ようこそ一之瀬と過ごす夢のような日々へ   作:ざったなっつ

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 更新遅くなってしまい申し訳ございませんm(__)m!
 お詫びに今月の予定表貼っておきますねっ。

7月20日:一之瀬の誕生日!!!
7月25日:よう実2年生編12巻発売!
7月27日:伊吹の誕生日!

 それでは本編をどうぞっ。




21話「ランキング/堀川くん?」

 

 

 龍園達との邂逅から約2週間が経過した。

 

 Cクラスから嫌がらせを受けることは多々あるものの、ファミレスで話し合った対策をクラスのみんなに共有したおかげでそこまで目立った被害は出ていない。

 

 原作だと、この時期のBクラスは少なくとも87cpの減点を受け、Cクラスに至っては98cpもの減点を受けていた。

 本編で詳細は描かれていないが、この事実は5月中に両クラスがどれほど激しい衝突を繰り広げていたのかを物語っている。

 だが、今のところは87cpも減点されるほどの被害を受けていないため、原作通りの流れにはならないだろう。

 

 我ながら、原作を遠慮なく改変しまくっているなとつくづく思う。

 

「水瀬くーん、ちゃんと聞いてる?」

「えっ?あ、ごめん。なんの話だっけ?」

 

 余計な事を考えながらお昼を食べていたせいで小橋達の話を全然聞いてなかった。申し訳ねぇ。

 ちなみに、今はBクラスの面々で食堂に集まり、みんなで談笑しながら賑やかな昼食を満喫中だ。

 

「一年の女子達で決めたイケメンランキングの話だよ」

「イケメンランキング……?」

 

 あ〜、そういえばそんな話あったな。

 たしか、1位はどの媒体でもビジュアルが公開されていないAクラスの里中で、2位はDクラスの平田。3位と4位は不明で、5位は綾小路だったはずだ。

 結果をすでに知っている話題だったため、余計な方向へ考えがトリップしていたのかも知れない。

 

「それで、ランキングの結果はどうだったんだ?」

「うわっ、嫌味だ嫌味!」

「これが王者の余裕かよ〜」

 

 純粋な疑問を口にしただけなのだが、柴田と渡辺がブーブー騒いでいる。ん?っていうか今、王者って言ったか?

 

「なんと!1位はAクラスの里中くんと我らが水瀬くんだったんだよ」

「えっ、マジ?」

「マジマジ。ほら、これ」

 

 網倉がそう言いながら端末の画面を見せてくれた。

 そこには、イケメンランキング同率1位の欄に里中と俺の名前が記載されており、平田が3位に落ちて綾小路は6位となっている。

 まさか、ここでも原作を改変してしまうとは……。

 

「俺の顔ってそんなにカッコいいのか?」

「うわっ、また嫌味な事言ってるぞ!」

「鈍感すっとぼけランキングも1位だな」

 

 柴田と渡辺からボロクソ言われているが、自分の顔のカッコ良さに関しては本当に疑問だ。

 俺からしたら柴田は快活童顔イケメンだし、渡辺は優顔イケメンに見える。神崎なんてシンプルにイケメンだ。タイプが違うだけでイケメン度に優劣は感じない。

 女子の可愛さに関しても似たような感覚だが、一之瀬だけは別格だ。人間界に顕現した美の女神にしか見えない。

 

「そういえば、優しい男子ランキングでは水瀬くんが圧倒的1位だったよ」

「そんなのもあるのか……」

 

 小橋から詳しく話を聞くと、入学式の前にバスの中でお婆さんへ席を譲った話を櫛田が広めているらしく、それが優しい男子ランキングの得票数に繋がったらしい。

 あの時の行動がここにも影響してくるとは……完全に予想外だ。

 

「あれ〜?帆波ちゃんさっきから静かだけど、水瀬くんが1位で嬉しくないのかな?」

「そそそ、そんな事ないよ。も、もちろん嬉しいよっ」

 

 一之瀬が慌てた様子で小橋の言葉に答えているが、俺に顔を向けると少しだけ唇を尖らせて不満そうな表情をした。とても可愛い。

 でもどうしたんだろ?今の一連の会話の中に不満にさせてしまう要素なんてあったか?

 

「水瀬くんがみんなからモテちゃって、帆波ちゃんは気が気じゃないんだよ」

 

 網倉が小声でそう教えてくれた。

 

「それってマジ?」

「マジマジ」

 

 それはつまり、嫉妬って事ですか……?

 なにそれ、めちゃくちゃ可愛いんですけど!

 

「ちなみに、女子が選ぶ可愛い女の子ランキングと優しい女の子ランキングの1位は帆波ちゃんなんだよ。お似合いだねぇ〜」

 

 小橋がニヤニヤしながら端末の画面を見せてくれた。

 そこには順位の横に得票数も書かれており、圧倒的票数で一之瀬が1位に君臨している事がわかる。

 女子からの人気も高いとは、さすが一之瀬だ。鼻が高いぜ。

 

「2位は……平柳(ひらやなぎ)さん?」

 

 どちらのランキングも櫛田が2位に着けてきそうだな〜と思って見てみると、櫛田ではなく平柳(ひらやなぎ)兎唯(うい)という名前が記載されていた。櫛田はどちらのランキングも3位らしい。

 誰だろう?原作にこんな名前のキャラいたっけか?

 

「平柳さんはAクラスの子でね。すっごい美人で、すっごく気さくな子なんだよ」

「ほへぇ〜。そうなのか」

 

 一之瀬が説明してくれたが、誰だかやっぱり分からない。原作にそんな名前の子は出てこなかった気がする。

 

「もしかして、水瀬くんは平柳さんが気になるの?」

「浮気じゃ〜ん」

 

 小橋と網倉が楽しそうに揶揄い出す中。一之瀬だけは「えっ!そ、そうなの!?」とでも言いたげな目でこちらを見てきた。

 こんな事で一之瀬との絆に亀裂が走るのは嫌なので、誤解はちゃんと解いておく。

 

「俺は一之瀬以外の女性に靡くつもりは一切ない。今までもこれからも、その想いは変わらないから」

「にゃっ!?……う、うんっ」

 

 みんなは口の中に砂糖をぶちまけられたような顔になり、白波は割り箸をバキバキにへし折っている中。俺と一之瀬だけは頬を赤らめながら微笑みあったのだった。

 

 

 

 

 所変わって図書室。

 

 食堂以外でお昼を食べていたグループとも合流し、現在はBクラスのほぼ全員で勉強会を行なっている。

 お昼休みはあと30分もないが、どのクラスも考えている事は同じようで結構な人数の生徒が勉強に勤しんでいる。

 

 ちなみに、南雲パイセンから入手した過去問は一之瀬と神崎だけに渡し、まだクラスのみんなには配っていない。

 3人で話し合った結果。過去問に頼って勉強をおろそかにさせないよう、テストの3日前にみんなへ配るという事で話がまとまったためだ。

 

「帆波ちゃん。ちょっと聞きたいんだけど、電子と電流の向きがなんで逆になってるのかわかる?」

「わかるよ〜。実は、それには面白い理由があってね。電子が発見される前に、先に電流が発見されちゃったらしくて……」

 

「神崎、ここの問題教えてもらってもいいか?」

「そこは時間的な近さを表しているから、byじゃなくてnearを使ってnear futureになるんだが……」

 

 勉強会は今のところ順調で、一之瀬が女子グループを、神崎が男子グループを担当する事でスムーズに勉強は進んでいる。2人とも教えるのが上手いため、みんなの学力もぐんぐん上がっているようだ。

 ちなみに俺はというと——

 

「水瀬〜、これってどう解くんだ?」

「そこはこの公式に当てはめてバッとやってシュンだ」

「おおっ、ほんとだ!サンキュー」

 

——柴田を筆頭とした感覚派の生徒を中心に勉強を教えている。

 前世は理論派だったのだが、この体に転生してからは感覚派の気持ちが分かるようになったため、勉強会では感覚派担当として手腕を振るっているのだ。

 数学は公式にバッと入れてシュンだ!

 そんな事を考えていると——

 

「……おっと、お前らは失くすポイントもないんだっけか。てことは、退学になるかもなぁ?」

「上等だ、かかって来いよ!」

 

——少し離れた場所から怒鳴り声が聞こえてきた。

 というか今のセリフ、めちゃくちゃ聞いた事ある。

 これ、Dクラスの須藤とCクラスの山脇が図書室で揉めるイベントじゃん。今日がその日だったのか……。

 

「ちょっと行ってくるね」

「ストップストップ。須藤とはたまに遊ぶ仲だから、俺が行って話してくるよ」

 

 揉め事が起きている場所へ行こうとする一之瀬に待ったを掛け、()()()()()()()()()()俺が代わりに向かう。

 一之瀬があの場を治められる事は原作知識で知っているが、万が一という事もあるので向かわせたくはない。

 

「おーい。須d……」

「須藤くんストップ!暴力を振るったらバスケの試合に出られなくなるかも知れないよ?」

 

 俺が声をかけようとした直後。立派なアホ毛を備えた白髪ショートの可愛い女の子……ではないかも知れない。制服的に男子か?う〜む、分からん。

 とりあえず、性別不詳の小柄な子が暴力を振るおうとする須藤を止めた。

 原作にこんな流れはないため、これも俺の介入による変化のせいなのかも知れない。

 

「山脇くんも、今の一連の発言はよくないんじゃないかな?学校側に報告したらただじゃ済まないと思うよ?」

「はっ!証拠はあるのかよ。図書室のカメラには須藤の怒鳴り声しか録音されてないかも知れないぜ?」

 

 カメラもマイクも高性能だろうから、声を拾えてない可能性は低いと思うけど……ここまで来て見過ごすのは後味が悪いのでDクラスに少しだけ協力するか。

 

「録音ならあるぞ?ほら」

 

 端末の録音画面を見せながら、白髪ショートの子の隣に立った。

 こんな事もあろうかと、席を立った瞬間から端末の録音機能をオンにしていたのである。抜かりはないぜ。

 

「これ以上揉めて大事になったら、困るのはそっちじゃないのか?」

「……チッ、行こうぜ。こんなところで勉強してたらバカが移る」

「だ、だな」

 

 山脇たちは吐き捨てるように言ってこの場を去って行った。一件落着だな。

 そう思っていると、白髪ショートの生徒がこちらに目を向けて話しかけてきた。

 

「あ、あの、水瀬早手くん、だよね?」

「そうだけど、君は?」

「えっと、堀川(ほりかわ)玲音(れお)って言います。よろしくね」

「ああ、よろしくな」

 

 一之瀬ほどではないけど、物凄く可愛いなこの子。間近で見ると益々性別が分からない。

 そして、堀川玲音か……全然聞いた事がない名前だ。

 Dクラスにはあの綾小路をして「こいつが男でなければ危なかった」と言わしめるほど可愛い沖谷京介という男の娘がいるため、一瞬その子かなと思ったが……違ったようだ。

 

「あの、助けてありがとね。水瀬くんのお陰で丸く治ったよ」

「当然の事をしただけだ。感謝されるほどの事じゃないよ。それに、俺がいなくてもあの場は治められただろうからな」

 

 俺が割り込まなくても、この子なら問題なく山脇を言い負かしていた気がする。なんとなくそう思った。

 

 その後は堀川と少し雑談してから連絡先を交換し、正しいテスト範囲を綾小路達に教えると全員で職員室へ物申しに行ってしまった。

 Dクラスはイベントが豊富で忙しそうだ。

 

 そういえば、俺が正しいテスト範囲について説明している時。堀川だけは特に驚いた表情をしていなかった気がする。

 まるで、テスト範囲の変更を知っていた様な反応だった。考えすぎかな?

 

 余談だが、寮に帰ってから「もしかして、堀川ってアレ付いてる?」というメッセージを綾小路に送ったところ、「信じられないかも知れないが、付いてるぞ」という解答が返ってきたため、堀川が堀川くんだという事実が判明した。

 沖谷といい堀川といい、Dクラスには男の娘が多いんだなぁ。

 

 






 転生者の特徴は『推しに似た苗字』と『立派なアホ毛』でございます!平柳さんも近いうちに登場させたい所存。

 そして超余談ですが、沖谷くんという男の娘キャラはちゃんと原作に存在しております。青髪のショートボブらしいです。
 ほとんど出てこない超レアキャラですので、原作を読む機会がありましたら是非とも探してみてくださいませ。
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