進路希望調査を白紙でしか提出できなかった高校生が、怪獣災害で死にかけた後に何故か助かって

宇宙人でレイオニクスを名乗るクラスメイトから突然告白されて、なあなあで付き合いはじめて

レイオニクスバトルや怪獣災害に巻き込まれる中で互いの距離が縮まっていって

変化への恐れや嫌悪とかの高校生らしい悩みや家族を失ったレイオニクスらしい過去とかを伝え合って

なんやかんやで良い刺激を受けはじめて、もしかして私本当に相手のこと好きかもとか思いはじめて

そんな学校生活をある程度過ごしたりした後に、敵レイオニクスの強力な怪獣を苦難のうちに倒したりする

そんなアニメの最終回をイメージしました

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某月某日 未曾有の怪獣災害発生

市全域に避難警報が出されるも、謎の力場により市外に出れないという報告が相次ぐ

空中に複数の円錐型の浮遊物が出現

非常に緩慢な速度で下降していると判明。市民に混乱が広がる

複数体の怪獣による被害甚大




―――同時刻
市内某所 河川敷にて


手にしたカプセル光るとき

 

 

 

 

 

「避難しないの?結構近いよ、怪獣」

 

「まぁね。ここまできたらどこへ逃げても同じでしょ。駅も公園も学校もイオンも、全部壊されたし」

 

「怪獣だらけだね。空にはバカでかい牙みたいなのが浮かんでるし」

 

 

「信じられないよね。ここまで大規模な怪獣災害ははじめてだ」

 

「いや、それもそうなんだけど…」

 

 

 

 

「そんな大災害の黒幕が、まさか自分の恋人で宇宙人で侵略者だとは思わないじゃん」

 

 

 

 

「そうだね。よく見たら属性過多だよね。いや、逆にここまで来るとベタベタかも…?」

「…いつからこの星にいたの?」

「もう十年は経つ。でも高校入学したのは初めて」

「戸籍とかは?偽造?」

「偽造と催眠術みたいなモノかな。ボクの種族はそういうのが得意なんだ」

「あー、それで思い出した。教科書忘れてばっかだったもんね」

「必要なものを揃えるのをすっかり忘れていたね。ちょうど新しい顔にしたときだったからかな」

「道理で顔が良いわけだ。宇宙人って便利」

 

 

 

 

「ボクの星はさ 色々あってもう住めなくなるんだ。だから移住先を探してる」

「それが地球?」

「そう、地球」

「でも街壊しちゃってるよ?いいの?」

「ボクの連れてきた怪獣は特別なんだ。その星の一部―――この街と同化して、自分の身体にする。怪獣は街に擬態しながら星からのエネルギーを蓄えて、条件を満たすと街を飲み込んで宇宙に飛び出す。怪獣の中で、ボクも街のみんなも何も変わらずに生活できる」

「宇宙船みたいな怪獣だね。修学旅行の新幹線より快適そう」

「ボクもそれで地球に来たからね。乗り心地はかなりいいよ。他の怪獣ものびのび飼える」

「その宇宙船で、この街ごと宇宙へ誘拐するってこと?やることが派手だね」

「住めなくなる星を作り直すより、元からあるものを改造するほうが楽なんだよ。ボク達にとってはね」

 

 

「そんなことしてるから他の宇宙人に狙われるんじゃないの?」

「だろうね。数え切れない程の仲間が殺されていくのを見たよ。おかげで擬態とか変装が上手くなった」

 

 

 

 

「前にしてくれたじゃん。この街に現れる怪獣と戦ってる、とか…。そういう話、どこまで本当なの?」

「『他の宇宙人によって怪獣が送り込まれてる』のは嘘。あと高校より前の話も嘘。でもレイオニクスなのは本当。家族がいないのも本当だし、カラオケとかあんまりいかないってのも本当」

「ま、宇宙人ならそりゃそうか」

 

 

「あと、キミのことが好きなのも本当」

 

 

「……」

「なにか言ってよ。恥ずかしいじゃん」

「いや…この状況でよくそんなセリフ言えるなって…」

「だって言っておかないと疑われちゃうから。キミが言ったんだよ?」

「あー…『思っている気持ちは言わないと伝わらない』だっけ?実体験だし…」

「ボクはね、本当にときめいたんだ。キミと過ごす時間と、その言葉や行動にね」

「愛情表現が怪獣なのはイカれてるよ流石に」

 

 

 

「楽しかった?学校生活」

「楽しかったよ。仮初のものではあったし、クラスでは浮いていたけど、それでも楽しかった。」

「自覚あったんだね」

「宇宙人だからね。そりゃ周りからは浮くよ。怪獣を使って、怪獣を倒している高校生ならなおさらね」

「自作自演だったけど」

「でも、悪くなかったでしょ?『非日常的』って感じで」

「怪獣に壊されたのに学校が直ってるんだからそりゃ驚くよ。そっちから声をかけて来るのは予想外だったけど」

「あの時キミだけが、ボクを助けようとしてくれた。怪獣が出て、校舎が壊されたあの日に」

 

 

 

「進路希望調査に何も書かなかったキミが、だ。今思えばあの時からボクはキミに夢中だった」

 

 

「…覚えてたんだ。ずっと」

「夏祭りの時、キミは言っていた。『変わらずにいたい、変わりたくない』」

「……」

「ボクもそうだ。この街が、この生活が終わるのは嫌だった。ボクを好きでいてくれるキミが、ボクが好きなキミが、いつしか変わるのが嫌だった。変わって欲しくなかった。」

「……」

「生命は変化しつづける。美しいものは美しいままではいてくれない。その変化を尊ぶ人もいるだろうけど、ボクは嫌だった。それだけ」

「…だから街ごと誘拐するの?『変わらない』ように。怪獣の力で」

「怪獣『アクパラ』はボクの星の最高傑作だ。取り込んだこの街はアクパラの一部となり、アクパラの回復力により復元される。何年も、何十年も、変わらずに街を保つ。もちろん、中の生命体も」

「…」

「キミは変わらなくていい。周りもキミに変化や決断を強いることは無い。ボクはキミが好きだ。でもキミが変わり、ボクを好きじゃなくなるかもしれない。そんなのは嫌だ」

「……」

 

 

「楽しい日々は変わることがない。それがボクがキミに贈れる、ボクなりのプレゼントだ」

 

 

 

「…まず、最初に言っとく」

「嬉しいよ。すっごい嬉しい」

「大事な使命を、その為の怪獣を、私の為に使ってくれたのは嬉しい。私を好きだと言ってくれたのも」

「でも『変わらない』っていうのは、やっぱり無理だと思う」

「私は変わりたいとも思わないし、誰かに変わって欲しいとも思わない」

「でも私はきっと、これからたくさん『変わらざるを得ない』と思う」

「それはたぶん周りがどうとかじゃなくて、とても簡単な話で、『前の自分には戻れないだけ』だと思う」

「戻れない自分を繰り返して、振り返ってみてはじめて、自分の変化に気づく…みたいな」

「だから、怪獣の力で生み出した変わらない日々も。たぶん無意味だと思う。私は、昨日の私には戻れないから」

 

 

「君を好きになる前の自分には、もう」

 

 

「変わってたんだ、私も。あんなに変わりたくないと、変化が怖いと思っていたのに」

「それに気づかせてくれたのは、きっと君だ」

「だから、ごめん。君の気持ちには応えられない」

 

 

 

「…それ、何?」

「ベーターカプセル。困ったときはコレを押せばいいんだって」

「…やっぱりなれるんだ。ウルトラマンに」

「うん…。なんかごめんね。騙してるみたいで」

「気にしないで。気づいてた。最初はそれ目的で近づいたんだ。だけど、いつしか本当にキミを好きになった」

「君の気持ちはすごく嬉しい。もったいないくらい。けれども私は君を止めなきゃいけない。私の恋を終わらせる為に」

 

 

 

「そっか。じゃあさよならだね」

「好きだったよ、君のこと」

「ボクは今でも大好きだよ。でも、ボクはやらなきゃいけない事がある」

「そっか。それなら仕方ないね」

 

 

 

 

 

「さようなら、宇宙人。私の、初恋の人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さよなら、ウルトラマン」

 

 

 

 

 

 




同日未明 体長約40mの人型生物が出現

市内に出現した複数体の怪獣と戦闘し、これを撃破

怪獣撃破後、上空に飛び上がり円錐型浮遊物へ接近

高熱エネルギーの光線を発射し浮遊物を全て破壊

空中にて数秒静止した後、高度を急速に上昇

人型生物は高高度へ飛行した後に消失


以降、怪獣は出現していない

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