さて、本格的にスカリエッティの捜査に乗り出した自分達だが、奴の居場所は現在の所不明。よって潜伏場所の割り出しなど情報の収集解析から始めなくてはいけない。
機動六課はまだ稼働を始めていないが、自分達は協力するのみだ。歩幅を合わせる必要もない。
「そろそろ時間だな。仕事は中断だ」
「うん、そうだね。シン、お茶にする?」
「ああ、そうだな……コーヒーを頼む」
「うん、分かった。シャーリーはお菓子の用意をお願い」
「はい、分かりました」
フェイトが簡易台所でコーヒーの用意をする。
その間に現在のところ判明しているスカリエッティの情報を少し纏め直してみる。
・生命操作技術を研究する技術者。特に人造生命や生体技術だが、と機械との融合などを専門とする。副次的に機械工学にも秀でている。
・数多の罪状で広域指名手配されている次元犯罪者だが、一度の逮捕歴もない。
・フェイトが生み出されたプロジェクトFの骨子を作った。
・ガジェットドローンを多数保有しており、製造する技術を持つ。
・戦闘機人という戦力を保有しており、上位の戦闘型ならAAAランク魔導師に匹敵する者も居る。ガジェットによるAMFや火力支援などがあり、搦め手も用いればSランクオーバーの魔導師すら撃破しかねない可能性もある。
・状況の詳細は不明だが、かつてストライカー級魔導師が隊長を務める首都防衛隊の部隊が踏み込み、壊滅させられたのがスカリエッティのアジトの一つだとされる。上記の考察はこれを元にしている。
・資金源は多数有るだろうが、その中でも最大のクライアントが管理局上層部の何れかだと思われる。
・ミッド地上のレジアス中将と繋がっている可能性が高い。
・現在はロストロギアレリックを主に収集している。用途は不明。
・予言にある古い結晶はレリック、無限の欲望はスカリエッティだと思われる。
とりあえずはおおよそこんなモノか。
戦闘機人はかつて管理局が安定的な戦力確保の為に研究開発していた。表向きは人道的観点から禁止にされた技術だが、完成間近まで至っていた。これは上層部の駒にされていた時に掴んだ情報だ。
その研究をスカリエッティが受け継ぎ、完成させたと見られる。
さて、スカリエッティの保有する戦力の中で、ガジェットドローンに関しては問題はない。これは各地に無作為に放たれてレリックを捜索するが、他のロストロギアにも誤反応をする事があり、特に近年目撃例は増加している。かく言う自分達も遭遇戦になった事は何度かあり、その戦力の程も対策も把握している。管理局としてもガジェットドローンの性能情報をある程度掴んでおり、イミテーションの作成も出来る程だ。
ただしその対策はある程度以上の魔力量を持つ魔導師の魔力に物をいわせたゴリ押しか、ある程度以上の技量を持つ魔導師による多重核弾や近接攻撃、質量変換攻撃といった高度な技術を要するものなど、かなり杜撰である。大多数を占める低位の魔導師の効果的な対処法は確立されていない。よって特に低ランク魔導師の多い地上部隊が多数のガジェットドローンに襲われた場合、太刀打ち出来ずに蹂躙される可能性すらある。AMFは通常の犯罪者とは違い、低ランク魔導師が集団戦のコンビネーションでどうこうして補うのが難しいのだ。
まぁそれは自分が考える事では無いし、自分とフェイトなら十分対処出来るので、他の連中とかどうでも良い。自分達が無事ならなる様になる。
「フェイトも物好きだよな。自分から茶汲みをやりたがるとは」
この程度の情報は既に整理し終えているので、今回は復習の意味合いが強い。直ぐに終えて手持ち無沙汰になったので、コーヒーを淹れて来たフェイトと雑談でもしている事にする。
「別にお茶汲みが好きなわけじゃないよ。でもシンのお世話は私の役目だから。こればかりは他の誰にも譲れない。だからシンのお茶は当然私が用意するんだ」
チラリとシャーリーを見ると、何とも言えない顔をしている。どうせ、また始まったとでも思っているのだろうが。
「確かにフェイトが淹れると美味しいけどな」
「ふふ、ありがと。でも当然だよ。私以上にシンの事を知ってる人なんていないんだから」
「そうか、当然か。しかしまるで茶汲みが崇高な神事みたいな物良いだな」
「まるでじゃないよ。神事なんかよりシンのお世話の方がずっと大事で貴重なんだから。わたしは神なんて信じてないけど、シンは何よりも信仰してるよ」
「信仰と来たか。いつにも増して強烈だ」
「そうかな? わたしは当然の事を言っただけだけど。わたしが本当の意味で信じられるのはシンだけだから。これは次元世界は広いっていうのと同じくらいの常識だと思うな」
「それはまた、随分と抽象的な常識で」
「抽象的だからこそ、際限が無いでしょ?」
「そうだな。お前の愛が重い事はよく分かった」
「うん、愛情のストッパーが壊れちゃってるみたい。好きで好きでどうにかなりそうだ。でもシンはそんな重い女が好きなんでしょ?」
「そうだな。今更お前ナシなんて考えられないよ。本当、麻薬みたいな女だ」
「そう、シンはわたしに中毒なんだ」
「そうだな。フェイトジャンキーだ」
「じゃあわたしはシンアディクトかな」
「アディクトの方がちょっと健全っぽいな」
「わたしとシンの間に健全な要素なんてあるのかな?」
「一応身体は健康だから、健全だろ」
「でも心は不健全の極みだよね。偏ってるし、欠陥だらけ。わたしもシンも、普通じゃないし。そもそも依存とか中毒とか、不健全なイメージの塊だよね」
「そうだな。でもそれに何の危機も感じないから、治そうとも思わないけど」
「治すなんてどうせ無理だよ。そもそもそのつもりが無いんだから。わたしは今以上の幸せなんて無いと思うし」
要するに二人とも現状に満足しているね、幸せだね、という確認。
こんなやり取りは結構よくある。フェイトが喜ぶのだ。
ふとシャーリーを見ると、苦み100%の顔でエスプレッソを飲んでいた。シャーリーは自分達の補佐官になってから、エスプレッソが好物になったらしい。
「美味いか、エスプレッソ」
「はい、とても美味しいです。なんだか苦みが中和されて。本当はもっと苦いのが良いんですけど」
「そうなんだ。コーヒーは抗酸化作用があるからね。それにストレスの軽減にもなるみたいだ」
「それはそれは、私にピッタリの飲み物です」
「なんだ、日頃ストレスを感じているような物良いだな」
「そんなまさか。素敵な職場ですよ。もう少し仕事がアレでしたら言う事ないんですけど」
「そうか、もっと仕事を増やして欲しいのか」
「なんでそうなるんですかぁ……」
「シャーリーは勤勉だね。それなら明日からはシャーリーに回す分をもう少し増やしておくね」
「フェイトさんっ!?」
「よかったな、シャーリー」
「……えぇ、そうですね……」
泣きながらコーヒーを飲んでいるシャーリー。
「泣くほど嬉しいか」
「すごいね、泣くほど仕事が好きなんて……」
フェイトの中ではシャーリーは、仕事の虫となっているらしい。
「……はぁ。コーヒー美味しいなぁ……」
シャーリーは遠い目でコーヒーの味と香りに浸っている。現実逃避とも言う。
「それにしてもシャーリー、コーヒーを飲むのはいいけど、ニキビが増えたんじゃない?」
「え!?」
一転、絶望的な顔だ。
「確かに、デコの辺りに出来てるな」
「そ、そんなぁ……後でお薬塗らなきゃ……」
「まぁ若いんだから仕方ないよ。かく言うわたしだって、シャーリーくらいの年齢の時はニキビくらい……できたこと……ないかな」
「ないんですか!? ……フェイトさんはなんでそんなに肌が綺麗なんですか? 何かの魔法ですか?」
「女の子が綺麗でいる一番の秘訣は恋をすることだよ」
「あー……そうですか……」
「まぁ魔法も使ってるんだけど」
「やっぱりですか!? え、ていうか、そんな便利で素敵でズルい魔法が本当にあるんですか!?」
「うん、治療魔法の応用でね。シンが教えてくれたんだ」
「割と簡単な魔法だぞ。医療系統の魔法を齧っているなら、誰にでも使える」
「他にも美肌魔法とか、ツヤ髪魔法とか……」
「なんて非魔道士女子に喧嘩を売ってるような魔法……じゃ、じゃあ私にも!」
「魔力無いだろ」
「……魔導師ってずるい……」
魔導師に美人が多いのは周知だ。魔力が身体に適合すると、若々しさが保たれるのは実証されているらしいが、おそらくこういった魔法の存在も一助になっているだろう。実際、美肌魔法とかは女性魔導師の必須技能らしいし。
「でも、魔法って便利な技能が多いよね」
「読書魔法とかな。車だって魔道技術で燃料いらずだ」
「本当、昔住んでた管理外世界の人が知ったら、凄い事になるよ……」
「実際、管理世界が一気に発達したのも、資源問題が解決したからだとも言われているな」
「クリーンなエネルギーってそもそもこの事ですもんね。今だと意味が広がって、非殺傷設定も含めてクリーンで比較的安全って言うみたいですけど」
「何が安全だか。比較的って入れてるあたりがズルいよな。非殺傷設定ほど危険な技能も少ない。相手がバリアジャケットを纏った魔導師ならいいが、そうで無いなら絶対に怪我をしないという訳でもないし」
「そうだね。でも一番危ないのは暴力への忌避が減る事だよね」
「ああ。魔法がクリーンだ安全だと押すばかりに子ども達が簡単に魔法を使うようになっている。魔法が人も簡単に殺せる危険な技能だって意識が薄れるんだ。一応魔法を教える学校では教育されているが、教師からして勘違いしている事もある。実際そんな傷害事件は後を絶たない」
「有識者には有害なプロパガンダだと主張する人もいるみたいですけど……」
「管理局としては便利な謳い文句だからな。そういう事だ」
まぁ、別に連中が勝手に傷つけあっても構わないんだけど。そんな小さな事件は自分達の仕事でもないし。関係無いならどうでも良い。
「話を戻すけど、生活に役立つ魔法の存在も文明発達の一助になっていると思うよ」
「まぁ実際に役に立つ魔法はミッド式ばかりだけど。昔はどうか知らないが、現存するベルカ式は脳筋魔法ばかりだ。戦闘にしか役に立たない。この平和な世で廃れるのも当然だ」
「……シンさんがミッド式を使う理由って、それですか?」
「ん? まぁそれも一つだな。本気の戦闘になったら、近接攻撃はベルカ式の方が強力だから、少しは使えるようにしているが。レパートリーは極少ないけどな」
「すごいですね、ハイブリットってやつですか。始めてみました」
「ふふっ。シンは凄いんだよ」
フェイトが自慢げだ。ドヤ顔フェイト。かわいい。
つい頭を撫でてみた。一瞬目を見開いたフェイトだが、直ぐに心地よさそうに目を細める。ほんのりと頬を朱に染めるのが、何故かフェイトだとどことなく扇情的だ。
そうやって暫く雑談していたら、来客を告げるブザーが鳴った。
「シャーリー」
「はーい」
以心伝心、という程のものでもない。この状況でシャーリーの名を呼んで、させる事など限られている。
だからフェイト。頬っぺた膨らませるな。
フェイト作の風船を指で突ついて萎ませた所で待ち人が部屋に入って来た。
二人とも地上部隊の茶色い制服と似たような藍色の髪。
そして、彼女達が動く度に自分には微かに聞き取れる、機械の駆動音。動きにも分からない程度に違和感がある。なるほど、これが戦闘機人か。
「陸士第108部隊所属、ギンガ・ナカジマ陸曹、参上いたしました!」
「陸士第386部隊所属、スバル・ナカジマ二等陸士、参上いたしました!」
シャーリーと歳が近そうな二人の少女が敬礼をしている。
「……ふむ。ご苦労、よく来た。掛けてくれ」
「はっ。了解しました!」
「りょ、了解しました!」
二人ともガッチガチに緊張している。まぁ無理も無いが。
フェイトに目配せして少し緊張を解させる事にする。
「ふふ。緊張してるね、二人とも。フェイト・テスタロッサです。ギンガは久しぶり。本当に後輩になったね」
「は、はいっ! 覚えていて下さったんですか!」
「うん、当然だよ。あの時の事はよく覚えてる」
確か結構大物の犯罪者によるロストロギアの密輸入と取引の情報が入って現場に向かっていた時に、爆発と火災が起きたんだったか。あの時は情報の入手が遅れて先回りができなかった。犯罪者の方は取引現場で捕まえたが。そのロストロギアがレリックだったというのは奇妙な縁だ。死傷者は運び屋を始め爆発の第一波に飲まれた少数だけで済んだため、奇跡の事件だとか俗称される。
そこで事件に巻き込まれたのがこの二人。スバルをなのはが、ギンガをフェイトが助けたのだったか。
なにやら目をキラキラさせて感動しているギンガ。これはフェイトに憧れているのだろうか。
「自分はシン・スクイート執務官だ。早速だが、今日呼び出した要件に入る」
自分の顔を見て、改めて息を飲む二人。自分の悪名は彼女達にまで届いているらしい。もしくはプロフィールを見たところ保護者が佐官だったから、何か言われて来たのかもしれないが。
今なら上手く擬態も出来るが、昔のもっといっぱいいっぱいだった頃に広まってしまったのだ。
ここら辺の演技力というか、立ち回りははやての方が上手かったな。
だがそもそも媚び売ったりは嫌いなのだ。人に取りいる位なら、弱みの一つでも握る。恩を売りつける。そんなスタンス。
まぁ悪い事ばかりでも無いので、悪名を消す事も無く放置している。自分のやり口にも合っており、名前に力が有る事で抑止力にもなるし。
フェイトは自分の話が始まった事を察し、気配をそっと薄めた。話の途中で気配を薄めるとかどうやっているのだか不明だが、健気な奴だ。
「今日来てもらった理由は分かるか?」
「私とスバルの二人、という事は……私たちの体質について、でしょうか?」
「その通りだ。戦闘機人としてのお前達に用がある」
「戦闘機人としての私たち……」
少し身構えるギンガ。スバルはどうしたら良いのか分からないらしく、オロオロしている。まぁ地位のある人間に名指しで呼び出された事なんて無いだろうし、無理もない。
このままからかったりと可愛がってやるのも面白いが、生憎と今日は少し時間が押している。残念だが我慢しよう。
「そう警戒するな。何も取って食おうという訳ではない。お前達には戦闘機人としての力を見せてもらう」
「と、とって食う!?」
真っ赤になっているスバル。
そこじゃないだろ。
「戦闘機人としての力……?」
「ああ。お前達戦闘機人には特殊な力があると聞いた。インヒューレントスキルと言ったか。それの事だ」
「それは……」
ギンガが言い淀んでいる。
するとスバルが意を決したように。
「あ、あのっ!」
「……なんだ?」
「そ、それは何のため、でしょうか!?」
「こらっ、スバル! すみません。妹が余計な事を……」
「だ、だって、ギン姉……」
「別に構わない。お前たちにも無関係とはいかないかも知れないからな」
「そ、そうなんですか……?」
「ああ。端的に言うと、今追っている犯罪者が複数人の戦闘機人を作って、駒として使っている」
「なっ……!?」
「そんな……」
二人とも驚いているような、ガッカリしているような、ショックを受けたような、微妙な顔だ。自分の同類が道具にされていると聞かされれば無理も無いだろう。
だが彼女達の母親は戦闘機人プラントに踏み込んで殺された。恐らく戦闘機人との戦闘があったと見るべきだが……それを知らないのか。
「無関係ではない、というのはどういう意味でしょう?」
「戦闘機人の研究者にとって、お前たちの存在がどういったものかを考えれば分かるだろう」
「実験素隊……」
「そういう事だ。まぁ気をつけておけ」
二人がみすみす捕まって、スカリエッティの利益になるのは避けたいからな。
「だから戦闘機人がどんな物かを知るべく、お前たちを呼び出した訳だ」
「なるほど……」
「わ、分かりました。そういう事なら、私、やります!」
「スバル……」
意を決したように宣言するスバル。だがそもそも正当な理由もあるのだから、命令されればやる以外の選択肢は無いと思うが。
それにしてもさっきからギンガが何か言いたげというか、言い難そうにしている。
「ギンガ陸曹、何か言いたい事でも?」
「は、はい……その、私にはインヒューレントスキルは無くて……」
「そうなのか?」
「ええ。私はスバルの先行機で、とりあえず完成させるのを目的に作られたらしくて。昔から何故か左手がドリルになりそうな気はするんですけど、私にはそんな浪漫溢れる機能は無いはずですし……」
「ギン姉またそんな事言ってる……」
「だってドリルよ、ドリル。憧れちゃうのも無理ないじゃない」
「なんだ、ドリルが欲しいのか? 知り合いの技師に頼んでやろうか?」
「え!? ほ、本当ですか!?」
「ダメだよギン姉! ご、ごめんなさいスクイート執務官、その話はちょっと……」
嬉しそうにしたギンガをスバルが宥めている。ドリルは人の恐怖心を強烈に煽るから、尋問とかに使えると思うけど。
……これ以上は何故かいけない気がしたので、話を元に戻す。
「そういう訳でスバル・ナカジマ二等陸士。君の固有技能の実演を要請する」
「は、はい! 分かりました!」
場所を移して訓練室。
ここでダミーターゲットを相手にスバルのISを使ってもらう。
「シャーリー、計器の準備はいいか?」
「ばっちりです!」
「ではスバル・ナカジマ二等陸士。思いっきりやりなさい」
「はいっ!」
そこからは凄まじかった。
金色の目をギラギラさせて、ズガーンバゴーンなんて漫画みたいな擬音が付きそうな勢いで、ガジェットドローンをモデルにしたターゲットや魔法障壁を次々に粉砕していくスバル。何故かギンガも唖然としている。
心なしか楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。なぜか高笑いが幻視されるようだ。いやまぁ、確かに物を壊すのって本能的に楽しいものだけどね。
そんな、スバルが喜んで壊している筈が無い。だってあのスバルだよ。誰よりも優しいスバルだよ。虫の一匹も殺せない様なスバルだよ。何時だって一番に自分の事より他人の事を心配するようなスバルだよ。いつも危なっかしくてお姉ちゃんヤキモキさせられちゃうんだぁ。だから有り得ないよね。ね? スバルが破壊魔の筈が無いよね。物を壊すのに快感を感じたりしないよね。そうでないに決まってるよね。ブチ切れて敵をそれでボコボコにしたりとか無いよね。いやそれに快感を感じなければいいんだけどね。いざとなったら使ってもいいし、敵をボコボコにしてもいいんだけど、覚醒スバルとか無いよね。ね? お姉ちゃん信じてるからね。
とかブツブツと支離滅裂な事を言っているギンガの声は聞かなかった事にした。
しかしこれは当たれば一撃必殺だな。
「これは凄いね、シン……」
「ああ。幸い本人の技量が未熟だから今のところ危険度は低いが、こと壊す事に関して右に出る者はいないだろう。共振破壊だから装甲をどんなに厚く硬くしても意味が無い。殺傷破壊設定の魔力弾でも同じ事は出来るが、壊す事においての確実性ではこれの方がずっと上だ」
「魔法障壁にも通用するんですね……」
「ああ。流石に高ランクの物となると一撃とは行かないみたいだがな」
「それでも十分に驚異だね」
「人体には殺傷力が強すぎて使えないがな。AMFも無効だし、対ガジェットで有用そうだ。もしもの時には戦闘機人にも効果が高いだろう。はやてに推薦してやるか……」
これから相手をしていく戦闘機人の戦力を改めて実感したのだった。