転生とらぶる1の人物紹介
https://syosetu.org/novel/179815/13.html
の方に投稿していますので、気になる方はどうぞ。
鑑あきらさん、いつもありがとうございます。
「これが、サイサリスか」
ゼフィランサスの完成した姿を見てから数日後……俺の姿は第2研究事業部の使っている格納庫にあった。
そこにはゼフィランサスから数日遅れで完成したサイサリスの姿がある。
何と言うか……こうして改めて見ると、サイサリスはゴツいというか、表現を気にせずに言うのなら悪人顔と呼ぶべき感じだな。
ゼフィランサスは、まさにアムロの乗っていたRX-78-2の正統進化系のガンダムなのに対し、核兵器の運用を前提としたサイサリスは、マッシブやゴツいといった表現が相応しい。
この辺は第2研究事業部がジオン系の兵器メーカーから引き抜かれた者達の集まりだからなんだろう。
言ってみれば、ジオンが作ったガンダムといったところか。
とはいえ、それはそれで味わい深い印象があるのも事実だが。
ある意味、連邦とジオンの技術の融合といった感じなのだろうし。
「アクセルさん、どうですか?」
そう俺に声を掛けてきたのは……えっと、誰だったか。以前会ったメカニックの……ああ、そうそう。ニック・オービルだ。
「これはこれで悪くないガンダムだとは思う」
「そうでしょう。個人的な趣味になりますが、俺はゼフィランサスよりもサイサリスの方が好きなんですよね」
「そうなのか? まぁ、その辺の趣味は人それぞれだろうが。実際、俺もサイサリスは嫌いじゃないしな」
悪役顔なのはどうかと思うが、それはそれで悪くはないというのが俺の正直な気持ちだった。
もっとも、ニナがそれを聞けばどのように思うのかは分からないが。
「とはいえ……サイサリスの外見は嫌いじゃないが、武装はもうちょっとこう、何とかならなかったのか?」
サイサリスの外見はともかく、武装については色々と思うところがあるのは事実。
何しろサイサリスの武装は、頭部バルカンとビームサーベル、そして核バズーカしかないのだ。
後は防御用のシールドか。
ただ、このシールドはあくまでも核兵器を使った後の核爆発に対処する為や核バズーカの砲身を分割して収納しておく為のシールドで、純粋に防御用のシールドとしては使い物にならない……とまではいかないが、決して優れている訳ではない。
普通のMSと戦う時は当然ながら核バズーカの運用は出来ない以上、ビームサーベルとバルカンでどうにかする必要がある。
せめてビームライフルくらいは持たせてもいいと思うんだが。
「何でビームライフルを装備してないんだ? 核バズーカはあるかもしれないが、それは普段は分割されてるから手が塞がるという訳でもない。何かあった時の為にビームライフルを装備しても構わないと思うが」
その言葉に、ニックは微妙な表情を浮かべつつ首を横に振る。
「何でも、手持ちの武装が増えると運動性や機動性に問題が出るからという事で」
「いやまぁ……それは事実だろうが」
ビームライフルと一口で言っても、相応の重量がある。
核バズーカ……アトミックバズーカが正式名称だったか。そのアトミックバズーカを運用する際には少しでも機動力と運動性を上げる必要があるのは分かるが、だからといって射撃武器がバルカンしかないのはどうかと思う。
ビームサーベルは連邦軍で採用されている普通のビームサーベルと違って、ビームの刃の出力とかその他諸々をマニュアルで変更出来るようになっている特別性らしいが……それでもビームサーベルはビームサーベルだ。
遠距離からビームライフルで……いや、ビームライフルではなくても、実弾のライフルとかで狙われた場合、サイサリスが出来るのはシールドで防ぐか、回避するかのどちらかだけだ。
そしてシールドはアトミックバズーカの砲身があったり、核爆発の対策の為の機能が重視されている事を考えると、迂闊に攻撃を防ぐ事が出来ない以上、実質的には回避一択だろう。
であれば、遠距離攻撃に対処するような武器は必要だと思う。
それこそビームライフルが重すぎて駄目なら、1年戦争でジムが使っていたビームスプレーガンのようなのとか。
ビームスプレーガンは射程距離はかなり短いものの、武器として見ればかなりの軽さだ。
それこそビームライフルとは比べものにならないくらいに。
それでもバルカンだけしか射撃武器を持っていないよりはマシだろうが。
他には……ゼフィランサスで確立し、ガーベラ・テトラでも採用するようにクレナに要請した、ビーサーベル兼ビームガンを採用するとか?
ビームサーベルがかなり高性能だと考えれば、ビームガンとして使っても威力は高いんじゃないか?
もっとも、それをやる場合はビームサーベルの装備位置を変える必要があるが。
サイサリスのビームサーベルは、両腰に1基ずつ装備されている。
そうなると、ビームガンとして使うにはかなり使いにくいのは間違いない。
その辺の状況を考えると……無理か。
装備位置の変更とか、ビームサーベルの仕様変更とか、実際にやるとなるとそれなりに時間が掛かるのは間違いないだろうし。
時間に余裕があるのならまだしも、もうすぐ地球のオーストラリアに下りると考えると、そんな余裕はないだろう。
あるいは、地上での運用テストが終わった後で、改修するというのはあるかもしれないな。
「それに、サイサリスは基本的に護衛機と一緒に行動する事を想定しているらしいので、もし敵MSに襲われても、その対処は護衛機が行うでしょうし」
「……なるほど」
その言葉は、納得出来るものではあった。
とはいえ……その護衛も最後までサイサリスと一緒に行動するということは出来ないだろう。
アトミックバズーカを使って核攻撃する時、専用の装備を持っていないMSは当然ながら核爆発の影響を受けるのだから。
それに対処するには、サイサリスと同じく核爆発用の装備を用意するか……あるいは、C型のザクを使うか。
とはいえ、C型のザクを使ったところでMSの性能の違いがありすぎて、サイサリスと一緒に行動するのは難しいだろうし、護衛用MSとしての役割も果たせるかどうかは微妙だと思う。
そうなると、やっぱり途中までは護衛用のMSを引き連れ、途中からサイサリスだけで敵に突っ込むといったような使い方になる……のか?
まぁ、その辺の運用について考えるのは俺じゃなくて連邦軍だろうから、俺が悩む必要はない。
……いや、そうでもないか。
アナハイムとの契約で、サイサリスもルナ・ジオンに譲渡される。
譲渡されたMSは基本的にそのままルナ・ジオンからシャドウミラーに譲渡され、技術班の保管庫に運び込まれるだろうが……それでも使おうと思えば使えるだろうし、サイサリスの後継機が作られる可能性も否定出来ない以上、どういう風に運用するかというのはこっちでも考えておいた方がいいかもしれないな。
「強力な兵器であっても、使い方次第か」
そう呟き、俺はサイサリスを眺めるのだった。
「兄貴……その、ありがとうございます」
「アクセルさん、ありがとう。嬉しいです」
オルフェンズ世界にて、UC世界のフィフス・ルナで購入したブランドものの紅茶のカップとソーサーのセットを結婚祝いとして渡すと、オルガもメリビットも嬉しそうな表情を浮かべる。
……ちなみに、結婚式まではまだ少し時間があるんだが、結婚祝いというのは結婚式の時に渡さないという訳じゃないよな?
結婚が決まったのだから、もう結婚祝いを渡してもいい筈だ。
もっとも、結婚祝いを渡した後で破局を迎えて結婚しないという事になったりする可能性もあるけど。
とはいえ、オルガとメリビットでそういう事はないだろうと思うが。
「ああ、そうしてくれ」
「それにしても兄貴……これってもしかしてホワイトスターで買った奴ですか?」
箱を開け、その中身を見たオルガがそう聞いてくる。
メリビットも言葉には出さないが物問いげな様子で俺に視線を向けていた。
そんな2人に対し、俺は首を横に振る。
「いや、違う。これはホワイトスターじゃなくて、正真正銘の異世界で購入した物となる」
オルフェンズ世界においては、ホワイトスターが異世界という風に認識している者も多い。
この辺はマクギリスが行った演説による影響だろう。
だが、実際にはホワイトスターがあるのは世界と世界の狭間であって、異世界ではない。
本当の意味での異世界というのは、それこそUC世界とかそういう世界のことを言うのだ。
そういう意味で、この紅茶のカップを用意したのはUC世界である以上、正真正銘の異世界となる。
「そう……なんですか。そんな貴重品を……ありがとうございます」
「まぁ、この世界には存在しないブランドのカップだしな」
オルフェンズ世界の場合。厄祭戦によって文明がかなり破壊されている。
そうである以上、UC世界ではまだ残っていた店も、このオルフェンズ世界では厄祭戦によって……あるいはそれ以前にかもしれないが、既に存在していなかった可能性が高い。
そういう意味では、この世界にとっては全く未知のカップという事になる。
……あるいは、古いデータとか書類とか、そういうのにはこのブランドの名前が載っていたりするかもしれないが。
「本当にありがとうございます。家宝にさせて貰いますね」
「家宝って……いや、普通に使ってくれた方が嬉しいんだが」
家宝にするというのは、プレゼントを贈った方としては喜ぶべきなのだろう。
だが、折角の紅茶のカップなのだ。
どうせならきちんと使って貰った方が嬉しい。
「それに、アドモス商会を通して異世界間貿易が出来るんだから、これと同じカップ……いや、これ以上のカップだって入手出来る可能性はあるんだぞ?」
「ですが、それはあくまでも自分達で買った物でしょう? それと比べると、このカップはアクセルさんが結婚祝いとして用意してくれた物です。それは喜ばしいことなのは明らかですよ」
それは……どうなんだ?
価値が少し劣る物であっても、俺がプレゼントしたから価値が上がるという事か?
いや、それはそれで……うーん、正直微妙なところだ。
例えば、これが俺の作ったカップとかなら、俺がプレゼントした事で価値が上がるかもしれない。
だが、このカップは俺が作った訳じゃなくて、UC世界のフィフス・ルナで購入した物だ。
大事にしてくれるのは嬉しいが。
「使って欲しいが、大事に家宝にするのなら、それはそれで構わないか。任せるよ。……それで、こうして会っておいてなんだが、結婚式の準備はどうなってるんだ? 大々的にやる訳じゃなくて、身内だけでやる結婚式とはいえ、それなりに準備は必要だろう?」
「あー……はい。大変です」
しみじみと、心の底からそう言ってくるオルガ。
その様子を見ると、結婚式の準備の大変さが理解出来る。
そんなオルガとは裏腹に、メリビットの方は肌が艶々していて、心の底から嬉しそうな様子だったが。
この違いは、男女の違いという奴か。
あるいはオルガはスラム街出身なので、結婚とかそういうのに不安を抱いたりとかしている可能性もあるな。
……これを他の者が聞いたら、メリビットのような美人を嫁さんに貰うのに、何をヘタレてるんだとか突っ込まれそうだが。
もしくは、夜の生活が充実しているが故にメリビットは艶々としているのか。
その辺は生憎と俺にも分からない。
分からないが、とにかく問題がないのはオルガやメリビットにとって悪いことではないのだろう。
「そうか。まぁ、結婚式とはいえ身内だけでやる小規模なものだしな。大々的にやらなければならないような時と比べると、そこまで大変じゃないのは間違いないしな」
「……それは否定しませんですけどね」
「ちなみにだが、結婚式の時は俺も何か一発芸とかそういうのをやった方がいいのか?」
「え? それは……どうなんだ?」
俺の言葉に、オルガが少し困った様子でメリビットに尋ねる。
そんなオルガに対し、メリビットは少し考え……
「無理にとは言いませんが、もし出来るのならお願いしたいのですが」
「分かった」
「……兄貴、いいんですか?」
まさか俺がこうしてあっさりと頷くとは思っていなかったのか、オルガが驚きの声を発する。
「俺から言ったんだし、そこまで気にする必要はないだろ。それに、一発芸くらいは俺も……まぁ、何とかなるだろうし」
今は何も思いつかないが、それでも結婚式までに何かを考えておけばいいだろう。
俺がやるのはあくまでも素人の一発芸であって、本職の……プロと呼ばれるような者達が行うようなものではないのだから。
その程度なら、何とでもなると思う。
「じゃあ、お願いします」
頭を下げるオルガ。
オルガにしてみれば、まさか俺が一発芸を引き受けるとか、そういう風には思っていなかったんだろうな。
「弟分の結婚式なんだ。そのくらいの事はさせろよ。……そうなると、俺が一発芸をやる以上は、名瀬にも何かやって貰った方がいいかもしれないな」
名瀬が一体どんな一発芸をやるのか、楽しみに思うのだった。