天才飛び級少年と五等分の花嫁達   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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時系列的には、風太郎が二乃に睡眠剤を飲まされた次の日。


再会

さて・・・先程空港から脱出したリリーは意気揚々とこれから通う学校に向かって・・・はおらず、道に迷っていた。

 

 

「Hmm・・・.Japanの交通状況を見誤っていたよ。New York(ニューヨーク)よりかはマシかと思ってたのに・・・。パパめ・・・、Freddy(フレディ)Krueger(クルーガー)が夢に現れるように願ってやろうかな・・・!!」

 

 

今日はジリジリとした暑さで、リリーの不機嫌度合いはMaxになっており、遂には夢の中で人を殺す殺人鬼が父親の夢に現れないかと呪詛を吐きかけるレベルまで来ていた。

 

 

「はぁ~・・・本当にどうしよう。」

 

 

ベンチで項垂(うなだ)れている姿は、正に"異国の地で困っている人畜無害な少年"の筈・・・なのだが・・・通行人達は見て見ぬふりを繰り返すばかり。

 

 

何故なら現在の時間帯は朝方で、通勤や通学で(せわ)しなく動く学生やサラリーマン。そして、彼らは恐怖しているのだ。「もしも上手く案内できなかったらどうしよう。」と、「気軽に話しかけて、誘拐犯と間違えられたらどうしよう。」と!!

つまり、忙しいこの時間帯に面倒事に巻き込まれたくないのである!!

 

 

そんな彼らの感情など露知らず、少年は日本に来るまで精一杯に勉強した日本語を駆使し購入したペットボトルの水をラッパ飲みした。

 

 

police(警官)に道を聞こうかな・・・。いやでも、交番に長時間拘束されるかも!転校初日に遅刻なんて絶対ヤダ!!」

 

 

その時・・・

 

 

「あの・・・大丈夫ですか?」

 

 

何者かがリリーに声を掛けた。

 

 

「What?・・・Are you an angel(君は天使かな)?」

 

 

リリーが(つむ)いだ言葉はまさかのAngelだった。なぜなら、リリーが今までで出会った女性の中でも彼女は特段に美しい顔をしていたから!!そして尚且(なおか)つ、歩き回った所為で目の前の女性の背中から天使の翼が生えている幻覚を見る程に疲れていたから!

 

 

「え、英語!?ど、どうしよう!!え、ええと。My name is Itsuki Nakano・・・?つ、通じていらっしゃるでしょうか?」

 

 

「え、あぁ。通じてるよ。というか、日本語喋れるし・・・。中野五月って言うのかい?」

 

 

「あ、はい!そうです!中野五月って言います!良かった、日本語喋れるんですね・・・。えっと、どうしたのですか?こんな所に居たら熱中症で倒れますよ?お父さんとお母さんはどうなさったのです?」

 

 

「親は来ていないよ。単身で留学に来たんだ。少し行きたい場所があるんだけど、地図記号が分からなくって・・・。」

 

 

リリーがそう呟くと、五月は同情の眼差しを向けた。

 

 

「そうですか・・・。確かに地図記号は分かりにくいですからね。何処に行くつもりなのですか?もしかしたら案内できるかもしれません。」

 

 

五月がそう言うと、リリーは地図を広げて見せた。

 

 

「此処なんだけど・・・。」

 

 

そう言ってリリーが目的地を指すと・・・。

 

 

「・・・もしかしたら、この高校私の通ってる高校かもしれません。」

 

 

「Really!?あぁ!やっぱり神様は僕を見放していなかったんだ!五月!申し訳ないけど、此処まで案内してくれないかい!?御礼なら何でもする!そうだ、gratuity(チップ)も渡そう!!」

 

 

そう言って財布から、万札を出そうとすると・・・。

 

 

「だ、大丈夫です!当たり前の事をしているだけですから!ほら行きましょう!!」

 

 

「O,OK!!」

 

 

そうして、二人は歩き出したのだった。

 

 

(危うくチップを渡されるところでした・・・。)

 

 

そう思いながら五月が胸を撫で下ろしたのは、此処だけの話である。

 

 

※ ※ ※ ※

そうして何やかんやあって、両者は目的地間近まで来ていた。

 

 

「えぇ!?テイラー君って、まだ12歳なんですか!?という事は、飛び級・・・?」

 

 

「うん。僕もさすがに飛び級を認めてないJapanの高校に転入なんて無理だろうとは思ってたんだけど、パパと五月の学校の理事長が知り合いだったんだ。自慢じゃないけど、大学も卒業してるからね。smooth(スムーズ)に転入できたよ。ところで・・・もしかして僕の通う高校はあれかな?」

 

 

「あ、そうです。まだ始業時間ではありませんから、人も少ないですね。理事長室まで案内しましょうか?」

 

 

五月がそう提案を持ちかけるが・・・

 

 

「ううん、大丈夫。あとは自分で出来るよ。素晴らしいguideをありがとう。同じclassに成れたら恩返しするよ。こういうのをジンギを通すって言うのかな?」

 

 

「意味合いとしては合ってますが・・・あまり公共の場では使いませんよ、その表現。」

 

 

「嘘・・・だろう・・・勉強して覚えた言葉なのに・・・。と、取り敢えず理事長室に行くとするよ。それじゃあまたね!Have a nice day(良い一日を)!」

 

 

「サ、サンキュー・・・?」

 

 

そう言葉を交わし、二人は別れたのだった。

 

 

※ ※ ※ ※

場面は変わり、此処は教室。ワイワイガヤガヤと喧騒が蔓延(はびこ)る中、一人の男が鬼の形相で白紙に何かを書いていた。

 

 

(取り敢えず、昨日五月に姉妹全員がテストを受けられるように取り付ける事は出来た!どうせならふるいに掛ける。教えるべき存在とそうでない存在を!!)

 

 

彼の名は上杉風太郎。学年内での成績は常に一位を保持しており、満点を取る事が当たり前の天才である。・・・とはいえ、欠点としては体力が無いのとコミュニケーション能力が皆無であることくらいだろうか。

 

 

「上杉君、おはよう御座います。」

 

 

現に五月が声を掛けていても・・・

 

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

集中しているのか無視である。

 

 

(・・・・・・相変わらず無視ですか。まぁ、こちらも仲良しこよしするつもりはありませんが。)

 

 

五月も五月で先日デリカシーの無い発言をされたことを根に持っているのか、深く話しかける事は無かった。そんな時間が暫く経った頃・・・

 

 

「皆ー、席に着けー。SHR始めるぞー。」

 

 

担任がそう告げると、生徒達は蜘蛛の子を散らすように席に着き始める。

 

 

「えー、いつも通りSHRを始めたいんだがな。今日は中野に続き、もう一人転入生を連れてきている。」

 

 

その言葉に、周囲の生徒は騒めき始める。

 

 

「まじ?」

 

 

「転校生?中野さんに続いて?」

 

 

「男だったらいいんだけどな~。」

 

 

「イケメンかな?」

 

 

「静かにしろ!転入生を紹介する・・・とはいっても特殊な経歴でな、アメリカの大学で飛び級制度を使い12歳にして某高偏差値大学を卒業し、博士号を取得しているほどの秀才だ。転入試験も500点満点中500点で合格している。」

 

 

その言葉に周囲からは質問が飛び交う。

 

 

「先生!飛び級って事はマジで俺らより年下って事!?」

 

 

「マジで!?ロリっ子!?」

 

 

「ショタっ子ですか!?」

 

 

「静かにしろ!!・・・ここで話していても(らち)が明かないな。取り敢えず入って来てくれ。」

 

 

担任がそう言い、転入生が入ってくる瞬間・・・生徒達には見えた!(くだん)の転入生が入ってきた瞬間・・・教室の扉から白百合のエフェクトが舞った様に見えたのだ!!

 

 

「え・・・、めっちゃ儚げ系美少年・・・。」

 

 

「背ぇ小っさ。・・・・・・人形みたい。」

 

 

「やばい・・・可愛い・・・・・・。」

 

 

「彼が本日転入してきた子だ。・・・自己紹介してくれ。」

 

 

担任がそう言うと転入生は自己紹介を始める。

 

 

「Hello everyone.・・・My name is Lily Taylor.I came from the States.僕は昔日本には住んでいたんだけど、あまりその頃の事は覚えていないんだ。だからcultural differences(文化の違い)で迷惑を掛ける事もあるかもしれないけど、頑張って覚えていくよ。・・・・・・だから2年間って言う短い間だけど宜しく。」

 

 

そうして自己紹介が終わると、周囲からは拍手喝采が巻き起こる。

 

 

「あー、じゃあそうだな。・・・中野の隣が空いてるな。テイラーはあそこの席に座ってくれ。中野も転入生同士仲良くしてやってくれ。」

 

 

「OK.・・・What!五月!?」

 

 

「テイラー君!同じクラスに成れたんですね!」

 

 

「うん!今そっちに行く・・・よ?」

 

 

そう言って歩き出したリリーだが、五月の隣の席に向かう途中で足を止める。そこで見た者に足を止めざるを得なかった。そうしてリリーに目を向けられた者も、目玉をおっぴろげる。

 

 

「テイラー、どうした?席に着けー。」

 

 

担任がそう告げるが、リリーの耳には入ってこない。何故なら・・・

 

 

「フ、フー兄・・・。」

 

 

「お、お前・・・やっぱり、リリー・・・か?」

 

 

日本にいた頃遊んでくれた、大好きなお兄ちゃんに出会えたのだから。




リリー君のイメージCV:内田秀

五月が一人で登校していたのは、誰よりも早起きをしたため学校の図書室で自習しようと思い立ったからです。
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