今回は、小説を書く前から思いついていた話でございます。
ここで、二話以降の『残酷な描写』のタグの力を発揮させていただきます。
そこまでではありませんが、苦手な方はお気を付けください。
それでは本編、ご覧下さい!
「……誰?」
後ろから声をかけられ、ぎこちない動きで声のした方向を向く。
そこに立っていたのは、東方紅魔郷Exボス、悪魔の妹、
フランドール・スカーレットだった。
全体的に赤い可愛らしい服を着て、赤い髪を垂らしている姿は普通の幼い少女だが、
背中に生えている七つの水晶をぶら下げている羽が示す通り、
フランドールは人間ではなく、ここの館の主である吸血鬼の妹だ。
少し屈んだ姿勢から見ているためか、フランドールと目が合う。
最初は絶望まで覚え、内心ガタガタに震えていた拓人だったが、
目を見た瞬間にそんな思いは消え失せた。
……光が……感情がない?
フランドールの目は底無しの沼のように深く、また闇に閉ざされている。
……俺は知ってる。
こんな目をしてた奴を、どこかで……
どこかで見覚えがある、と思い記憶をあさっていると再び声が聞こえてくる。
「……ねぇ、あなた誰?」
「……俺か?」
「そうよ。
見たことない顔だけれど」
「え、え~っと……」
ここでどう答えたものかと頭をフルに使って言い訳を考える。
普通の人間です……だめだ殺される。
とおりすがりのものです……ありえなさすぎる。
レミリアさんの知り合いです……今の俺が知ってるわけがない。
……危険だがこれしかない!
一瞬で脳内に選択肢を思い浮かべては消去していく作業を続け、
やっと見つけた、しかしかなり通じる可能性の低い即興の言い訳を述べる。
「申し遅れました。
最近、紅魔館で働かさせてもらうことになった五十嵐拓人です。
これから、ここに住まわせてもらうことになったので、
妹様に是非お会いしたいと思いまして」
ここに住む執事を装う作戦に出た。
先程の通り、通じる可能性がかなり低いが、今は通じてくれることを祈るしかない。
……ど、どうだ……
知らず知らずの内に、背中には冷や汗がだらだらと流れている。
フランドールは、しばらく考え込んだ後、少しだけ表情を緩めて話し始める。
「……へぇ、そうなの」
どうやら苦し紛れの言い訳は通用したようだ。
心の中でほっと息をつくとフランドールは話し始める。
「私、フランドール・スカーレット。 フランでいいよ。
知ってると思うけど、レミリアお姉様の妹よ」
「ええ、わかりました。
それでは、フラン様と呼ばさていただきます」
「ねぇ、拓人。
さっき大きな音が聞こえたけどなんだったの?」
「あれは……ちょっと足を滑らせてしまいまして」
「大丈夫だった?」
「大丈夫ですよ。
お気遣いありがとうございます」
「よかった……」
ふっ、とフランが表情を緩め笑顔を浮かべる。
そんな姿を見ながら拓人は思っていた。
どこが悪魔の妹だよ、こんなにやさしいじゃないか・・・
気がつくとフランの目には光が少し戻ってきていた。
「私、ずっとここに住んでるの。
ねぇ、拓人。 私と遊ばない?」
「え、ええ、いいですよ」
いきなりの発言にすこしつまりながら返事を返す。
理由は、もし遊びが弾幕ごっこなら今更逃げることもできず、
こちらがコテンパンにやられてしまうからだ。
コテンパンにやられるだけならまだマシなのだが。
「何してあそびますか?」
「うーん、そうだね……お人形ごっこ!」
何とか弾幕ごっこは回避できたようだ。
そのことに再び心の中でほっと息をつく。
「わかりました。
ここではなんですので、部屋の中でしましょう」
「うん!」
完全に光を取り戻した目で嬉しそうに頷く。
そうして、拓人とフランは部屋の中に入りお人形ごっこをし始めた。
拓人がまだ窓相手にギーコギーコとしていた頃、霊夢は館の中で悩んでいた。
「……どっちに進もうかしら?」
外見以上に広い館の中で半ば迷子状態になっていた。
もうすでに霊夢はどこをどう曲がったのかすら覚えていない。
「……こっちね」
左を選び、長い廊下をたっぷりと一分ほどかけて通る。
すると、とても広いエントランスの光景が目に入る。
「あぁ、もう!
ここ最初に通ったじゃないの!」
そこは拓人たちと分かれ、最初の扉をくぐった後の場所だった。
不満を隠そうともせずに地団駄を踏む霊夢だったが、
何かに気付きとっさにその場を飛び去ると、一瞬後に霊夢が立っていた場所に
銀色のナイフが突き刺さる。
「誰!?」
「これはこれは、どなたかと思えば博麗の巫女ではありませんか。
今日はどのような用件で?」
正面にある階段から靴を鳴らしながら女性が降りてくる。
その女性は両手に三本ずつ銀色のナイフを持ち、
今すぐにでも投げれるように準備している。
その姿に警戒を強めながら霊夢が返事を返す。
「決まってるでしょ!
今すぐこの赤い霧を止めなさい!」
「この霧を止める権利は私ではなく我が主にあります。
どうしても止めたいというのであれば、直接主におっしゃってください」
「それで、その主はどこにいるのかしら?」
「それはお答えしかねます」
「なら、力づくで聞き出すまでよ!」
「あなたにそれができるのならね!」
そう言うと、霊夢は女性に飛びかかっていった。
「はぁ、なんだか飽きてきちゃった……」
「結構遊びましたもんね」
フランとお人形ごっこを始めてからから約三十分程が過ぎた。
さすがに同じ人形だけで三十分も遊ぶのは飽きてきたらしく、
あまり人形に興味を示さなくなった。
こちらは小さい子と遊ぶのはなれてなく、精神的にだんだんと疲れてきているのがわかる。
「さて、これからどうします?」
「…………」
質問するが、フランは黙ったままで返事をしない。
不思議に思った拓人は顔を覗きながらさらに質問する。
「どうしましたか、フラン様?」
「……やめ、て」
すると、小さく泣いているかのような声が聞こえてきた。
その声は拓人ではなく、別の誰かを指しているようだった。
「やめて、嫌だ、嫌だ、殺し……殺したく、ない!」
「フ、フラン様!?
殺したくないって誰をですか!?」
何かに怯えながら意味が分からないことをいっているフランにおかしいと感じ、
顔を上げさせ真っ直ぐ向かい合う。
そして拓人は見た。
フランの目から段々と光が失われていく様子を。
そしてわなわなと震えながらフランは口を開く。
「逃げて……拓人、早く、ここから……」
「逃げるって、何いってるんです?」
しかし、フランはその問いには答えずに頭を垂れ、代わりに沈黙が訪れる。
「……フラン様?」
「……フフッ、アハ、アハハハハハ!」
こちらが問うといきなり笑いだした。
しかも、遊びの途中で見せていた無邪気な笑いではなく、
もっと違う別の笑い方だった。
一体どうなってるんだ?……
と考えるが、またもや光を失った目と狂ったような声であることを思い出す。
俺は、知ってる……こんな目をしている奴を。
それは…………昔の、俺だ……!
それ以上考える時間を与えない、とばかりにフランは素早く口を開く。
「ねえ、拓人。 私遊びたい」
その声はとても同じ人の声ではないのでは、と思うくらい感情が込められてなかった。
「何をしてですか?」
「私、私ね……」
そういうといきなり、フランは右手に赤い弾を浮かべこちらに飛ばしてくる。
超至近距離から放たれた弾を紙一重で避け距離を取ったところで、
フランが遊びの内容を打ち明ける。
「私、拓人で遊ぶ!」
そういいながらフランは棒状の何かを側から取り寄せると左手で持ち、
右手で弾を作りこちらに飛ばそうと身構える。
「くそッ、どうなってるんだよ!」
愚痴を言いつつ戦闘体制をとり、こちらも迎撃用に両手に霊力を溜め弾をつくる。
そして、両者同時に放ち、二つの弾は中間地点で当たり、
凄まじい音と共に威力が相殺され、お互いの弾が消える。
それを合図に普通の人間と悪魔の妹の戦いが始まった。
「……うぅ、すみません、お嬢様……」
「ふぅ、疲れたわね……さて、案内してもらおうかしら」
拓人が人形ごっこに甘んじて遊んでいた頃、霊夢はいきなり現れた女性に打ち勝っていた。
案内してもらおうと近づいたとき、どこからか箒に乗った人物が現れる。
「いや~、広すぎて迷子になったんだぜ」
その人物は迷子になった魔理沙だった。
「魔理沙! あんた今までなにやってたのよ!」
「いや、適当に窓ぶっ壊して入って適当にそこらへんまわってたらこの有様だぜ」
「あんた、ちょくちょく来てるんじゃないの?」
「ん~それがさ、なんかいつもと違ったんだよな。
おかげでパチュリーとも会えなかったんだぜ」
真面目な話をしているときにニヤニヤと笑っている魔理沙に呆れながら、
これから先の方針を簡単に話す。
「はぁ……まあいいわ。
さっさとこいつに案内させてここの主とやらに文句言ってやらないと」
そういって壁にくぼみとうがって埋まっている女性の元に近づこうとすると、
エントランスの階段の上から声が聞こえてくる。
「その必要はないわ」
「ッ誰!?」
霊夢が声のする方向を顔を向けると一人の少女が立っていた。
見た目は十歳前後で、青い短い髪に全体的に白く胸元に
少し大きめの赤いリボンをしており、背中からはコウモリのような羽が生えている。
「咲夜を倒すなんてやるじゃない、博麗の巫女」
「当たり前よ。
こちとらそうやって悪い奴を倒していくのが仕事なんだから」
「悪い奴ねぇ……それで、今日はそこの泥棒と何しに来たのかしら」
吸血鬼に泥棒呼ばわりされたのが気に食わなかったのか、
魔理沙が大声で反論する。
「ど、泥棒なんていうな!」
「あら、パチェから聞いてるわよ。
いつも勝手に魔道書を持っていく泥棒魔法使いだって」
「パチュリー……ひどいんだぜ」
「それはともかく、早くこの霧を止めなさいよ!」
二人の会話を無理やり中断し、ここに来た本題を告げ、
ビシッ、と階段から降り五メートル先にいる少女に右手の人差し指を突きつける。
「それは無理よ。
私だって目的があってこんなことをしてるの」
「目的ってなんなのよ」
「あなたに言っても理解できないわ」
「……霊夢」
小さく魔理沙がつぶやくと霊夢と目を合わせアイコンタクトをとって、
二人同時に力強くうなずく。
「なら、力づくで止めるまでよ!」
「フッ、人間風情が。
吸血鬼である私に一体なにが……」
そのときだった。
いきなり小さな地震のような揺れと、
どこか遠いところからかなり大きいと思われる音が聞こえてくる。
「なんなのよ、この揺れ?」
「……フラン、今度はなんなの?」
「おいおい、どうなってるんだぜこれ?」
少女が頭に手を当て横に何度か振ると手をさっと振り払い霊夢たちと向かい合う。
「少し用事が出来たわ。
悪いけど、あまり時間はかけられないわ」
「望むところよ!」
「おう、やってやるぜ!」
そういうと三人の少女は一斉に動き始めた。
「どうしたの? 逃げてばかりじゃつまらないわよ拓人!」
「くそ、どうすればいい!?」
拓人は今、空中でフランの壮絶な弾幕に翻弄されていた。
一秒間に何発も全方位に放たれる赤い弾幕を、
右手に作った霊力の刀でいなしつつ避けるので精一杯だった。
今まで被弾せずに来れたのは防御に精一杯で攻撃のことまで頭が回らなかったからだ。
もしここで攻撃に転じればフランの弾幕を回避しきれずに被弾してしまうだろう。
そして、この戦いに負けでもすれば拓人には『死』しか訪れない。
それだけは避けなければいけない、絶対に。
しかし、弾幕ごっこにまだ慣れていない拓人はひとつ弾幕を作るのにも時間がかかり、
その隙を狙ってくることは容易に想像できる。
「さぁさぁ、もっと楽しませてよ!
禁忌『クランベリートラップ』!」
フランがスペル詠唱を終えると、
左手に持った棒のようなものから何か小さなものが二つほど飛び出してくる。
飛び出してきた小さなものは魔法陣のような物を作り、
こちらにむかって青い弾をとばしてくる。
拓人は原作で苦しめられてきたフランのスペカを散々研究していたため、
攻撃がある程度予想でき余裕ができる。
出来た余裕で飛んでくる弾を誘導しながら弾を作り、フランに飛ばす。
もちろん初めて弾を放った時と同じような速さの弾だ。
しかし、さすが吸血鬼といったところか簡単によけられてしまう。
「その程度じゃ私は倒せないわよ!」
そう叫びながら棒のようなものを掲げ、さらにもう二つも出してくる。
ここから弾の生成速度が上がり無数の弾幕が拓人を襲い、
視界が弾幕に覆われてしまい、フランの姿が見えなくなる。
ここで拓人は攻撃に転じる。
目の前まで迫ってくる弾幕をギリギリまで引きつけ紙一重で躱すと、
一気にフランの懐まで入り込む。
「セェイ!」
霊力の刀を大上段まで振りかぶり、気合を込めた一声と同時に振り下ろした。
見えないところから突っ込んできたためか驚いているフランに刀をぶつける。
刀が光となって消えゆくと同時にまともにくらった反動で、
フランは五メートル程後方へ下がり、それと同時にフランのスペカも消滅する。
「アハッ、そう、そうこなくっちゃ!」
すぐさま体勢を直し、赤いばらまき弾を放ち始める。
もう一度霊力の刀を作り、あるものは躱し、またあるものは刀をぶつけ相殺していく。
愚直に続けること三十秒程が過ぎ、再びフランがスペル詠唱に入る。
「すごい、すごいよ拓人! でも、これはどうかしら?
禁忌『レーヴァテイン』!」
フランの左手の棒のようなものが赤く光り、七~八メートルほども伸びる。
原作では単調で意外と簡単だったこのスペルだが、この状況になると話が違ってくる。
操っているのはプログラムの命令に従うコンピューターではなく、
生き、そして学ぶ者なのだから。
巨大な剣と化した棒『レーヴァテイン』を両手に持ち、猛然と振りかぶってくる。
相手のスペルに通常弾幕で迎え撃つわけにはいかず、何とか回避する。
振り終わったレーヴァテインをぎこちない動作で今度は右から振ってくる。
剣の振り方は初心者そのものだが、刀身が大きくリーチも長いので回避するのが難しい。
相手が持ってる武器がこちらよりはるかに優れたものである以上、
近づくのは無理だと判断し、刀を消すと弓に持ち替える。
持ち替えると同時に振られたレーヴァテインを大きく後ろに下がり避ける。
右に振られたレーヴァテインが右から左に、そしてはねあげ下から上へと、
上下左右から襲い掛かってくる。
弓へ持ち替えたはいいが、いかんせん攻撃するタイミングがつかめない。
少し無理があるが弓を引き絞り、力を溜めながら回避する策に出る。
やはり回避しながら力を溜めるのは難しく、
弓と手の間でゆらゆらと光が不安定に瞬くだけで矢の生成もおぼつかない。
「ほらほら、拓人どうしたの?
もっと私を楽しませてよ!」
そういうとさらにレーヴァテインを振る速度をあげる。
このままじゃ……そうだ、攻撃を最短の距離、最短の時間で避けるんだ。
そう思いフランに向かって半身になり集中力の半分くらいを矢の生成にあてる。
さきほどまで揺らめいていた光が安定し、矢の形を作り始める。
そして残りの半分の集中力をフランの攻撃の回避に当てる。
いくらリーチが長いといえど振り方は初心者同然。
数々の試合をこなし、幾度と無く強敵を打ち破ってきた拓人にとって、
フランの剣筋を読み避けるのはそこまで難しいことではなかった。
次第に感覚が研ぎ澄まされ、フランのシルエットと、
ところどころに飛んでいく弾幕しか目に入らなくなってくる。
上下左右から迫ってくるレーヴァテインをギリギリのところでひたすら躱し続ける。
下からレーヴァテインを振り上げ軌道を修正しようとしたのか、
フランの体が少し固まる。
その隙を逃さず、力を貯めておいた矢をフランに放つ。
飛んでいった矢は恐るべき速さで飛んでいきフランの華奢な体に当たる。
「グッ!」
小さく嗚咽を漏らすとレーヴァテインの効果が切れ元の棒に戻っていく。
「すごい、すごいよ拓人!
拓人、これはどうやって避ける?」
そう言うと右手を開きこちらにほのかに赤い光を出しながらこちらに向けてくる。
……まさか、あれか!?
とっさにこのフランの技を思い出し避けようとする。
それと同時に背後からギィ~と重い扉を開ける音とともに誰かが入ってくる。
「うるさいわね、なんなのこの部屋?」
「霊夢!?」
入ってきたのは霊夢だった。
多分もうレミリアを倒してきたのだろう。
だが、今のこのタイミングは非常にまずい。
「拓人!? なんでここにいるのよ!?」
しかしながら今は霊夢の質問に答えている暇はなかった。
「きゅっとして……」
フランの右手の光がより一層強くなる。
慌てて避ける拓人だったが、霊夢の方に少し気を取られ、
結果避けるのが遅れフランの右手は拓人の左腕を捉えた。
「ドカーン」
フランが右手を握り込むと同時に何かがはじけ飛ぶ音がする。
一瞬後に、辺りを舞う血しぶきが目に入り、左肩から下にかけて、
今まで味わったことのない痛みが襲う。
「ガアアアァァァァァ!」
傷口に右手をあてがうが、そこには今まであった左腕はなかった。
肩からごっそりと左腕が吹き飛んでいるのだ。
傷口からえぐれた肉と無理やりへし折られたような骨が見えている。
それを見た霊夢は顔から血の気が引いた顔で叫ぶ。
「た、拓人ーーー!!!」
急いで駆け寄ってくる霊夢を痛みに耐えながら言葉で制止しようとする。
「霊夢、くる……な」
しかし霊夢はいうことをこちらのいうことを聞こうとしない。
いつの間にかフランが弾幕を放ってきており、こちらは何とか回避できたが、
拓人しか見てなかった霊夢は何発も体に受け後ろに吹き飛び、扉付近に打ち付けられる。
「くそっ、霊夢!」
フランの弾幕を避けつつも全速力で霊夢の下に飛びより、
右手で霊夢の頭を持ち上げ、意識があるかどうか確かめる。
「霊夢、大丈夫か? おい、霊夢!」
「……あ、あぁ、はぁ……」
霊夢は打ち付けられた衝撃で意識が朦朧としていた。
このままでは霊夢が危ないと思った拓人はフランとの戦いを放棄して
部屋を出ようとし、敬語抜きでフランに話しかける。
「フラン! この勝負はいったんお預けだ!」
フランの返事を待たずに霊夢を抱え部屋を出る。
部屋を出たところでさらに明確な痛みが左肩を襲う。
「うぅ、くそっ!」
霊夢をどこか安全な場所に寝させるためにどくどくと流れ出る血を無視し、
左肩に霊夢の頭を乗せ、右手で霊夢を変則的なお姫様抱っこの状態で
目の前の階段を駆け上る。
「待ってろ、霊夢……」
しかし、階段を上りきったところで目の前の光景がぐらつきその場に倒れ込んでしまう。
ぐっ……こんな、とき……に…………
そして、拓人の意識は暗い闇の中へ引き込まれていった。
え~、いかがだったでしょう?
拓人君は左腕が吹き飛んでしまいました。
そのシーンを想像してしまい、少しキーボードを打つ速度が遅くなったのは
ここだけのお話です。
次は、レミリアさんとの対話シーンです。
どうしてそうなったのかは、第九話をご覧下さい。
それでは、次回もお楽しみに!