花火大会が終わって次の日。リリーは早起きをしていたので、上杉家で勇也に挨拶がてら朝食を頂いていた。
「ガッハッハ!!久しぶりだなリリー君!!暫く見ない間にでっかくなったじゃねぇか!!デッカードは元気か!?」
「パパは元気です。それにしても、勇也さんごめんなさい・・・暫くバタバタしてて、挨拶に全然来れませんでした・・・。」
「気にすんな!!なんでも、風太郎のバイトを手伝ってくれてるんだろう!?色々研究者として忙しいかも知んねぇのに!」
「いえ!それに、案外楽しいですから。それに、手伝いたいと申し出たのは僕ですしね。」
そんな事を話している横で・・・。
「こら、お父さん。御飯中なんだから御箸を止めないの。仕事に遅れるよ?」
「おう!済まん済まん!!」
「ごめんね、らいはちゃん。勇也さんと久しぶりに話せたのが嬉しくって・・・。」
らいはが突っ込みを入れ、その言葉にリリーと勇也は謝意を述べる。
「いえいえ!リリーさんは気にしないでください!それにしても、御肉まで御裾分けして貰ってごめんなさい。でも、大丈夫なんですか?御肉の空輸とかって・・・。」
「あー・・・。空港で動物検疫所の検査を受けたりとか、色々手続きが必要だったけど何とかpassしたよ。折角だから、アメリカ産のボリューミーなmeatsを食べて欲しかったからね。」
そうして雑談をしていると・・・。
「リリー、そろそろ出発するぞー。」
すでに、鞄を背負った風太郎から声が掛かった。
「え?って、うわっ!もうこんな時間!?らいはちゃん、勇也さん!!行ってきます!!」
「いってらっしゃい!お兄ちゃん!リリーさん!!」
「気を付けろよ二人とも!!」
「はーい!!」
そうして、秀才コンビは学校目掛けて家を飛び出したのだった。
※ ※ ※ ※
「そういえばフー兄、昨日の
「そりゃあ良かったな・・・。てか、あの後マジで全部食ったのか・・・。100個はあっただろ。」
「うん!五月と一緒にshareしてね!幸せそうな顔で食べる五月、とってもcuteだったな~。」
「そうやって甘やかすと、ガチで太るぞ五月の奴・・・。」
「そうかな?五月は基礎代謝量が高そうだし、運動もしてるから大丈夫だと思うけど?というか、そんな事言うから五月を怒らせるんだよ?」
「うぐ・・・。返す言葉もねぇ・・・。」
そう言って二人が歩いていると・・・。
「おや?御二人さん、随分仲良さげに登校してるね。」
そう声を掛けてきたのは・・・
「あ、女優の卵の一花だ!」
「や、オッハー。」
フラペチーノを片手に、壁にもたれ掛かった一花であった。そして、その制服は夏服から冬服に変わっていた。そんな一花に・・・。
「Good morning!冬服似合ってるよ!」
リリーは笑顔で賛辞を送り、風太郎は・・・。
「おっす・・・。」
スルーである。そんな風太郎に一花が突っ込みを入れる。
「あれ?リリー君と違って冬服へのコメント無し?」
「朝から何の用だよ。」
「学校まですぐそこだけど、一緒に登校しようと思って。」
「一花、お前は妙に目立つから嫌なんだが・・・。リリーも日本人離れした髪色と目の色のせいで大概目立つが・・・。」
「え~、酷いな~。それより左をフォローした方が良いんじゃない?」
「は?」
一花の言葉に横を向いた風太郎の目に映ったのは・・・。
「フー兄・・・僕と登校するの嫌なの・・・?・・・ごめんね、日本人離れした顔で・・・。」
上目遣いかつ不安そうな顔で、若干瞳を潤ませたリリーの姿であった。
「わーるいんだ、わーるいんだー。」
そう茶化す一花に、風太郎は絶叫する。
「ってうぉぉい!!す、すまんリリー!!さ、さっきのは言葉の
そう言って、風太郎が宥めると・・・。
「本当・・・?」
「あ、あぁ!!」
「えへへ・・・よかったぁ。」
ふにゃぁと顔を緩めたリリーの顔に一花は・・・。
「ねぇ、フータロー君・・・。」
「何だよ。」
「リリー君・・・、戸籍改ざんして私達の弟にしたら駄目かな・・・可愛いが過ぎるんだけど・・・。多分、今日一日分の運を使い果たした気がする。」
「リリーがらいはに並ぶレベルで可愛いのは同意するが、やめとけ。」
「はっ!まさか、私以外の姉妹がリリー君と結婚したら合法的な
「四葉と似たようなこと言いやがって・・・マジで姉妹だな・・・。」
そう言って小声で話し合う年上達に・・・。
「もう!二人とも僕に内緒で話をするなんてずるいよ!!僕にも教えて!!」
そうして暫くすると、少しだけムスッとしているリリーの頭を撫でながら一花が口を開き始めた。
「そういえば昨日、あの後皆に私の仕事の事打ち明けたんだ。みんなビックリしてたな~。」
「だろうな。」
「でも、スッキリした!」
「・・・でも、ちゃんと勉強も両立させないと駄目だよ。それこそ有名女優に成ったら海外に行くかもしれないんだし、世界共通語の英語は話せるようにならないと。それに、バライティ番組とかに出る事に成ってもそれなりに知識は必要になるからね?」
そんなリリーの小言に・・・
「それもそうだよねぇ~・・・。仮に海外に行くときは専属の通訳として、リリー君を連れて行こうかな・・・なんてね。」
「もう・・・。調子が良いんだから。」
「朝から元気だなお前ら・・・まぁ、俺が反対なのには変わりないがな。」
「大丈夫。留年しない程度には頑張るから。勉強会してるんでしょ?放課後、また連絡するね。はい。」
そう言って一花が差し出したのは、携帯端末である。そんな一花の行動に・・・
「え?何?くれるの?」
ズレた発言をする風太郎に、リリーが突っ込む。
「そうじゃなくて、email address交換しようって事じゃないの?」
「そうそう、家庭教師的にもしておいた方が良いでしょ?」
「・・・メアドか。」
そうして風太郎が腕組みしている間に、既に
※ ※ ※ ※
そうして場面は変わり、学校の図書館の一角では五月と二乃を除く三姉妹と家庭教師コンビが勉強会をしていた。
「それでね一花。よく日本人は髪が無い人をskinheadって言うけど、間違ってもStatesで言ったら駄目だからね。Statesで髪が無い人の事はbaldって言わなきゃ駄目。っていうか、本気でこれは気を付けて。skinheadはあまり良い意味では使われないから。」
「りょ、了解。それにしても珍しいね、五月ちゃんが勉強会に参加しないなんて・・・フータロー君は兎も角、リリー君には好印象なのに。」
「五月はlunch中だよ。流石に食事の時間を奪うのは忍びないし・・・。」
そう二人が話している横で・・・。
「アドレス交換!大賛成です!!その前に、これ終わらせちゃいますね!!」
風太郎からアドレスの件を聞いた四葉は、何かを作っていた。
「一応聞くが・・・何やってんだ?」
「千羽鶴です!友達の友達が入院したらしくて!!」
「勉強しろー!!・・・半分寄こせ、これ終わったら勉強するんだぞ。リリーも手伝ってくれ。」
「了解!origamiなんて久しぶりだな~。鶴って如何やって折るんだっけ?」
そういうリリーに、四葉は待ってましたとばかりにレクチャーを始める。
「リリー君!鶴はこうやって、先ずは三角に折ってね!!」
そうしていると、一人の教師が通りがかり・・・
「お、中野。良い所に居た。このノートを皆の机に配っといてくれ。」
と、四葉の目の前に大量のノートが置かれる。そんな頼み事に・・・
「はーい。」
四葉は了承するが、そんな光景に風太郎のイライラ指数はMaxに成りかけつつあった。
「フ、フー兄?
「あぁ・・・(こいつ・・・どこまでお人好しなんだ。もしや、勉強を避ける為に時間を稼いでいるのでは!?だとしたら、二乃なんて目じゃない程の悪女だぜ・・・。)」
そう思考していると、リリーが隣から声を掛けてきた
「ねぇねぇ、フー兄。」
「ん?」
「フー兄も、連絡先交換してあげなよ・・・。」
そんな言葉に・・・
「いや、そもそも俺はこいつらの連絡先なんて・・・」
そう言った瞬間、風太郎の端末からメール受信音が鳴る。
「ん?」
そして、画面を見やるとそこに書かれていたのは
中野一花
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かわいい寝顔♥
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広められたくなければ
残り四人のアドレスを
Getすべし☻
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と、なんと風太郎の寝顔写真を添付した状態で送って来たのだ!極上のニヤケ顔を見せながら!そんな一花の所業に・・・
「みんなのメアド知りたいな~。」
と、風太郎が顔を引きつらせながら御願いしたのだった。
「フー兄!?急に積極的になってどうしたの!?」
「何でもねぇよ・・・(一花の野郎、余計な事を・・・。こうなったら仕方ない、プラスに考えよう。)」
その時、風太郎の横の三玖から携帯端末が差し出される。
「協力してあげる。リリーも交換しよう。これで学校で会わなくても、日本史の事を教えてあげれるから。」
「Thank you!三玖先生!!」
「わーいやったぜ。・・・そういえば足は平気か?」
風太郎のその言葉に、三玖は顔を赤らめながら・・・
「も、もう痛くない。・・・リリー、何その顔。」
「ん?春って良いなーって。」
と言い、そんなテレ顔の三玖にリリーは微笑ましい目を向けたのだった。そうして風太郎は三玖とのアドレス交換にも成功し・・・
「これで良し。五月と二乃は、今度で良いだろ。」
「え?どうせなら、今日交換した方がよくない?四葉は二人の居場所知ってる?」
そんなリリーの疑問に・・・
「その二人なら、さっき見たよ!上杉さんも今の内に聞きに行きましょう!」
そう言って張り切る四葉に
「何でお前も行くんだよ!ってか、四葉!お前のアドレスは!?」
「早く行かないと帰っちゃうよフー兄!!」
「やっぱ勉強する気ないだろ!!」
そう言い争いながら、四葉と家庭教師コンビは二乃と五月のもとに向かったのだった。
※ ※ ※ ※
そうして焼肉定食焼肉抜きで御馴染の食堂で、二乃と五月と
「お断りよ。お・こ・と・わ・り!」
「確かに、私達には貴方のアドレスを聞くメリットがありません。」
そんな様子の二人に・・・
(この二人は、まだまだフー兄に心を開く事は無さそうだね・・・。)
と、リリーは遠い目をしていた。しかし、ここで風太郎が攻勢に出る。
「これならどうだ!今なら俺のアドレスに加えて、らいはとリリーのアドレスもセットで、御値段据え置き御買い得だ!!」
という言葉に・・・。
「背に腹は代えられません・・・。ただ、勘違いしないでくださいね。私はテイラー君から勉強を教わる為に貴方のアドレスもおまけで交換するだけですから・・・。」
そう言ってアドレスを交換する五月に、風太郎はしてやったりと悪い笑みを浮かべ・・・そんな顔の風太郎に
「身内を売るなんて卑怯よ!!」
と、二乃から突っ込みが入ったのだった。
「二乃は教えてくれないのか?」
「当たり前よ。」
その答えに風太郎は口角を上げると・・・
「仕方ない・・・では、お前抜きで話すとしよう!俺とリリーと四人で内緒の話をな!!」
「ぐっ!!」
そう言ってまだ少し抵抗する二乃だったが・・・クイッと袖を引っ張らっれた。
「え?・・・うっ!!」
そして二乃の視線の先には・・・。
「二乃は、僕達と御話ししたくないの・・・?」
と、割とガチで泣きかけてるリリーの顔があった。勿論そんな顔にNoとは言えず・・・
「くっ!・・・か、書くものを寄こしなさい。」
と、白旗を上げたのだった。因みに、放課後この件に関して「ナイスアシスト!」と風太郎に頭を撫でられたのは別の御話し。
そうして、一花、二乃、三玖、五月の四人と連絡先を交換し・・・
「よし、これで全員分揃いましたね!」
という四女の声に・・・。
「ん?一人足りなくない?」
と、リリーが突っ込み
「え?そんなはずはないよ~・・・一花、三玖、五月、二乃・・・。あー!四葉!!私です!」
「そうだ!まだ四葉と交換してなかった!!」
と、四葉と何故か学年成績が風太郎と同率一位のリリーまで驚いたのだった。そんな二人に・・・。
(やっぱこいつ、ただのアホだ。)
(リリー君って、たまにアホの子になるわよね・・・。)
と、風太郎と二乃は呆れたのだった。
※ ※ ※ ※
そうして、連絡先を交換していると・・・。
「ん?四葉、携帯鳴ってるよ?」
「え?あぁ、私もう一つ頼まれ事があったんでした。失礼しますね。」
「は?(何だあいつ・・・。)」
「どうしたんだろ?」
「さぁな・・・って、バスケ部ってまさか!!」
そう言うと、風太郎は四葉と同じ方に走っていった。そして、リリーもリリーで・・・。
「あ、フー兄!!
ダッシュで風太郎を追いかけ、そこに残されたのは・・・。
「あ!ちょっと!・・・二人に渡す用のメアド書いたんだけど・・・。」
メモを片手に立ち尽くす二乃だけであった。
※ ※ ※ ※
そうして、四葉を追った家庭教師コンビが辿り着いたのは・・・。
「
「しっ!静かにしろ!」
そうして、バスケ部員と四葉の会話内容を盗み聞き始める。
「中野さん。この前はありがとうね。」
「皆さん、お疲れさまです。」
(やっぱり・・・。四葉の奴、まだバスケ部の連中と繋がってたか・・・。)
(一試合限定の助っ人じゃないのかな?)
そう聞いていると、バスケ部の部長らしき人物から衝撃の言葉が発せられる。
「それで、中野さん。入部の件考えてくれた?」
その言葉に・・・。
(は!?)
(What!?)
家庭教師コンビは、脳内で驚愕した。そんなコンビの感情を他所に、会話はどんどん続いていく。
「はい、誘って貰えて嬉しいです。」
(あいつやっぱり!最初から勉強する気なんて、さらさらなかったんだ!!)
(そんな!僕は、四葉の事を信じてたのに!)
「よかった。じゃあ・・・。」
そう家庭教師コンビがショックを受け、バスケ部長が勧誘に成功したと思ったその時!
「でも、ごめんなさい。お断りさせてください。」
四葉が、その誘いを断ったのだ!その言葉にバスケ部長と秀才コンビが呆然としている中、四葉は言葉を続ける。
「バスケ部の皆さんが大変なのは重々承知の上ですが、放課後には大切な約束があるんです。も、勿論、試合の助っ人ならいつでもOKですので・・・!」
そんな四葉の言葉に、バスケ部長も折れたのか
「そっか、なら仕方ないね。折角の才能が、勿体無い気がするけどね。」
その言葉に四葉は・・・。
「・・・!・・・才能が無い私を、応援してくれる人達が居るんです!」
一方壁際では・・・。
「四葉があんな気持ちだったなんて・・・。フー兄も感涙しちゃった?」
「泣いてねぇよ。ていうか、泣いてんのはお前だけだろうが。」
リリーは号泣し、風太郎はそんな弟分に呆れていたのだった。そうして遂に・・・。
「うわっ!上杉さんにリリー君!?何故此処に!?というか、リリー君は何で泣いてるの!?大丈夫!?怪我しちゃったの!?」
「安心しろ、こいつはただ単にどっかの誰かさんの言葉に感涙してるだけだからな。俺は・・・あー、図書館に行くところだったんだ。」
「図書館は部室棟の方向と真逆の筈なんですが・・・お、おかしいな~。」
「ったく・・・お前の用事は終わったか?今日も、俺達二人がしごいてやるから覚悟しろよ。」
風太郎のその言葉に・・・
「はいっ!覚悟しました!」
と、四葉は敬礼しつつリリーの頭を撫でたのだった。
※ ※ ※ ※
そして、時は夕刻。中野姉妹達は夕食を囲んで食べていた。
「って事が、今日あってねー。」
「だから、今日遅かったんだ。」
と、四葉が一花にそう報告している横で・・・
「・・・・・・(あいつ・・・結局取りに来なかったじゃない。)」
と、二乃は風太郎の生徒手帳を見ながら眉を寄せる。
「二人で心配してたんだよね。特に三玖が・・・」
「べ、別に・・・。」
その時、ピロンとメールの受信音が鳴り響いた。
「フータローからだ。」
「私も!」
「一斉送信でしょうか?」
「あはは!上杉さんったら、メアド交換したからって浮かれちゃって・・・。」
そうして四葉がメッセージを開けると、そこに書いてあったのは・・・。宿題と称した大量の問題だった。そして、その内容に四葉は固まり・・・。
「・・・やっぱり、断った方が良かったね・・・。」
そう呟いた・・・。その時・・・また、ピロンとメッセージ受信音が鳴る。
「・・・?今度はテイラー君からです。」
「え?何々?」
そこに書いてあったのは・・・
Lily Taylor
━━━━━━━━━
アドバイス
━━━━━━━━━
Good evening everyone!
フー兄からの宿題は受け
取った?
僕にも一応宿題内容を送
って来たんだけど、余り
に多すぎるから、宿題の
参考文献のURLを送っと
くね。
━━━━━━━━━
その内容に五姉妹達は・・・。
(((((天使・・・!!)))))
と、脳内で口を揃えたのだった・・・。