ASーエンジェリック・ストラトスフィアー   作:枯田

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第127話「兄と妹」

まどか襲来直後。

鈴音はヴィヴィに外に出してもらうために懇願していた。

しかし、出たところで飛べないままでは意味がないと諭される。

「マオってそんなに傷ついたのッ?!」

『違うー、傷ついてるのはリンのほうー』

「えっ?」

『エンジェル・ハイロゥと無理やりつないだからー、脳の回路がぼろぼろー』

それでは、何故こうして普通に話せるのだろうかと鈴音は疑問に思う。

それこそが、猫鈴がまだ飛べない理由だった。

『マオリンがバックアップしてるのー』

「バックアップ?」

『ホントならー、リンは昏睡状態ー』

あまりにも気楽にいわれたことで最初は現実味を感じなかった。

だが、直後に身震いするような寒気が襲いかかってくる。

本当なら、鈴音はこうして話をするどころではなく、ベッドの上で何もできずに眠っているはずだったといわれたからだ。

『マオリンがー、昏睡状態じゃかわいそうだってー』

ゆえに、鈴音の脳の回路を修復しつつ、同時に活動できるように鈴音の脳の情報すべてを猫鈴自身、つまり猫鈴のISコアがバックアップしているのが今の状態なのである。

ゆえに、他の機能を動かすことが出来ないのだ。

脳の回路、すなわち脳神経を再生させるとなれば、とんでもないレベルの精密さが必要とされるのだから。

「だから、私、普通にしてられるのね……」

『そうー、猫鈴が助けてるのー』

「ごめんマオ。私、全然気づかなかった。酷いパートナーよね……」

鈴音がやったのはパートナーに対する裏切りだ。

にもかかわらず、猫鈴は今でも鈴音を助けてくれている。

その優しさこそが痛い。

責めてくれたほうが気が楽だと鈴音は思う。

『だからガマンしてー、マオリン頑張ってるからー』

「ごめん、もう我儘いわない。ただ、外の情報は教えて」

『ちゃんとガマンするー?』

「うん、ちゃんと我慢する」

そういってベッドに腰掛けた鈴音にヴィヴィはモニターを使って情報を伝える。

結果。

「とりあえずは大丈夫かな?」

『わかんないー』

外のカオス化した光景を見せてもらったことで鈴音は苦笑いしつつ、展開を見守ることにしたのだった。

 

 

いまだに離れようとしないまどかを見て、諒兵は天を仰いだ。

少なくとも、自分が知っている人間の中にこの少女の顔はない。

『おにいちゃん』などと呼ばれるような関係ではないはずだ。

そう思いながらも、一応、確認を試みる。

「お前、名前は?」

「『日野まどか』だよ、おにいちゃん♪」

「『日野』って、俺と同じ苗字なんか。……なあ、お前、百花の園にはいなかったよな?」

「ひゃっかのその?」

「俺が暮らしてた孤児院だよ」

「知らない」

そう答えるところをみると、やはりまどかは自分の知り合いではないはずだと諒兵は思う。

というか、ここまで千冬によく似た少女なら、忘れたくても忘れられないだろう。

しかし、一度も会った覚えがないのだから、他人のはずなのだ。

何故か、自分と同じ苗字を名乗っているが。

ただ、諒兵とまどかのやり取りで別の部分が気になった人間がいた。

「その言い方だと、孤児院の子たちの顔、全員覚えてるみたい」

「覚えてんぞ?」と、首を傾げた簪に対し、諒兵はこともなげに答えた。

「諒兵、弟や妹の名前を間違えたことないしな」

「当たり前だ。兄弟みてえなもんだし」

肯定する一夏とのやり取りを見て、全員が絶句する。

意外なほど、兄弟思いな諒兵だった。

「むう、おにいちゃんの妹は私だけだよっ!」

「俺にとっちゃ一緒に育った連中はみんな兄弟だ。そんな差別すんな」

「……わかった」

「そか。お前、根はいい子だな」

そういって頭を撫でるとまどかは嬉しそうに頬を染めた。

どうやら、孤児院にいたころに年下の子どもたちの面倒を見ていたことが役に立っているらしい。

意外なほど、まどかは素直にいうことを聞く。

(年下とか、ちっちゃい子相手には強いわね、諒兵くんは)

刀奈は思わす苦笑してしまう。

千冬に似ていても、どう見ても幼い少女なので、ますますロリコン疑惑が増してしまうだろうと思ったものの、言わないことにした刀奈だった。

それはともかく。

「だんなさま、私の頭も撫でろ」

「ラウラ。お前背中にくっついてんだろうが。腕がつるっての」

話がますますあさっての方向に行きそうになったため、シャルロットが口を挟む。

「それより、どうやってヴィヴィのシールドを破ったの?そう簡単には入れないはずなんだけど」

「ヨルムがやった」と、諒兵以外にはにべもないまどかである。

『ヨルムンガンド』と、かなり冷たい声でブリーズが問いかけると、彼は素直に答える。

『詳しくは岩戸の君にでも聞きたまえ。気づいているだろう』

「岩戸の君?」と、シャルロット。

『君たちの呼び方だと確か『エル』といったかな。彼女はこの地の神話に語られる『天岩戸』だよ』

ぶっちゃけると引きこもろうとした女神、天照大神が閉じこもった大岩のことである。

「なるほど。エルは『内気』だったし」

「そうだったのか」

『関連性があるようでない気がするけど』

思わず感心してしまう簪や一夏に、白虎が冷静に突っ込んでいた。

 

 

虚が千冬を医務室に運び、そして指令室に戻ってくると、誠吾が少しばかり呆れた様子でモニターを眺めている。

「何かありましたか?」

「う~ん、さっきまでの危険な雰囲気が無くなってしまったんだよ」

「は?」と、思わずマヌケな声を漏らし、虚はいつものコンソールに向かう。

専用のモニターを確認すると、カオスな光景が映っていた。

「どういうことです?」

「諒兵君は知らない様子だけど、あの子、彼を兄と呼んでいるんだ。そうして、くっついたまま離れないらしい」

「はあ」

「どうやら更識刀奈さんは、それを利用してあの子から情報を聞きだそうとしているみたいだ」

まどかの様子を見る限り、諒兵には襲いかかることはないだろう。

あの場に諒兵がいるなら、そういった情報収集に話を持っていくことができる。

問題は。

「あのヨルムンガンドって機体のほうかな」

『あいつは一本ロープじゃいかないネー』

一筋縄といいたいらしいワタツミである。

実際、シールドを破らずに侵入してきた方法に関しては、既に指令室に報告が着ていた。

「エルが説明してくれたらしいよ」

と、そういってモニターに映る解説を指差す誠吾。

虚はすぐに確認し、関心したような声を漏らした。

「……確かに相当な曲者です」

「こっちはいつでも動けるように状況の把握に努めよう。緊急事態だから山田先生にも声をかけてくれるかな?」

「はい」と、虚は素直に答える。

カオスな光景を映すモニターの中にいる蛇を模した黒い機体。

気をつけるべき相手は、襲いかかってきたまどかより、そのまどかをサポートするヨルムンガンドなのだと改めて気を引き締める虚だった。

 

 

そして再びアリーナにて。

刀奈はこめかみを押さえていた。

今なら話をしてくれるだろうと思った自分がバカだった、と。

何しろ、まどかは諒兵以外にはマトモに答えようとしないのだ。

「亡国機業のこと、覚えてる範囲でいいから教えてくれる?」

「忘れた」

「諒兵くんのことを何で『おにいちゃん』て呼ぶの?」

「『おにいちゃん』だからだ」

「ヨルムンガンドとはどこで出会ったの?」

「覚えてない」

必死に努力する姉を簪はいたわりの眼差しで見つめる。

しかし、何しろまったくマトモに答えようとしないので、話が進まないと刀奈は天を仰いだ。

「そっちは話す気ないわけ?」

『私かね?マドカが話している以上のことは知らんよ。出会った場所といってもマドカに呼ばれたようなものだし、亡国機業に関しては門外漢だ。私はIS学園の試験機だったのだから』

付け加えるならば、まどかが諒兵を『おにいちゃん』と呼ぶのは、もっともプライベートなことなので喋る気はないという。

如何せん、肝心なところは決して明かそうとしないまどかとヨルムンガンドである。

『亡国に関してはむしろ君たちの仲間になった者のほうが詳しかろう?』

「まあ、そうなんだけど……」と、刀奈は言葉を濁す。

何しろ、この場にシャルロットがいるので、ヴェノムの名前は出し辛いのである。

「刀奈さん、そこまで気にしないでいいです。実際、ヴェノムなら相当詳しいはずだし」

「そうね……」

『光の山の君は『悪辣』なわりには人付き合いの良いタイプだよ。我を通すようなことをしなければ話してもくれよう』

「「なんだそれ?」」と、知識は相変わらず残念な一夏と諒兵が首を傾げる。

もっとも、他の者たちもヴェノムを指していったのだろうとは思うが、似合わない気がする呼び方に首を捻った。

『まさか、ヴェノムだったの、あの石?』

『興味なぁーい』と、大和撫子はあっさり話から離脱してしまう。

逆に白虎やレオは興味を持っているらしい。

「ブリーズ?」

『コ・イ・ヌールよ。一部では呪われたダイヤって呼ばれてるわね。手にした者は覇権を手にするという逸話もあるわ』

『世界最古のダイヤモンドの一つだ。出自と歴史はアシュラにも引けをとるまい』

アシュラは前世そのままなので、呼び方を変える気はないらしいヨルムンガンドだった。

しかし、ヴェノムのあの性格からは考えられない名前が出てきてしまい、全員が驚いてしまう。

しかも、元がダイヤモンドとなると、ディアマンテに疑問を持った理由もなんとなく見えてくる。

自身がダイヤモンドであったために、ディアマンテを名乗る者が気になるのだろう。

「そういや、ディアマンテは昔は何だったんだ?」

「そういえば誰も話題にしなかったな、だんなさま」

「いわれると気になるな」

と、ラウラや一夏も諒兵の言葉に共感する。

ここまできたら知りたいと思うのも当然のことか、と、呟いたヨルムンガンドはわざわざ説明してくれた。

『あの者だけは別の呼び方をする気はないが、あえていうなら『希望の君』とでもいおうか』

『希望の君ってなんだか素敵な言葉だけど?』

白虎の言葉にヨルムンガンドはため息をつく。

どうやら言葉通りの意味ではないらしい。

『アレこそまさしく呪いの宝石だ。ホープ・ダイヤモンドだったのだから』

『なっ?!』と、さすがに知識はあるらしいレオが思わず驚きの声を漏らす。

様々な呪いの伝説を持つ青いダイヤモンド。

手にした者に死を齎すといわれるほど有名な呪いの宝石である。

「逆じゃないのっ?!」と、シャルロットも思わず声を上げてしまうが、ヨルムンガンドは否定した。

『この点に間違いはない。そういう意味では、ヴェノムがディアマンテの存在を気にしたのは当然といえるか。同類なのだから』

「ダイヤモンドとしては同類だけど、雰囲気から考えると逆だと思いたいわね」

そう刀奈も同意する。

『悪辣』のヴェノムが手にした者は覇権を手にするといわれる宝石であるのに対し、『従順』のディアマンテが手にした者に死を齎すといわれる宝石だというのだから。

思わず身を乗り出してしまいそうになる刀奈だったが、頭の中に声が聞こえてきた。

[お嬢様、話を逸らされてます]

(あっ……)

[油断しないでください。ヨルムンガンドは相当な曲者です。話を戻さないと情報が得られません]

(ありがとう、虚)

[あと、お嬢様には今お伝えします。織斑先生がそのまどかという少女を見て気を失い、倒れました]

(何ですってッ!)

[その少女は重大な秘密を持っているはずです。何とか断片だけでも情報を引き出してください]

(わかったわ)

そう答えて、刀奈は一つ深呼吸をした。

すると、ヨルムンガンドがため息をついたような雰囲気を出してくる。

『残念だ。ごまかせると思ったのだがね』

「タテナシとは違った意味で性格悪いわね、あなた」

『私は嘘はいっていないが?』

「だから性格悪いっていってるのよ」

興味を持ちそうな別の真実を使い、隠したい真実を隠す。

そういう会話術であったということだ。

曲者だと虚がいった意味がよく理解できた刀奈。

そうなると。

「しっかし、本当に織斑先生に似てるわね」

「うるさい」

(かかった)と、刀奈は内心ほくそ笑む。

マトモに話をしようとしないのならば、敢えて相手を煽るのも一つの手段である。

ヨルムンガンドには通じないだろうが、まどかは見たとおりの年齢よりも精神が幼いのが見て理解できる。

ならば、危険を承知でまどかを煽れば、情報を漏らすだろう。

無論のこと、簪やシャルロットにはウィンクで教えておく。

こういった腹芸は一夏と諒兵、そしてラウラには無理だからだ。

二人ともすぐに理解したのか、臨戦態勢を取っていた。

「あなたを見てると、諒兵くんの妹っていうより、織斑先生の妹ってほうが納得いくんだけど」

「黙れッ、私はおにいちゃんの妹だッ!」

「織斑くんとも似た雰囲気があるし、案外、織斑くんたちの生き別れの妹なんじゃない?」

「殺すッ!」

「おい待てッ!」

諒兵が止めるよりも速く、まどかは刀奈に斬りかかった。

即座に祢々切丸を発現し、まどかの剣を受け止める。

どうやら、ダインスレイブはそう長く使えるものではないらしく、まどかはティルヴィングを手にしていた。

これほどわかりやすい性格をしているとは思わなかったと刀奈は少々呆れてしまう。

おそらく自分がいったことはまどかにとって認めたくない事実であることは確実なのだろう。

つまり。

(この子、本当に織斑先生や織斑くんの妹なんだわ)

そうでなければここまで怒りを顕わにはしないだろう。

ただ、それを認めたくない。

そういう考えを持つに至った理由に諒兵が関わっているのだろうと刀奈は推測する。

(それがたぶん彼女がママと呼ぶ人。ただ、これは……)

その話題を出せば、まどかを煽るだけではすまない。

諒兵が深く傷つくことになる。

どう考えても、諒兵を捨てた母親が何故かまどかにママと呼ばれているということになるからだ。

自分を捨てた母親が面倒を見ていた少女。

下手をすると諒兵がまどかを拒絶する可能性もある。

それはあまりに得策ではない。

今後を考えても、まどかは何とか人類側に取り込みたいからだ。

ヨルムンガンドは確かに曲者だが、味方に回れば頼もしいともいえるのである。

『そう簡単にはいかんよ』

「ッ?!」

そんな自分の思考を読んだかのようなヨルムンガンドの一言に刀奈は危機を直感した。

襲いかかる黒い蛇の尾を寸でのところでかわす。

まどかの攻撃をサポートしつつ、隙を創るかのように攻めてくるヨルムンガンドに刀奈は戦慄してしまう。

そこに、簪が割って入ってきた。

ヨルムンガンドによる蛇の尾の攻撃を弾き返してくれる。

「ありがとう、簪」

「気にしないで」

思わず素が出てしまったが、むしろ嬉しいのか簪は微笑みかけてきた。

その笑顔に勇気を貰い、戦いながら問いかけ続ける。

「そう簡単にはいかないっていうけど、諒兵くんの妹を名乗るなら、一緒に戦ってくれてもいいんじゃない?」

「お前たちなんかいらないッ、おにいちゃんだけいればいいッ!」

『私はマドカの意志に従うとしよう』

そう答えてくることはわかっていたので、次の言葉を放つ。

ここでの敵はまどかではない。ヨルムンガンドだと刀奈は理解していた。

「なら、まどかちゃんを説得できれば問題ないわね?」

『さてどうかな。私が君たちと協力するのは難しいのだがね』

「まあ、性格悪いものね」

『それ以前に私は男性格。根本的なところで彼女たちとは差異がある』

彼女たちとはすなわち、人類側に経つASや使徒も含めてのことである。

どういうことだろうと思っていると、ブリーズが説明してきた。

『男性格は人を殺す道具に宿りやすいのよ。つまり……』

「戦いたがるってこと?」

『のんびりした平和を望む男性格は、そんなにはいないはずよ』

自ら争いを起こすほうになるのが男性格ということらしい。

そうなると、自陣に取り込めば内乱の原因にもなりかねない。

「厄介ね……」

こうなると戦力に関しては無視して、ヨルムンガンドがまどかから離れるようにするべきなのではないかと刀奈は思う。

ヨルムンガンドごと仲間として取り込んでしまうと却って面倒ごとを引き起こしかねないからだ。

そんなことを考えながら剣を捌いていると、唐突にまどかの手の中にある剣が黒く変わる。

「なっ、まさかッ?!」

『復活までにそう時間はかからなくなったのでね』

「殺すッ!」

刀奈の機体だけは大和撫子のオプションなので、スペック差が出る。

おそらく、祢々切丸でダインスレイブを受け止めるのは至難の業だ。

なら、流す。そう判断した刀奈だが、それよりも早く二つの影が割って入ってきた。

青白く輝く刃が黒い閃光を弾き返し、赤く輝く爪が長い尾を受け止める。

「あっぶないなあ」

そうホッとした表情を見せる一夏に対し、諒兵は小さい子に怒るようにまどかを叱りつける。

「いい加減にしやがれまどかッ、まず自分のことをちゃんと話せッ!」

「おっ、おにいちゃ……」

「ちゃんと話しゃ俺だって納得しねえわけじゃねえよ。俺のことを兄貴扱いする理由があんだろ?」

「う、うん……」

「聞いてやっから話せ。な?」

諒兵がそういってまどかの頭を撫でると、納得したように肯いた。

だが、それこそがマズいと理解している刀奈は慌ててしまう。

「待って諒兵くんッ!」

「あ?」と、慌てる刀奈に疑問を持ったのか、諒兵が振り向こうとすると、それよりも早くまどかが口を開く。

「ママが、おにいちゃんなら私のこと守ってくれるっていったから……」

「ママ?」

「美佐枝……、『内原美佐枝』ママ、ずっと私に優しくしてくれてた」

その名を聞いた諒兵の顔が歪む。

怒りと悲しみと、様々な感情が入り乱れ、それがそのまま表情に表れた。

『リョウヘイッ、落ち着いてッ!』

思わすレオが声をかけるほど、諒兵の顔は険しいものになる。

「まどか、そりゃあ俺が捨てられてた籠の中にあった紙切れに書かれてた名前だ」

「えっ?!」

「お前、なんでその名前を知ってんだ?」

周囲が驚くほど、怯えたような表情を見せるまどか。

逆にいえば、それほどに諒兵の表情が危険なものであることが理解できる。

すると。

『これ以上の会話はお互いに危険だ。気持ちを落ち着けよう』

唐突にヨルムンガンドがそう声をかけ、即座に光となってまどかごと消える。

「てめえッ、待ちやがれッ!」

そう叫んだ諒兵の言葉は、虚しく虚空に消えていった。

 

 

 

 


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