の捜索が目的だったから、何もしていなければ<シェマタ>が【ゲヘナ学園】に回収されてしまうことを恐れてのことだとは思うがな」

 

仲正 イチカ「それだったら、学園が保有する対怪獣兵器を【キヴォトス防衛軍】の作戦行動に供与する形で<シェマタ>の保有と運用を堂々と認めさせればいいだけじゃないっすか。自分から後ろめたいことをしていることを宣言しているようなものっすよ、【プライベートファンド】の対応は」

 

服巻 クロモ「そこも今回の【プライベートファンド】【セイント・ネフティス】【ハイランダー鉄道学園】による連合(シンジケート)の足並みが揃っていない証拠よね」

 

服巻 クロモ「どう考えてもアビドス遠征中に事を起こすべきではなかったのは言うまでもないわけで、アビドス遠征による未調査領域の調査で<シェマタ>を発見されることが嫌だったのはわかるけど、表向きの理由(カバーストーリー)となる砂漠横断鉄道の工事をやらせたのは完全な悪手だったわね」

 

足坂 エル「そうですね。連合(シンジケート)全体の動きもそうですが、【プライベートファンド】も一枚岩ではないことは事前にわかっていたことですが、権利関係が複雑になると身動きが取れなくなって急な方向転換ができないようですね」

 

宇宙格闘士の帝王「とっとと逃げればいいものを。退くことを知らない愚か者は救いようがないな」

 

宮藤 セルマ「ああ。やつらは自分だけは助かると本気で信じているらしい。現実は総帥閣下の勘気を蒙って死の瀬戸際に追い込まれて現実感を喪失しているだけかもしれないがな」

 

 

御陵 ナグサ「では、これだけはお認めになってください」

 

 

宇宙格闘士の帝王「ああ、言ってみろ」

 

御陵 ナグサ「総会当日は盟友である【アビドス高等学校】の防衛のために 我が【百鬼夜行連合学院】の戦力を展開します」

 

宇宙格闘士の帝王「なぜだ?」

 

御陵 ナグサ「集結している【プライベートファンド】の戦力をもってすれば、そのまま【アビドス高等学校】への侵攻が可能だからです。それで総会の焦点となっている【アビドス】【ネフティス】間の売買契約の結果を覆すことができます」

 

宇宙格闘士の帝王「――――――何度も言っていた『企業による学園の侵略を阻止するため』だな。そのためにナグサは【アビドス】に残って動向を注視していたな、ずっと」

 

御陵 ナグサ「はい。それぞれ独自のルールを定めている部活や委員会が連合を組むことで学院として成り立っている【百鬼夜行連合学院】にとっても無視できない問題を孕んでいる以上、企業による学園の侵略の成功例を作ることはキヴォトス全体の安寧を脅かすことに繋がりかねません」

 

服巻 クロモ「そういうことなら、ブラックマーケット系の【プライベートファンド】に対抗するために、メトロポリス系のみんなに声をかけておくわ。アビドス中央駅近辺に詰め込まれた兵隊たちが暴徒化するかもしれない以上、先日の【真なるアビドス生徒会】の軍事演習で傷ついた新アビドス自治区を これ以上 荒らさせないわよ」

 

宮藤 セルマ「なら、今回の砂漠横断鉄道の再開発をめぐる【プライベートファンド】【セイント・ネフティス】【ハイランダー鉄道学園】の失策に対する抗議活動の集会も開かせてもらおうか」

 

山高 カムロ「宮藤」

 

宮藤 セルマ「勘違いするな。アビドス遠征なんてものはさっさと終わらせた方が環境への負荷が少ないと判断したまでだ。現場の人間のストレス解消のために 毎度 移動遊園地(funfair):リトルプラネットが開園されることが本当に環境に優しいのかどうかを考えてみろ」

 

仲正 イチカ「それはそれは、私たちの活動に多大なるご理解とご協力をいただき、感謝するっす」

 

銀鏡 イオリ「ああ。総会当日も未調査領域の調査を進めるわけだから、【真なるアビドス生徒会】が軍事演習と称して新アビドス自治区で爆破テロを仕掛けてきた時のようなことが立て続けに起こったら、気が気でないからな」

 

足坂 エル「では、今回の一件に関しては当事者ではありませんが、キヴォトスを生きる生徒たちの総意としてどうあるべきか、総会当日の行動方針は決まりましたね」

 

 

――――――今回の砂漠横断鉄道の再開発とその裏にある陰謀に対して抗議集会を開きます!

 

 

 

 

 

――――――オンライン会議

 

 

七神 リン「……これはいったいどういうことなんですか、先生!?」

 

北条先生「報告書の通りです。【真なるアビドス生徒会】を擁する【アレクサンドリア財団】はアビドス居住区に半径2kmを吹き飛ばすサーモバリック爆弾を落とすことを通達し、該当区域の立入禁止措置を求めてきました」

 

羽沼 マコト「ああ、そのことか。我が【ゲヘナ学園】にも同じ内容の通達が届いているぞ、【シーワ分校】からな」キキキッ

 

桐藤 ナギサ「同じく、【トリニティ総合学園】にも【アレクサンドリア分校】から同様の通達が届きました」

 

桐藤 ナギサ「ですが、まさかシブキさんが【真なるアビドス生徒会】だっただなんて……」

 

北条先生「ですので、【プライベートファンド】の総会当日、アビドス中央駅付近には絶対に近寄らないように周知徹底してください」

 

七神 リン「先生としてはこの件に関してどうなさるつもりなんですか?」

 

桐藤 ナギサ「当然、ミサイル攻撃を阻止するのですよね?」

 

羽沼 マコト「馬鹿か、貴様は? 報告書にも書いてあるように『表向きは誰もいないゴーストタウンを更地にするため』なんだぞ? もしそこに誰かが居るとしたら、それは不法滞在者というのが【真なるアビドス生徒会】の認識なのだから、それをどうこうしようと言うのは立派な内政干渉だぞ?」

 

北条先生「そうですね、僕としてはアビドス遠征中は【キヴォトス防衛軍】の軍事顧問“GUYSの先生”として行動しているので介入するつもりは毛頭ありません。それよりも未調査領域の調査を少しでも進めることが最優先なので『勝手にやっていろ』というのが正直なところです」

 

北条先生「それに、【アビドス】のことは僕の半身である“シャーレの職員”ロボット職員:マウンテンガリバーに任せていますので、問題はないでしょう」

 

七神 リン「どうしてそう言い切れるのですか?」

 

桐藤 ナギサ「もしかして、すでに何か策を授けているのですか? 【ミレニアム】の最新兵器か何かでミサイルを撃ち落とすとか?」

 

羽沼 マコト「だとしても、報告書を見る限りは今回の問題は終始一貫して【真なるアビドス生徒会】の主張に正当性がある――――――。その正当性を覆す策が本当にあるのか?」

 

 

北条先生「――――――そういうわけじゃないです」

 

 

七神 リン「え」

 

北条先生「自治区の問題は怪獣退治の専門家である僕には関係ない話ですから。そこでしゃしゃり出るのは余計なお世話でしかないでしょう」

 

桐藤 ナギサ「え!?」

 

羽沼 マコト「……ほう」

 

七神 リン「で、ですが! 【真なるアビドス生徒会】の復活宣言が自治区へのミサイル攻撃によって成されたとなれば、キヴォトス中に衝撃が走ることになります!」

 

北条先生「そんなに恐れる必要がありますか? 【真なるアビドス生徒会】としては自治区の本来の所有者として当然の権利を行使しているだけですよ?」

 

北条先生「それに、黄金郷の住人に相応しい経済的合理性から業者に自治区の管理を委ねる柔軟性と先見性もありますしね。それで、すでに【キヴォトス防衛軍】に全面協力しているのですから、心配しているようなことにはなりませんよ、絶対」

 

七神 リン「そ、そうだったんですか、先生!?」

 

桐藤 ナギサ「先生! どうしてそれを言ってくれなかったのですか?」

 

北条先生「――――――『訊かれなかったから』ですが、何か? 今こうして話しているのも話す必要性が出て来たからに他なりません。言う必要がないことをわざわざ会議の場で言いませんよ」

 

桐藤 ナギサ「ああ……」

 

羽沼 マコト「まあ、そんなことだろうとは思っていたさ。さすがだな、先生」キキキッ!

 

七神 リン「……マコト議長?」

 

羽沼 マコト「おいおい、何を呆けているのだ? 本来ならば【真なるアビドス生徒会】の所在を把握しておくべき【連邦生徒会】が間抜けなせいで自力で辿り着く他なかった先生に対して何か言うべきことがあるんじゃないのか?」

 

七神 リン「そ、それは……」

 

羽沼 マコト「ならば、あとのことは先生が自身の半身と認めている“シャーレの職員”ロボット職員:マウンテンガリバーに全てを委ねようじゃないか」キキキッ

 

羽沼 マコト「たしかに先生が言うように、我々からしてみれば、どうでもいいような話であったな」

 

羽沼 マコト「では、警告に従って総会当日は【アビドス】には行かないように周知徹底させるとしよう。それで今日の会議は終わりだ」

 

羽沼 マコト「そもそもとして、アビドス遠征の邪魔になることをしなければいいだけの話だからな。先生が呼ばない限りは近寄ることもないだろう、大半の人間はな」

 

桐藤 ナギサ「はい。今回の件は静観するしかないですね。たしかに自治区のことは自治区の法でもって裁くのが筋ですから……」

 

七神 リン「わかりました。当日はアビドス中央駅には行かないように【連邦生徒会】から全自治区に通達しておきます」

 

北条先生「ご理解いただき、ありがとうございます」

 

羽沼 マコト「だが、そんなことになれば【プライベートファンド】は尻尾を巻いて逃げ出すのではないのか、当日?」

 

北条先生「それはないです。【プライベートファンド】も一枚岩ではないですから、仲間に黙って【真なるアビドス生徒会】と裏取引を持ちかけて自分だけは助かろうとしていますので、それを逆手に取って連中を一網打尽にすべく【真なるアビドス生徒会】は罠を張っています」

 

桐藤 ナギサ「そんなことが……?」

 

北条先生「簡単な話です。【プライベートファンド】を構成しているのはたしかにブラックマーケット系として名高い金の亡者共ではありますが、かつて夢があふれる黄金郷を築き上げた【真なるアビドス生徒会】に見られる経済的合理性や経営哲学ほどの芯となるものを持ち合わせていません」

 

北条先生「ですので、数十年前に発生した原因不明の砂漠化を前にして自治区を管理業者に委ねることをやってのけた長期的な経営戦略を実践できる【真なるアビドス生徒会】からすれば、自分だけは助かろうとして仲間を裏切るような浅はかな連中を言いくるめることなんて朝飯前なんですよ」

 

北条先生「なにより、夢があふれる黄金郷から引き継いだ兵力と資金力を有している天上人(トップス)ですからね、【真なるアビドス生徒会】の生徒たちと言うのは。その頃の【旧キヴォトス三大学園(BIG3)】の筆頭格らしい悪辣さを記憶している長老が居さえすれば、【アビドス】に関わることは絶対にしないようにできたはずなのにねぇ……」

 

北条先生「だから、【プライベートファンド】の総会は絶対に中止にはなりませんし、むしろ、ミサイル攻撃をすると言った中で仲間を見捨てずに参加する誠実さでもって【真なるアビドス生徒会】からの追及を免れる約定を取り付けているはずですよ」

 

七神 リン「…………そうなんですか」

 

 

北条先生「馬鹿な連中ですよ。助かりたいのなら 全員で謝りに行けば それで問題解決なのに、自分だけは助かろうとバラバラに接触するから 全体の動きが視えなくなって 全体の動きを把握している側にいいようにされるんです」

 

 

羽沼 マコト「そうか、そういうわけか。そうだな、【プライベートファンド】としてはそれで一巻の終わりだろうが、」

 

羽沼 マコト「となると、砂漠横断鉄道の再開発で事業提携を結んだ【ハイランダー鉄道学園】と【セイント・ネフティス】の方はどうなる、先生?」

 

桐藤 ナギサ「そうですね、それは私も気になりますね」

 

七神 リン「路線そのものが自治区となる【ハイランダー鉄道学園】としては自治区拡大に繋がる超巨大プロジェクトとして絶対に外せないものになるかと思いますが?」

 

北条先生「あきらめる他ないですよ。夢があふれる黄金郷としてキヴォトス中の憧れを抱かれていた余裕のある時期にわざわざ砂漠横断鉄道を【真なるアビドス生徒会】が造らなかったのは、アビドス砂漠を聖地と崇めていたこともありますが、普通に考えて採算が取れないことは最初からわかっていたことですからね」

 

北条先生「そもそも、鉄道の存在意義は貨客を運ぶことです。つまり、貨客を運ぶことが求められている点と点を線で結べるかどうかであって、人が住んでいない地域が大半の広大なアビドス砂漠に鉄道なんか要らないでしょう」

 

北条先生「だいたい、ここまで広大で平坦な土地を行き来する場合は飛行機ですよ、普通。本気でアビドス砂漠を開拓したいのなら、鉄道よりも飛行場と砂嵐対策のシェルターの整備が最優先です」

 

桐藤 ナギサ「そうですね。今となっては、それこそ 先生が世に送り出した波動鉄道や四次元移動列車がありますからね。電気鉄道の今後の需要はともかく、もっと効率がいいものじゃないと砂漠横断鉄道が夢物語なのは最初からですね」

 

羽沼 マコト「となると、【ハイランダー鉄道学園】が動いたのも【“雷帝”の遺産】を狙った派閥が【CCC(中央官制センター)】に話を持ち込んだというわけだな」

 

七神 リン「では、【プラベートファンド】が今回求めている<列車砲:シェマタ>についてはどうなさるおつもりですか? 本当にアビドス砂漠のどこかに存在するのなら、未調査領域の調査を進めていけば そう遠くないうちに見つかると思いますが?」

 

北条先生「怪獣退治の専門家としてははっきり言って要らないです。【キヴォトス防衛軍】が相手にしている怪獣の大きさが50m前後なので、対怪獣兵器としては文字通り規格外の無用の長物です。どうやって狙いをつけましょう。そもそも列車砲はライナー部隊で運用しているもので十分に間に合ってますので」

 

羽沼 マコト「そうであろう! 運用に適したものを残してくれていた【万魔殿】の先人たちには感謝の言葉が尽きんよ!」キキキッ!

 

 

北条先生「そういうわけですので、アビドス遠征はいよいよ大詰めです。次の遠征の準備の方はいかがでしょうか」

 

 

七神 リン「次は【ミレニアム】に存在する【廃墟】ですね」

 

桐藤 ナギサ「こちらは問題ないと思います。リオ会長も準備万端のはずです」

 

羽沼 マコト「ああ。だから、さっさとアビドス遠征を終わらせるぞ、先生」

 

北条先生「ええ」

 

 

――――――その時、キヴォトス各地の防空レーダーが大空を舞う飛行怪獣の反応を多数捉えた!

 

 

北条先生「なに!? この警報パターンは『未確認の』『飛行怪獣が』『一度に複数出現』だと!?」

 

七神 リン「急いで解析を!」

 

桐藤 ナギサ「全ての自治区に警戒態勢を発令! アビドス遠征に回された戦力もいつでもキヴォトス各地に展開できるように配置に就いてください!」

 

羽沼 マコト「どうやら、アビドス遠征の締めに入る前に大仕事のようだな、先生よ」

 

北条先生「……やってやりましょうか! 怪獣退治の時間だ!」

 

 

――――――GUYS Sally Go !(GUYS、出撃せよ!)

 

 

――――――G.I.G. :GUYS IN GREEN !

 

 

その日の怪獣退治は俗に言う“怪獣の大量発生現象(スタンピード)”となり、【アビドス】上空の電離層に棲息する空中棲息生物:クリッターが強力な電磁波の影響で突然変異を起こして誕生したものとは別の要因で変形怪獣:ガゾートが大量発生することになった。大量発生したガゾートが闇怪獣じゃなかったのは気休めにはなった。

 

そして、今回のガゾートの大量発生の原因となったのが稲妻怪鳥:ライバッサーの大量発生であり、地球人:北条 アキラが知る火山怪鳥:バードンを思わせる50mを超える真黄色の巨大な怪鳥が極小台風を伴って全身から強力な電磁気を放ち、それらが群れをなしてキヴォトス中の電子機器を完全に麻痺させてしまうのだ。

 

それだけに第3のXデーと言えるような衝撃がキヴォトス中を駆け巡り、ライバッサーの放つ電磁気に狂わされてキヴォトス中の鳥類が暴れ狂うことになり、それが黙示録の始まりであるかのような不吉な予兆を生み出した後に携帯電話や無線Wi-Fiと言った通信機器が次々と異常を来したのだから、デジタルネイティブ世代のキヴォトスの生徒たちは一挙に不安のドン底に追い込まれることになったのである。

 

一方、強力な電波障害が今も続いている【アビドス】にはライバッサーは近寄る気配がなく、そこだけが今回の怪獣災害の被害を受けずに済んでいるのは何と言う運命の皮肉か――――――。

 

 

そして、稲妻怪鳥:ライバッサーが放つ強力な電磁波がキヴォトス各地の電離層を刺激して変形怪獣:ガゾートを次々と生み出すことになり、ライバッサーとガゾートが飛行怪獣同士で互いに喰らい合う地獄絵図が始まったのである。雷撃とプラズマ光弾の撃ち合いともなり、常人では立ち入ることができない魔境がキヴォトス中で生まれた。

 

 

しかし、怪獣同士で潰し合ってくれている状況は“怪獣の大量発生現象(スタンピード)”で絶望的な状況において多勢に無勢の【キヴォトス防衛軍】がつけいる隙を生み出すことになり、

 

更に、【アビドス】上空の電離層から現れる“悪魔のペンギン”と形容されている人喰い怪獣:ガゾートの脅威が十分に知れ渡っていることで、怪獣災害の基本的な対策として“GUYSの先生”が必ず設置することを義務付けた避難シェルターへの避難が円滑に進んだことにより、一時的にキヴォトス各地で無人空間が生まれることになった。

 

ライバッサーの強力な電磁波による通信障害に苦しめられながらも、ライバッサーとガゾートの対決が発生している箇所を突き止めて漁夫の利を得るべく立ち回り、ウルトラマンの力を借りずにライナー部隊、GUTSファルコン、機龍丸で次々と狩っていくのであった。

 

ライバッサーとガゾートの戦力比は7:3といった具合にライバッサーが圧倒していたが、ライバッサー自身が放つ電磁気のせいで電離層に棲息するクリッターの突然変異が止まらないため、ガゾートの数はライバッサーの3倍はあり、

 

更に、ライバッサーは小さな幼体も含めて成長過程の個体が多く見受けられ、ガゾートは誕生した時から“悪魔のペンギン”として完成された姿であるため、徐々にライバッサーの群れをガゾートの群れが駆逐し始めることになっていたのである。

 

だとしても、成体であるライバッサーの能力は圧倒的であり、ガゾートが口から放つプラズマ光弾の直撃を受けても失速することなく、そのままの勢いでガゾートに飛びかかって 直接 放電してガゾートを仕留めたり、強風でガゾートの態勢を崩したところに雷撃を直撃させたりなど、単体でも恐るべき強さを見せつけていた。これが1体どころか、複数同時にキヴォトスに現れているのだから、たまったものではない。

 

そのため、戦況としては 成体のライバッサーが上空の電離層のクリッターを全てガゾートに変異させて全滅させるか、自らが生み出したガゾートの群れに喰い殺されるか、その2つのどちらかになっており、ライバッサーとガゾートの戦力を見極めながら漁夫の利を狙うことを強いられていた。

 

もちろん、超高速で飛び回る飛行怪獣の流れ弾に中らないように立ち回る必要があり、下手に攻撃すると怪獣が一斉にこちらに牙を剥く可能性も十分に考慮して攻撃のタイミングを見計らう必要もあって、疾風迅雷の戦場で共倒れを狙うのは決して簡単なことではなかったのだ。

 

ライバッサーとガゾートの戦いを完全に傍観して嵐が過ぎ去るのを待つことが賢明だったかもしれないが、現代文明を破壊し尽くす電磁気を放つライバッサーと凶悪な人喰い怪獣であるガゾートのどちらが勝ち残ってもキヴォトスの未来はないため、各地に分散している隙を突いて各個撃破して怪獣の殲滅を図るしかなかったのである。

 

この第3のXデーとも言える総力戦で鍵を握ったのが、やはり【キヴォトス防衛軍】の対怪獣兵器の要でもあり 防衛戦略の中枢ともなった バム星人の置き土産であるメテオール:四次元移動技術であり、空間トンネルを通って対怪獣兵器を集中運用して即座にキヴォトス各地に転送して次々とライバッサーとガゾートを駆逐していったのである。

 

 

しかし、人喰い怪獣:ガゾートを倒せるだけの戦力はあっても、電子機器に致命的な悪影響を与える文明の敵:ライバッサーの処理は一筋縄ではいかないため、名目上は超法規的機関【連邦捜査部 S.C.H.A.L.E(シャーレ)】に直属の非正規特殊部隊【キヴォトス外人部隊】となる特捜チーム【GUTS-SAFETY(ガッツ・セイフティ)】が持ちうる戦力を総動員してキヴォトス各地にその勇姿を見せつけることとなった。

 

 

実際、今回の大激戦では最後まで【キヴォトス防衛軍 CREW GUYS KIVOTOS(クルー・ガイズ・キヴォトス)】軍事顧問である“GUYSの先生”北条 アキラは作戦司令部から動くことなく全体の指揮を執って勝利へと導いたわけなのだが、

 

戦いやすさで言えば、何度も交戦している人喰い怪獣:ガゾートの方であるため、電子機器に悪影響を与えてくる相性最悪の文明の敵:ライバッサーの数を可能な限り減らしてくれるように、ライバッサーの群れに攻撃を加えていくように命令を出したのが功を奏した。

 

怪獣化した時の姿形や能力が一定の水準を保っているガゾートとちがい、ライバッサーの方は幼体から成体まで大小様々な個体が確認されており、幼体は歩兵部隊のギャラクシー・スナイパーライフルでも致命傷を与えられるため、ライバッサー側が優勢である場合に適度に間引くことでガゾート側を拮抗させることができたのだ。

 

そうすることで単体ではガゾートを圧倒している成体のライバッサーにガゾートが数的優位をとって潰し合うことになり、最終的に生き残った側がどちらであろうと無事では済まないので、そうして疲弊したところを対怪獣兵器の集中運用で容赦なく間に刈り取っていった。

 

それでも、これまで1日1件といった具合だった怪獣退治とは異なり、怪獣が一度に大量発生した場合の連戦は想定外の初めてのことであったため、合間合間で補給や休憩を経ても疲労の回復は遅く、避けられない長期戦に否応なく士気が擦り減っていくのであった。

 

大量発生した怪獣の群れに真っ向から立ち向かうことができないがために息を潜めて怪獣の隙を窺う籠城戦は何かあればすぐに銃を向けて我を押し通すキヴォトス人にとっては相性最悪であり、その気質から攻めに強くても守りを固めるのは苦手である弱点が浮き彫りとなったわけである。

 

そのため、長く苦しい戦いの一日を迎えて反応やキレが悪くなっていることを感じ取った“GUYSの先生”は戦訓は十分に得られたとして、残りの激戦地(ホットスポット)の制圧を特捜チーム【GUTS-SAFETY(ガッツ・セイフティ)】が持ちうる戦力を総動員して早期に決着をつけることにしたのだった。

 

そして、3分間しか戦えないのが最大の弱点である僕らのヒーロー:ウルトラマンに代わって、時間制限がなく長期の作戦行動をとることができる怪獣や宇宙人が味方にいることの有り難みを噛み締めることとなった。

 

やはりと言うべきか、“シャーレの研究員”神代キヴォトス人:サーベラスが一体となって使役する光怪獣:パワードゼットンはまさしく最強怪獣の一角であり、ただでさえ漁夫の利を狙うために消耗させたライバッサーとガゾートを容赦なく無慈悲に次々と抹殺する姿はあまりにも鮮烈であった。

 

一方で、それに対抗心を燃やす“シャーレの指導員”グレゴール星人:グレゴリオも負けじとライバッサーとガゾートを物凄い勢いで駆逐していっており、“宇宙の帝王”の二つ名に恥じない勇猛さをキヴォトス各地で見せつけることに成功していた。

 

更に、『ウルトラマンが出るまでもない』と言わんばかりのサーベラスとグレゴリオの快進撃にウルトラマンとして思うところがあった“シャーレの職員”ロボット職員:マウンテンガリバーの声なき声に応えて、“シャーレの先生”地球人:北条 アキラは顔見世も兼ねて銀河の彼方から助っ人を何食わぬ顔で呼び出していた。

 

 

Come on!

 

Neos-let!

 

Connect on!

 

 

ミラクルマンを超えたミラクルな新世紀のヒーロー!

 

宇宙警備隊 勇士司令部所属!

 

その名は ウルトラマンネオス!

 

 

こうして 最後に美味しいところを持っていった 飛行速度:マッハ30を記録する 最速のヒーロー:ウルトラマンネオスが最後のライバッサーを跳躍しながら放ったネオマグニウム光線で撃破したところで、キヴォトス中が歓喜の声に満ちたことを全身で感じ取った地球人:北条 アキラはホッと一息吐くことができた。

 

本当に長く苦しい戦いだった。基本的に1日に3分間しかウルトラマン80として戦えないために最終的に7箇所でライバッサーとガゾートが互いを食い合っている魔境においそれと飛び込むことができないこともあり、

 

今回は最初から最後まで作戦司令部に居て全体の指揮を執りながら各個撃破のタイミングを絶対に逃さないように全てを注視しつつ、キヴォトス各地の避難シェルターと交信しながら状況把握にも努めていたため、椅子に座りっぱなしなのに頭が8つか9つに割れそうになっていた。

 

だからこそ、身動きが取れない状況で代わりに戦ってくれる助っ人の存在はこの上なくありがたいものであった。見覚えこそないものの、太陽系第3惑星:地球を愛してくれた銀色のヒーローなら、それはもう――――――。

 

最初にウルトラサインで喚び出した時はアビドス砂漠で逃走していたパワードバルタン星人を撃破してくれたことしかわからなかったので、二度目のウルトラサインでキヴォトス中の人々が注目している前で姿を現して怪獣と戦う勇姿はしっかりと人々の記憶に刻まれることになった。

 

なるほど、たしかにこれは初代ウルトラマンにそっくりだと思いながらも、ウルトラマン80のサクシウム光線に似た構えから放たれたネオマグニウム光線が十文字の黄金光線なのを見て、地球人にとって一番馴染みのある両腕を十字に組んで手刀から放つ青白いスペシウム光線とはまったくちがう――――――。

 

ウルトラマンネオスは外見こそ初代ウルトラマンにそっくりに見えるが、戦い方がウルトラマン80に似て非常に軽快であり、通常の構えが初代ウルトラマンと同じ中腰の姿勢でもなんとなくだが初代ウルトラマンよりもずっと若い印象を受けていた。

 

そして、無事に一仕事を終えたウルトラマンネオスに対し、タイガスパークを通じて今回のかつてない怪獣災害で奮闘してくれた英雄たちを称えるキヴォトス中からの『ありがとう』の言葉を送り届けると、しっかりとカメラの方を向いた銀色の巨人は厳かに頷いて宇宙へ帰っていったのであった。

 

意外なことかもしれないが、メビウス世代の地球人:北条 アキラがM78星雲/光の国のウルトラマンが怪獣を倒し終えて空の彼方へと飛び去っていく姿を実際に見るのは初めてのことであり、その後もウルトラサインで即座に駆けつけられるように宇宙で待機してくれていることを考えると、どうしても昔のことを思い出してしまうのだ。

 

 

――――――ガンフェニックストライカーで大気圏を離脱して宇宙から地球を眺めた時、嗚咽と共にこみ上げてくる世界に対する絶望、だからこそ燦然と輝くウルトラマンという希望の光に心の中でめぐりあえたことを。

 

 

宇宙から惑星(地上)を見つめた時、人の営みはなんと愚かなことで溢れかえっているのだろうか――――――。

 

そう思ってしまうのは、最初の怪獣:クレッセントによる第1のXデー、宇宙怪獣:エレキングが大化けした第2のXデー、それに続く大量発生した文明の敵:ライバッサーによる第3のXデーというキヴォトス中を震撼させた大激戦の後、程なくして【アビドス】で自分たちの自治区に対するミサイル攻撃が行われるという事実が待ち構えているせいであった。

 

あれだけ苦労して必死の思いをして仲間の勝利を信じて作戦司令部から一歩も動かずに、怪獣を殲滅するタイミングを決して逃さないように複数の画面と必死ににらめっこしながら、避難シェルターにて不安がっている民間人を励ますトークショーをしながら、連戦に次ぐ連戦の合間の補給や休憩の状況を確認し、最終的に各学園が制定した緊急時対応計画(contingency plan)に則って大きな混乱や被害がもたらされることなく、“怪獣の大量発生現象(スタンピード)”で死傷者なしの完全勝利を掴み取ったというのに――――――、

 

実質的な“連邦生徒会長”の後継者として万民が認めるキヴォトスの頂点に立つ存在だとか言われているが、怪獣災害という非常事態を解決したことで予定通りに自分たちの自治区にミサイル攻撃という暴挙を許すことになった――――――。

 

間違いなく人類の平和のために怪獣退治で命懸けで守ってきた人々の暮らしというものは現地住民の手によって壊されるために大切にされてきたものに過ぎないのだろうか――――――。

 

しかも、そうなった背景には【“雷帝”の遺産】とされる<列車砲:シェマタ>をめぐる策謀があったわけであり、最初から最後まで 徹頭徹尾 自分さえ良ければいいと裏でコソコソと立ち回って他者を出し抜こうという誠実さの欠片のない行いが過去のことは水に流すつもりでいた【真なるアビドス生徒会】の怒りを買ったのだ。

 

そう、あれだけ必死な思いをして【キヴォトス防衛軍】の総力を挙げて大量発生した怪獣軍団を倒したところで、元からして学園都市:キヴォトスの日常は平和とは程遠い銃声と爆発音の絶えない犯罪天国(ゴッサムシティ)なのである。それで今度はミサイルが落とされるのだ。

 

もちろん、怪獣退治の専門家として“連邦生徒会長”に招かれて怪獣退治に必要不可欠な前提条件である秩序の回復と防衛体制の構築を実現したことにより、学園都市:キヴォトスから銃声が消えた日が生まれるほどの快挙を成し遂げて“GUYSの先生”北条 アキラは表彰されることになったのだが、

 

それでも、キヴォトス人の感覚で犯罪が物凄く減少した程度に過ぎず、地球人基準では完全にはゼロにはならないため、依然として普段の日常の中で流れ弾一発で突然の死を遂げかねない地球人にとっては容認しがたい危険地帯である事実は変わりないのだ。

 

大量発生したライバッサーとガゾートの群れを完全撃破してキヴォトス各地の避難シェルターでお祭り騒ぎとなって沸き立ち、まだしばらくは警戒態勢を解くことができない作戦司令部に勝利宣言を求める声が続々と寄せられ、今回の怪獣災害を乗り切ることができた正真正銘の大英雄:北条 アキラの声を誰もが待ち侘びることとなった。

 

しかし、終わってみれば初めてとなる連戦に次ぐ連戦の長期戦ということもあり、自分が思っているよりもずっと精神的に疲れていたことを自覚する間もなく、言葉は自然と紡がれていた。

 

それがあらためて地球外生命体の異種族:キヴォトス人に対して下された平和の惑星で生まれた地球人:北条 アキラからの嘘偽りない言葉であった。

 

 

――――――よく遊び、よく壊し、よく学べ。

 

 

直前まで今回の怪獣退治で活躍したウルトラマンネオスや【キヴォトス防衛軍】の面々に向かって『ありがとう』の言葉を送るように意気揚々と呼びかけていただけに、それとは打って変わって あまりにも唐突な内容に場の空気が静まり返った。

 

序盤の絶望的な展開を徐々にひっくり返して最終的には【キヴォトス防衛軍】の怪獣退治を避難シェルターでみんなで観戦して楽しむ余裕が生まれていたが、世界の命運を握る重責を背負った現場としてはさすがの先生も7連戦となった今回の戦いは疲れ切っていてもしかたがないと思い至ることもできたわけだが、これには誰もが面食らったわけであった。

 

発言者が発言者だけにそこにどんな想いが込められているかを汲み取ろうと深読みや憶測が始まることになり、その盛り上がりようには 先程までの歓喜ではなく 困惑や焦燥の色があった。

 

しかし、あれから装備が充実して数多くの怪獣を撃破できるようになったからこそ、ふとしたことがきっかけで自分がなぜこの道を生き貫く決心をしたかの初心に帰ることになり、

 

地球人:北条 アキラが この謎の超巨大学園都市:キヴォトスに招かれて その惨状に心を痛めて抱いた願いは一度は笑い飛ばされていたが、今この瞬間 カーテンの隙間から差し込んだ朝の日差しのように 今度は多くの人々の心に届くようになっていた――――――。

 

 

――――――本当は敵なんかいない。

 

 

優しさを失わないでくれ。

 

弱い者をいたわり、互いに助け合い、

 

どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。

 

たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと。

 

それが(ウルトラマン)の変わらぬ願いだ。

 

 

*1
M134は18kg近い本体重量と、弾薬・駆動用バッテリーを含めた総重量は100kgを越えることもあり、個人携行は不可能と言われている。

*2
練習では4Kgの砲丸ではなく10Kgのダンベルを代わりに投げていた。

そして、本番では白石 ウタハや鰐渕 アカリと競ったが、投げた砲丸がグラウンド(測定限界の70m)を超えて観客席に着弾してしまい、場外失格となってウタハに敗れている。




-Document GUYS feat.LXXX No.17-

稲妻怪鳥:ライバッサー 登場作品『ウルトラマンデッカー』第11話『機神出撃』登場
その姿は過去のシリーズに登場した風ノ魔王獣:マガバッサー及びその原種と思われる猛禽怪獣:グエバッサーに酷似しており、
グエバッサーは宇宙怪獣である可能性が高いのに対して、ライバッサーは劇中で地球怪獣であるかのような描写がされており、地球に適応して独自の進化を遂げたものと推測される。
全身はこれまでのバッサー系怪獣とはまた大きく異なる金色のカラーリングの羽で覆われており、一部の羽が紫色に変色しているなど少々毒々しい色合いとなっている。
また、頭部にはマガバッサーやグエバッサーとは異なる4つの湾曲した巨大な角が生えているのも相違点であり、稲妻怪鳥としての特徴と言えるだろう。
また、シリーズでも珍しく幼体:ヒナバッサーが確認されており、ほぼ成体と見た目は同じながらも体長は2m程で人間でも十分対処可能な強さだが、複数の群れで襲いかかるために警戒が必要不可欠で、劇中では十数匹もの個体が出現していたが、成体のライバッサーにまで成長できるヒナはごくごく僅かしかいない。

バッサー系怪獣らしく、小型台風を生み出すほどの両翼をはためかせた突風や、翼そのものを活かした刺突攻撃が武器だが、本種の最大の特徴は“稲妻怪鳥”の異名通りの雷撃であり、腹部から放つ雷撃光線の威力が強力で、たった一撃でテラフェイザーの中枢を焼き切るという恐るべき破壊力を誇る。
全身金色の眩しい外見の通り、全身には常に電気が通っているのか、地上に現れただけで現場のGUTS-SELECTの通信系を完全に麻痺させてしまう程の電磁波を放っており、電子機器を使用不能にするというだけでも各地に相当な被害をもたらす害獣である。
その上で、バッサー系怪獣としての優れた飛行能力も健在で、テラフェイザーの追尾式ビーム砲を三回ほど急旋回して回避しており、ホーミング機能や余程正確な狙いを付けられないことには飛行中のライバッサーに攻撃を当てることは難しく、
テラフェイザーのビーム砲を2発モロに食らっても多少怯むだけでそのまま飛行を続行できるぐらいには持久力にも優れているため、空中戦はまさに独壇場と言える。
出現時には雷雲を伴った小型台風を発生させているが、マガバッサーやグエバッサーのような竜巻を攻撃手段として操る能力は持っていないが、バッサー怪獣の身体能力はそのままに電撃という独自の強みを持った厄介な怪獣とも言え、アサカゲ博士もライバッサーがガゾートより強力な怪獣であると評価している。


ガゾートの出現というトラブルに見舞われたテラフェイザー起動実験。
どうにか再開しようとしたところに、不自然な極小台風が発生する。
その正体はライバッサーが引き起こしたものであり、雲の中から出現しテラフェイザーを襲撃し、AIの実戦経験不足もあり圧勝する。
自身の電撃攻撃でAIを破壊するのに成功し、上空で事態を監視しつつヒナバッサーを差し向けてテラフェイザーの修理を妨害する徹底ぶりを見せた。
しかし、GUTS-SELECTとアサカゲ博士は、ハネジローに操縦させることでAIの実戦不足を補えることに気付き、ヒナバッサーの包囲を潜り抜けテラフェイザーを再起動させるべく行動を開始する。
途中、カナタがヒナバッサーに連れ拐われたものの、デッカー(チッサー)に変身して窮地を脱出、ミラクルタイプの力で博士とハネジローをテラフェイザー内部へとワープさせて再起動に成功する。
復活したテラフェイザーを迎え撃つべくライバッサーは再び地上に降り立って激突し、今度は豊富な武装とライバッサーの機動力でも避け切れないビーム砲の曲げ撃ちで圧倒するが、トドメを刺す直前でテラフェイザーはオーバーヒートを迎え、一気にピンチへと陥ってしまう。
だが、この危機にデッカーは巨大化、ウルトラデュアルソードのトリプルデッカースクラムでライバッサーを撃破し、空を覆っていた雲も綺麗に消え去るのだった。

何故テラフェイザーを襲撃したのかについては、宇宙浮遊物体スフィアを警戒して暴れたデスドラゴやゴモラのように「地球に生じた異物な存在であると本能で認識し、テラフェイザーを脅威と捉え排除しようとしたのではないか」とムラホシ隊長は推測している。

デッカーとの戦闘はごく僅かで最終的に負けはしたものの、一度はテラフェイザーに圧勝し、二度目の戦闘でもテラフェイザーがオーバーヒートするまで数々の攻撃を耐え抜いて戦闘を続行していた辺り、ライバッサーも他の魔王獣の派生種達に負けず劣らずの実力者だったと言っても過言ではないかもしれない。






突然の“怪獣の大量発生現象(スタンピード)”によって大量発生した害鳥であり、大量発生したことでキヴォトス中が強烈な電磁気に晒されて電子機器に悪影響が出ただけじゃなく、電離層の空中棲息生物:クリッターを次々と人喰い怪獣:ガゾートへと突然変異させて、互いに食い合うという地獄絵図を展開することとなる。
そのため、今回の怪獣災害が第3のXデーに数えられるぐらいには各方面に与えた衝撃は大きく、それに対処した英雄たちの評価も必然と高くなる結果となった。
単体ではガゾートよりもライバッサーに軍配を上げるものの、ガゾートの安定した質と数に圧倒されて幼体のヒナバッサーが真っ先に犠牲になって成体のライバッサーがまとめて薙ぎ倒す力関係となっていたため、
大量発生したライバッサーとガゾートが互いに食い合う関係ということで漁夫の利を狙う作戦が展開され、延べ7回に渡る【キヴォトス防衛軍】の総力を挙げた攻撃で最終的に殲滅に成功している。

これにより、文明の敵:ライバッサーの大量発生という絶望的な状況を乗り越えるだけの力があることが証明され、キヴォトス中が沸き立つことになり、
今回の怪獣退治の戦訓と砂漠横断鉄道をめぐる騒動の反省が学園都市:キヴォトスの意識改革を促すこととなった。
また、一度はアビドス砂漠で喚び出したことはあるものの、よくわからないままだったウルトラマンネオスの存在が周知されることになった。

ただ、何よりも語られるべきなのは、ウルトラマンネオスの勇姿を見て初心に帰った地球人:北条 アキラが心から発したウルトラの願いであろう――――――。

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