これからはもう少し早いペースで出せるように頑張ります。モチベーションアップのため高評価等お願いします。
無人島生活も5日目を迎えた。そして事件は朝日が昇るとともに訪れた。
「今日もいい天気だな。ん?なんか騒がしいな」
起きて体を伸ばしながらテントから出るとなんだか騒がしかった。女子集団で平田に何か話しているようだし、男子の方は何やらコソコソと集まっているようだった。
「おはよう、早速だが陽人助けてくれ」
朝っぱらから何やら神妙な面持ちで話しかけてくるのは我が相棒、綾小路清隆。普段は頼りになる男だが何やら今日はまるで助けを求める子犬のように見えてくる。
「あーまず何があったか教えてくれ」
そう言って清隆がスッと差し出してきたのは何かの布切れ。その正体を確かめようと広げるのなんとそれはパンティーじゃないか。
「まず俺には2つの選択肢があるな。女性ものの下着を履く友人を暖かく見守るか、無人島生活で性欲がピークに達しよなよな女子の下着を盗んだ友人を警察に突き出すか。俺はどっちをやればいい?」
「できればどっちもやって欲しくないな」
「で、実際のとこは?」
容疑者、綾小路清隆の話を聞くと朝起きたら池のカバンの中にパンティーが入っており、それに気づいた池はやばいと思い清隆にパンティーを丸投げしたと。
それでパンティーの持ち主は軽井沢と。まぁ知ってる流れだな。
俺が清隆と話しているうちに女子側からの要望で全員の持ち物検査をすることになった。彼女持ちの平田と一応桔梗と付き合ってる設定の俺は免除されることになった。
そんな話が薄ら聞こえてきたので清隆から瞬時にパンティーを受け取りズボンのポッケにしまう。
「どうやら俺は身体検査免除されるみたいだから俺が持っておくのがいいだろ」
「陽人!本当にありがとう」
殺人事件の被告人を無罪にした時並の感謝を清隆から受け、平田に呼ばれて共に男子の身体検査を行った。
当然パンティーは俺が持っているのでこの身体検査は何事も問題がなく終了した。
所持品検査と身体検査の結果だけでは女子からの満足は得らなかった。そのため男子と女子の溝は深まり女子のテントを男子からさらに話すことにもなってしまった。
その作業も一通り終えて各々がいつも通りの作業に戻る。その時に桔梗を捕まえクラスの人の目に触れないところまで連れ出した。
「どうしたのかな急に?もしかして私と話したくなっちゃった?」
冗談じみたように言っているが、そこらの男子が聞けば一瞬で好きになってもおかしくないセリフをなんも違和感もなく発する桔梗を見て改めて恐ろしく感じる。
予め桔梗について知らなかったらこれだけで櫛田親衛隊になりそうである。
絶賛桔梗表verであるがポケットから例のものを出すと一気に目の光がなくなりまるで汚物を見ているかのようだ。
「え?軽井沢さんの下着盗んだのあんただったの?普通に引くんだけど」
何も言わずに出したのだからこのような誤解が生じるのは仕方ないが、すぐに疑われるあたりまだまだ桔梗さんの中で俺への信用なんてものは無い事にちょっと肩を落としそうになる。
「なわけないだろ。これはまず池のカバンに入ってて池から清隆、清隆から俺と受け継がれたんだよ。だから俺は断じて犯人じゃない!」
言い方が良くなかったのかまだ桔梗の目から疑いが消えないのかジド目で見てくる。
「はぁまあ普通に考えてあんたが盗るわけないか」
「桔梗に頼んだのはそこら辺に落ちていたって事で軽井沢さんに届けてほしいからさ」
「まあいいけど。犯人は」
「伊吹だろ」
「あーあーやっぱりあの女か。あの女キモいんだよな。私がせっかく話しかけてやっても突っぱねるし、それで私イケてるとか思ってんだろうなーあームカつく」
「まぁまぁ帰ったら聞いてあげるから今は落ち着いて」
「はぁじゃあ帰ったらとことん付き合ってもらうから。この1週間でマジでストレス溜まってるから覚悟しといてね♪」
その言葉を聞いて気軽に言うべきではなかったと内心激しく後悔する。これは間違いなく徹夜コースである。なんなら1日で終わらない可能性もある。なんならその可能性の方が高い。
「じゃあわたしは返しに行ってくるね。谷風くんが盗ってたって言って」
「流石に勘弁してくれ」
すっかり表のホワイト桔梗になりみんながいるテントの方に戻る桔梗だったがすれ違いざまに、「私のは見たかったらいつでも見せてあげるよ」
そう言われて慌てて振り向くも桔梗は何事もなかったかのように戻って行った。
それを聞いた時は動揺していたが、冷静になって考えると桔梗だからということもあり男を落とすためのちょっと重めの冗談であると捉える事にした。
(ただ言った本人は好きな人が別の女の下着を持っていた事に苛立ちを覚えてその場任せで言ったはいいものの、ベースキャンプに戻ってからは言ったことを激しく後悔ししばらく上の空だった。
その後何食わぬ顔で現れた谷風を見てホッとしたものの何にも意識されてないのはそれはそれでムカついてしばらく複雑な気分だったとか)
♢♢♢♢
6日目
その日は起きると地面には水溜りがあり、夜中に雨が降っていたことが伺える。そして雲もまだ残っており雲の色からしてこれから荒れるだろうというのは予想できた。
本日は珍しく、俺、清隆、桔梗、愛里、伊吹、その他愉快なメンバーで食糧調達だ。
ある程度収穫し、ベースキャンプに戻る時、深夜に雨が降った事により地面がぬかるんであり滑って盛大に転んでしまう。
転んだ拍子にキーカードも地面に落ちてしまう。体を起こす前に咄嗟にキーカードを掴んで体を起こそうとすると桔梗が手を差し伸べてくれた。
「大丈夫?」
「ありがとう」
ありがたくその手を掴み体を起こす。服についた泥を落とそうとするも砂とは違ってしっかりとこべりついてしまった。
「怪我とかはありませんか?」
「地面がぬかるんでたのもあって怪我はないよ。心配してくれてありがとな」
心配してくれた愛里にも無事を伝え感謝を伝える。
「みんなは先に戻っててくれないか?ちょっと汚れがひどいから川で洗ってくる。あと清隆、申し訳ないが俺の着替えの服川まで持ってきてくれないか?」
「ああ、大丈夫だ」
清隆が着替えを持ってきてくれるとのことで早速川に向かう。服にもそうだが腕と足、顔にも泥がついてしまったので一度服を脱ぎ川に入り洗う。
ある程度体を洗い終えて戻るとちょうど清隆が着替えを持ってきてくれた。
「すまんな、助かった」
「大丈夫だ。それよりどうだ?」
「バッチリよ!」
体を洗い戻ってきてさっきまで来ていた服を確認したところ、しっかりと餌に食いついたようで安心した。
「じゃあ次は俺の出番だな」
「頼んだ」
着替え終わったのちベースキャンプに戻る。残りが1日だけで終わりが見えてきたということもあり昨日のような蟠りはなく、みんなに活気が戻っている。
ただそう思ったのも束の間トイレの裏から煙が上がっていた。クラスメイトの大半が近くにいたこともあり火事が起きてから比較的早い段階で気がつくことができた。
煙はかなり上がっていたものの周囲には燃え広がっていなかった。
出火の原因はマニュアルだったことからも誰かがやったのは明白でありすでに犯人探しが始まった。ただちょうど雨が降り出してその犯人探しは中断となった。
俺はというと急な雨で道具を片付けるクラスメイトは放っておいて、このボヤ騒ぎに乗じて行方をくらませた伊吹を探す事にした。
雨で視界が悪くなっているが、雨のおかげで地面がぬかるんでるのもあり、地面にあった足跡を辿れば直ぐに伊吹の元へと辿り着くことができた。
「やっぱりあなたなのか、伊吹さん。俺のキーカードを盗んだのは」
「さあ?何のこと?」
伊吹に問い詰めるもはぐらかされて終わってしまう。このままでは埒が開かないので強い言葉を使い牽制する。
「そちらが白状しないならこちらは実力行使に出る」
「分かった。好きに調べなよ」
そういうと伊吹は持っていた鞄を俺の前に置く。体を屈ませて調べようと思った時、不意に腹に蹴りを入れられそのまま無様に吹き飛ばされてしまう。
「何のつもりだ。暴力行為は禁止のはずだが」
蹴られた箇所を抑えながら立ち上がり伊吹を睨みつける。
「こんな場所で誰が見てるって言うんだか」
「それもそうだな」
伊吹のその言葉を聞き、俺も伊吹に殴りかかるが俺の拳が伊吹に届く前に逆に俺の腹部を伊吹の拳がめり込んでおり、痛みによってその場でうずくまってしまう。
伊吹がそんな状態を見逃すはずはなく、顔面に蹴りを入れられてしまう。俺はなすすべなく地面に転がるしかなかった。
「はっきり言って拍子抜けなんだけど。もっとやると思ってたのに勘違いだったみたい」
「待て!頼む返してくれ。お願いだから」
立ち去ろうとする伊吹にみっともなく頭を下げてキーカードを返すよう頼み込む。
「ダサ」
俺の願いが聞き取られるわけもなく、ダサと言い残しその場を去って行った。
伊吹が去っていく中、俺は嗚咽することしかできなかった。それは雨音をかき消すほどのものだった。
「うるさいぞ、陽人」
俺の嗚咽する声に耐えきれなくなったのか清隆が木の影から出てくる。
「何だよ、せっかくいい演技ができたと思ったのに。で、伊吹は行ったんだな」
「ああ、それにしてもおもいっきりやられたな」
「だろ〜」
「逆に弱すぎて怪しまれないか心配したぞ」
「いや、普通の高校生はあんなもんよ」
「そうか。じゃあやるか」
「そうだな。あとは頼んだ。あと、優しくしてくれよ」
「お前はかなり頑丈だからなそれは無理だ。全力で行かせてもらう」
そういうと清隆は蹴りの構えに入り棒立ちしている俺の首にダイレクトアタックをかました。
清隆の蹴りを喰らった俺は地面に倒れ込むのと同時に意識を手放す。
♢♢♢♢
次に目を覚ますとそこは船の中の部屋だった。
俺が気絶したのがお昼過ぎで窓を見るとすっかり暗いことからかなりの時間気絶していたことがわかる。時計を見ると20時を指しているのでざっと6時間は意識がなかったようだ。
布団から体を起こそうとすると妙に体が重く感じ視線を落とすと、鈴音が俺の体に頭を倒す形で寝ていた。
名前を呼びながら体を譲ると鈴音は直ぐに目を覚ました。
「おはよう」
「目が覚めたのね。よかったわ。怪我の方はどう?」
「ああ、首がちょっと痛いくらいだ。それより鈴音体調の方は?」
「ええ、おかげさまで回復したわ。それよりあなたに危害を加えたのは誰」
鈴音はまるで親の仇を聞いているみたいな気迫を感じる。素直に清隆!と答えれば、もうあいつの顔を見ることはないのかもしれない。それはちょっと困る。
「いや、転んだだけだよ」
「嘘つかないで。首のとこあざができてる。転んだだけでそうなると思う?それはあなたが1番知ってるでしょ。お願い本当のことを教えて」
すぐに嘘だとバレてしまった。というか、首にあざができるくらいってあいつどんだけおもいっきり蹴ったんだよ。
このあざについては今度清隆にしっかり賠償させるとして犯人を作る必要がある。じゃあ殴られた恨みあるしあいつでいいか。
「実はCクラスの伊吹にやられたんだ」
「そう。分かったわ」
鈴音はそれしか言わなかったが静かなる怒りを感じた。
「ありがとな。ずっと見ててくれたのか?」
「え、ええ。その、心配だったから」
鈴音が心配してくれた事について喜びを噛み締めながらベットから出ようとするも止められる。
「あなたは怪我人なんだからじっとしてなさい。ご飯なら私が持ってくるからここで一緒に食べましょう」
多分これは説得不可能だと思うので大人しく応じる事にした。
「分かった。ありがとう」
「私がしたくてしてるだけだから気にしなくていいわ。あと食事中でいいからここ1週間のこと教えてもらえるかしら?」
「ああ、もちろんいいぞ」
そうしてひと足先に船に戻った俺は鈴音とご飯を食べたのち夜通しこの1週間で起きたことを全て話した。
♢♢♢♢
翌日、試験を終えて生徒がどんどん船に戻ってくるのを部屋越しにでも感じる。その中でもDクラスの歓声がよく聞こえる。
生徒の声がどんどん聞こえたのでようやくベットからおり部屋を出る。いまだに部屋にいる鈴音も一晩経ったからか止めることはなかった。
俺は部屋を出てクラスメイトの元に向かおうとするとちょうど清隆もこちらにやってきた。
「それで結果は?」
「515ポイントで1位だ。それと同時にCクラスが今回0ポイントだったから俺らはCクラスに昇格だ」
「その話本当なの?」
「ああ、本当だ」
「これもあなたの作戦なの?谷風君?」
「さぁ?どうだろうな、クラスメイトに聞いてみてよ」
「分かったわ」
鈴音がクラスメイトの方に向かう中、俺と清隆はハイタッチする。
「お疲れさん。これでまたポイントが入ったな」
「ああ、この入ったポイントで夏休みは盛大に遊ぶぞ」
「だな。だが、その前にこのあざの請求をしたいのだが」
あざを指さしながら清隆を睨む。
「お前は頑丈で生半可なものじゃ気絶させられないだろ。教師陣を確実に騙すためだ仕方なかったってやつだ」
「あー痛いなー首回らないなー」
「あー分かった。今度焼肉奢る。それでどうだ」
「乗ったぜ!俺らもクラスの連中のとこに行くか」
クラスメイトの元に行くと鈴音と桔梗が賞賛されていた。
今回の作戦は鈴音と桔梗が立てたものだと清隆に流してもらった。
桔梗はもちろん口では謙遜しているがみんなからの称賛を得て大満足のようだ。鈴音はというと身に覚えがないもののため困惑している。
俺たちもその輪に入ると鈴音に腕を掴まれ引き寄せられる。
「これは何!もしかしてあなたの仕業?」
「さあ?分からん」
俺はみんなに聞こえるような声で続ける。
「いやー鈴音と桔梗の案凄かったよなーまさかこんなにポイントがもらえるなんて。リタイアする前に鈴音が大まかな作戦を立てそれを桔梗が現場の状況に合わせて臨機応変に対応、流石だな〜」
それを聞いたクラスメイトはさらに盛り上がる。普通に考えれば500を超えることはあり得ない。どんなにすごい作戦を立てたとしても。だから何人かはこのポイントの数に疑問を持っているがクラスの雰囲気にのまれその疑問も次第になくなっていった。
そして俺はそんな盛り上がるクラスメイトを背に部屋に戻る。
「あーやっぱ首痛いわ」