夜の帳が降りている夕暮れ時。中野家のマンションには、二乃と五月を除く人生ゲームを楽しむ三姉妹とリリー。そして、その隣でやっちまったという顔をした風太郎が居た。
「よーし!3マス進んだ結果・・・ノーベル生理学・医学賞を受賞!60万ドル獲得!!やったね!次は四葉の番だよ!」
「リリー君ってば、幸先良いんだね!よーし、私は・・・やったあ!結婚したよ!!」
「えぇ!?良いなー、僕まだ未婚だよ・・・。はい、御祝儀。」
「おめでとう四葉。御祝儀どーぞ。」
「結婚・・・。おめでとう四葉。」
そうして、リリーと一花と三玖が御祝儀の御金を渡したところで、四葉は風太郎にも声を掛ける。
「上杉さんっ!私、結婚しました!御祝儀下さい!」
「えっ?」
いきなり声を掛けられ、戸惑っている風太郎を尻目に三玖がサイコロを振る。
「じゃあ、次私の番。・・・スカウトされて女優になるだって。」
そんな三玖の結果に不平の声が上がる。
「もー!それ私が狙ってたのに!」
「ゲームでも、女優に成りたいんだね一花・・・。」
そう言ってわちゃわちゃしている、四人に・・・。
「ゲームでも貧乏な俺・・・。ハハハ、ハハ・・・。ってエンジョイしてる場合かー!自分の人生をどうにかしろ!!」
渇き笑いをしつつも、風太郎からツッコミが入ったが・・・
「でも、今日は沢山勉強したし休憩しようよ。」
「もう、頭がパンクしそうです。」
「そうだよ。無理に疲れてる状態で詰め込んでも逆効果だよ。それに、
そんなリリーの言葉に・・・
「だが、リリー・・・御前も電話の件は・・・。」
と話そうとしたところで、風太郎の隣に移動したリリーから耳元でストップを掛けられる。
「それは分かってる。でも、急げば急ぐほど
「うぐ・・・だが・・・。(今や、この仕事は俺の為だけでは無くなっている。らいは・・・そして、五人の人生をリリーの協力があるとはいえ背負っていると言っても過言じゃない。俺達は、ゴールに辿り着けるのか?)」
そう悶々としているリリーと風太郎の様子に、三玖が声を掛ける。
「フータロー?リリー・・・?なんか、いつもより焦ってる・・・。私達、そんなに危ない?」
「実は・・・。(どうするリリー?こいつらに打ち明けるべきか?)」
そう目線を配る風太郎の提案を、リリーは却下した。
(絶対ダメ!それこそ余計な
(だ、だよな・・・。)
そうして、うんうん唸っていると一花が声を上げる。
「・・・・・・それなら、私から提案があるんだけど。」
と、そう言ったところで風太郎の背後から声が掛かる。
「あー!なんだー勉強サボって遊んでるじゃない。」
その声の正体は、現在進行形で家庭教師コンビを悩ませる、中野二乃その人である。
「にっ・・・!」
「私やる。上杉、あんた代わりなさいよ。」
そう言って二乃が風太郎のいた所に座ったとき、三玖から疑問が投げかけられる。
「実は?」
その問いに・・・
「いやっ!何でもない!だよな、リリー!!」
「うん!No problemだよ!!(フー兄、分かってるよね・・・。)」
(あぁ・・・今回の一件は二乃にだけは知られるわけにはいかない!)
(もしも知られたら、今以上に勉強を勤しまない!絶対に!!)
そう二人が目配せしていると、二乃が風太郎の後ろに居る人物に声を掛ける。
「あんたも混ざる?」
そこに居たのは・・・。
「五月・・・昨日は・・・。」
そう言って、風太郎が五月に声を掛けようとするも・・・。
「私は、これから自習があるので失礼します。・・・テイラー君。」
「な、何かな?」
「分からない所はメールで聞きますので、私の部屋には入ってこないでくださいね。」
「えぇ!?大丈夫なの!?」
五月の言葉にリリーは衝撃を受け、風太郎は注意をする。
「おい!いくら何でも、リリーにその言い方は無いだろう!今までお前に根気強く教えてくれた奴なんだぞ!」
その言葉に、リリーがストップをかける。
「待って待ってフー兄!余計に事態をややこしくしないで!分かった五月!分からなかったらメールで聞いて!うん、これでOK!!」
リリーのその言葉に少しだけ申し訳なさそうな顔をすると、五月は二階に上がっていってしまった。そうして、リビング内が一息ついたところで、二乃がリリーと風太郎を帰そうとする。
「ほら、上杉。あんたも今日のカテキョーは終わったんでしょ!リリー君ももう夕方なんだから、誘拐とかされない為にも早く帰りなさい。」
「待って、二乃。心配してくれるのは嬉しいんだけど・・・。」
リリーが二乃にそう言った時、一花から待ったの声が上がる。
「待って二乃。フータロー君とリリー君も何言ってるの?約束が違うじゃん。今日は泊まり込みで勉強教えてくれるって話でしょ?」
一花のその言葉に・・・。
「「「えっ?・・・ええー!?(What!?)」」」
と、声が響いたのだった。