どうして戦闘シーンってこんなに雑になるんだろうね
陽の光の届かない地下室の中。重苦しい雰囲気を纏った光咲は、右の手で静かに時晴の髪の毛を撫でる。
「──時晴」
不意に漏れたその声が彼の名を呼ぶものだと気づいた瞬間、光咲は両手で自分の口を覆い隠した。いくら相手が寝ているとはいえ、用事があるわけでもないのに人の名前を呼ぶのは憚られる。それにこれではまるで、自分が時晴のことを考え続けているみたいではないか
光咲は深い溜息を零す。
碌な覚悟もなく、自ら地獄への道に足を踏み入れた少年。そして、罪を犯し、人間を裏切り、それでも光咲を守ることが自分の望みだと言い切った少年。
彼が寝込んでいる傍らで、自分はヒロイン気取りか──光咲は再び深い溜め息を零した。
2人共、似た者同士と言ったところか。時晴はこんな自分が光咲の側にいて良いのかと思い悩み、光咲もまた、こんな自分が時晴の側にいて良いのかと思い悩む。そして互いに、相手の悩みには気付いていない。
「……何やってんだろ、私」
明日を生きていけるかどうかもわからない状況に置かれて尚、考えるのは
「時晴はさ」
光咲が次に右手を伸ばしたのは、時晴の枕元に置いた腕時計。
「──どれだけ私が腐っていても、本当に守ってくれるの?」
右手に力を込めて、時晴の寝顔を見つめ、そして、静かに時計を制服のポケットへ押し込む。
気を紛らわせるためか、それとも何か悩み事が消えたのか。制服以外も用意しなきゃ、と呟きながら、光咲は部屋の奥へと消えていった。
時晴が目覚めたのは、光咲が部屋の奥から戻ってきてから丁度1時間後のことだった。
最初に視界に入ったのは、ベッドの傍らで静かに本を読む光咲の姿。
「──あ、起きたのね。調子はどう?」
「なんか……よく寝た、気分だ」
「確かに、もう30時間は寝てたわよ」
30時間。自分の想像を遥かに超えて熟睡していたことに、時晴は思わず飛び起きる。
「別に大した問題もなかったし、別に焦らなくても大丈夫よ」
それとは対照的に落ち着きを保っている光咲。それでも、と反論しようとした時晴は、光咲の手元を見て固まる。
「──どうしたの? 何か変なところでもある?」
「別にないよ」
正に神速。時晴は大嘘を吐いた。寧ろ変なところしかない。
彼女の手に握られているのは、なんというか、そういう感じの漫画。しかも何故か文庫。そして更に、彼女はそれは逆さにして読んでいる。
怖い人だ。時晴は本能的な恐怖を覚えた。
「読むか──────?」
「読むか──────!」
全力で返答する。
光咲はわずかに眉を寄せて、さっくりと本を片付けてしまった。
俺はこんな奴について悩んでいたのか
頭を抱える時晴。いくら自業自得とはいえども、やはりなんというか、少し心に来るものがある。
それを見た光咲は、一体何を勘違いしたのか。
「──────読むのか?」
「──────読まない」
「いい? 何かあったら連絡するから、絶対に途中で寝ないでよ?」
「伊達に何十時間も寝てないからな、そこら辺は大丈夫だ」
エ□漫画事変から数十分後。
「じゃあ、行ってくるから……あ、そういえば」
ポケットを
「──それ」
「えぇ、病院の跡地で落ちていたのを拾ったの。確か、時晴のじゃなかったっけ」
思わず時晴は時計を奪い取る。
「この時計、マジで大事なやつで……本当にありがとう、光咲!」
自分の想像以上のリアクションに一瞬たじろいだ光咲だったが、すぐに笑みを浮かべ、「どういたしまして」と返す。
「それじゃ、今度こそ……行ってきます」
その言葉とともに、基地の扉は閉じられた。後に残ったのは、ただ只管に続く静寂のみ。心做しか軽い足取りで、時晴は部屋の奥へと消えていく。
そして扉を一枚挟んだ先で、光咲は口元を歪めて嗤っていた。
──この時計、マジで大事なやつで……
「知ってるよ、そんなこと」
その足取りは、社交ダンスを踊る乙女か、それとも人を真似ようとする怪物か。
「だから、
まともに話して3日の男にここまで惚れ込むなんて、我ながら、安い女だ──本日何度目かの溜息。しかしその足を、その笑みを絶やそうとはしない。
「──これで、ちょっとは上書きできるかな?」
少なくとも、まだ
誰にともなく放たれたその呟きは、やはり世界を包み込む静寂の中に呑み込まれていった。
「──とは言ったものの」
暇だ。
時晴は再びベッドの上で大の字になり、深い溜息を吐く。
如何せん何もやることがない。とは言えど、寝るわけにはいかない。と言うか流石にもう寝れない。
では一体、何をするか。
年頃の男が一人でやることといえば、たった一つ。
「……どんな風にするか」
決め台詞の考案である。
先の戦いで使った「俺はお前等の敵……」だのなんだのではあまりにセンスを感じない。それに、そもそも命のかかった戦場でそんな事を言っている暇はあるのかだとか、お前は戦いを舐めているのかだとか、時晴自身思うところはある。
──だとしても。
うるせぇ、決め台詞は男の
それが、水上時晴という男であった。
俺もつくづく成長してないなと、時晴は頭をかく。
──何がロマンじゃ、バカ孫が
あ、ばっちゃんの声。いやぁ、やっぱばっちゃんにも怒られるか──。
「まあばっちゃんになんて会ったことないけどな!!!!!!!」
……空虚。
ただ只管に空虚。
ちょっと泣いてやろっかな、なんて考え始めた自分を否定するかのように、時晴はブンブンと頭を振る。
これじゃまるで、俺が中二病極めてる痛い奴みたいじゃねぇか
大正解である。
「──兎に角ッ!!」
今は取り敢えず、決め台詞を考えようぜ?
なんとなくドライバーの中にいる者の意思を感じながら、時晴は頭を悩ませ続けるのだった。
「──やっぱり、こうなるわよね」
3体程の怪物──醜人に囲まれ、光咲は思わず苦笑する。
事のあらましはこうだ。
もとより、光咲はこのような事態を想定していた。というのも、ここは所謂スラム街のような場所で、毎日の食料すらも満足に得られない醜人達が集まる場所だからだ。
「流石に人間より前に襲ってくるとは思わなかったけど──ッ」
光咲と時晴は人間から狙われている身。噂というのは──その内容が悪ければ悪いほど早く伝わっていくものであり、それは醜人においても変わらない。恐らく彼等も、光咲達の立ち位置はわかっているだろう。
光咲達に手を出せば、次に殺されるのは自分かもしれない、ということも。
武装した人間にとって、醜人がたった1人増えたところで任務の危険度は全く変わらない。そして彼等が敵対していようがいなかろうが、殺す対象でしかないことにもまた、変わりはない。
「──た、け」
「ころ、お」
「おま、にげ」
しかし、この3人の様子は、どこかおかしかった。
「ただの種族なし……ってわけでも、なさそうね」
醜人には、大きく分けて2つの種類がある。
しかしこの3人は、言語能力が低下した中でも、何かを伝えようとしている。このケースは非常に稀で、「奇跡」を起こせる程の想いが溢れている……という陳腐なパターンか、何かに操られていて醜人化が完全ではないパターンしか確認されていない。
「……成る程。時晴に言いつけておいて、正解だったかしら」
光咲はポケットの中に隠したスマホを操作する。
こんな時のために、事前に入力しておいてよかった
スマホを起動し、送信ボタンを押すだけならば特には不審に思われないだろう──という思惑通り、誰1人として時晴を呼んだことに気付く様子はない。
「──それじゃあ……始めましょうか?」
光咲の声が静寂の中へと溶けていく。そして同時に、3体の──否、4体の醜人が衝突した。
「『襲われた。来て』って……」
あまりに淡白な通知。呆れたようにため息を吐きながら、時晴はドライバーへと手を伸ばす。
しかし、その呆れは光咲へのものではない。何人もの犠牲者を出して尚光咲に手を出し続ける自分の同族へのものだった。
「──華蓮さん。力、貸してください」
果たして華蓮は願いを叶えたのか、時晴がドライバーを装着した瞬間、光咲の現在地が手に取るように脳内に浮かび上がってくる。
『Confirmation……』
時晴はリモコンにメモリをセットすると共に、重苦しい扉を開け放った。数十時間ぶりの日光に顔をしかめながらも、時晴は光咲から貰ったキーのスイッチを押す。
日光にも負けない光が発生し、モース専用のバイク──モースバイラーがその姿を現した。時晴はそれに跨がり、一切の躊躇もなくその機体を走らせる。
『……Fire Petal』
全身を通り抜ける風。そしてその冷たさとは裏腹に、段々と熱くなっていく心。時晴は叫ぶ。
「──変身ッ! 」
向かう先はただ一点。絶対に守り抜くと誓った少女の元へ。
全身を眩い光りに包まれながら、時晴──モースはバイラーを加速させた。
相手からの攻撃を避けて、自分の鎌を叩き込む。
普段ならばなんの問題もないその動きも、相手が操られているとなればまた違う。相手の動きが緩慢だからこそ、どう攻めればよいのか迷いが生まれる。
しかし、数でも動きでも不利なのにもかかわらず、いつまでも焦りを見せない光咲。対照的に、3体の醜人──もといそれを操る人間の動きに苛立ちが見え始める。
「そろそろ……かしらね」
そもそも、光咲は最初から醜人を殺すつもりなどなかった。ただ
そして今。
光咲の待つ
「──来た」
光咲の呟きとともに、突如醜人達の立つ地面が爆ぜる。
吹き飛ばされる醜人、どこからか聞こえる驚愕の声。
『Connect in "MORCE"』
──そして、鳴り響く希望の唄。
「……モース!? 隠れていたのか!?」
家の中から武装した男が叫ぶ。同時に、爆風から躍り出るモース。モースはその勢いのまま醜人の内1体に突撃し、前輪を軸としてバイラーを大きく回転させる。
後輪に弾き飛ばされ、大きく吹き飛ばされる醜人。それだけならまだ、彼にも生き残る術はあったのかもしれない。しかし不運にも、彼の吹き飛んだ先には鎌を振りかぶる光咲がいた。
「──────ッ」
言葉にならない絶叫を上げ、体を真っ二つに引き裂かれた醜人の中からは2枚のメモリが飛び出す。
「こっちはこの人のだとして……もう1枚は……?」
光咲は怪訝そうにメモリを見つめる。人間が醜人を制御する方法となれば。
「──時晴! メモリを集めて!」
今はそんなことを考えている場合じゃない。それより、他の2体にもメモリが2枚ずつあるのなら。
光咲は静かにほくそ笑み、数十メートル離れた廃ビルへと飛び込んでいく。
これが使える、ってことよね
変身を解いた光咲が手に取ったのは、1つのメカニカルな拳銃。全体的に淡い青色をしたそれには6つのホルダーがあり、それぞれ1枚ずつメモリがセットできるようになっている。
MLK-2024参式──正確な名前も決められていないその銃は、静かにその銃口を光らせた。
「メモリを集める……っつったってぇッ!!」
悪態を吐きながらもモースはもう1体の醜人を弾き飛ばす。よろめき、尻餅をつく醜人。彼はなんとか起き上がろうとするが、バイラーに伸し掛かられてしまった。
一瞬の間も開けず、バイラーの前輪を逆回転させるモース。醜人の体から火花が飛び散り、やがてそれは血飛沫へと変わっていく。
「──────ッ!?」
「でりゃぁぁぁぁッ!!!」
血飛沫とともに吹き飛ばされる2つの金属片。とどめと言わんばかりにモースがバイラーを急加速させると、醜人の体は完全に崩れて原型をなくす。
果たして、モースがその手に掴んだのは2枚のメモリ。
「メモリって……これのことか!?」
メモリを見つめるモースの背中を最後の醜人が狙う。しかしその直後、彼の視界は突如闇に染まってしまった。
モースが彼の顔面に回し蹴りを叩き込んだのだ。
視界を奪われもがく醜人の頭上にモースの影が迫る。
醜人の頭にゆっくりと足を乗せるモース。彼がリモコンを再び押し込むと同時に、醜人の運命が告げられた。
『──MORCE,Final Attack!! 』
後に残ったのは、返り血を浴びて真っ赤になったモースと、元々醜人だった筈のナニカ。
そして、それに忍び寄る数十人の男。その中には小さい子供も混ざっており、その両手は縄に繋がれている。
「──それで人質のつもりか?」
思いの外冷たい声に男──治安維持隊の隊員達は身震いするも、両手に抱えたマシンガンの先はモースから逸らさない。
「コイツは……醜人のガキだ」
「……そうか」
「お前がここで変身を解除すれば、コイツは逃がしてやる。それが無理なら……」
そう言いながら隊長格の男が取り出したのは、1枚のメモリ。何をするか理解できていないのか、モースは態度を変えようとしない。
「……相談には応じない、と。後悔するなよ?」
「助け──」
助けて。
そう叫ぼうとした少年の首筋に、男はメモリを押し付ける。その瞬間、メモリは少年の体内へと埋まっていき、眩い光を放ち始める。
「──────」
悲鳴か、咆哮か。この世のものとは思えない絶叫を上げた少年は破裂し、その中から巨大な怪物が姿を表した。
その胴体は硬い鎧に覆われ、全身のあちこちから歪な足が飛び出している。
醜人がメモリによって暴走した姿──醜傀獣。恐らく、この少年は
「──やれ! コイツを殺せ!」
醜傀獣にモースの殺害を命令する隊長格の男。既に醜傀獣には制御装置が取り付けられている。
暴走もせず、人間の命令を聞くだけの兵器と化した彼は、モースへとその剛腕を振るった。
「あっぶな……ッ!?」
まともに喰らえば致命傷は必至。剛腕を回避し続け、少しずつ距離を伸ばしていくモース。しかし醜傀獣が突如加速し、限界までモースとの距離を詰める。
モースへと再び剛腕が振るわれたその時、突如体勢を崩した醜傀獣。同時に、その腕は地面を抉り、モースの眼の前で止まる。
「──時晴! これを!」
醜傀獣に体勢を崩させたのは、廃ビルから戦場を覗いていた光咲。彼女が銃を使い、醜傀獣の足を撃ち抜いたのだ。
光咲が投げたメモリと銃は、綺麗な弧を描いてモースの手に収まった。
「銃……なのか?」
「メモリを6枚セットして、アイツを撃って!!」
「おい、コイツは醜人だぞ!? お前は醜人を殺すのか!?」
メモリをセットし始めるモースを静止するのは、他ならぬ隊長格の男。モースが叫ぶ男の足元を撃てば、彼は腰を抜かして失禁してしまう。
「どいつもこいつも、馬鹿しかいないのか?」
1枚。
「前とやってることが何も変わってないじゃねぇか」
2枚。
「そんなんでどうやって倒そうとしたのか……考えた奴に会ってみたいもんだ」
3枚。
「……それと1つ、お前は間違ってることがある」
4枚。
「俺は別に、醜人を守ろうだなんて思ってない」
5枚。
「だから、今のはただ、メモリを無駄遣いしただけ……惨めなもんだな」
6枚。
『Stand by』
「──総員、コイツを撃ち殺せぇぇぇぇ!!!」
煽られたことへの怒りか、それとも本能的な恐怖か。男が部下に命令すると、全員がモースに向けて弾丸を撒き散らす。
時晴の持つ銃の先に突如現れた、6つの青白いエネルギー体。メモリと同じような形をしたそれは銃口を囲い、集中線のような配置へと移動、回転する。
「醜人を守りたいからではないと……では何故お前はあの少女を守る!?」
銃弾の雨の中、隊長格の男が叫んだその問いは、確かにモースの耳にも入っていた。銃弾を鎧が反射し、エネルギー体が溶かす。戦場に慣れていなければとっくに鼓膜が破れているであろう程の轟音を響かせながら、仮面の下の時晴は静かに口を開いた。
「なんでか、って──」
『Burst』
瞬間、エネルギー体が収束。眩い光に染まった銃口は、醜傀獣と治安維持隊を向いている。
「──守りたいから、守るんだ」
その言葉とともに、モースは引き金を引いた。
青白い光線──荷電粒子砲が空間を引き裂き、治安維持隊を溶かし、醜傀獣を貫く。
周囲を覆い尽くす巨大な火柱。爆発が爆発を引き起こし、辛うじてまだ息をしていた醜傀獣を焼き尽くしていく。
果たしてそれが明けた先に立っているのは、傷一つないモースだけだった。
「爆発、大丈夫だった?」
変身を解いた時晴に光咲は近付く。言葉の上でこそ心配しているが、その声音には「彼なら大丈夫だろう」という強い信頼があった。
「お前、こんなのどっから拾ってきたんだ……?」
「拾ってきたって……貰ったのよ、知り合いから」
お前の知り合い、何者なんだよ……時晴は本日何度目かの溜息を吐き、しまっていなかったモースバイラーを優しく撫でる。
「お前も大丈夫だったか?」
バイクや車に愛着を抱くのは、人の性なのだろうか。生物ではないとわかっていても尚、事あるごとに話しかけてしまう──それはきっと、時晴だけではない筈だ。
「それじゃ行くから……後ろ乗れ」
バイラーに跨った時晴の言葉に従い、光咲は時晴の後ろに跨る。
「荷物ちゃんと入れたか?」
「うん、大丈夫。じゃ、行きましょっか」
時晴がバイラーを動かせば、落ちないように──という建前で時晴に抱きつく光咲。
爽やかな風が、2人の髪を靡かせる。
そうして、2人は向かっていく。
2人だけの基地に──2人の、帰る場所に。
「──これは」
ドライバーの中で全てを見ていた華蓮。眼の前で娘が他所の子供に抱きついているという状況だが、彼女の意識は全く違う所に向いていた。
いくらなんでも……適合が早すぎる
コネクトドライバーには、使用者の精神状態の悪化を防ぐ機能が備わっている。それは度重なる戦闘でのメンタルケアやPTSDなどの防止などの為の機能だが、悪く言えば、人の精神を改竄することができる機能……となる。
しかし、人の精神を操るのは簡単ではない。よって、ドライバーの使用開始から1ヶ月程は使用者の精神は不安定になってしまう。その間に調整を終わらせ、漸く使用者の精神状態と適合するのだ。
しかし、時晴にはその1ヶ月がない。つまり、調整期間が0に等しいということ。いくら華蓮が陰ながらサポート――実は時晴が唐突に決め台詞狂いになったのは華蓮の仕業である――したとは言えど、その短期間で精神が安定する、ということはない筈だ。
それに、花守愛美──彼の育ての親の事もあったのに
にも関わらず、彼はまるで
「──これは、まずいかもしれませんね……」
華蓮の憂いを帯びた呟きもまた、純白の世界へと静かに呑み込まれていった。