【青学三次】百花○○編奮闘ログ Q.○に入る数字を答えよ   作:オロトン

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お気に入りが増えたり低評価もらったりで一喜一憂している作者による投稿になります
青学三次が増えたことでスレの流れとか地の文の雰囲気など色々と学ばせてもらってます(活かせてるとは言ってない)

それはそれとして、今回からのナグサちゃあああんパートはいつもより多めにキャラ崩壊注意になるんですけど!、それを承知の上で、部屋を明るくしてテレビから離れて読むんですけど!
それじゃあ、本編スタートなんですけど!


問2-1 御稜ナグサの前世の名前は何か 答えよ

 その犬の一番古い記憶は、ペットショップでのことだった。

 

 何やらわんわん、きゅーきゅーと鳴き喚く毛の生えた物体に囲まれており、自分もそれらと同じ生命なのだという自覚だけがぼんやりとあった。

 

 初めの内はケージの外から与えられるミルクを吸い、用を足し、同族と戯れ、眠る。それだけを繰り返す毎日だった。

 

 与えられる餌がミルクから固形物へと変わった頃、いつしか共に寝食を共にしていた同族がどこかへ連れられて行くようになった。

 

 嬉しそうに同族を抱えてどこかへ連れていくその生物は、それらは(オス)だったり、(メス)だったり、夫婦(つがい)だったり、1人(ロンリネス)だったりと様々であった。

 

「ママ、私この子が良い!」

「かわいいなぁ…今日から君は僕たちの家族になるんだよ」

BIG LOVE…名前は、『命』なんてどうだろうか?」

 

 容姿が劣っているわけではなかった。

 

 気性が荒いわけでもなかった。

 

 身体が虚弱というわけでもなかった。

 

 愛嬌はあり、かわいさもあり、ユーモアですら持ち得る成長性を有してもいた

 

 はっきりとこれだという理由はなかったが、他の同族が買われていき、その犬だけが何故か買われることなく取り残されてしまった。

 

 子犬の頃は選ばれず、子犬目当てで来た人間の対象外になるまで育ち、当初はそれなりにしたお値段もどんどん下がり、世話をしてくれるペットショップの職員からは徐々に厄介者を見る目をされるようになり──いつしか、売れ残りというレッテルを貼られるようになってしまった。

 

 その犬は難しいことは分からなかったし、邪悪に関して人一倍─もとい犬一倍に敏感というわけでもなかった。

 

 ただ、己が誰からも望まれていないということを理解できるくらいには聡く、胸中には取り残されることに対する寂しさ、そしてきっとこの寂しさを抱えたまま一生をペットショップで終えることになるのだろうかという絶望があった。

 

 最近は職員の口から「ホケンジョ」といった言葉が出るようになり、意味が分からなくも言葉に何か恐ろしさが感じられそれに対する恐怖も覚えるようになっていった。

 

 そんな中でも無慈悲にも時は流れ、職員から明日にはホケンジョに連れていく、ようやく厄介払いできて清々すると言われたその日、その犬にできることは自分の運のなさや誰からも求められることなく、終わってしまう犬生を呪い全てを諦めることしかできなかった。

 

 

 

「すみません、このわんこをお迎えしたいんですけど…」

1人のとある人間がそんなことを言うまでは。

 

「お客さん、本当にこいつで良いんですか?もっとかわいいワンちゃんは他にもいますし、言っちゃなんですけどこいつ今日保健所に連れてく売れ残りですよ?やめといた方が…」

 

「いえ、このわんこが良いんです。このわんこだから良いんです」

 

 その時のことをその犬は忘れることは決して、それこそ来世でも忘れたことはなかった。

 

「何を言ってるか分からないかもしれないけど、嫌ってもいい。俺のことを恨んでもいい。だから──」

 

 そしてその犬は、自分が今まで選ばれなかったのは運が悪かったわけではなかったことを、

 

「どうか俺の、家の家族になってください」

 

 この人に迎えられるためだったことを心で理解した。

 

 

 

「…ワフッ」


tips:マルチーズの平均寿命は12~15歳である


 

「………」

 

 原作開始1年前の小春日和。百鬼夜行連合学院領の小道を、少女は歩いていた。

 

 日焼けという概念を知らないような雪女彷彿とさせる真っ白な肌。

 

 穢れすら近づくのをためらってしまうような純白の髪。

 

 線が細く、クールビューティーの印象を受ける華奢な身体。

 

 「容姿端麗」「目にもとまらぬ美しさ」「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花(キマシタワー)」の言葉は彼女のためにあると言っても過言ではなく、100人中100人が見惚れてしまうような美人。それが御稜ナグサから受ける印象であった。

 

 

 

 

 

「あぐあぐあぐあぐあぐあぐあぐあぐ」

 

 両手に焼き鳥を持ち、ものすごい勢いで貪っていなければ。

 

「あぐあぐうまうまあぐあぐうまうま」

 

 まるでリスもかくやと言わんばかりに口に肉を詰め込んでおり、串だけとなった後は淀みなく袋から新たな焼き鳥串を取り出していく。その間もう片方の焼き鳥に手をつけているため、食べる手は一切止まることを知らない。

 

「もしゃもしゃむぎゅむぎゅもきゅもきゅなぐなぐ」

 

 なお、これだけ貪りまくっていてもその美貌は一切損なわれておらず、オフであるためか羽織を身につけていないため着ているのはこれまた真っ白な制服なのだが、その服や手には焼き鳥のたれや炭などは一切付着していない。

 

 というかいくらオフだからといって袖なしの制服で外出するのはいかがなものだろうか。どこぞの脇巫女だって袖は付けているだろうに、そんなほっそりとした腕をみせつけて誘っているのでh「あ、もう焼き鳥さんないなっちゃった……」…手持ちの焼き鳥を食べきってしまったらしく、ナグサはしゅんとした様子で通算100本目になる串を袋に放り込んだ。

 

「アヤメの分も買っておいたんだけどな…」

 

 どうやら彼女の友達である七稜アヤメの分まで食べてしまったらしく、ナグサはもう一度焼き鳥屋で買い直すかしばらく悩んだが、自分が全部買っていたことを思い出し、ため息を一つついてどこにそれだけの物が入っているのか分からない凹んだ腹をさすると散歩を再開した。

 

 勘違いしないでいただきたいが、別にナグサという元犬現人が普段からこのように焼き鳥を爆食いする焼き鳥キチというわけではない。*1

 

 この日の夢見が悪く、起床後も気分が悪くとても委員会活動ができない状態だったため、アヤメに今日の当番を代わってもらい気分転換も兼ねて散歩に出た、というのが一連の奇行の理由だ。

 

 「『今のナグサが喧嘩の仲裁なんてしたらどっちも吹っ飛ばしそうで見てられない』なんて、失礼しちゃうよね。自分も色々溜め込んじゃうくせにさ。」

 

 ぶうぶう文句をたれながらもいつも見栄を張って無理をしがちな己の相方を案じ、今日はいつもより多めによしよしぺろぺろしなければと考えつつ、そもそも自分の気分をブルーにした元凶である夢について思いをはせることにした。

 

「(別に、にいちゃの夢ってだけなら、まだこんな落ち込むことなかったんだけどな…)」

 

 別に前世での兄である伏見新弥の夢を見ること自体は嫌ではない。

 

 むしろ大歓迎、かつウェルカム、つまりばっち来い()なのである。*2

 

 問題は、夢の内容に幸せな日々の後──|()()()()()()()()()()まで含まれていることであった。

 

『ごめんな…なあちゃんを置いていっちゃうダメな兄で。こんな名前つけておいて先に逝く身勝手な兄で、本当に、ごめん、なぁ…』

 

「………う゛う゛ーっ」

 

 考えたことで意図せずフラッシュバックしてしまった思い出を振り払うようにぶんぶんと首を振るナグサ。

 

 良いことだけ、良いことだけ思い出せと自分を叱咤し、頭ん中を幸せな記憶で埋めつくすように立ち止まって意識を集中させる。

 

『ほーら、なっちゃん。茹でた鳥さんだぞー。はい、あーんして?』

 

『待ってなあ助!それ兄ちゃんが履いた後のパンツだから!持ってくのなら未使用にして……未使用でもダメだよ実際は!?』

 

『なゆちゃん。お前は、お前だけはお願いだからその名前くらい長生きして。兄ちゃんからのお願いだから、な』

 

「う゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」

 

 海馬をジャックしたのは良いが、却って(にい)がこのキヴォトスにいないという現実に思わずナグサは奇声を挙げうずくまってしまう。

 

 前世と今世合わせて50年。兄と死に別れてから生きてきた年月では(にい)と過ごした日々は色褪せず、だからこそそれとのギャップが彼女を蝕んでいく。

 

 これから先の人生を(にいちゃ)がいないキヴォトスで生きていかなければならないことに向き合わないようにしてきたが、今回の夢で抑えが緩み散歩や焼き鳥爆食いでは拭えない憂鬱となって襲われ思わず涙が出そうになる。

 

「…こんなとこで泣いてダメ。泣くのはあの世でにいちゃと会った時って、そう決めたんだもん」

 

 熱くなった目頭を擦り、悲しみを振り払うように小走りで小道を走り抜ける。

 

 伏見なゆた。今世での名を御稜ナグサ。

 

 元オスのマルチーズだった彼女が、もう会えないと思っていた(愛しい人)と再開しギャン泣きする少し前の出来事である。

*1
焼き鳥キチではあるかもしれない

*2
逆にその夢ばかりというのも現実で会えない事実と直面するので勘弁願いたいが




【御稜ナグサ/伏見なゆた】
元♂️イッヌの儚げ美人系JK
2年次は若干背は低いが十分高身長
前世の名前は長生きしてほしいという理由で兄が付けた
原作もまあまあ天然で図太いがワンちゃん(ソウル)がインした今作でも大部天然している
兄のことが致命的に大好き



【七稜アヤメ】
原作における百花繚乱紛争調停委員会の委員長
原作との差異は現時点では不明
ただ原作崩壊していることは間違いないのでご安心を



【焼き鳥屋】
ナグサのお得意様
流石に買占めは初めてだったのでびっくりした
青学スパイ



【作者】
《メリット》
なし
《デメリット》
あり


【実家の犬】
《メリット》
かわいい
動作時のオノマトペがいとおしい
話聞いてくれる
うんち食べない
トイレしたら教えてくれる
布団でトイレしない
家族と顔見知りと他人と作者の違いが分かる
いつも「なんやねん」みたいな顔をする
「行き」と「帰り」の概念を理解している
かわいい
スタンド使いである
確定申告ができる
格差と戦って勝つ
《デメリット》
マザコン
芸を覚えない
なでるとキレる
なでなくてもキレる
作者が仕事しているタイミングでちょっかい出してくる
作者が構おうとするとそれはそれでキレる
作者と一緒に寝ない
作者と散歩をしない(動かない)
のに作者が1人で外行くとキレる
作者が電話しようとしても
常に作者にマウントを取る
作者が他の人(犬)とやり取りしようとするとキレる
帰宅時手洗いの前に顔見せに来んかいと吠えてくる
作者に痕が確認できるまで噛んでくる
定期的に作者の頸動脈を狙っている
隙さえあれば作者に騎乗する
暇さえあれば作者の乳首をねぶる
作者に分裂を強要する
失うのが恐い



感想、評価、お気に入り並びにここ好きを頂けると作者がハイウェイの堕天使()ます。
真面目に作者のメンタルと心身の健康に関わるので何卒宜しくお願いします。
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