天才飛び級少年と五等分の花嫁達   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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第二巻
五つ子(一名不在)のJudgement


五月が、二乃を押し倒した風太郎の写真を撮って数分後・・・。家庭教師コンビと、四葉を除いた姉妹はリビングに居た。・・・ただし、風太郎を正座させた状態で。

 

 

そして、五月が先程撮影した写真を一花に見せながら意見を述べる。

 

 

「裁判長。御覧ください。被告は家庭教師という立場にありながら、ピチピチの女子高生を目の前に欲望を爆発させてしまった・・・。この写真は上杉被告で間違いありませんね。」

 

 

その言葉に風太郎が紡いだ言葉は・・・。

 

 

「え・・・冤罪だ・・・。(何だこの状況!!)」

 

 

「裁判長。副裁判長。」

 

 

「はい、原告の二乃くん。・・・リリー君も呼ばれてるよ。」

 

 

「え!?僕、副裁判長なの!?」

 

 

「当たり前でしょ?リリー君は一花の隣に座ってるんだから。・・・この男は一度マンションから出たと見せかけて、私の御風呂上りを待ってました。悪質極まりない犯行に、我々はこいつの今後の出入り禁止を要求します。副裁判長も、幼馴染という観点抜きの公正な判断をお願いします。」

 

 

「裁判員が良かった・・・。・・・でも公正な点から考えると、フー兄を弁護できる点は無いんだよね・・・今の所はね、フー兄には悪いけど。どう思う?一花裁判長?」

 

 

そう言って、少し疑惑を含んだ目で風太郎を見やる。

 

 

「大変けしからんですなぁ。」

 

 

「おい!一花にリリー!俺は財布を忘れて・・・。」

 

 

そう弁論しようとするも、一花はそっぽを向いてしまう。

 

 

「・・・裁判長呼びして欲しいんじゃないの?」

 

 

「さ・・・裁判長。」

 

 

そう風太郎が言うと、一花はにっこりと笑みを浮かべる。そんなとき・・・

 

 

「異議あり。フータローは悪人面してるけど、これは無罪。」

 

 

余計な一言を付け加えつつも、三玖が風太郎を擁護する。

 

 

「私がインターホンで通した。録音もある。これは、不運な事故。」

 

 

「三玖~。」

 

 

そんな三玖の言葉に感涙する風太郎であったが、逆に二乃は苛立ちを(つの)らせる。

 

 

「あんた、まだそいつの味方でいる気・・・?こいつはハッキリ「撮りに来た」って言ったの!盗撮よ!!」

 

 

「忘れ物を「取りに来た」でしょ。」

 

 

(Homophone(同音異義語)って、難しいよね・・・僕も苦労したなぁ・・・。)

 

 

その時、二乃は三玖に対する最大火力攻撃で反論する。

 

 

「裁判長~、副裁判長~。三玖は被告への個人的感情で庇ってまーす。」

 

 

その瞬間、三玖の顔が燃え上がる!!

 

 

「ち、違・・・。」

 

 

その様子にリリーは・・・。

 

 

(ふーん・・・。あの反応は・・・。フー兄も(すみ)に置けないね・・・。)

 

 

兄貴分同然の幼馴染に、春が来た事を実感していた。

 

 

「三玖・・・。信じてくれると信じてたぜ。」

 

 

しかし・・・。

 

 

「それ以上近づかないで。」

 

 

と、プイとそっぽを向いたのだった。

 

 

その発言と行動に、自分が無実であると信じてくれたと思っていた風太郎と、風太郎に春が来たと思い込んでいたリリーは・・・

 

 

(あれー!?(Whyー!?))

 

 

混乱したのだった。そして、そこから三女と次女の言い争いが始まる!!

 

 

「え~?その態度は、警戒してるって事かな~?」

 

 

「してない。二乃の気のせい。」

 

 

「言っとくけど、私は裸を見られたんだから!!」

 

 

「見られて減るような物じゃない。」

 

 

「はー!?あんたはそうでも、私は違うの!!」

 

 

「同じような体でしょ。」

 

 

そんな口論に・・・

 

 

「い、今は私達が争ってる場合じゃ・・・。」

 

 

と、五月がストップを掛けようとするが・・・。

 

 

「五月は黙ってて。」

 

 

「てか、あんたもその写真消しなさいよ。」

 

 

凄まじい形相の姉達から、自らの意見をシャットさせられる。そんな五月は裁判長(一花)に泣きつき、助けを求めた。

 

 

「裁判長~。」

 

 

「よーしよし。頑張ったねー。・・・う~ん、三玖の言う通りだとしてもこんな体勢になるかな?」

 

 

その言葉に、水を得た魚の様に二乃が追撃を仕掛ける。

 

 

「一花!やっぱ、あんたは話が分かるわ!こいつは突然、私に覆い被さって来たのよ!!」

 

 

「・・・・・・それ、本当?」

 

 

「そ・・・そうだが、それは・・・。」

 

 

「やっぱ有罪。切腹。」

 

 

二乃が出した追撃に言葉に、何か勘違いしたのか三玖はムスッと頬を膨らませて死罪を言い渡す。そんな三玖に秀才コンビからは・・・。

 

 

「三玖さん!?」

 

 

「今回の事件って、法律に当てはめると強姦未遂罪だよね!?罪状と刑罰が釣り合って無いよ!?・・・というより、一つ気になる事があるんだけど裁判長。」

 

 

ここで、リリーが裁判長に意見を陳述する。

 

 

「ん?どうしたのリリー副裁判長。」

 

 

「あそこのrack()って、いつから空いてたの?」

 

 

「え?あー・・・、私が仕事から帰って来た時には空いてたね。三玖は何か知ってる?」

 

 

「私が御風呂から出たときには空いてた・・・。あ・・・。」

 

 

ここで、三玖が何かに気付き・・・。

 

 

「うん・・・。五月も大体察せるよね。」

 

 

「もしかして・・・棚から落ちた本から、二乃を守った・・・?よく見れば、そうとも受け取れますが・・・違いますか?」

 

 

「そ、その通りだ。ありがとな!リリー、五月!」

 

 

「御礼を言われる筋合いはありません。あくまで、可能性の一つを提示したまでです。」

 

 

「確かに・・・。」

 

 

「やっぱり、フータロー君にそんな度胸は無いよねー。」

 

 

「一花・・・さり気無く、フー兄の事ディスったね・・・。」

 

 

しかし、ここで二乃が待ったをかける!!

 

 

「ちょ、ちょっと!!何、解決した感じ出してんの!?適当な事言わないで!!」

 

 

しかし・・・。

 

 

「二乃、しつこい。」

 

 

「・・・!あんたねぇ・・・!」

 

 

ここで、また三玖の二乃の喧嘩が始まるかと思いきや・・・。

 

 

「まぁまぁ、そうカッカしないで。私達、昔は仲良し五姉妹だったじゃん。」

 

 

「そうそう・・・、なんなら控訴して、日を改めて第二審でもすればいいんだし・・・。」

 

 

一花とリリーがそれを宥める。

 

 

「とは言え、俺の注意不足が招いた事故だ・・・悪かったな。」

 

 

そして、風太郎が頭を下げるが・・・。

 

 

「昔はって・・・私は・・・。」

 

 

そう言い放って、二乃は出て行ってしまった。

 

 

「おかげで助かったが、あいつ出てったぞ。・・・良いのか?」

 

 

その風太郎の問いに・・・。

 

 

「ほっとけばいいよ・・・。」

 

 

と、三玖は言い放ったのだった。

 

 

※ ※ ※ ※

「はぁ・・・。今日も疲れたな・・・って、どうしたんだよリリー。」

 

 

夕闇に空が包まれた頃、ようやく秀才コンビは帰路に()こうとエレベーターに乗っていた。風太郎は疲れ切った顔をし、リリーはショックを受けた顔をしている。

 

 

「通じなかった・・・。」

 

 

「え?」

 

 

「第二審を受けたら?っていう、渾身のJapanese jokeが!!」

 

 

「それで落ち込んでたのかよ!!・・・なぁ、リリー。」

 

 

「ん?」

 

 

「あいつらは、これで良いんだろうか?」

 

 

「さぁ・・・でも、なにか僕達じゃ計り知れない過去でもあるんじゃないのかな?」

 

 

「だよな・・・過度な干渉もよく無いか。」

 

 

「少なくとも、向こうが話してくれたら話は別・・・あ。」

 

 

そうして、二人が外に出ると・・・二乃が座っていた。

 

 

「あ。」

 

 

そう言って声を上げると、走って自動ドアまで向かう次女だったが・・・無情にも扉は閉まってしまったのだった。

 

 

「チッ!使えないわね・・・。」

 

 

「えぇ・・・。」

 

 

「んー、これは・・・。(keyを持たずに出ちゃったのかー。それで、五月達に開けて貰うのもバツが悪いと・・・。出来れば一緒に居てあげたいけど・・・。)」

 

 

そんなとき、風太郎がリリーに耳打ちをする。

 

 

(リリー、ここは俺に任せろ。お前は家に帰れ。もう夜も遅いし危ねぇから・・・。)

 

 

(うん・・・。あ、その前に・・・。)

 

 

そう言ってトコトコと二乃の前までリリーが移動し・・・。

 

 

「な、何よリリー君・・・。え?」

 

 

自らが羽織っていた薄いコートを、二乃の膝に掛けたのだ。

 

 

「昼間は温かいけど、夜は冷えるからね。それ、返さなくても良いし捨てても良いから。今日は、味方してあげられなくてごめんね・・・それじゃあフー兄も、また明日ね。」

 

 

「おう。」

 

 

そう言って、リリーは自らの家に向かって帰路についたのだった・・・。




因みに二乃のリリーに対する感情は、風太郎同様に家族のプライベートスぺースに入って無い気持ちはあるが、年下相手かつ一回悲しませた経験もあり、強く言えない感じです。
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