【無慈悲な】侵攻蟲苗床化計画【異世界攻略】   作:オルフェイス

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終わったので、ストーリーにはさほど関係ない話を落としていきます。
あとこういうの皆好きじゃないかと思って。


幕間・虫の巣

 

 そこは虫の巣窟。

 

 地下深くに掘り進められ、地上を平らげるべく増え続けた虫たちの居場所。

 

 今では役割を終えて各々の虫が好きなように拡張しているために、虫を生み出した創造主であっても全容が不明となっている。

 

 そこにいる虫に区別はない。

 

 蟻、蜂、螻蛄や蜚蠊、あろうことか地上の虫である蟷螂や蚊、その他多数の虫が掘り進められた地下に棲んでいる。

 

 もはや地上には外敵はおらず、魔神との戦いで一度は大きく数を減らしこそしたがそれでも十万を超える虫が今も蔓延っている。

 

 虫を増やすための苗床は未だに健在。虫たちの間で独自に決められた順番待ちこそあれど、数千を超える苗床がいれば一年もせずに元の数に戻ることだろう。

 

 この大陸の支配者となったも同然である虫たちであるが、虫には何か目標と言えるものがない。

 

 数を増やし、巣を広げる。本当にそれしかすることがなく、大半の虫はそれだけを行う。考えることすらないだろう。大多数の虫は、自我といえるものが希薄であるために。

 

 そんな中でも、明確に我を持つ虫もいる。

 

 創造主によって方向性を与えられた虫たち……大罪の虫だ。

 

 

 怠惰の虫は怠けて動かず、成虫になれば何かするかもしれない、といったところ。

 

 強欲の虫は地上をせくせくと走り回り、何か見つけては自分だけの巣窟に放り込み、また探す。

 

 暴食はとにかく食べる。自分の食物を取ろうとする虫には容赦なく共食いを実行し腹を満たす。

 

 嫉妬の虫は甚振るのが好きだ。捕らえた苗床をわざと逃がし、そして痛めつける。心が折れていないほうが嫉妬の虫は痛めつけるのが楽しくなるため、狙うのはそういう個体だった。

 

 傲慢の虫も嫉妬と似たようなもので、言語を習得し、心の折れていない苗床の心を壊す。ただその性質のためか、嫉妬の虫とは仲が悪くよく喧嘩し、場合によっては殺し合う。

 

 憤怒の虫は一番分かりづらい。普段は他の虫と大差ない行動をするが、一度でも逆鱗に触れれば満足するまで暴れまわる。

 

 色欲の虫は一番単純だ。とにかく女を犯し、孕ませる。中には人型である傲慢や嫉妬に目をつける虫もいて同種交配を好む虫も存在する。ただそのせいで殺されることも多々あるようだが。

 

 

 ─────と、このように。

 

 単一の属性を与えられた虫は、ひどくわかりやすい行動をする。

 

 甚振る、痛めつける。

 

 食べる、寝る、犯す。

 

 集める、暴れる。

 

 『コレ』と決められたことを行うため、逆にそこにさえ気をつけていれば被害を受けずに済む。

 

 最近では属性を宿し中には混ざりあった新世代の虫もいるため、より混沌としてきている。

 

 混沌としている、といえば、試作的に試された虫がいる。

 

 傲慢と色欲。そこまで相性は悪くなさそうな属性を付与し、さらには他の虫の性質も混ぜ込みキメラと化した虫。

 

 固有の名はない。他の虫にも言えることだが、虫が他者を認識するのは見た目と匂いだけであるため、そこに名など必要ないからだ。

 

 ただ、種族名としての名前なら存在する。

 

 《キメラインセクト》。創造主からはただキメラとだけ呼ばれていた虫であり……現状、最も強い自我を持つ虫である。

 

 

 

 


 

 

 

 

 キメラは色欲をベースに傲慢を付与された虫である。

 

 そのため基本的な行動理由は色欲……孕ませ犯すこと。傲慢によって知恵を得て考えることが出来るようになったがそこは変わらない。

 

 傲慢は人型の雌虫に変化するのが常であるが、色欲がベースになっているキメラは人型でこそあれど、犯し孕ませる側である雄としての側面が強い。

 

 そのため、色欲の矛先も雌だった。

 

 このキメラが、実は創造主が最初に生み出した個体の一匹であり最古参であることは、当の創造主本人も知るよしはないだろうが、そのためかキメラの好みも少し変わっていた。

 

 最初の創造主は小さな肉体であり未成熟であった。後に成長し肉体は成熟していったが、だからなのかキメラの好みも『成長の余地を残す未成熟な少女』と創造主の変化に似たものとなっている。

 

 もちろん乱暴に扱えば簡単に死んでしまうことは知っているため、最初から最後までじっくり丁寧に苗床を扱った。

 

 しかし、大半が心を壊して自殺を決行してしまう。止めることこそ出来たが、行動が行動である故に壊れても構わない最上層の苗床部屋に送られてしまう。

 

 強い個体や頑丈な個体、優良な個体は逃げられないように最下層に送られるが、キメラが好む雌は最上層に送られるような雌だった。

 

 幼すぎる個体は肉団子に変えられキメラに届かない。そのため、キメラは自分の手で自分の欲しい雌を手に入れる必要があった。

 

 そうして手に入れることが出来たキメラの求めた雌が、滅ぼしたクロノス和國にいた白い少女であった。

 

 名前は知らないし興味はなかった。

 

 他の虫に連れられていたところを創造主に打診し、自身の所有物にすることが出来た。

 

 そこからは少女を自分にとって最高の苗床にする日々が始まった。

 

 最初こそ、

 

「いや」

「やめて」

「それだけは」

 

 と懇願し逃げたがっていたが、色欲の特性を活かし傲慢で得た知恵で考え実行に移せば、すぐに口から出てくる言葉は変わっていった。

 

 次第に、

 

「もっと」

「沢山ください」

「孕ませて」

 

 という言葉が出てきて、ついに孕ませれば幼く未成熟な身体にぽっこりと膨らんだお腹がアンバランスで、ひどく興奮したことをキメラは覚えていた。

 

 孕み、出産を経て、白い少女は完全に抵抗しなくなり、むしろ求めるようになっていった。

 

 生まれた虫は傲慢の特性を色濃く受け継いだためか皆人型であり、なぜだが白い少女は生まれる前の子の特徴を全て言い当てていたのが不思議ではあったが……

 

 キメラは気にしないことにした。そのようなことは、些細なことであったからだ。

 

 ─────そういえば、一度だけ少女の元に侵入者が来たことがあった。

 

 その個体は頑丈な個体であったため、最下層の苗床部屋に送られていたはずだったが、嫉妬の虫がわざと逃して楽しんでいるのだろうとキメラは当時を振り返った。

 

 キメラとしては不愉快なことであった。危うく少女が連れ去られる可能性もあったのだから、当然だろう。

 

 その少女自身が侵入者を拒んでくれたので事なきを得たが、それはキメラにとってとても嬉しいことだった。あちらよりもこちらを選んでくれたということなのだから、その日はいつもよりも激しくしてしまった。

 

 キメラはいわゆるロリが好きであるが、自分で勝ち得た戦利品を自分だけのものにすることは虫たちの間では珍しくもない。

 

 例えばシャバドゥスを滅ぼした時は雌が大量に手に入り、各々が捕らえた雌を自分で管理していた。

 クロノス、カルヴァリを滅ぼした時もそう変わりないが、強い個体、優良な個体が数多く一人の苗床を大量の虫で『まわす』こともあった。

 

 確か、カルヴァリの皇帝は強すぎたために一人に対して千数百の虫が担当した、ということをキメラは聞いたことがあった。

 

 ボルトは、残念なことに雌は非常に少なくスルバーンもまた同様であった。

 

 ただ少数とはいえ手に入れることが出来たため、その数少ない雌をめぐって喧嘩が発生したことは、創造主は知らないことである。何せ知らせないように巣を治める虫が徹底したのだから。

 

 創造主は放任主義であるが、それで助かっていることはいくつもある。そのため外敵でもいない限り、虫たちが報告するようなことは殆ど無い。

 

 何より、それは必要のない情報だ。そのようなことで創造主の手を煩わせるわけにはいかない。

 

 虫たちは自我によって形は違えど創造主への忠誠というものがあるのだから。

 

 だが─────もし苗床を確保できず、虫の数が極端に減っていたのなら。

 

 創造主の胎を使うことがあったかもしれない。

 

 所詮、たらればの話ではあるが。

 

 

 

 


 

 

 

 

 苗床部屋にはいくつか種類がある。

 

 まず、壊れても構わない、いわゆる性処理専用の最上層に配置される苗床部屋。

 

 優良、頑丈な個体が集められる中層の苗床部屋。

 

 中層の中でも特に優秀な個体や特殊な個体が集められる最下層の苗床部屋。

 

 最後に強い自我を持つ虫がお気に入りを盗られないように独自に作る個室の苗床部屋。

 

 最上層は主に加減の利かない憤怒や痛めつけるのが好きな嫉妬、傲慢などが良く通っている。そのためよく脱走者が多いが、創造主が厳命しているため、死者は今のところ出ていない。

 

 中層は数を重視した部屋であり、死なせず虫を沢山産ませることが出来れば良いので肉体的な自由はないと言って良い。

 

 最下層は女を落とせるように色欲が常駐して部屋を媚毒で満たし、ストレスなく子を産めるようにしている。ただ最下層にいる雌は非常に少ないため、必ずと言って良いほど取り合いが起こる。

 

 個室は強欲や一部の色欲などが作り雌を閉じ込める。管理は自分でしなければならないが、その代わりいつでも行って雌を孕ませられる。

 

 最近では創造主からの手がなくなったため、人型に進化している傲慢や人に擬態できる嫉妬が同族の虫に狙われる、ということが起こっている。

 

 とはいえ狙うのは色欲ばかりであり大抵撃退されるか殺されるかするのだが。

 

 そんなことになっているのなら問題になりそうなものだが、ここは人のいる場所ではなく虫の巣である。例え虫の一匹や二匹消えたところで誰も気にしない。それは狙われた方もまた同様である。

 

 狙われた虫の中には負けて囚われた虫もいる。そうなれば当然、以前のような行動は出来ない。ただ犯され産むのみである。

 

 ちなみに、虫たちは生まれた段階では雄と雌という区別はない。

 

 傲慢を付与され人型になればどのような個体であれ雌になるのだが、だからといって他の虫が全て雄である、というわけでもない。

 

 より正確に言うのなら、虫を孕ませる機能を有する雄寄りの両性、という感じである。

 

 つまり、どの虫の雌雄がどうかなど、創造主ですらわかっていないのである。そもそも争いに必要のない部分であったから、というのもあるだろうが。

 

 なので恐らく、何十年と経過し苗床が死んでしまっても、代わりに増えた傲慢の虫が母胎となるのであろう。

 

 とはいえ。

 

 創造主から引き継いだ権能があれば、雄であれなんであれ苗床にできるので、しばらくそういう事態になることはないだろう。

 

 今でこそ外敵がおらず内部争いも起こっているが、もしもこの大陸に外敵が現れようものなら、普段の争いなどまるでなかったかのように徹底抗戦を行うことであろう。

 

 平らげ増やし撃滅する。それが創造主の生み出した虫であるから。

 

 

 

 

 




主人公は放任主義。流石に全ての虫を把握しているわけではなかった。
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