アホリズム-孤独な箱-   作:悠士

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ふぅ~長いこと投稿できなかった・・・

でもやっと!!


6話 盗(とう)

 炎はそのまま「水」を焼いてダメージを大きくしていった

 

 致命傷を負った「水」はそのまま消えていき曇っていた空は青々と晴れていた、問題はあったが黒峰の機転と坂崎努力のお陰で今日の蝕は終了したのだ

 

「あや・・・あや・・倒したよ」

 

「うん・・うんすごいよしーちゃん・・すごいよ」

 

 2人は蝕が終わった事を知ると涙を出して抱き合って生きている事を確かめ合った。黒峰は邪魔しないようにそっとその場から離れた

 

 六道たちの下に戻ると日向は他の方を見て睨んでいた、黒峰も

同じようにそちらに向けると辰巳たち4組の集団が校舎に入っていくの見えた、辰巳がいる4組は「こんなこと」をする危ないところなのかと今日初めて知った

 

 時間は少し進み休み時間の今日向はあることをしようとしていた、黒峰、六道、比良坂、美濃、滝川は倉庫で日向を待っていた、少しすると辰巳を連れて戻ってきた

 

 

「黒峰!?・・それになんなんだお前ら!?」

 

「いいから、はい、そこ座って」

 

 無理やりつれてこられた辰巳は日向に言われるまま床に座った

 

「・・・・」

 

「うん・・・じゃ始めよっか・・・・・まぁおたくも知っての通り今日うちのクラスメイトが4組にトンデモナイ目に遭ってね」

 

「俺3組だけど?」「私2組」

 

 真剣な話の最中に美濃と滝川が水を差した、それに「黙っとけ!!!」と

 

「そ・・・それは・・」

 

「辰巳・・・俺・・お前がそんな奴だとは思わなかったッスよ」

 

「違う!!あれは・・俺がしたわけ・・・じゃ」

 

「いいや、お前らがしたんだ」

 

「・・・・・・・」

 

 黒峰に誤解を解こうと咄嗟に反論しようとしたが自分も加担した事が脳裏に甦り最後のほうは小さくなっていった、そんな辰巳に追い討ちをかけるように日向は容赦なく言った

 

「・・・で、なんだよ、オレにその報復するのか」

 

「『話』あるつったろオレ?べつにボコりゃしねぇよ、簡単に言えば・・・・・そうだな―――『責任の所在を』を明らかにしたいってところか」

 

「?」

 

 日向の言わんとしていることが分からず辰巳は疑問に思った

 

「お前らは妙~に統率が取れすぎてんだよね、まっ単刀直入にいうわ、お前らまとめてる『首謀者』って誰だ?」

 

 急に日向が来てほしいと言われ倉庫に来たが何を話すのかまでは分からなかった、だがさっき言った『首謀者』って言葉に一緒に居る六道たちは動揺した

 

 辰巳も表情は崩さないようにしているが目は逸れている

 

「いるだろ?間違いなく4組牛耳ってる奴が―――――」

 

 確信があるのか自信があるように言い切る日向

 

「い・・いないそんなやつ・・・ただ・・他よりまとまりが良く見えるだけだ」

 

 周りから見ればバレバレな態度にそれでも辰巳は必死で誤魔化した

 

「・・・・あ、そう、まーいいけどね、そう言い張ってたって、ただそれだとおめぇも無事じゃすまねぇけどな」

 

 これ以上問い詰めても無駄だろうと判断した日向は今度は別の方法で脅してきた

 

「・・・・なんだよ無事じゃ済まないって」

 

「ここでは校則以外に『生徒指導法』って新法があるんだよ、まぁ『新法』って言っても出来たの7年前なんだけどな、文字で人に危害を加える奴を取り締まる為に作られたんだ」

 

 日向が言う「生徒指導法」というのは六道たちにもはじめて聞く話で、簡単に言えば文字使う生徒に対して法的に罰則を与える事だ

 内容は文字を使うときに使用適正に欠く行為、つまり「文字」で人に危害を加えたり校舎や備品などの破壊行為など、「殺人」は極刑だと日向言う

 他に隠蔽工作やそれに加担した奴は懲役15年以上もしくは終身刑と説明を続けていくうちに辰巳の顔は段々と青ざめていく

 

「そんな・・・だ・・大体それはオレ1人じゃ・・・」

 

「もちろん隠蔽してた奴らは全員同じだ、決まってんだろ」

 

「ま・・待ってくれよオレは卒業をする為に―――」

 

「で、そこでだ、ウチの姉キはここの卒業生でこの学校維持の責任者やってんだ、オレが姉キにかけあえばお前の刑を免除させる事が出来る、お前が正直に話してくれれば惨めに刑務所なんか入らずに済む」

 

 ここまで聞いて日向が言った「生徒指導法」ってのは嘘で辰巳の口から話を聞くためのブラフなんだと黒峰は分かった

 最後に日向に付いて生きていくか刑務所で過すか選択肢を突きつけた、口喧嘩じゃ日向に絶対勝てないなと黒峰は密かに思った

 

 少し悩んだ後辰巳は決めたのか話すことにしたようだ

 

「・・・・・オレが言ったって・・」

 

「言わない言わない、ここだけの話だ」

 

「・・・・・・・・あんた今・・『殺人』は極刑って言ったよな・・・生かしてはおけないって・・・」

 

「ああ言ったな」

 

 辰巳は確かめるように日向の言ったことを聞き返した

 

「なら・・1コだけ約束してくれ・・・・そいつを必ず極刑にするって―――それもなるべく早く・・・それが約束できないなら話せない」

 

 精神的に追い詰められている辰巳は用心深く日向に「首謀者」を極刑にするように約束をしてきた

 

「―――わかった、そいつには必ず極刑が下るよう申請してもらう・・・迅速にな・・約束する」

 

「本当に・・・間違いなく!?」

 

「ああ」

 

「日向、もしその言葉が嘘だったらオレがただで済ませないから」

 

「さっきは裏切りものみたいに言ってたのに切り替え早いな・・・安心しろ約束はちゃんと果たす」

 

 まさか黒峰までも約束するように言ってきたことに辰巳は少しきが楽になった

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・朝長」

 

 長い沈黙の後、意を決したように辰巳は首謀者の名前を言った

 

「『トモナガ』?」

 

「あれっ朝長って・・・六道君っ!!!ほら前に食堂で囲まれたときに一緒にいた人!!!」

 

 比良坂が食堂での出来事を思い出して六道に言った、それだけでなく最初の隔離のときに黒峰と一緒にいたのも「朝長」だった

 

「あっ!!!」

 

「じゃあその朝長が初日担任にも手を出したんだな」

 

「・・・・悪い・・・今は・・・・それ以上は・・・」

 

 震えながら途切れ途切れに言う辰巳に黒峰は最初に言った言葉を取り消したいと思った、事情もろくに知らずに言ったあの言葉はかなり無神経だったと

 

「わかった、サンキュ」

 

 去り際日向は思い出したようにポケットから紙を取り出し辰巳に渡した

 

「オレの部屋、何か思い出したらそこに来いよ」

 

 どうやら部屋の場所を書いたメモだったようだ

 

 黒峰は部屋を出る前に辰巳に頭を下げた

 

「さっきはすまなかったッス!!何も知らずにあんな事言ってごめんなさいッス!!」

 

「え!?・・あ・・いや・・その・・腕は大丈夫・・・なのか・・・?」

 

 突然の謝罪に辰巳は驚いたが最初に黒峰が言ったことを謝っているんだと分かり、少ししかショックを受けていないと思ったらかなり受けていたのか気持ちが楽になっていくのを感じた

 その時はすぐに傍に行きたかったがあまり離れすぎると制裁を受けてしまうと思い、無くなった腕を聞いたが初日に会ったときのように笑いながら「平気ッス!!」と言った

 

「まぁ片腕しかないから不便な事はあるけど何とか大丈夫ッス!」

 

「・・・・・そうか・・良かった・・・」

 

 倉庫から出て少し歩いた頃に六道が口を開いた

 

「よくあの人が事情知ってるってわかったね?」

 

「あいつがっつーか・・・4組は全員グルだろうよ」

 

「そうなんだ・・・でも知らなかった、厳しいんだね罰則・・・・・・・・黙ってて終身刑だなんて―――」

 

「六道くん、この国には未だに終身刑ってないんだよ」

 

「・・・・え」

 

 日向の言ったことに六道だけでなく比良坂、黒峰も驚いた

 

「まぁその朝長ってのは実刑になる可能性は高いけど見たところ辰巳(あいつ)は進んで片棒担いだようにはみえねぇし・・まぁ呼び出されて事情くらいは聞かされんじゃねーの?」

 

「えっ・・・ウソだったの?」

 

「・・・だと思った」

 

 後ろで溜息交じりに美濃は言ったり滝川は頭に手を当てている

 

「なんでそんな事するの?人を騙してさぁそれを聞き出すなんて間違ってるそんなの、やっちゃいけない事だよ」

 

「オレだって好きでやってるわけじゃねぇ、姉キへの報告義務ってのがあるから仕方なくだなー」

 

 正論を言う六道は確かに正しいが世の中そんな甘く出来ているわけじゃない、純粋すぎる六道に好感は持てたが黒峰はそれ以上に呆れもした

 

(「ここ」じゃそんな正論はあまり意味は無いような気がするけどな・・)

 

「そうなんだ・・・でもやっぱりそういう事するのって―――」

 

 日向は歩いていた足をためて振り返ると六道に「お前、いい子だな」と言った

 

「は!?それどういう意味!?」

 

 いきなりいい子と言われ理由を聞くが「言ったそのまんまだよ」と返ってきた

 

「六道くん、日向くんはいい人だって事言ったんだと思うよ、私も六道くんのそういうとこ好きだな」

 

「え!!!そっ・・・・そうかな!?」

 

「うん」

 

(「好き」って・・・今・・僕のこと「好き」って・・・)

 

 頭を掻いて照れる六道は激しく勘違いをしていると当人達以外みんなは分かっていた、知っていて教えなかったのはこれから面白くなりそうだからだ

 

「ところで日向聞きたいことあるッスけど」

 

「ん?なんだ?」

 

「朝長の『文字』のことなんッスけど――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1組の連中がいなくなって渡された紙を眺めていると後ろから声がかけられた

 

「辰巳くん――――」

 

 いつからいたのか?

 

 どこから聞いてたのか?

 

 どうしてここに来たのか?

 

 そう聞きたい気持ちを抑えながら持っていた紙を咄嗟に手の中に隠して振り返らず聞かれたことに落ち着いて答えようと動揺する心を必死に落ち着かせた

 

「どうしたの?さっき1組の人が出てきたみたいだったけど・・・」

 

 どうやらここでの会話は聞かれていなかったようで少し落ち着いたが、ここで気を緩めてしまってはボロを出してしまいそうになり朝長が立ち去るまで油断は出来なかった

 

「あの・・うん今日の蝕の事で呼び出されて・・・・「やりすぎだ」ってさ・・・・」

 

「何ヤキ入れられたの?抗議してこようか?」

 

 朝長が言う講義は話し合いじゃない恐らく何人か見せしめに殺すと思った、だから咄嗟に「あっ大丈夫!!!注意されただけだから―――」と言った

 

 何か隠してると確信した朝長は自分の文字「(とう)」を発動して辰巳の手の中にある「モノ」を「盗」った

 

「・・・206号室」

 

 静かに告げられた言葉に心当たりがある辰巳は手の中を見るが持っていたはずの紙は既に無くなっていた

 

「日向・・・三十朗・・・・これ・・・お姉さんが政府にいるって人だよね?どうしたのこれ?」

 

「辰巳!!・・ッッ!!?」

 

 紙の言い訳をどうしようと考えていると出て行ったはずの黒峰が慌てて入ってきた

 思わぬ乱入者に心臓を「盗」もうと手を動かすが文字を発動する直前で姿が消えた、それだけでなくさっきまで近くにいた辰巳までもいなくなってた

 

「クソッッ!!どこ行きやがった!!!

 

 

 出て来いよ!!!』

 

 突然やってきた黒峰が殺されると思った辰巳は目を閉じたがいつまで経っても倒れる音がしなくて不思議に思ってるとまだ2本の足で立ってる黒峰がいた

 

「生きて・・るのか・・?」

 

「勝手に殺すな・・・まぁ間一髪だったよ・・流石にもう死ぬかと思った」

 

 生きていることを知った辰巳はよかったと思った、それと同時にどうしてここにいるのか聞いた

 

「お前が裏切ったって事はいずれ知ることになるから、その前にお前を捕まえに行こうと思ったわけ、まぁ日向は自分の意志で来させるつもりだったようだけど」

 

 辰巳は朝長がどうしてるのか振り向いたがそこには全く動かず黒峰を殺そうとしたポーズのまま止まっている、まるで時間が止まっているかのように

 

「ああ、これは文字の応用で『隔離』でこのなかなら文字の干渉を一切受けないだけど逆も然り、さて急だけどここから日向の部屋に行くな」

 

「え?・・あっちょ・・!!?」

 

 辰巳の抗議も聞かずにまた新たな「箱」が現れ1面には「α」と書かれている、そして黒峰がダウンロードと言うと一瞬で景色が変わり今度はさっきいた1組みの奴らがいる部屋に来た

 

「!!?・・え?・・・これ・・?」

 

「さっきのは『箱』同士を繋げて空間を移動したんス、所謂瞬間移動(テレポート)っていうやつです」

 

「おい黒峰、これはどういうことなのか話してもらうぞ?」

 

 額に青筋を浮かべた日向は黒峰に事情の説明を求めた

 それもそうだろう部屋に入ったとたんに真ん中に大きな「箱」があってそれが生活スペースを圧迫していたのだ

 

 黒峰は日向達と分かれてからのことを簡単に説明した、それにすぐには頷いてくれなかったが納得はしてくれた

 

 どたばたとしたが日向が4組で起こった事を話すように言うと今度は少し悩んだだけですぐに話してくれた

 その内容はとても入学初日で平然とやってのける姿は恐ろしく文字の使い方をろくに知らないときは従う以外の選択肢は無かった




朝長のような対象がないと発動しないよう能力は目視してないと効かないと思って「隔離」を発動しいたとき無事ということにしました

だって原作では加藤の「消」で消えた3人に能力が効いてなかったみたいだしそういう設定なんだろうと思いました

それにしてもここで原作とは違う展開になったよ・・辰巳くんの声帯は健在ですよ!
このあと尊川がどうあるのかも大体決まっています

さてさてこれからも続けて読んでくださると嬉しい限りです
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