Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~『アリウス』本校舎 "校長"執務室~
side-シンキ
「――シンキ様、失礼いたします」
「...遂に彼女達が来たのね」
―――執務室のドアが開き、ユメコちゃんが入って来る。そちらに振り向かずとも、彼女の用件は察せられる。
「――"アナテマスクワッド"より報告がありました。自治区近郊に据えた防衛線に『トリニティ』および、『シャーレ』と思しき多学校混成部隊が接近。交戦を始めたとのことです」
「部隊の規模は?」
「詳細はまだですが、遠目での観測でも
部隊規模の報告を受けて瞑目する。―――
「...攻勢目的ではなさそうね。――無理に最前線で押し留めようとしないこと。厳しいようなら退くように伝えて」
「承知致しました。...それからもう一点、確実と言える情報が」
「...何かしら」
「――ルイズからの報告で、敵部隊の偵察部隊の中に...サオリ達"アリウススクワッド"の姿を確認しました。恐らく案内役と思われます」
「...そう。来てしまったのね...出来れば
ユメコちゃんの次の報告を受けて瞑目する。
―――『トリニティ』への襲撃が頓挫し、撤退に移った時には各部隊がバラバラに散った状態だった。
ルイズやミカを通して耳に入れた情報から、『シャーレ』の"先生"ならば中立的に立って
―――そして、『トリニティ』よりは『カタコンベ』を熟知している『アリウス』の人間が、
「また、こちらは不確実ですが――」
「アズサ、そして
「...
―――ユメコちゃんの報告を受けて思わず振り返る。閉めたドアの前に立つユメコちゃんの眼差しには噓偽りは感じられない。
―――『"お母さん"。私、
―――数年前。皆に自分の夢を持つ事を説いた中で、
多くの子が『ベアトリーチェ』の暴虐から解放した私の為に尽くす事を選んだ中で、唯一私が願った姿へ成長した子。
「...外に出てから音信不通だったけど、生きていたのね」
環境、数百年の経過による技術や文明の差で
「その様です。ただ、アズサと共に件の『シャーレ』の指揮下で行動している可能性があるとも報告を受け取っております」
「...二人も来ているのね。――
「――皆、既に覚悟はできております」
私の言葉にユメコちゃんは頷く。
「...なら、任せるわ。さっきも言ったけれど、無理は――」
「――!失礼いたします。...こちらユメコ。何かあったの?......もう突破された?――第二線まで退きなさい」
―――ユメコちゃんの胸に留められた通信機が受信音を鳴らし、通信機を取って回線を繋ぐ。やり取りの中で表情が変わり、指示を出して通信を切る。
「――ユメコちゃん、何かあったの?」
「防衛線から報告です。敵部隊が――――」
~『カタコンベ』 大礼拝堂跡~
side-モコウ
ダダダ...!
「っち...!凄まじい弾幕だな!」
―――回廊の奥で幾つもマズルフラッシュが煌めき、機関銃の弾幕が遮蔽の柱を削っていく。私が身を潜めている柱もこのままでは柱の意味が無くなる。
「数年前まで内戦状態だったもの。銃火器と弾薬は食料や生活用品より圧倒的に多いわ」
「うへ~。『アビドス』は最近まで弾薬も乏しい状態だったから羨ましいねぇ。弾薬だけでも足りてれば色々やりようはあったんだけどな~」
私達の中に混ざっている
―――ミヤコ、サオリ達の報告と提案を受け、この広い礼拝堂のような空間に移動したのは良かったが、こっちの動きに気付いていたのか、『アリウス』は私達が入るなり機関銃の弾幕を浴びせて来た。おかげでマトモに陣形も作れず、各々手近な遮蔽に出来そうな場所に身を潜めている。
「...こちら『アビドス』、モコウ。聞こえるか?......駄目だ。まだ通信妨害が続いてやがる」
インカムに触れて通信を試みるが、雑音しか返って来ない。弾幕が浴びせられた時から同時に通信妨害も仕掛けられている。通信妨害への対策はある筈だが、後方に居る筈の"先生"や"ティーパーティー"の重鎮連中に最前線の状況が伝えられず、こうして各人が身を守るしかない状況になっている。
「どうしたもんか...このままだと遮蔽も削られて丸裸にされちまう」
「――イチかバチかだけど、
頭を搔きながら零すと、
「――あそこの壁に仕掛けがあって、ちょうど『アリウス』側の
「...それは使えそうだけど...そんな有効に使えそうな道なんて、
「その可能性は否定できないけれど...あそこの道は昔、『カタコンベ』で物資漁りを兼ねた探索を
「...まぁ、何もしないで撃たれ続けるよかマシか。――だが、
「それでいいわ。――とは言え、道案内に私が立つとして、あまり多くを引き連れるのは避けたいわ。横道も狭いから」
「だったら、私達委員会の皆でちょうどいいと思うよ!ホシノちゃん、モコウも居るし、戦力、人数的には丁度いいと思う!」
「――ホシノ、どうする?委員長はお前だ。お前が決めろ」
「...やりましょう。さっきモコウ先輩が言った通り、このまま何もしないよりは、何か動いた方がいいかと」
「――分かったわ。離れ離れだし、選り好みする時間もないしね。...こっちよ、ついて来て」
「――とりあえず適当に応射しながら移動するぞ。何もしないでコソコソ動いても、バカみたいに撃ちまくっても怪しまれる」
「分かった!ホシノちゃん、私と一緒に遮蔽のカバー、お願いね!」
「分かりました、ユメ先輩!」
移動に際しての動き方を指示し、柱との距離が微妙に遠い所は盾持ちのユメとホシノが遮蔽代わりとしてカバーに入る。
ダダダ...!
「っと...!一部が気付いたな!」
「きゃっ?!」
「セリカ、大丈夫か?!」
「大丈夫!ちょっと驚いただけ!」
ユメとホシノの後ろを抜け、私も[
幸いにも制圧狙いで精度は粗く、無事に壁面へと到達する。
「スイッチを探すわ。その間カバーを!」
「分かった!ホシノちゃん!」
「はい!」
壁面に手を触れる
「...ここじゃない...ならこっち...いや、違う...!――あったわ!」
「これが...!」
「穴を抜ければ立って動ける高さの通路だな。――行くぞ。
「えぇ、任されたわ。――最後尾の人は、裏側に出っ張りがあるからそれを押し込んで。それでこの穴が戻る筈だから」
「最後尾は私が受け持つ。ホシノとユメは先頭だ。少し狭いが、気付かれて撃たれた時に後退できる壁が必要だ」
「分かりました。行きますよ、ユメ先輩!」
「うん!...っぐぐ...!ちょっと
配置の指示を出し、ユメとホシノが穴に入っていく―――
「――この先よ。少し広い空間があって、その壁の向こうが陣地の側面よ」
―――横道を進んでいくと、道の先から機関銃の銃撃音が聞こえて来る。壁越しでくぐもっていてもうるさい位で、
「銃撃の音が...本当に回り込めたんですね~」
「ん、早く出て奇襲するべき」
「ついでに、通信妨害装置も見つけて破壊できればいいですが...」
「まずは偵察だ。出口の先を見なきゃどう仕掛けるべきかも分からん」
「そうね。こっちよ、ついて来て」
シロコを窘め、
「本当にこの壁の向こうだな...
「えぇ。...確かここは...あった。――開けるわよ」
ダダダ...!
「――本当に陣地が目と鼻の先みたいだな。シロコ、ドローンは出せるか?」
「そう言われると思って準備済。いつでも飛ばせる」
銃声の喧しさに片耳を抑えながらシロコに尋ねれば、下ろしたバックパックから愛用のドローンを取り出して展開し、ロケットポッドを取り付けていた。
銃声に紛れてドローンの駆動音は聞こえない筈だ。目立つ位置に飛ばなければ見られる可能性も低い。
「――私も[シャンハイ]を出すわ。スキャニング機能があるから、人数や配置を把握できるわ」
「...肩に捕まってる人形か。流石『ミレニアム』生だな。――じゃあ、二人共飛ばしてくれ。目立つ所には飛ばすなよ」
「了解。――ドローン、発進する」
「――行って、[シャンハイ]」
[シャンハーイ]
二人は頷き、[シャンハイ]は赤い眼鏡を掛けた
「...上昇はこの位でいい?」
「いい感じだな。後は位置をもう少し隅に寄せろ」
シロコが構えたスマホの画面を覗き込み、偵察位置を指示する。
画面では[M2 Browning]や[Browning M1919]と言った据え付け型の機関銃が土嚢の陣地に幾つも並び、弾幕を張り続ける姿や、その後方で弾薬の補充や運搬、
更に後方には少しボロボロのテントがあり、地図が置かれている様に見えるデスクと―――アンテナが伸びた筐体が遠目に映し出される。
そして―――白いコートやジャケットの上からベストやハーネスを纏う『アリウス』の面々の中で、明らかに指揮官らしき動きを取っている、背中にシールドを背負った、ピンクのショートヘアの生徒の後ろ姿も見える。
「――配置完了。索敵開始」
「――あの筐体...見たことがない型式ですが、通信妨害装置かもしれません」
「陣地の指揮官っぽいヤツも居るな。ホシノ、ユメと同じシールド持ちか...
「...えぇ。――『門守サラ』。"アナテマスクワッド"のサブリーダーで、見ての通りのシールドと、ショットガンを使ってのタンク役とか、守勢での戦闘が得意な娘よ」
画面を覗き込む
「――スキャン完了。人はサラ含めて二十名。機関銃は六丁。テントにある筐体からは高出力の広域周波数の電波を検知したから、通信妨害装置で確定ね」
「二十か...調査部隊の総勢の半分位だが、陣地の作りが上手いんだな。機関銃の弾幕で散り散りにされて動けなくされるとはな。
――よし。まず、私達は出口を出て、壁際で待機。静かにな。シロコのドローンのロケットでまずは通信妨害装置を破壊。それと同時に、グレネードもあるだけ投げ込んで動揺させる。その間に射線を変えてロケットの残弾で機関銃をできる限り破壊する。――その後、私達で直接殴り込んで掻き乱す」
情報を受けて作戦を構築する。―――
「アヤネとシロコはここで待機。横道の警戒はナレコに任せる。アヤネは通信妨害の無力化を確認したら"先生"達に報告。シロコはドローンの操作に集中しろ。ロケットが切れたら直接動いても構わないが。
――それで、指名していない他の面子で殴り込む」
「分かりました!」
「了解よ。万が一の退路の確保は任せて」
「ん、全部当てる」
「ホシノ、他に追加することはあるか?」
「特にはありません。――通信妨害が解ければ"先生"達も動けるだろうし、機関銃の弾幕が止めば尚更動きやすくなるでしょう」
配置を伝え、ホシノも異論を挙げずに頷く。
「よし...準備するぞ。
「特にはないわ。調査部隊側にすっかり集中しているわね」
「なら出るぞ」
「...全然気付いていないな。本当に
「結構年月が経っていたから皆に見付けられているかと思っていたけれど...まさか、こんな形で利用することになるなんてね」
私の言葉に
「――その気持ちは分かるが、
「...えぇ、分かっているわ。――"お母さん"には聞きたいことがある。その邪魔をするなら...乗り越えるわ」
[ホーラーイ]
「覚悟を決めてるならいい。――皆、準備はいいな?」
左右を見回すと、各々得物と共にグレネードを構えて頷く。
「よし...シロコ――仕掛けろ」
出口に顔を向けて声を掛けると、私達の頭上で浮遊していたドローンが動き出し、テントへの射線を確保するように位置を変える。
―――姿勢を安定させると、吊り下げたポッドからロケット弾が二発飛び出してテントの中に飛び込んで炸裂する。
「――行くぞ!投げ込みながら!突っ込め!」
声をあげて走り出し、グレネードを機関銃陣地に向けて放り投げる。
ドォォォン!!
同時にシロコのドローンが機関銃陣地に向けて前進しながらポッドの残弾を撃ち出す。投げ込んだグレネードと共に陣地のあちこちで爆発が起きる。
「ッ?!な、何が起きて――」
「ホシノ!」
「はい!」
突然の事態で混乱しているのか、身動きが取れない敵指揮官、サラを見付け、ホシノに声を掛けて一気に肉薄しながら[
「っぐ...!」
ホシノも同時に[Eye of Horus]を撃つがサラの反応は鋭く、すぐに背中のシールドを構えて防ぐ。
<「わ、私達はどうしたら...」
<「敵の指揮官を抑えてる今の内に、吹き飛ばなかったヤツを追撃すればいいだろ!行くぞ!ほらセリカも!」
<「えぇ...!」
「貴女達、一体何処から...!」
「答える理由はない。お前らの陣地は邪魔だから、こうして破壊しに来ただけだ!」
私達の背後で陣地の掃討に動き出したユメ、セリカ達の声を聞き!シールドを構えたままバックステップで下がりながら[
「っこの...!」
「おらっ!」
「っぐ...!」
[
「この程度...!」
「うおっ...!」
「――気付いているわよ!」
「...!」
しかし、シールドが押し出されて足が崩れてバランスを崩しかけて足を離し、フリーになったシールドが背後に回され、背後に回り込んでいたホシノの[
「――鋭いな。ホシノと同じスタイルならそりゃ弱くはないだろうが...」
「私は..."アナテマスクワッド"は『アリウス』の守りを任されている。――自治区に入れさせはしない...!」
「くっ...!」
サラはホシノに迫り、シールドバッシュを[
[シャンハーイ!]
「――ッ?!」
「――今だ!」
「っぐぅ...!」
―――そこに、右手に青いレーザーの刃を展開した[シャンハイ]が上方から飛び降りてきて、刃を振り翳してサラに迫る。
上方、[シャンハイ]に意識を向けた隙を突いてホシノが距離を取って[
前後から散弾を撃ち込まれたサラは咄嗟に身体を捻るが、散弾のペレットがシールドやコート、頬を掠める。
「――変わってないわね、サラ」
「...
[ホウライ]と、攻撃が空振りに終わって戻った[シャンハイ]を従え、[
「――こうして相対することになったのは残念だけれど...私も、アズサも。そしてサオリ達も..."お母さん"に
『"――こちら
通信妨害が無力化されたのか、インカムに"先生"の声が入り、背後で更に多くの足音や気配を感じ取る。
「...単なる道案内ではないのね。――なら、私達も全力で
―――サラのコートが少し揺れると、その下から幾つもの
「ッ!グレネ――」
―――瞬間。グレネードから白煙が一気に吹き出して視界を白く染める。
「ゲホッ...スモークか...!」
『きゃっ?!』
『うわっ?!煙幕の中に誰か――』
口を手で覆うと、インカムにセリカ達の驚いた声が入る。誰かに攻撃されたのだろうか。あっちは陣地を掃討していた筈だが―――
『――モコウ先輩!アヤネです!空間の柱や壁に煙幕発生器が仕込まれていたみたいで、陣地がすっかり煙幕に覆われています!』
『モコウ、こちら
「...そういうことか。――全員、追撃は諦めろ!今はその場から動くな!」
アヤネと
『い、いいのモコウ?!今逃がしちゃったら...!』
「多分、逃げるのが目的の仕込みだ。――奇襲は刺さったが、元からこの陣地だけで守り抜くつもりはなかったってことだ。この煙幕じゃ下手に動けないし、私達だけで追撃してもこの先で待ち構えられていたら数の差で潰される。ここは"先生"達を待つのが最善だ。晴れるまで少し待て」
ユメの言葉にそう理由を説明する。―――グレネードのものに加えて装置からも発生した煙幕はかなり濃い。風でも起きれば晴れるだろうが、地下空間では僅かな気流に任せるしかない。
「...奇襲は刺さったが、そこまで効果的でもなかったな。まぁ、長く釘付けにされて動けないよりはマシか」
頭を搔き、煙幕の中で[
『――モコウさん、アビドスの皆さん!風を起こしますので、吹き飛ばされないように備えてください!』
「――そういやアヤが居たか。皆、聞こえたな!備えておけ!」
―――インカムにアヤの声が入り、やる事を察して皆に促して片膝を付く。
―――瞬間、"先生"達の方から強烈な突風が吹き込み、煙幕が舞い上がって一気に晴れていく。風が吹いて来た方を見れば、一気に薄くなっていく煙幕を中で"正義実現委員会"やアヤ、"RABBIT小隊"、"アリウススクワッド"が駆け寄って来る姿が見える。
「...何をしたの?この地下空間じゃ、あんな突風なんて吹かないでしょう」
「『シャーレ』のアヤだよ。アイツは翼で空を高速で飛べる上に、さっきみたいな風を巻き起こせるんだ」
「なるほどね...でも、サラ達はもう退いてしまったみたいね」
「そうみたいだな。――皆、こっちに集まれ!...
ホシノ達に集合を指示し、
「えぇ。もう見えているでしょうけど、あの回廊のを抜けた先に広い墓所があるわ。ただ...私が居た時は無かったのだけれど、ここに陣地があったってことは、向こうにも何かしら防衛線が構築されていると見た方がいいわ。サオリ達ならより詳しく知っている筈よ」
「お前は『アリウス』を出て『ミレニアム』に進学してたんだったな。そりゃその間に起きていた変化は知らないか」
「――出入口を警戒!退いた敵が様子見に来るかもしれないっすからね!」
「――サオリさん。この先はどうなっていますか?」
「この先は短い回廊を抜けると広い墓所がある。以前から...『アリウス』が『トリニティ』の連中に攻撃されたと気付いた時から、そこには防衛線を構築していた。変わっていなければ――――」
「"――モコウ、『アビドス』の皆。よく状況を動かしてくれたね"」
「あやや。まさか回り込める道があったとは驚きです。察するに、
―――"先生"が私達に声を掛け、アヤがそう言って
「えぇ。一見、横道なんてない一本道に見えるし、だからこそ機関銃を置いて待ち構えていたのでしょうけど、私はこの空間に横道があることを知っていたの。年月が経っていたから、他の子に知られているかもしれないと不安だったけど、杞憂で上手く奇襲が入ったわ」
「"成程...危険なことはしてほしくなかったけど、皆散り散りになって通信妨害でも寸断された状況だったから助かったよ。ありがとう、『アビドス』の皆、
「お礼を言われる程のことでないわ。――"お母さん"の下に辿り着くには、こんな所で止まっている訳にはいかないし」
「いや、
「そうだね。私は"先生"から状況を聞いただけだが、間違いなく君が持っていた情報のおかげで状況は動いた。充分誇れる貢献だ」
「...不毛な問答を交わす暇はないものね。感謝はありがたく受け取っておくわ」
「自分達が把握していない横道から回り込まれたことを知った以上、
今回のような奇襲の再現はできないだろうが、君やサオリ達の情報が『アリウス』到達の為の重要な要素となる」
「えぇ、任されたわ」
「――"先生"。サオリさん達"アリウススクワッド"から、回廊内に幾つか横道や迂回路が隠されているとの情報が齎されました。これより"RABBIT小隊"は"アリウススクワッド"と共に、その横道を利用して先行偵察に入ります」
そこにミヤコが歩いて来て"先生"に報告する。
「"――分かった。ただ、モコウ達の回り込みからの奇襲でこれからは横道も警戒される筈だ。無理はしないようにね"」
「了解しました」
"先生"の忠告にミヤコは頷き、敬礼して出入口の傍に集まっている"RABBIT小隊"や"アリウススクワッド"の面々の下に戻っていく。
「私達は少し待機しようか。――爆発で荒れてはいるが、この空間は私達の人数が詰めれる拠点とするにはいい感じの広さだ。横道も、今の所は
「"――『アリウス』が近い上に、交戦も始まっている。負傷者を後送する距離も考えればちょうどいいかもしれないね。...よし。ミヤコ達が偵察している間に拠点を構築しよう。モコウ達も手伝ってくれるかい?"」
「あぁ、勿論だ」
セイアと"先生"の言葉に頷く。
―――『アリウス』自治区は近いが、当然ながら『アリウス』の人間による抵抗は出て来た。"シスターフッド"のサリエルもまだ見付かっていない。はたして何処に居るのだろうか。
ということで、アリウスとの交戦も始まりました。
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