アホリズム-孤独な箱-   作:悠士

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8話外典 相(そう)

 日向の提案により辰巳は黒峰と同じ部屋に寝ることになった

 朝長たちが入ってこないようにドアには「箱」で固定して入って来れないようにした

 本当なら「隔離」の方が良いのだがあれは空気も遮断してしまう為窒息してしまう恐れがあるから無理だ

 

「・・・・同室のやつは死んだんだな」

 

 部屋に来てやっと辰巳が口を開いた

 

「うん・・始業式に日に死んだって・・・5組だったみたい」

 

「そうなんだ」

 

 朝長を裏切って追われることになってなのかこれまでしてきた事を思い出してなのかまた暗い顔で俯いた

 さっき始業式のことを話したばかりだからすぐに暗くなってしまうのも仕方のないことだ

 

「・・そんな暗い顔すんなよ!日向から聞いた限りじゃ朝長みたいな系統の文字は対象が見えていないと発動しないみたいだからさ!いざというときは俺が守ってやるからさ!」

 

「・・っ!!ああ、ありがと」

 

「とりあえず、風呂入ろうぜ!」

 

「・・おお!」

 

 気を取り直した辰巳は黒峰に誘われて風呂に入ることにしたが脱いでいる途中で代えの服が無い事に今更ながら気付いた

 黒峰は俺のでよかったら貸すよ?というので辰巳は制服で寝るよりはいいかと思い借りることにした

 

 楢鹿高校には大浴場のほかにもう1つ各部屋にユニットバスルームがあり今は迂闊に外に出るわけにはいけないからここを使うしかない

 つまり高校生、しかも男子2人が入れば当然スペースの問題が出てくる

 

「・・・狭いな」

 

「・・・ああ、せまい」

 

 辰巳が漏らした言葉に黒峰も同じ事を言った

 

 気晴らしに一緒に風呂にでも入れば少しは笑うかと思って誘ったが男子高校生が2人も入って楽しめるほど広くは無い事を忘れていた

 

「・・・濡れても大丈夫・・なのか?」

 

 恐る恐るといった感じに左腕の事を聞いてきた

 

「ん?平気だよ、文字で塞いでるから濡れないよ。先生はまだ塞がったばかりだから無理したら破けてまた血が出ると言われたけど文字で塞いでおけば気にする必要も無いしね」

 

 そういわれればと黒峰の左腕には円形の「箱」が無くなった左腕の断面を守るように付いている

 

「・・・箱って丸いのも「箱」なのか?」

 

「そうだよ、ほら買い物行くと丸い箱に6等分されたチーズが入ってるのがあるじゃん?アレも箱の部類にはいるから」

 

「へーー」

 

 一般的に「箱」って聞かれたら殆どの人が立方体を浮かべるだろう、だけど「箱」にも定義は色々あるし意味も異なってくる

 

 例えば「(はこ)」・・・矢を箱に入れた状態

 

「匣」・・・蓋がぴったりとかぶさること

 

「笥」・・・身と蓋が隙間が狭い竹で編んだはこ

 

「匪」・・・左右に開くはこ

 

 読みは違っても「箱」という物では分類される

 

「・・箱にもいろいろあるんだな・・・」

 

 黒峰のちょっとした雑談を聞くと感心したように驚いた

 

 

 

 

 

「なあ黒峰ってこういうの好きなん?」

 

 風呂から出て着替えも済んだ辰巳は棚に置かれている「ある物」を指して言った

 

「好きって言うか・・まぁ1人で居るとき暇になるから」

 

「そうか・・・でもこれってこんなに小さかった?」

 

 辰巳の記憶にある「それ」は今ここにある物より大きかったはずだと思った、幼児用にかなり大きいのもあったはずだが目の前の物はあまりにも小さすぎる

 

「うん、それは大人向けに作られたやつだから小さいんだよ、辰巳が知ってる奴は子供向けだな」

 

「あ~なるほどな・・・・・・」

 

「辰巳・・・?」

 

 急に黙ってどうしたのかと聞く黒峰だが何かを閃いた辰巳

 

「なあ黒峰!これでさ―――――」

 

 辰巳が閃いた"想像(イメージ)"を聞いた黒峰は

 

「・・・!!!それ面白そうだな!!」

 

 そう言って早速取り掛かった

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・ぉはよう日向くん」

 

「おお、遅いお目覚めだな六道」

 

 目をこすりながらベッドから下りた六道は日向に挨拶して顔を洗おうと洗面台に向かったそんな時だった

 

「え?・・ぇええ!?・・ひ・・・日向くん!!!」

 

「どうした六道?・・・!!?」

 

 六道の叫びに日向は駆けつけると本来のドアのところに「何か」が積み重なっている、それは1段ずつ重なって次第に形が見えてきた

 それはピンク1色で某猫型ロボットの持ってる未来のドアがドット絵のように出来上がってきた

 

「日向くん・・どうする・・?」

 

「どうするも何も・・・オレは戦えないし・・黒峰が来るまでは窓からも逃げられないし・・・」

 

 何かあってはいけない(オレが死んでは意味無い!!)と部屋に防御用の「箱」を部屋を囲うようにしてるから窓から飛んで逃げるという策は出来ない

 

 詰んでしまったと思ったときには未来のドアが出来上がってドアノブに当たるパーツがクルっと回った

 

「よし六道俺を守ってくれよ!!!」

 

「えええ!!?無理だよ日向くん!!」

 

 俺を守れと言う日向に無理だと反論する2人を無視してドアが開いた

 

「お~繋がった繋がった」

 

「「え・・?」」

 

 ドアから出てきたのは黒峰と後から辰巳が現れた、扉が閉じられると色が薄くなっていき消えた

 

「え・・と・・・まず聞きたいんだけど、さっきのアレはなんなんだ?」

 

「さっきのって、どこ○もドアの事ッスか?」

 

 どうやらさっきのドアは2人が思っているとおり未来の猫型ロボットが持っているドアと同じようだ

 問題は何でそれが玩具のブロックで作られて黒峰と辰巳が現れたか?だ

 

「それは"コレ"ッス」

 

 そう言ってポケットから取り出したのはさっきのドアと形は同じだがサイズは手のひらで収まるほどの小さかった

 

 コレがどうして黒峰の「箱」の文字と関連があるのか悩んでいると六道が何かに気付いた

 

「ひ・・日向くん」

 

「なんだよ六道?」

 

「く・・黒峰君の左腕が・・・・生えてるーー!!?」

 

「はああ!?・・・おおおうぅ!!?」

 

 2りが驚くのも当然だ、「水」の蝕で六道を助けるときに切られた左腕がドアと同じブロックの様な物で存在している

 

「お・・・おい黒峰・・コレは一体・・・・?」

 

「何度も話すのも面倒なんで比良坂たちが来てからでいいッスか?」

 

「あ・・ああ」

 

 それから数分しないうちに比良坂女性組みや美濃らが到着した

 黒峰の左腕を見ると六道たちと同じように大げさに驚いていた

 

「えーっとコレは昨日辰巳が―――――」

 

 

 

 

 

『なあ黒峰、これでさ――お前の左腕作れないのか?」

 

『え?・・・コレで?・・・・・それは面白そうだな!!』

 

 辰巳がブロックで無くなった左腕の代わりを作れないかと言ってきた、辰巳のアイデアに少し考えた後できるかもと考え部屋に飾ってあるブロックを分解して2人で「腕」の形になるように試行錯誤しながら作り上げた

 特に肘、手首や指の関節の曲げるときのパーツをどうするかかなり悩んだ

 

 ついでに戦うときに使えそうな剣、盾、使い魔のような獣みたいなもの、腕を蛇みたいにして戦う触手の様な物とか作れるものを言い合いながら作った

 さっき使ったドアも出入り口を筒の(ふち)に置き換えて芯の部分を繋げるイメージをする、そうすると擬似的な「どこで○ドア」が出来上がる

 

 

 

 

 

 

 

「コレも『箱』に関連するッス」

 

「・・・・『匪』のことだな?」

 

「そうッス!」

 

 日向はドアのイメージ元である文字を紙に書いて黒峰に見せた

 

「?・・・なんて読むの?」

 

「音読みで()、訓読みは無い、コレは左右に開いた箱のことをイメージしてるんだ、例えば・・・トイレットペーパーやラップの芯がそうだ」

 

「ああなるほど」

 

 日向の説明を聞いた六道は納得がいったように頷いた

 

 左腕を作っていたブロックも蓋が開いた箱の容量でイメージして作られている

 

「それにしても『箱』は色々応用できるととは思ったけどここまでとはな」

 

 流石の日向も黒峰の文字の応用力には脱帽ものだ

 まだまだ隠している事はありそうだが戦力にはなると日向は思った




もはやチート過ぎる応用力!!

だがそんな事関係ないもんねー
思いつく限りいろんなの出していくもん!!
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