アホリズム-孤独な箱-   作:悠士

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『箱』って調べたら定義は色々なんですね

「形が一定のまま変わらない」のが箱って、広い意味では家や携帯も『箱』といえる・・・いえ何でもありません(汗


5話 火(ひ)

 落ち込んだ比良坂に元気を出してもらおうととノアや黄葉が放課後に食堂に連れて行き、趣味や食べものの好き嫌いなど他愛もない話をしている。黒峰はこの前廊下で会ったきりの辰巳を探しているが見つからず長居する訳にもいかず食堂を後にした

 

 次の日4組が「あんな」事するとは誰も想像しなかった

 

 

 

 朝になり小鳥のさえずりの代わりに聞こえてきたのは人の声だった

 

(寮生活なら鳥が鳴いて・・なんて此処じゃ無理だよなぁ・・・)

 

 胸の中で創造してたスクールライフが全く違ったことにぼやきながらも片手で苦労しながらもなんとか制服を着て寮の外に出た

 

 だけど昨日とは少し違い生徒の殆どがグラウンドに集まっている、黒峰も近くに行くと日向たちを見つけどういう状態なのか聞くと

 

「4組の奴等が『火』の文字を持っている奴を『囮』にして無理やり『水』を倒そうとしてやがるんだよ!!!」

 

 グラウンドの中心を見ると2人の女子生徒がいて腕には地面と繋がった腕輪が嵌められていた

 しかも近づけないように『壁』で阻まれていて誰も助ける事が出来なかった、そして空を多いつくすように昨日より大きくなった『水』から鋏が降ってきた

 

『囮』はどんなものでも攻撃を回避する能力、だが『囮』にされた奴は変わりに攻撃を引き受ける事になる

 

『水』から出た鋏は女子生徒の近くまで行くと気を伺うように旋回を始めた

 

「おい黒峰!お前の『箱』で守ってやれないのか!?昨日の・・そう隔離ってのは!!?」

 

 日向が助けるように言ってきて考えるが隔離をした場合鋏は攻撃の対象を周りの生徒に切り替える、そうなれば一昨日から変わらない惨状になる

 どうすれば最悪の事態を回避しつつ『水』を撃退する方法を考えているとノアが意外な事を言ってきた

 

「ねぇミソ、箱って何も四角いだけが箱じゃないよね?・・弓矢の矢を入れる物は箱と言われるんだけど違うかな?」

 

 アーチェリーをやっているノアだからこそ知っている事を助言のつもりで言ってくるが

 

「・・確かにそうだ、だがそれでどうするんだ?蓋が開いた箱なんて意味がないだろ!?」

 

 矢の入れる箱、蓋が開いた箱、そこまで言われて黒峰は一つの案が閃いた

 

「俺、あの子達助けに行って来るッス!」

 

「え?あっおい黒峰!!」

 

 青白い箱を人一人分の大きさを作り中に入ると「ダウンロード」と言うと視界が一瞬で切り替わる

 

 さっき使った方法は単純に同じ大きさの箱を別々の場所に作り中にあるものを移動させる、所謂瞬間移動(テレポート)

 移動した場所は女子生徒がいる旋回している鋏の大群の中だ、下を見れば笛を吹いて鋏の攻撃を防いでいるようだ・・が

 

「ちょっとどいてええええ!!!」

 

「「きゃああ」」

 

 瞬間移動(テレポート)した場所がたまたま女子の真上だった為ぶつかってしまった

 黒峰は即座に防御用の箱を作った、隔離の方がいいがそれをすると被害が広がってしまう為敢えて『囮』の能力は有効な状態にしておくことにした

 

「あんた何のつもりよ!?死にたいの!!?」

 

「お・・落ち着いてシエちゃん・・・どうしてココにこれたの?」

 

 ココに移動した方法を説明した

 

「なら私達も早く瞬間移動(テレポート)してよ!?」

 

「そうしたいんッスけど、俺のダチが言うには―――」

 

 黒峰は『水』という特殊文字についての簡単な説明をした、それを聞いた2人は連続で同じ蝕が来ることに納得はしていないが理解はしたようだ

 

「そこで二人にお願いがあるッス」

 

「お願い?」

 

「はいッス、俺が二人を四方のからの攻撃を守るッス、だけど『水』を倒すには『火』で倒さないといけなくて上の部分が無防備になるッス、だから」

 

「上は私が守るわ!だからシエちゃん・・一緒にがんばろ?」

 

 2人は部屋が同じで入学式のときから引き篭もった坂崎志絵(さかざき しえ)を心配しながら面倒を見てくれた早乙女(さおとめ)あやの言葉に坂崎は頷いた

 

 黒峰は箱の上部を消すとそれを待っていたかのように鋏が4体ほど侵入してくるが早乙女が笛の音でそれを撃破

 あとは坂崎が『火』の能力を上手く発動できれば良い

 トラウマのせいでなかなか発動できない坂崎は頑張ってくれている2人を早く助けないと、と焦りだした

 

「落ち着くッス、そんなに焦ってはダメッス。まずは・・何でもいいッス、火が着くものをイメージするッス」

 

「火・・イメージ・・・・キャンプ・・ファイヤー・・・」

 

「ならキャンプファイヤーをイメージするッス・・・そうッス、そしてそれが高く高く空に届くらい燃え上がるイメージをするッス」

 

 黒峰からのアドバイスのおかげで最初は焚き火くらいの炎が徐々に大きくなり、そして坂崎がイメージしたキャンプファイヤーにまで大きくなった

 

「すごいよシエちゃん!!あと少しだよ!!頑張って!!」

 

 早乙女からの応援もあってか炎は勢いを増していった

 

 

 

 

 黒峰が突然消えてから数分経っても何の変化もない、予想ではあの鋏の渦の中にいるだろうと考えているが変化がないとなると・・・とそこまで日向は想像してしまった、比良坂や黄葉は顔を青くするほどしている

 

(くっそ!!こんなに早く戦力を失うわけにはいかねぇぞ!!何をしてるんだ黒峰!!・・・・!?)

 

 そんなとき渦の中が光りだした

 それは徐々に大きく膨らんでいきやがて渦から溢れてきた、光の正体は炎だった

 

 黒峰は無事『火』の文字を持っている奴の発動に成功したのだ、『火』にしては大きくなったそれは上へ上へを上がっていきそして『水』にぶつかった

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