アナタの願いを教えてください。
ある願い星はそう言った。誰と比べても唯一で、何と比べても一番の願いであればそれを叶えると。
ここはある少女の夢の中。そう語りかけてくる星に対して少女は思案する。
『オンリーワンでナンバーワンか……うへぇ、そうだねぇ……』
アナタの願いを叶えます。
アナタの願いを教えてください。
アナタにとって一番の、決して取り消せない、この世で一つだけの願い事を。
いま思いついたものでも、ずっと隠していたものでも構いません。
『そうなんだ。まぁ、願いなんて心に隠しておくものだもんねぇ』
目の前の誰かはそう言っていた。
誰か、とは言ったが、目の前のそれが人なのかすら、定かではないのだけれど、目の前の何かはそう言っていた。
たった一つの、誰と比べてもオンリーワンの願い事であればそれを叶えると。
『お金が欲しい、寝る時間が欲しい、くじらのぬいぐるみが欲しい……』
『うーん、なんか違うかなぁ……欲しいけど一番じゃないよね』
『お金が欲しいのは目的のためだし、寝る時間は忙しいのがそもそも悪いし、ぬいぐるみは、そのうちいつか買えるしね。そもそもどの願いもありきたりだ』
オンリーワンかつナンバーワン。ナンバーワンは簡単だ、叶えたい一番の願いなんていくらでもある。いくらでもある一番、なんて矛盾したように聞こえるが、願いなんてものはそんなものだろう。
問題はオンリーワンの方。誰とも被らない願い、なんていうものはそうそうあるもんじゃない。
うーん、と悩んでいると、またその何かは喋りだす。『アナタの願いを叶えます。アナタの願いを教えてください』光り輝く何かはそう繰り返していた。
『うへ、めげないねぇキミ。おじさん好きだよそういうヤツ』
『“一番の願い”っていうなら、そうだねぇ……』
『もう一度だけ、■■■■といっしょに■■■で、■■を■■■たかったかな』
数ある一番のその中でもとびきりの一番。決して叶わない、そして唯一であろう願い。
おめでとうございます。検索の結果、他に同じものはありません
それは、この世で唯一の願い、のようですね。
あぁ、そうだろうとも。世界で唯一の願いに決まっている。
ただのひとりも、ただのひとりもあの人との毎日を覚えていないのだ。
あんなに頑張ってた、あんなにくだらなかった、あんなに立派だったあの人との毎日を。
ただのひとりも覚えていない。
『はは……そりゃあそうだ。わたしたち以外誰もいなかったんだから』
かならずその願いを叶えましょう。かならずその願いを一番のものにしましょう。
願い星と名乗る誰かの声が響く。世界で唯一の願いだなんて、全く嬉しくない。
『アナタの願いを叶えましょう』喧しく喚く星の言葉がなんだか嘲りにさえ聞こえてくる。
『……ユメ先輩』
少女の夢はそこで途絶えた。輝く星の瞬きとともに。
思いついたので形にしておきました。クロスオーバータグ入れるほど要素入ってないし、FGOの知識もいらないんで入れてないですが、もし問題ありそうなら入れます。
もし連載書くような余裕ができたら『異聞深度EX 夢幻蜃気楼学園 アビドス』みたいな感じで投稿するかもしないかも