ドラゴンクエストモンスターズ1のレベルカンストスライム主人公が家出する話。

昔投稿したものです。

1 / 1
スライムの決断

スライム♀ レベル99。

つい先程レベルカンストを迎えたばかりだ。

ただのスライムと侮ることなかれ、今でも最前線で戦う珍しいスライムとは私のこと。…時々スライムということをバカにされるけど。

 

父母は同じくスライムながら、様々なモンスターと配合し、また配合回数も多かった。

そんな父母との間に生まれた私はそれ相応に強いわざや呪文が受け継がれていた。

マスターはぽやっとした男だが、戦闘中に出す作戦は的確だ…戦闘以外は基本ぼんやりして駄目人間だけれど。

それでも私たちのマスター。信用も信頼もしていた。

彼にならずっと着いていってもいいと思っていたのに。

それなのに…。

 

「お前はこいつとお見合いかな」

マスターに連れてこられたのは毛むくじゃらのイエティだった。

 

「は?」

思わずマスターに最強呪文マダンテを放ちそうになった。

いや、待て待て、待ってくれマスター。マスターは以前から私がレベルカンストしたらメタルスライムにしたいから配合相手はメタルドラゴンだと言っていたじゃないか。

それなのに?は?

イエティ?は?

獣系の毛むくじゃらとかありえんのだけど。イエティとスライムで何?ユニコーン作るつもり?私にユニコーンの卵産めって?無理にも程があるだろうが!

 

「…あの、マスター?私、メタルドラゴンと配合するって聞いてたんだけど?寧ろそっちで納得してたんだけど?」

「ああ。メタルドラゴンは配合の幅が大きくてねー?つい先日ひょうがまじん作る為に配合しちゃってさ…へへ」

「…いや、へへっじゃないでしょ!」

気楽に笑うマスターにギガスラッシュをお見舞したくなったがグッと抑える。

 

…ずっと夢だったのだ。

あの銀色に輝く機械ボディに抱かれるのが。

強そうな風貌なのに瞳が緑色のまん丸で、首を大きく回す動きもどことなく可愛いし、ドラゴンと付くのに物質属性ときたものだ。

本当に全てかツボだった。

私と配合してメタルスライムを産む予定だったのに!なのに!まさか!先を越されるなんて!

「許せん…」

ひょうがまじんならば相手はマスターが密かに育てていたスカルゴンだな!あの骨女!骨を粉々に砕きたい。もういないだろうけど。

 

「あの…マスター」

「ん?…ほら、ほしふりのほこらに行くぞ?」

イエティは知能指数が低いのかマスターみたいにぼんやりと宙を眺めている。途中ハエが目の前を通った際には手を動かし叩く動作をしたが結局捕らえられず素早さも低いことがわかる。

こんなやつの子供を産めと?こいつとこれからの生涯をともに過ごせと?

私の冷たい視線を感じたのかイエティが此方を見る

 

「オマエ、ウマソウ」

「…」

あ、これ無理なやつ。

 

「あー…マスター?」

私はにっこり笑ってマスター達から少しずつ距離をとる。

マスターの隣。ずっと長いこと前線で一緒に旅してきたにじくじゃくは私の心情を理解しているのか…行け、と言うように綺麗な羽を揺らしてくれた。

 

その瞬間マスター達から反対方向へ素早さ511の華麗な脱兎。

突然の行動に驚き動けもしないマスターを横目に、にじくじゃくに片目を瞑って見せた。

ありがとうにじくじゃく。お前はいい男だったよ。お前とも配合したかったけど、流石に出来上がるのが羽スライムかピッキーなんてふざけたモンスターでは一生配合出来ないだろうから諦めた!

でも結構好きだったよ!

 

素早さカンストの私の行き先はバザーの扉だ。

なぜかって?そんなのメタルドラゴンが出現するからに決まってるだろうが!

あのメカメカしいボディに抱きついて早いとこ子供産み落としラブラブしたいんじゃ!

 

後ろから追ってきてる音はするが追い付けないだろう。何たって目の前にバザーの扉があるのだから!

 

「行ってきまーす!」

 

ぐにゃりと曲がり始める視界に息荒げて片膝をつくマスターを見付け、手はないけど振ってるふりをした。

 

そのうち戻ります。私の子供が、ね!

 

 

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。