世界観
少学校低学年の陽務楽郎少年と中学生の天音永遠がある公園で出会っていたら?
となっております。
まだ投稿を始めて時間が浅いため、至る所に誤字脱字やキャラ崩壊がある可能性があります。それでも良い方はどうぞ最後までお付き合いください。
昔、何気なく遊びに行った公園で出会った年上のお姉さんと遊んだことがあった。
「ほら!見てこの緑の石!」
「わぁー!綺麗!」
「良いでしょー?」
「僕も欲しい!」
「え〜?しょうがないなぁ」
なんてことない。ただの回想。だけど、生涯大事にする思い出。
しかし大事なのに、相手の名前を思い出すことはもう出来ない。
もしかしたら名前を聞かなかったのかもしれない。
しかし人間とは忘却して成長するのだ。しょうがないのだ。
だけど、もしお姉さんにもう一度話せるなら、あの時泣きじゃくって言えなかったことを言おう。
ちゃんと「遊んでくれてありがとう」って伝えないと。
昔、部活が早く終わり、休憩がてら寄った公園で小さな男の子と仲良くなった。
彼は友達が無くしたゲームのカセットを公園で探し続けていた。その姿が気になって話しかけたのが出会いだった。わんぱくであったが何処か放っておけない不思議な年下だった。
「どこに落としたか聞いてないの?」
「きいてない!」
なんてことはない。ただの思い出。しかし、かけがえのない記憶。
初恋は誰かと聞かれると年下で可愛かったあの子になるのだろう。
名前は覚えていない。記憶力には多少の自信があったんだけど。
「また会えるといいな…」
高校二年生の夏休みが終わり、激動の夏が終わりを告げた。
「もう少しシャンフロしたかったな」
そんなことを呟きながら高校から下校する。
下校経路には、幼い頃、よく遊びに行った公園がある。
この公園には色々な思い出があるが、一番は年上のお姉さんと遊んだ思い出だろう。
「今あの人どうしてんだろな…」
そう呟きながら例の公園の側を通る。
「ただいまー!」
家に帰るとリビングにあるテレビにひっついている妹がいた。
「ただいま」
「シッ! 永遠様の声が聞こえない!」
なんという態度。これはもう妹バッドアクションランキングTOP20には入りこむだろう。
テレビには世界中の美女を紹介するという恐ろしい番組が放送されていた。
そしてその番組スタジオに天音永遠がいた。
「紹介される側じゃないのか天音永遠は」
「今回は海外をメインに紹介するみたいだから今回は解説担当だね」
そう言いながら音量を上げる妹。少し傷つく。
これ以上妹の楽しみを邪魔しないためにもそそくさとリビングから退散する。
その瞬間、彼女が話している内容が耳に入る。
「しかし、天音さんの初恋って誰でした?」
「初恋は公園で一緒に遊んだ年下の男の子でしたね」
「その男の子はどんな?」
「すごい優しくて、友達がなくしたゲームのカセットを1人で探してたんですよ」
「自分のではなくて友達の!すごい優しい子ですね」
「えぇ。結局カセットは友達の家にあって骨折り損でしたけど、「見つかって良かった」て彼言ったんです。その時、初めて「恋する」ってことを知りましたね」
「なるほどぉ」
「それがきっかけでいっときの間一緒に遊んだんですよ。家の事情で転勤してしまったので今どうしているのか分かりませんけど」
そうして一拍置いて…
「もし自分だって子がいたら私の事務所に手紙よろしく!」
そうして次の内容に切り替わる。
だが…
思考が止まる。脈が限界まで上がる。視界が伸びる。
「だってそれは…」
「どうしたの?お兄ちゃん」
「イヤ、ナンデモナイ」
そういって出来る限り平常心で自分の部屋に向かう。
「嘘だろ!?」
急いで机の下にある小物入れを取り出す。
女の子からもらった緑色の石。本当にあの子が外道鉛筆なのか分からないが、彼女が言っていた状況は全て一致している。
「本当にそうなのか?」
生憎、彼女とは繋がりがある。ゲームという繋がりが。
今すぐにでも確認したいがどうするか考える。もし伝えることが出来たとして相手は外道鉛筆である。素直に伝えたら一生ネタにされる。
「だが...」
伝えないといけない。楽郎少年唯一の心残りなのだ。それを今の俺が知らないわけはない。
「ちゃんと伝えよう。あいつに」
方法はちゃんとあいつが言っている。
事務所に手紙を出そう。信じてくれないことも考え、緑の石も封筒に入れる。
自分が今していることに苦笑する。あいつに手紙を送ることになるとは。
「けどこの思いはちゃんと伝えねぇとな」
初恋の相手は俺だ!と主張するたくさんのお手紙を読む。
「こいつも違う。こいつも」
嘘で塗り固められた手紙でも必ず目を通す。本当に彼かもしれないのだ。あの番組を見ていないかもしれない。
それでもやるのだ。あの子に会うために。
そうしてある1通のお手紙に手をつける。封筒には検閲済みの判子と、手書きで[封筒内に緑色の石が封入]と書かれていた。
心臓が止まりそうになる。よくあの子と石を探しまわっていた。
急いで封筒内にある石と手紙を取りだす。
ころんと落ちる石を拾って凝視する。流石に子供の記憶で判別は出来ない。
だが手紙の中身は彼しか知り得ないことが書かれていた。
友達が無くしたカセットの名前
一緒に遊んだ公園の名前
手紙と一緒に入っていた緑の石の話
そして
「シャングリラ・フロンティアをされているとお聞きしたため、そこでお話しませんか。なるほどねぇ」
リアルで会うことを避けているのは自分が有名人だからだろう。諸々の問題もゲーム内なら問題ない。
だが1つ問題がある。私のアカウントである。
私のアカウントは元PKクランのNo.2で
「日時も書いてあるし。行ってみようかな」
今は高校生ぐらいだろうか。思春期真っ只中の彼に私は毒であろうが、もう一度話したい。
会いたい。会って話したい。この気持ちは嘘じゃないのだから。
当日になった。集合場所はサードレマの路地裏にある小さな空き地。人の目は一切ないだろう。
時間まで少し時間があるため、旅狼に対してコンタクトを取ってきたクランについての情報収集を行って時間を潰す。
「サンラク君またログインしてるじゃん。ほんと息するようにゲームしてるねぇ」
彼がログインしているのを確認しつつ、時間を確認する。そろそろ行動を開始しよう。
さて、あの子がどんなアバターなのか楽しみだ。
時間丁度に到着する。時間は24:00ジャスト。街の明かりがほとんど来ていない空き地には1人のプレイヤーがいた。
ネームが少し遠く視認できないが誰かいることはわかる。
「こんばんわ。君...が...」
「よう。ペンシルゴン」
ここにいるはずの手紙の少年はおらず、ここにはいないはずの鳥人間がそこにいた。
「サンラク君なんでここに?」
「ある人との待ち合わせでな」
「...どんな人と?」
「幼い頃にお世話になった人だな」
「それは...」
「あぁ...そうだ。ペンシルゴン」
世界とは狭いものだ。一緒に遊んだあの子がサンラク君だったとは。あまりの巡り合わせに声が出ない。
「俺も同じ気持ちだ。あの時のお姉さんがお前だったとはな。正直、あの番組見て驚いた。」
「うん。私も驚いてる。」
「けど誰であろうと俺はちゃんと伝えたいんだ。」
「何を?」
「天音永遠。あの時、俺と一緒に遊んでくれてありがとう。ちゃんと伝えたかったんだ。」
「そっか...あのね、サンラク君。私も言いたいことがあるんだ」
「私もあなたに伝えないといけないことがあるの」
「おう」
「私、昔のこと含めてあなたのことが好き。私の刹那主義についてこれる貴方を私はもっと知りたい」
「あぁ...」
「だからお友達にならない?まずはゲームだけじゃなくてリアルで遊ぶお友達に」
「いいのか?俺なんかで」
「もちろん!私が見つけたお宝よ?誰にもケチつけないほどに磨きあげてあげる!」
「そりゃ凄い。お手柔らかに頼むよ」
この出会いはきっと奇跡だっただろう。けれど私たちは出会い、もう一度話すことが出来た。ならどんな困難でも乗り越えていけるだろう。
「サンラク君」
「ん?」
「楽君ってよんでもいい?」
「恥ずかしいからやめてくれ」
「分かったよ楽君」
「おーい本当に聞いてましたかー?」
結局、彼女の尻に敷かれてしまうサンラクであるが、プロポーズでひと悶着あるのは、ほんの少し先のお話しである。