【完結】とある水神の半身の神話創造   作:ネシエル

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最終回 旅

普通の部屋の中

フリーナはベッドの上で目を閉じていた。まるで深い眠りの中にいるかのようだったが、彼女のまつげが微かに揺れると、瞼がゆっくりと開いた。

 

「あ……」

 

声が漏れる。フリーナは身を起こし、あたりを見渡した。ふと視線が止まる。その先には、自分と瓜二つの少女が座っていた。その少女は、穏やかにフリーナを見つめ、口元に微笑みを浮かべる。

 

「おはよう、フリーナ」と少女が声をかける。

 

「ポセイドン……」

 

フリーナは呟きながら、布団を見つめた。彼女の表情に影が差す。

 

「そうだ……予言は? フォンテーヌは……どうなったの?」

 

突然思い出したように叫ぶと、彼女は勢い余ってベッドから転げ落ちた。

 

「おっと、大丈夫か?」ポセイドンがすかさず手を差し伸べる。

 

「うん……」と小さく頷くフリーナを、ポセイドンは優しくベッドに戻し、布団を整えた。

 

「大丈夫だよ。全部上手くいった」

 

「本当に? 予言は嘘だったの?」フリーナは半信半疑の表情で尋ねる。

 

「ああ」とポセイドンは短く答える。

 

その言葉を聞いて、フリーナは安堵の笑みを浮かべた。「よかった……本当に、よかった……」

 

彼女は布団を握りしめ、深い息を吐く。

 

「これで僕は……」

 

「自由になった。俺もな」とポセイドンが続ける。

 

「え?」

 

フリーナは驚きの表情を浮かべた。「ポセイドンも自由になったって、どういうこと?」

 

「そのままの意味だ。辞表を出した。俺とお前の分も。今頃、フォンテーヌは大騒ぎしているさ」

 

ポセイドンは笑いながら新聞を取り出した。フリーナはその新聞を受け取り、目を通す。

 

「本当だ……え、僕たち二人のことが書かれてる! 水神が二人いるなんて……」

 

「ああ、どうせ隠す必要もない。新聞社にはいい稼ぎになっただろうしな」とポセイドンは軽い口調で答えた。

 

フリーナは呆れながらも、「ポセイドンがそう言うなら」と静かに笑みをこぼす。

 

「とはいえ、フォンテーヌの問題はまだ終わっていない」とポセイドンが言葉を続ける。「原始胎海に触れれば、フォンテーヌの人々は相変わらず溶ける体質だ。それも公表した。今頃、フォンテーヌ科学院が解決に向けて動いているだろう。もう俺たちが関与するべきじゃない。この国の未来は国民自身が決めるべきだ」

 

ポセイドンの言葉に、フリーナは静かに頷いた。

 

「うん、僕、自由になったんだね」

 

「そうさ。さあ、テイワット一周旅行にでも行こうか」とポセイドンが提案する。

 

「ええ」

 

フリーナはベッドから降り、しっかりと立ち上がった。「大丈夫だよ。鏡の中の僕は元々、僕自身だったんだから。ポセイドンを背負ってきた僕なら、何だってやれる」

 

「ははは」とポセイドンは笑う。

 

「もう、笑わないでよ」とフリーナが頬を膨らませる。

 

ポセイドンは笑みを浮かべながら言った。「すまない。つい……」

 

▲▲▲

 

フォンテーヌの港

海風が吹く港町の喫茶店で、ポセイドンは一人の旅人を待っていた。店のベルが鳴ると、旅人が現れる。

 

「来たか」とポセイドンが声をかける。

 

「うん」と旅人は頷く。

 

「君の相棒は?」

 

「外で食べ物を買ってる」

 

「相変わらずすごい食欲だな。暴食の魔神か?」

 

「違う」と旅人は苦笑した。

 

ポセイドンはスーツケースを取り出し、それを旅人に手渡した。旅人が中を開けると、黄金のカードがぎっしりと詰まっている。

 

「これは……」

 

「謝礼金だ。1億モラが入ってる。遠慮するな」

 

「い、一億……」

 

旅人は目を見開いた。

 

「安心しろ。それでも俺の財のほんの一部だ」

 

その後、ポセイドンと旅人は情報を交換し、

やがて別れの時が訪れる。

 

旅人はスメールへ行き、生き別れた兄を探す。

 

そして、ポセイドンは・・・

 

「遅いよ。もう」

 

「ごめん、じゃあ行こうか。」

 

フリーナとポセイドンは船に乗り、広い海へと旅立っていく。

 

海は青く、果てしなく輝いていた。




完結しました。
この度、最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

いや、思えば半年。
あっという間に終わりました。

以下は私の最新作。
とあるアストル(厄災の黙示録)の女神創造。
ゼルダの伝説の悪役兼かませ犬であるアストルに転生した。
彼は大物になるために神を創造する大偉業に挑む。

https://syosetu.org/novel/360504/
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