ASーエンジェリック・ストラトスフィアー   作:枯田

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リハビリを兼ねて連続投稿です。

イースター・バニーはバニーガールではありません。
何故か、現在楽しんでいるFEHだとやたらバニーガールが出てくるけどw

それはともかく、イースターの時期だなあと思うと同時に、オーステルンの由来をココから取ったことを思いだしたので、ラウラメインで書きました。

気楽な番外編が気楽に書けるように、無理せずやっていきます。


番外編「復活の日」

一神教のお祝いの中にイースターと呼ばれるものがある。

通例として四月ごろの日曜日がその日と制定され、前後約一ヶ月間はその期間と呼ばれている。

イースターではきれいに色を塗られた卵であるイースター・エッグや、その卵を運んでくる兎のコスチュームに身を包んだイースター・バニーと呼ばれるキャラクターなどが有名である。

今でこそ、救世主の復活を祝う日として有名になっているが、元は多産と豊穣を司る女神の祭りであり、一神教がそれを吸収して現代の形になったと言えるだろう。

その女神の名が、オーステルンの元となったエオストレであるとは以前語っている。

つまり。

「私とオーステルンを祝う日だっ!」

「いきなりわけのわからねえことぬかすなっ!」

と、バニーガール姿でドヤ顔を決めるラウラに、諒兵が突っ込みを入れていた。

「こんな光景も何だか一年ぶりな気がするよ」

「メタなこといってんじゃねえ」

生暖かい目でラウラと諒兵の漫才を見ていたシャルロットの感想に諒兵が再び突っ込む。

『苦労をかけるな、リョウヘイ……』

『そう思うのなら、少しは止めてください』

申し訳無さそうなオーステルンにレオが容赦なく突っ込みを入れるが、それで止まるようなラウラなら苦労はないのである。

 

さて。

「まあ、ラウラさんのバニーガールはともかくとして、せっかくのイースターなのですし楽しみましょう」

と、基本的には常識人のセシリアがまとめに入った。

イースターは日本ではなじみがないが一神教の信仰が強いヨーロッパではたいてい休日となり、パーティなども開かれるという。

その際に振舞われるものは、諒兵にとってはありがたいものだろう。

というか、食べ盛りの少年たちにとっては実にありがたいパーティである。

「肉料理がすげーな」

「一応、バランスは考えてるのね。お肉ばっかりじゃ胸焼けしちゃうわ」

「卵料理というか、卵のお菓子も多いんだな」

「まー、イースターって言えば卵と兎だしねー」

『もともとは肉禁止の時期があって、ガマンしてたから食いまくってたらしーぜ?』

弾や鈴、そして数馬の感想に対しティナが説明してくるが、さらに、わりとインテリな説明をしてくる意外なヴェノムである。

そんなヴェノムの説明に「我慢?」と箒が食いついてきた。

『イースター前の時期は肉類を禁止するのです。元は救世主の断食行から来てるのですが』

「反動で食べているような感じなのか」

『というより、この時期に生まれた卵などが余るので』

「ちゃんと食べようってことなんだな」

感心した様子で肯く一夏も、一応パーティということでお腹を空かせてきたので、できればさっさと食べたい派だった。

いつまでもお預けではもったいないので、刀奈が食べるように促す。

「ま、せっかくだし食べて英気を養いましょ。大丈夫、セシリア以外が腕を振るったから♪」

「それ酷くありませんことっ?!」

『まずは食せるものを作れてから言いましょう、セシリア様』

「フェザーっ、せめてフォローをっ!」

既に泣きそうなセシリアだったりするが、いまだ料理の腕は上がっていないのだった。

 

宴もたけなわとなった頃。

くぴくぴとホットミルクを飲んでいたラウラが、ふと諒兵を見つめてくる。

「どした?」

「いや、こんな時間がいつまでも続けばいいと思って」

「まあ、たまにはこんなんもいいな」

「そうじゃない」

「んあ?」

「……だんなさまが鈴音とどんな関係になっても、私とも仲良くしてほしいと思うんだ」

それは、ラウラが人として成長したからこそ感じる不安だった。

人とのつながりを大事にする反面、そのつながりが切れてしまうかもしれないと不安に感じるようになってしまっていた。

それは、弱いと思う。

でも、弱くなりたくないと思う。

だからこそ、口を衝いて出てしまった。

「お前とどんな関係になっても縁は切れねえよ。俺も切りたくねえ」

くしゃっと柔らかな銀髪を撫でると、ラウラは照れくさそうに笑う。

来年の今ごろはどんなふうに過ごしているのだろうと思いつつ、きっとすぐ近くに仲間が、そして諒兵がいると思うラウラだった。

 

 

余談だが。

モニターの向こうで嘆くクラリッサに対し、千冬が厳しい顔をしている。

「きょうかん~、何でこの時間に会議をするんですか~?」

「自分の胸に手をあてて考えろ」

「ラウラが可愛い顔を見せてるかもしれないのに~」

「だからだっ!」

いい加減、元部下の覗き趣味を何とか矯正したい千冬だった。

 

 

 

 

 


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