東方壊命録   作:鼠返し

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 どうも、鼠返しです。

 今回も前回と同じくらいに早く投稿できました。

 さて、今回は一応ありきたりな終わり方にしてみたつもりです……

 それでは、急展開・誤字脱字OKな方は本編へどうぞ!


第五話 飛行

 拓人は今、暗闇の中に浮かんでいる。

 

 ふわふわと浮かんでいるだけで体の感覚はなかった。

 

 そこまでを認識すると、眠気が襲ってくる。

 

 目を閉じ眠りにつこうとするが何か聴こえてくる。

 

 それを無視し、もう一度目を閉じようとする。

 

 今度は体が揺れるような感覚がして、同じような何かが聴こえてくる。

 

「…………」

 

 何か抗議の一つでもしてやろうと思ったが、

眠気によって気力が失せてしまい、目を閉じ今度こそ眠りにつこうとする。

 

 今度はなにも感じず、なにも聞こえない。

 

  やっと眠れる……

 

 と思ったのもつかの間。

 

 突然パチンッ、と音が聞こえ、世界がガラリと変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「拓人ーーー!」

 

 気がつくと霊夢は叫んでいた。

 

 拓人に直撃してしまったのだ。

 

 しかも、普通の弾ではない。

 

 普通、弾幕ごっこの弾は当たっても衝撃をくらう程度で、

どんなに強力なスペルが直撃しても少しの間動けなくなるぐらいの怪我を負うだけだ。

 

 だが拓人は、魔理沙のあのマスタースパークをまともに受けてしまったのだ。

 

 一回、霊夢と魔理沙で弾幕ごっこをしたことがあるが、「やっぱり、弾幕はパワーだぜ!」

といっていたので、改良に改良を重ねたスペルになっていると推測できる。

 

 そんな威力抜群のマスタースパークを、

人間である拓人がまともにくらってしまえば最悪死ぬかもしれない。

 

 霊夢が拓人のそばに駆け寄ると同時にマスタースパークを放ち終える。

 

 自分のしてしまったことに気付いたのか、

顔を少し青ざめながら霊夢に遅れて箒にまたがり近づく。

 

「ねぇ拓人、大丈夫!?」

 

「うぅ、ご、ごめんなんだぜ……」

 

 声をかけるが反応がない。

 

 反応がないことに少し青ざめながら、霊夢は体を揺らし、さらに呼び掛ける。

 

「ねぇ拓人ってば! 起きなさいよ!」

 

「拓人ぉ~、ぐすっ、起きてくれなんだぜ……」

 

 魔理沙はもう半泣き状態だった。

 

 だが、構っている余裕はなく、さらに体を揺らす。

 

 体を揺すると口が開きかけるが、すぐに閉じてしまう。

 

 次の反応があるか少し待つが、反応はなかった。

 

 しびれを切らした霊夢は右手を振り上げ、

 

「……起きなさいっていってるでしょ!」

 

 思いっきり拓人の右頬にパチンッ、と平手打ちをくらわせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いきなり世界が変わった。

 

 今度は目をつぶっていても少し明るく、体の感覚もある。

 

 どうやら土か草の上に転がっているようだ。

 

 そこまでを一秒程で考え、とりあえず起きようとすると、すぐ傍から声が聞こえてくる。

 

「もうっ、早く起きなさいよ!」

 

 ブンッ、と音が聞こえた方と思うと、バチンッ、と音が鳴り、左頬が痛む。

 

「痛ってぇぇ!」

 

 急に襲い掛かる痛みに耐えかね、目を開ける。

 

 そこには、少し息を荒くした霊夢と、何故か半泣き状態の魔理沙がいた。

 

 とりあえずその場に立ち、話を聞くことにした。

 

「どうしたんだ、二人とも?」

 

「どうしたもこうしたもないわよ!」

 

 そういわれ、直前まで何をしていたかを思い出す。

 

  確か弾幕ごっこしてて……そっか、マスパくらったんだっけ。

 

 すると、魔理沙がこちらの顔を覗き込み、ほんの少しだが涙を落としながら謝罪してくる。

 

「……ごめん、なんだぜ、ぐすっ、大丈夫か?」

 

「まぁ、大丈夫だよ。

 それで霊夢、俺はあのとき残機が二つあったんだが、これはどっちの勝ちだ?」

 

「普通に考えれば、途中で気絶したあなたの負けね。

 手加減していたとはいえ、魔理沙に二回も当てたのはすごかったわ」

 

「へ? そうなのか?」

 

 別にそこまですごくはないだろう、と思い霊夢に首をかしげて問いかける。

 

「私ほどじゃないけど、結構強いわよ。

 それと魔理沙、初心者相手になに本気出してるのよ」

 

「……ぐすっ、悪かった、んだぜ」

 

「そういえば、なんで魔理沙は泣いてるんだ?」

 

 ただスペカをくらっただけなのに、

泣かれる理由が拓人にはわからず、霊夢に聞いてみる。

 

「もしかしたら、死んでたかもしれなかったからよ」

 

 さらっと霊夢の言ったことについて驚きを隠せない。

 

「は!? 死んでたかもってどういうことだよ!?」

 

「……普通の人間がくらったら、たぶん死んでるんだぜ」

 

「そんなのくらってよく無事だったな俺……」

 

「まぁ、元々霊力多かったしね。

 普通の人間よりは強かったということよ」

 

「喜んでいいんだか悪いんだか……」

 

 こうやって会話している間も、

隣でぐずぐず鼻をすすっている音が連続して聞こえてくる。

 

 うるさいというのもあるが、魔理沙に悲しい思いをさせたくなくて、

泣き止ませることにした。

 

 なにより拓人は、人が悲しんでいる顔を見るのが一番嫌いなのだ。

 

「ほら、俺は大丈夫だったんだ。 もう泣くなよ魔理沙」

 

 魔理沙の頭を帽子越しにやさしくなでて落ち着かせようとする。

 

 すると、うつむいてしまい、こくっこくっと頭を上下に揺らし始めた。

 

 うつむく直前に、顔が少し赤かったのは気のせいだろう。

 

「それにしても、疲れたな。

 体のあちこちが痛いし、晩飯までゆっくりしたい」

 

「そう、だったら寝てなさい。 晩御飯できたら起こすから」

 

 そういわれ、うなずこうとしたが、両頬にピリッと痛みが走る。

 

 しかも、人間の手の形にだ。

 

 まさかとは思いつつも、霊夢に疑問を投げかける。

 

「……なぁ、霊夢。 俺の両頬が痛いんだが」

 

「あら、な、なんのことかしら?

 別に、あんたが起きないからって思いっきりひっぱたいたりしてないわよ?」

 

「いや、思いっきりひっぱたいてたんだぜ」

 

 すっかり調子の戻った魔理沙に指摘され、ギクッ、と霊夢は身を震わせる。

 

「はぁ……次から、優しく起こしてくれ」

 

「……わかったわ、ごめんなさい」

 

 霊夢の謝罪を聞き届けたあと、魔理沙に別れを告げてから居間で横になり、

晩御飯が出来上がるまで拓人は眠り続けた。

 

 その後は、何事もなく一日が終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幻想入りしてから三日目の朝。

 

 現在、昨日と同じように日課の体操中である。

 

「いっち、に、さん、し」

 

 足回りから徐々にほぐしていく。

 

 柔軟体操を終え、弓と矢を手に取る。

 

 昨日と同じように、弧を描きながら右足を後ろに下げる。

 

 矢をつがえて三割ほど引き、一呼吸おいて一気に引き絞る。

 

 そのまま五分、一寸たりとも動かずに静止。

 

 昨日の魔理沙との弾幕ごっこで空を狙うことも増えるだろうと思い、

今までしたことがなかったが、矢を真上に放とうと腰を落とし、弓を真上に向けて放つ。

 

 初めてのことで少し不安だったものの、矢は真っ直ぐ上に向かって飛んでいき、

やがて肉眼では点すら見えなくなる。

 

 今度は能力を使い、先ほど放った矢を手の中へ移動させて居間に戻る。

 

 すると、霊夢が朝御飯を用意して座って待っていた。

 

「おはよう拓人。 思ったけど、結構様になってるわね」

 

「俺のいた世界で結構やってたからな。 おはよう霊夢」

 

 軽い会話を交わし、昨日と同じ量のご飯と味噌汁を胃の中に収めていく。

 

 食べ終わったところで霊夢に聞いてみる。

 

 昨日の弾幕ごっこで魔理沙が飛んでいるのを見た後、自分も飛びたいなぁと思ったのである。

 

「なぁ霊夢、今日暇か?」

 

「まぁ、暇といえば暇ね。 どうしたの?」

 

「いや、ちょっと付き合ってもらいたいことがあってさ」

 

「いいわよ。 見回りもめんどくさいし」

 

  そんなことでいいのか、博麗の巫女よ……

 

 そう思い、少々苦笑いしながら話を続ける。

 

「俺ってさ、空飛べると思う?」

 

「飛べるわよ。 普通に」

 

「だよな~、俺が飛べるわけ……」

 

  ……今なんていった?

 

 興味本位で聞いてみて、まさか予想外の言葉が返ってきたので、

少しの間だが頭がフリーズしてしまう。

 

 しかし、一瞬で頭の回転を再開させて、先ほどの言葉の確認をとる。

 

「飛べるのか? 俺が?」

 

「もちろんよ。

 そんなに霊力あって使えるんだから」

 

 聞き間違いではなかったようで、安堵のため息をもらす。

 

「ならよかった。

 今日一日、俺に飛び方を教えてくれないか?」

 

「わかったわ。

 人数多いほうがいいし、魔理沙呼んでくるから待ってて」

 

「こんな朝早くにいいのか?」

 

 いくら朝日が昇っているといえど、まだ時間的には早い。

 

 さっと左手首につけている腕時計を見ると、まだ七時三十分を指している。

 

「いいのよ、どうせ今頃魔法の研究でもしてるわ」

 

「研究か……邪魔しちゃわるいだろ」

 

「たぶんあんたの名前出したらすぐくるわよ」

 

 そういって家から出て行った。

 

 縁側に腰掛けてのほほ~ん、と意味不明な擬音を口に出しながら庭を眺めていると、

ほんの十分くらいで霊夢が魔理沙を連れて帰ってきた。

 

「おはよう、魔理沙」

 

「おはようなんだぜ拓人!

 空が飛びたいって?」

 

「昨日弾幕ごっこしてるときに空飛んでたろ。

 俺も飛びたいなぁってさ」

 

「なるほど、そういうことか」

 

「ほら、時間がもったいないから、

 さっさと始めましょ」

 

「それもそうだな。

 それじゃ、よろしく頼むよ二人とも」

 

「おう!」 「まかせなさい」

 

 こうして、拓人の飛行訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうじゃないわよ!

 もっと体全体を包む感じにするのよ!」

 

「拓人、足に集中するんだぜ!

 足にためた力をこう、バーンって」

 

 拓人の飛行訓練は困難を極めていた。

 

 本来なら拓人の能力で空は飛べるのだが、

何せ集中力に左右される能力であるため、あまり頼りたくなかった。

 

 もしこれからの紅霧異変や春雪異変なんかに霊夢の気まぐれで巻き込まれ長時間の戦闘、

または逃走をしているときに集中力を磨耗させてしまっては、飛行自体が困難になってしまう。

 

 そうなるかもしれないと事前に予測を立て、

飛べるようにはなっておきたいと飛び方を教えてもらっていたのだが、

 

「何度いえばわかるのよ!

 こう、体全体を持ち上げるようにして……」

 

「拓人、足だ。 足に集中すればいいんだぜ」

 

 教官二人から別々の指示が飛んでくるため、かなり訓練は難しくなっている。

 

「なぁ、どっちか一つに意見をまとめてくれないか。

 俺は、聖徳太子じゃないんだ」

 

「大体、魔理沙は何で足なのよ。

 普通体を浮かせる感じでしょ」

 

「いいや、私は足だな。

 足から浮かせて、バランスをとるって感じだぜ」

 

 まさかの教官同士で言い争いを始めてしまった。

 

 二人の意見が食い違うのもわからないではない。

 

 なぜなら、霊夢は霊力、魔理沙は魔力といった違う力を持っているからだ。

 

 分かってはいるのだが、教えてもらう側からすると、

意見を統一して欲しいというのが本音である。

 

 とりあえず、やりやすいほうの指示を聞くことにした。

 

「……俺的には魔理沙のほうがいいかな」

 

「ほらみろ!

 やっぱり拓人はわかってくれるとおもったぜ!」

 

「何でそうなるのよ!」

 

「体全体を浮かせると何か変な感じがするんだよ。

 霊夢のやり方はまた今度で」

 

 そういって、魔理沙のいうとおりに足に霊力をまとわせる。

 

 魔理沙がいうには、足に力をまとわせて、

そこから下に向けて噴射するという、いわゆるブースターといった感じだ。

 

 霊夢のやり方は、体全体にまとわせてから

重力に逆らうように力を働かせるという、なかなかに難しい技である。

 

 先ほどいったとおり変な感じもするので今は却下しておいた。

 

「い、よっと。

 結構、バランス、とるのが、難しいな、これは」

 

「お、いい調子だぜ!」

 

 魔理沙に励まされ、もう少し上まで飛ぼうとする。

 

 しかし、少し力を入れすぎたためかバランスを崩してしまい、

前傾姿勢で前方に突っ込んでしまう。

 

 そして前には霊夢が立っており、その華奢な体へ文字通り突っ込んでいく。

 

「うわわわっ! どいてくれ~!」

 

 そして、見事なまでのタックルを食らわせてしまう。

 

 一瞬目の前が真っ暗になり、何が起こったのか即座に判断できない。

 

「痛っててて……大丈夫か、霊……夢」

 

「もう、なにやってるの……よ」

 

 目を開けるとそこには地面に横たわる霊夢。

 

 対して拓人は、その霊夢の上にまたがるようにしている。

 

 傍から見れば、拓人が霊夢を押し倒しているように見えるだろう。

 

  いやいやちょっと待て!

  いったい何が起こって一体全体どうしてこうなって……

 

 突然の出来事に、頭でパニックを起こしながら拓人は完全にフリーズしてしまう。

 

 一方霊夢は、顔を今にも爆発しそうなぐらいに赤くなっている。

 

 その状態のまま二秒経過。

 

 顔を赤らめていた霊夢がさらに顔を赤らめ右手を振り上げて握りこむ。

 

「……はやく、どきなさいよ!」

 

 恐らく本気であろう、赤くなるまで握りこまれた拳は、

拓人の顔面にめり込むようにヒットする。

 

「グボルグヘェッ!」

 

 奇妙な声を上げながら三メートルほど後方へと宙を舞い、地面に仰向けに倒れる。

 

 パンチの威力が脳まで響き、意識が朦朧としてくる。

 

  ……このまま気絶しとこうかな

 

 そう思い意識を手放そうとすると頭の上のほうから声が聞こえた。

 

「ひゅ~、熱いんだぜ二人とも」

 

 そんな声が聞こえたが、あまり気にしないことにして、そのまま気絶することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうな、二人とも」

 

「こんなことならいつでも呼んでくれても構わないんだぜ」

 

 気絶してから一時間後に気がつき訓練を再開した。

 

 そのあとはなんとかコツをつかみ、自由に空を飛べるようになった。

 

「それにしても、覚えるの早いよな」

 

「そうか、そんな自覚ないんだが」

 

「人間が一日で空飛べるようになること自体すごいんだぜ。

 誇っていいことだとおもうぜ?」

 

「そんな、霊夢や魔理沙がいたからだよ。

 こんなに早く空を飛べるようになったのは」

 

「そうか、そういってもらえるとうれしいんだぜ。

 ……おっと、そろそろ私は帰るとしようかなっと」

 

 そろそろ日が暮れはじめ、視界が茜色に染まり始める。

 

 さりげなく腕時計を見てみると、針は六時三十分ほどを回っていた。 

 

 箒にまたがって飛んでいく魔理沙に別れを告げてから、

先ほどから沈黙を貫いている霊夢と顔を合わせる。

 

 ぶつかったときからずっと顔の赤さはとれず、むこうから意図的に視線を外されている。

 

 そして、今もむすっとしたままだ。

 

 これからの生活の空気が重くなるといやだったので、一応謝ってみる。

 

「……あのときは、悪かった」

 

「そう……私も悪かったわ。

 そろそろ晩御飯にしましょ」

 

 すると、いつもの表情を戻し、返事をしてくれた。

 

 やっぱり、謝ってみるというのは大切なことであるとしみじみ思う拓人であった。

 

「そうだな。 腹減ったし」

 

 そういうと、霊夢と拓人は家の中に入って晩御飯を食べた。

 

 その後、あまり会話らしい会話もせずに、二人共そのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗く、静まり返った広い館の中。

 

 真ん中には背の高い椅子が一つと、そばに普通の大きさの椅子がおいてあり、

誰かが話している。

 

 背の高い椅子には、青い髪の毛と背中にコウモリに似た羽を持ち、

異様に発達した犬歯を口から覗かせている女の子が座っている。

 

 傍の小さいほうの椅子には、長い紫色の髪の毛をした、

本を片手に読んでいる女性が座っている。

 

 そして、青い髪の毛の女の子が口を開く。

 

「パチェ、準備はどう?」

 

「問題ないわ。 予定通り、明日の朝に決行よ。

 明日は早いし、そろそろ私は寝るわ。 おやすみなさい、レミィ」

 

「えぇ、おやすみパチェ」

 

 そういうと、紫色の女性は部屋を後にする。

 

「咲夜、いる?」

 

「はい、お嬢様」

 

 咲夜と呼ばれた女性は音もなく、女の子の隣にいきなり現れる。

 

「いよいよ、明日ね」

 

「えぇ、明日で全てがお嬢様の物です」

 

 声のトーンを少しだけ落とし、不安そうに口を開く。

 

「……私、できるかしら?」

 

「出来ます。 お嬢様なら、必ず」

 

「ふふっ、ありがとう咲夜。 下がっていいわ」

 

「はっ」

 

 そういうと、咲夜という女性はまた音もなくいきなり消えた。

 

 そして、女の子は誰にも聞こえないような声でつぶやく。

 

「あの子の為なら、私は……何だって……!」

 

 そうつぶやくと、女の子は明日の朝に備えるべく自分の部屋に戻っていった。




 なんとかここまでこぎつけました。

 いよいよ異変の始まりです。

 実は作者は紅霧異変の話が一番好きだったりするのです。

 理由はこれからのお話の後書きで話していけたらいいなと思っております。

 それでは、さようなら。 次回お楽しみに!
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