ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
アスランからの説教をルナマリアのお陰で逃げる事が出来たキラは、後ろに歩いているアスランにバレない様にこっそりとルナマリアに礼を言いながら一番前をルナマリアと共に歩いていた。
「いやー。助かったよ。ルナ。流石は月の女神様だね」
「まったくもう。隊長は調子良いんですから」
「まぁまぁ。今度ご飯奢るから。ね? ね?」
「はぁ。しょうがないですねぇ。じゃあ明日。デートしてくれたら許してあげます」
「それくらいお安い御用だよ。じゃ、明日ね」
キラはニコニコとルナマリアに応え、ルナマリアはしょうがないなぁとばかりに軽く息を吐く。
そんなキラを後ろからアスランが睨みつけるが、怒れるアスランはセナが手を握る事により、とりあえず抑える事が出来るのだった。
しかし、アスランとセナが手を繋いで歩いているという状況をある少年が目撃してしまったせいで、事態はややこしい方向へと転がっていく。
「ふん!!」
「っ!」
「……シン。なんだ。いきなり」
「別に? 何でもありませんよ」
シンはアスランとセナの手を無理矢理引き離すと、セナのを手を取って、そのまま歩き出そうとした。
しかしそんなシンの手をアスランは掴んで、足を止めさせる。
「なんですか!?」
「いや、何って。お前こそなんだ。一体何をやってる!」
「別にそんな怒鳴る程の事でも無いでしょ。セナは俺の妹みたいな子なんだから、兄妹で手を繋いで何がおかしいんです!」
「セナは俺の妹だ!」
「いや、僕の妹だから。何? 錯乱してるの? アスラン」
「ふざけるな! 俺は錯乱などしていない!!」
キラの煽りにアスランは怒りで返す。
「ならそう怒鳴らないでよ。ただでさえアスランは勘違いされやすいんだからさ」
「っ」
アスランはキラの困った様な笑顔で放たれた言葉に押し黙り、シンはそんなアスランを鼻で笑ってセナと共に先へ行くのだった。
そして、デュランダルの下へと到着したシン達は、軽く挨拶をした後、デュランダルに勧められるまま椅子に座り、食事と共に話を聞く。
「ともかく。今は、世界中が実に複雑な状態でね」
「宇宙の方は今どうなってますの? 月の地球軍などは」
「相変わらずだよ。時折小規模な戦闘はあるが、まあそれだけだ。そして地上は地上で何がどうなっているのかさっぱり判らん。この辺りの都市のように連合に抵抗し我々に助けを求めてくる地域もあるし。一体何をやっているのかね、我々は」
「停戦、終戦に向けての動きはありませんの?」
「残念ながらね。連合側は何一つ譲歩しようとしない。戦争などしていたくはないが、それではこちらとしてもどうにもできんさ。いや、軍人の君達にする話ではないかもしれんがね。戦いを終わらせる、戦わない道を選ぶということは、戦うと決めるより遙かに難しいものさ、やはり」
「……でも」
「ん?」
「あ、すみません」
「いや構わんよ。思うことがあったのなら遠慮なく言ってくれたまえ。実際、前線で戦う君達の意見は貴重だ。私もそれを聞きたくて君達に来てもらったようなものだし。さあ」
デュランダルに促されるまま、シンは両手を足の上で強く握りしめて口を開く。
「……確かに戦わないようにすることは大切だと思います。でも敵の脅威がある時は仕方ありません。戦うべき時には戦わないと。何一つ! 自分たちすら守れません」
シンの言葉にセナとキラは目を伏せ、アスランはやや強い視線でシンを見つめる。
「普通に、平和に暮らしている人達は守られるべきです!」
「しかし、そうやって殺したから殺して、世界はどうやって平和になる? 殺された者の親しき者はお前を憎むぞ。シン」
「そんなの! 仕掛けてきた方が悪いんじゃないか!」
「その仕掛けた方だって、過去に誰かを失っているかもしれないんだ!」
「っ! でも、じゃあ、相手が可哀想だから何もするな。黙って討たれろって! そう言うのかよ! アンタは!!」
「そうは言って無いだろう!! 戦争と言うのは!!」
「はいはい。二人ともそこまで。議長の前だよ? あんまり熱くならないでよ」
椅子から立ち上がり、叫ぶシンとアスランに、その二人の間に座っていたキラはいつもの調子で諫めた。
そして、そんなキラ達を見てデュランダルは笑みを深める。
「あぁ、良いんだ。キラ。そういう意見は大事だからね」
「そうですか?」
「あぁ。そうだ。私はまさにそこを話したい訳だからね」
「……」
デュランダルの言葉にキラは笑顔を浮かべたまま、静かに見据えるが、その瞳の奥にある感情は一切揺れず、デュランダルを映し続ける。
「何故我々はこうまで戦い続けるのか。何故戦争はこうまでなくならないのか。戦争は嫌だといつの時代も人は叫び続けているのにね。いったい何故なんだろうか? シン。君はどう思う?」
「それはやっぱり、いつの時代も身勝手で馬鹿な連中がいて、ブルーコスモスや大西洋連邦みたいに……違いますか?」
「いや、まあそうだね。それもある。誰かの持ち物が欲しい。自分たちと違う。憎い。怖い。間違っている。そんな理由で戦い続けているのも確かだ、人は。だが、もっとどうしようもない、救いようのない一面もあるのだよ、戦争には」
「え?」
「例えばあの機体、ZGMF-X2000グフイグナイテッド。つい先頃、軍事工廠からロールアウトしたばかりの機体だが、今は戦争中だからね。こうして新しい機体が次々と作られる。戦場ではミサイルが撃たれ、モビルスーツが撃たれる。様々なものが破壊されていく」
デュランダルは椅子から立ち上がり、ベランダから見えるグフを見つめながら語る。
「故に工場では次々と新しい機体を作りミサイルを作り戦場へ送る。両軍ともね。生産ラインは要求に負われ追いつかないほどだ」
「……議長」
「その一機、一体の価格を考えてみてくれたまえ。これをただ産業としてとらえるのなら、これほど回転がよく、また利益の上がるものは他にないだろう?」
「議長」
「そのお話は」
「そう、戦争である以上それは当たり前。仕方のないことだ」
議長はシン達が座るテーブルへと振り返り、大仰に役者の様に、その言葉を語り続ける。
「しかし人というものは、それで儲かると解ると逆も考えるものさ。これも仕方のないことでね」
「逆、ですか?」
「戦争が終われば兵器は要らない。それでは儲からない。だが戦争になれば自分たちは儲かるのだ」
「……っ!」
「ならば戦争はそんな彼等にとっては是非ともやって欲しいこととなるのではないのかね?」
「そんな!」
シンは思わず立ち上がり、デュランダルを見つめた。
その語られる真実に飲み込まれ、意識をデュランダルへと集中させてゆく。
「あれは敵だ、危険だ、戦おう、撃たれた、許せない、戦おう。人類の歴史にはずっとそう人々に叫び、常に産業として戦争を考え、作ってきた者達がいるのだよ。自分たちの利益のためにね」
「それは……」
シンがデュランダルの言葉に先を求める様に、雛が親鳥に餌を求める様にその答えを求めた。
しかしデュランダルは口元を上げ笑うばかりで、答えを渡してはくれなかった。
故に。
「ロゴス」
セナが小さくその名を答えた。
その言葉にレイとデュランダルを除く全員が驚愕に目を見開き、セナを見た。
しかしそれも一瞬の事だ。
何故なら、デュランダルが再び全員の意識を集めて語り始めたからである。
「そう。彼らの正体こそ軍需産業複合体。死の商人ロゴス。我々が討たねばならぬ者の正体だ」
デュランダルの言葉に誰もが呑まれ意識を向けていた中、キラだけは隣に座るセナの手が強く握りしめられている事に気づいているのだった。
はい。
デュランダル議長による都市伝説回。
ドヤ顔で陰謀論を騙るプラント最高評議会議長の支持率が下がらない事を祈りたい。
まぁ、ロゴスは実在した訳ですが。
ちなみに。
ホープについての外伝書きました。
https://syosetu.org/novel/346500/8.html