世界には主役と脇役の役回りが決められている。
当然私は主役側だろう。
この容姿を持ち、これを活かす立ち回りが出来るから。
カッツォ君もそうだろう。プロゲーマーになるべくして備わった反射神経とそれ以上の勝利に対する執念と負けん気。
こんな感じで一つでも足りなかったら大舞台に立つチャンスや資格は手に入らないと私は考えている。
これは一朝一夕で手に入れられる物ではない。
けど君は主役になれるポテンシャルを持っているのにこちら側に立とうとしなかった。
私たちの勝手な考えで無理やりご尊顔を世間に出させたのはいつか私が彼と付き合う際に邪推されないようにするためである。
彼とは付き合いはじめてからあの生特番をすれば良かった。
しかしまぁ、初めての恋から生じる盲目だったのだ。
もうやってしまった事である。
私が好きな「刹那的な生き方」が出来ているとも考えることが出来る。
だから彼からデートのお誘いが来た時は本当に嬉しかったのだ。
嫌われてしまったのではないかと。
私にとっては通常ありえない「後悔」という負の気持ちが生まれてしまうぐらいには。
だから今日このタイミングしかないとそう思った。
どんな形であっても自分の気持ちを彼に伝えようと。
「いやー!私も恥ずかしいったらないけど君もそんな顔をしてくれるならお姉さん頑張った甲斐があるねぇ…」
「うるさい…」
耳を真っ赤に俯きながらフードコートから出ていく彼を見る。
「そのなんだ。何考えてるんだ天音」
「永遠がいいって何回言えばいいのー?私もそろそろ言いたくないよ楽君」
「…」
さらに耳が真っ赤になりどんどん早歩きになる彼を大爆笑しながら追いかける。あの彼が何も言えないほどに恥ずかしがっている。
ともあれ思い描いた告白では無かったけれど、私たちにはこんな感じがちょうど良いのかもしれない。
そんなことを考えていたら彼が急停止する。
「どうしたの楽君?」
「なぁ。と、永遠は欲しいのとか無いのか?」
「エッ」
素っ頓狂な声が出る。
さっきまでありえない服選びをしていた彼がそんな事言うわけないと思って油断してしまっていた。
「ちょっと待ってろ」
そう言って彼は向こうの走っていった。
いきなり何をしにいったのか追いかけようかと思ったが辞めておいた。彼がわざわざ待ってろなんて言ったのだ。なにかプレゼントしてくれるのだろう。とても嬉しい。だけど…
「センスがねぇ…」
呟く私の自分の顔に笑みが生まれていることに気づいたのは帰ってきた彼に言われてからだった。