結果として、皆様の意見を無視する形となってしまったことをお詫び申し上げます。アンケートにご協力して下さった皆様、そして、本作を読んでくださっている皆様、本当に申し訳ございませんでした。
今後とも、仮面ライダーモース及び私、小淵良樹を応援していただけたら幸いです。
また、このような長い作品を書くのは今までの人生で初めての経験ですので、一部文章が雑であったり、前後で話が矛盾していたりなど、到底読めるような作品になっていないかもしれません。
それでも全然読んであげるよ!!!という聖人君子の皆様、本当に、ありがとうございます。
──誕生日おめでとう、
──お前ももう、6歳かぁ!時が経つのは早いなぁ……
──あなた。今日の主役は時晴なんだから。そんな黄昏れてるような暇はないわよ?
──そうだな。改めておめでとう、時晴。
目の前に広がるのは、パスタ、唐揚げ、ハンバーグ……和食も洋食も入り混じり、僕の好物がずらりと並んでいる。
「これぜんぶ、たべていいの!?」
困ったように笑うお父さんとお母さん。棚から取り出した皿に次々と料理をよそっていき、「ちゃんと噛んで食べなさいよ」と言いながら渡してくれる。
──あぁ、そうだ!お前にプレゼントがあった。ちょっと待ってろよ……
お父さんが部屋からプレゼントを取ってくるのを、ワクワクしながら待つ。しばらくして持ってきたのは、紙に包まれた1つの箱。
──ほら、開けてみろ
紙を丁寧に開けると、そこには、ずっと前から欲しいと思っていた物が……
「『かめんライダー』のへんしんベルト!!」
僕の反応に、満足そうに笑うお父さんと「いつ買ったのよ」と呆れながらも微笑むお母さん。
僕は精一杯、自分の気持ちを伝える。
「ありがとう!!おとうさんもおかあさんも、だいす縺搾シ?シ√?
縺翫″縺ェ縺輔>
「ちょっと~!!!時晴!!」
頭に響く鈍い痛み。
「痛っっテェェェェェェェ!!!!何すんだこのクソボケ……あっ」
起き上がり声を荒げる。目の前で俺を睨んでいるのは、
「えっ?ご馳走は?プレゼントは?」
周りを良く見れば、ここは俺の家ではなく、学校の教室だ。あっ、分かった……
「アレ夢だ!!!!!!!!!」
思わず席から飛び上がり机を叩く。
周りからの視線が冷たい。真夏の暑さを綺麗さっぱり忘れてしまうほどには……。
「……時晴君?」
その中でも一際冷やかな視線と声が響く。
「職員室、来ようか?」
……終わった。
「──と、言うことで真剣に学業に取り組んでくださいね!分かりましたか!」
「はい……」
さっきの授業から実に80分もの間職員室で説教漬け……
空腹と眠気で頭がおかしくなるかと思った。
「は~~……ただ授業中に寝ただけなのに80分はおかしいだろ……」
ため息混じりにボヤく。
他の教師ならまだ適当に相槌を打っとけばいいのだが、
……結果、授業時間どころか昼休みの中盤まで説教を聞き続けることになったわけだが。
まあでも、助かったような気もするか。
正直言ってこの学校、腐ったやつだらけだからなぁ……それでも、醜人なんかと比べたら全然マシだろうけど。
「浮かない顔すんなよ~!」
「痛っタァ!」
後ろからの突然の殴りに体制を崩し思い切り廊下に頭を打ち付ける。
「あだだだだだだ……いきなり殴る事は無いだろ!」
今日こんなことばっかりじゃないか?俺。
「あっはは!!まさかあそこまで綺麗に決まるとは……ごめんごめん」
今俺の前でムカつく笑顔を浮かべながら舐めた謝罪をしているコイツは
「変わんねぇな、お前も……2週間前はあんなに可愛かったのあだだだだだだだごめんなさい謝るから関節決めるのだけはやめてぇ!!!!!!」
2週間前、俺は莉奈と付き合い始めた。
告白したのは勿論俺……ではなく莉奈。普段はまあ、こんな感じなのに唐突に乙女モード全開になるもんだからあの時は本当に驚いた。今も時々乙女モードになることがあるが、それがまた、可愛くて可愛くて……なんて、誰に語っているわけでもない惚気はここら辺でやめておこう。
今はまず、この腕挫十字固──因みに名前は昨日知った──から抜け出さなければ。
──よくよく考えたら俺の手、今、莉奈の制服のスカートの中、入って……
莉奈と目が合う。途端に顔を真っ赤にする莉奈。やっぱり、俺の彼女、可愛いな……なんて思いつつ、俺は顔面めがけて勢いよく振り下ろされる足をぼんやりと見つめた。
「──で、りーちゃんは今ご立腹なわけね」
「……時晴が悪い」
「前が見えねェ」
所変わって、ここは我が同好会もどき、手芸同好会が借りている教室。どうやら気を失った俺は莉奈に運ばれてきたらしい。それは今俺達の目の前にいる女子──
同好会の会員は3人。俺、莉奈、光咲だけだ。殆ど仲良しグループで集まっただけで、活動内容も雑談がメインだ。
……というか、手芸同好会で手芸をしたことは今の今まで一度もない。何を言っているのかわからないと思うが、安心してほしい。
大丈夫だ。俺にもわからない。
そもそも、同好会自体も愛美ねぇが頑張ってくれたから設立できただけであって、実際問題周りからは全く認められていない。生徒総会の時に手芸同好会だけ予算の話が出なくて、もはや乾いた笑いしか出なかったのはいい思い出だ。まあ、それが一般常識なのかもしれないが……。
「学校でまでイチャイチャしないでほしいわね……」
光咲はうんざりしたように言う。……そんなにイチャイチャしてただろうか。そもそもまだハグすらしたことないふと気になって聞いてみると、それはもう深い溜息をつかれ、ジト目で見つめられる。
「あんたって本当に、いや……もういいわ……」
……なんだよ。何か変なこと言ったかよ。
不満に思いながらも、敢えて口には出さない。口に出したら、光咲が限界を迎えて倒れる気がする。
「それはそうと……飯食うか」
取り敢えず別の話題を持ち出そうとするが、時計を見ればもう1時を回っており、授業開始まで10分程しかない。
……あれ、俺今日学食じゃなかったっけ。
「──今日飯持ってきてねぇ!!!」
急いで立ち上がって食堂へ走ろうとする俺の裾をちょこんと摘む莉奈。
いやすっごい可愛いんだけど、今そんなことしてる場合じゃない……そう言おうとして、違和感を感じる。
莉奈が持っている弁当は2つ。光咲は元々食べ始めていて、この教室にいて弁当を持っていないのは俺だけだから……。
「その、作りすぎたから……食べて、いいぞ」
俺は喜んで食べた。
とても美味しかった。
授業には遅れた。
「オレの授業に遅れるとは……ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
そう言いながらなんかよくわからないポーズを取る女性は
……いや、確かに遅れたのは悪かったんだけどね、だとしてそんな迫真のポーズされても困るんですよ。
今頃光咲は「仏の秋山」とまで言われる教師、
俺の現国教師も秋山だったらよかった。今更ながら溜息をつくと、狂人はギロリとこちらを睨んでくる。
「……すいませんでした」
「……でした」
今は素直に謝っといたほうがよさそうだ……そう、直感的に感じた。なんか、ここで謝らなかったら物理的に首が飛ぶ気がする。というかこの教師ならやりかねない。
……それにしても莉奈さん、謝り方適当すぎでは?
こんなことだと説教はいつまで立っても終わらな「いいだろう」いだろうに……。
あれ、今説教終わった?
「オレが一番好きなことは1つ──年頃のカップルを応援することだからな」
この国に法律があってよかったと心から思った。
なんとか俺は理性で暗間をブン殴りそうになるのを抑え、自分の席につく。
……よくよく考えたら俺って秋山でもブチギレるレベルには不良なのでは?
俺は泣いた。
「……あ゛ぁ゛〜ち゛か゛れ゛た゛ぁ゛ぁ^〜」
「あんた何歳よ……」
下校後、3人で歩く帰路。真ん中には莉奈が歩き、それぞれ左右に俺と光咲が並ぶ。殆ど車が通ることはないため、横に並んでも危なくないのがこの道の好きなところだ。
そんな中で、やっと1日の学校生活が終わったことに思わず溜息をつく俺に呆れる光咲と、困ったように笑う莉奈。
いつもと変わらない、平和な景色がそこには広がっていた。
「じゃあ、また明日」
「うん。じゃあね、みっちゃん」
別れを惜しむ光咲と莉奈。
光咲の家は俺達の家とは少し離れており、別の路地から入らないといけないため、毎回今いる小さなT字路で分かれることになる。
今までは少し寂しそうに歩いていた莉奈だが、最近は寧ろ俺と2人きりになるのを楽しみにしているように見える……なんて思うのは、ただの思い違いだろうか?
「……ん」
ん……って言われましても。上目遣いで──というか身長差的に絶対見上げる形にはなるのだが──見つめてくる莉奈だが、何がしたいのか俺にはさっぱりわからなかった。
……のは3日前までで終わりだ。というか半強制的にわからされた。
こういう時は、手を繋いでやればいいのだ。
「わかればよろしい」
こうすると、莉奈は途端に上機嫌になる。割と本気で悪い男に騙されるんじゃないかと不安になるほどにはチョロい。
「なんか失礼だな……」
どうやら、色々と考えていたことが地味にバレていたらしい。俺はよくクラスの奴等から顔に感情が出ないねー、なんて言われるんだが。
安心してほしい。表情が変わらないんじゃなくて、お前等の話がつまらないんだ。
「……それはそうとさ」
莉奈はどこか少し言いづらそうに新しく話題を振ってくる。一体どうしたっていうんだい。僕が何でも受け入れてあげよう……まるで天使のような笑顔で続きを促すと、「やっぱいいや」とそっぽを向いてしまう。
「いや、そんな泣きそうな顔すんなよ……冗談だって……」
呆れながらも話を進める……かと思いきや莉奈は、鞄の中から小さい紙切れを2枚取り出す。
「これ、遊園地のチケットなんだけど」
有効期限は後3週間。確か1年くらい前にできて、色々と映画の撮影に使われたりもしている所だった筈だ。
──いや、待て。もしかしたらこれって、そのデー……
「日曜日、予定空いてるか?」
俺の今日の予定と4日後の予定が同時に決まった。
「あぁ、勿論」
素直に了承すると、小声で「あれ、これってもしかしてデート……?」などと呟いてから顔を真っ赤に染める莉奈。
気付いてなかったんかい。
そう突っ込みたくなる気持ちを抑え、一緒に早足で家へと向かう。
帰ったらすぐに、服を買いに行かなくては。
今俺が家で着てるのなんて、ジャージか、それか「威風堂々」だの「親しみやすさ」だの書いてるTシャツしかない。あんな服を外で着て、ましてやそれで人と会うなんてよっぽど気が狂ってなきゃできっこない。
そのためにも、俺は「あわ……わわ……」など変な声を上げながらショートする莉奈を丁寧に、かつスピーディーに運びながら帰った。
【特別編】仮面ライダーモース コネクテッド・スパイラル
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