Fate/Red Knights 真性第四次聖杯戦争   作:ビンカーフランス

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引っ越したばかりで、インターネット環境がなく、スマホから投稿していますので、若干フォーマットに違和感があると思いますが、今後修正をしておきます。


第二章:少年少女の覚悟の決め方
妹、襲来!!


 どうやら昨日の出来事は、無かった事にされたらしい。それは、何となくで点けたテレビのニュースが教えていた。

 

『昨日深夜頃、天野川大橋で原因不明の爆発事故が起こりました』

 

 カーテンの隙間から陽気な日が差す昼間でも、淡白なニュースキャスターの関係ない報告が、狭い部屋の中で虚しく木霊する。そこに2人の住民が居ようとも、ただジッとして静まり返っては、自然とそうなってしまう。

 

『現在、警察が捜査中との事ですが、ガス爆発の可能性が高いとの見解で……』

 

 そこで榊はリモコンで電源を切った。気を紛らわそうと付けたテレビだが、こんな面白くもないニュースをただ聞いていても、逆に滅入ってしまう。

 

 すると、余計な雑音が無くなった分、さっきよりも深く考え込んでしまう。そして耐え切れずに、今も我が物顔でベッドに寝転がる同居人(セイバー)の方を向く。

 

「セイバー、これからどうする?」

「知るか、テメェの事なんて、テメェで考えろ」

 

 セイバーは相手にすらせず、ぶっきらぼうに突き放す。ただ茫然と少し黄ばんだ天井を見つめ続けて、榊とは目も合わそうとはしない。

 

 当然だろう、その答えはきっと、榊自身が一番分かっている。

 

「そうだよな……分かってる、分かってしまったんだよな。もう逃げられねぇって、俺の中に居る化け物がそれを許しちゃくれねぇってな」

 

 自分の両手を見つめる。何も変哲もないその手は、今にしては誰かの命を容易く奪い取れる禍々しい怪物の手のように見えてしまう。

 

「俺は……俺は覚悟を決めねぇといけねぇのか」

「あぁ、そうだ。覚悟を決めるしかねぇな」

 

 寝転がった姿勢から上半身を立たせると、セイバーはあぐらを掻いて座り込む。そして俯いたまま、まるで何かを刷り込ませるように、自分自身の胸元を掴む。

 

「オレもオメェも戻れねぇ。あのクソ野郎が全部ぶっ壊しちまった。なら前に進むしかねぇ、進んで進んで、そんで堕ちる所まで堕ちるしかねぇだろ」

「その先が、地獄だとしてもか?」

「上等だ。地獄なんて生温い所に堕ちれるならよ」

「……そうか」

 

 これもあの男の影響なのだろうか。今のセイバーからは、これまで感じる事の無かった荒々しい雰囲気が滲み出ているように思えた。

 

 ──いや、元からこういう気性なのだろう。ただ、それが剥き出しになって現れただけに過ぎない。その片鱗は短い付き合いながら、榊は何度も垣間見えていた。

 

 一方で自分はどうだろうか。トラウマをほじくり返され、そして内に潜む怪物を自覚し、そして今尚、過去と向き合わざるを得ない状況に追い込まれている。

 

 その上で果たして、今の自分はどう映っているのだろうか。それを考え込んでしまえば、自然とまた、部屋の中が静寂を繰り返す。

 

『ピンポーン』

 

 しかし、静まり返ってしまう部屋の中を、音割れしたインターフォンの呼び鈴が騒ぎ立てた。

 

「はーい、今開けまーす」

 

 どんなに気分が落ち込んでいようと、日常からは逃れられない。自然と榊の足は玄関に向かい、チェーンをかけたままのドアを開く。

 

 しかし、右を見ても左も見ても人影は無し。いっそ幽霊がインターフォンを鳴らしたんじゃないかとさえ思ってしまう。

 

「兄ちゃん兄ちゃん!」

 

 しかし、答えは来客が自分よりもずっと背の低い子供だったから。

 

「アタシ、参上!!」

 

 黒いショートカットと夏の日差しにやられた日差し、短パンとタンクトップのワンパクスタイルなボーイッシュ少女。その子供は、何処かのヒーローの真似なのか、変身ポーズのような恰好で榊を待ち構えていた。

 

「会いに来たぜ! 兄ちゃん!!」

 

 突如としての妹の襲来。それだけでガンガンに煮詰まっていた榊の頭を、更に悩ませるにはお釣りが出るくらいだった。

 暫く顔を合わせていなかったが、榊はその頭の悪そうなクソガキが、恥ずかしながら自分の妹だと直ぐに分かった。

 

「直葉!? お前なんで此処に!!」

「おっじゃましまーす!!」

「おい!!」

 

 突然の来訪に榊が固まっている間に、子供を想定していないガバガバ設計の扉の隙間から、妹の侵入を許してしまう。そして、そのままスプリンターさながらに、全速のスタートダッシュを決められてしまった。

 

「兄ちゃんが女連れ込んでるぅぅぅ!?」

 

 直葉の喧しい絶叫が聞こえる。恐らくベッドに居るセイバーを見て、自分の兄が女を連れ込んでいると勘違いしたのだろう。いや、確かに連れ込んでいるが。

 

「外国人!? アメリケン!? でも胸ないし……もしや家出少女!?」

「おいマスター、何だこのガキ? ぶっ飛ばして良いのか?」

 

 慌てて榊が居間に戻ると、珍獣でも目撃したようなテンションの直葉に、セイバーは質問攻めをされていた。その額にピクピクと青筋が立っている辺り、ブチギレ3秒前という所だろうか。

 

「止めろよ! アホだけど一応俺の妹だからな!!」

「ねぇねぇヤンキーみたいな姉ちゃん!! もしかして兄ちゃんと付き合ってるの? どういう所に惹かれたの? ハッ! もしかして大人の関係? って奴なの!! 身体だけ、的なの!?」

「マスター、やっぱコイツぶん殴って良いか?」

「だからダメだって言ってんだろ!! 気持ちはわかるけど!! 凄い気持ちは分かるけど! ブヘッ!!」

 ────────────────────────────────────────────

 実を言うと、榊には歳の離れた妹が居た。

 

 名前は榊 直葉(すぐは)。年は9歳で小学四年生という、成長期真っ盛り。そのヤンチャ盛りを通り過ぎてアホ丸出しの様は、実家を出て数年が経っても、相変わらずらしい。

 

「直葉ぁ……お前何しに来たんだよ」

「夏休みだから遊びに来た!!」

 

 セイバーの肘鉄で痛みを上げる頬を撫でつつ、突然現れては図々しくもベッドの上を占領する直葉に聞くと、さもあっけらかんにそう答えた。

 

 確かに、今は夏真っ盛り。世の小学生は長期休みに差し掛かったくらいの時期だろう。それなら、平日だろうと来ていても問題ない。

 

 だが、問題はそこでは無い。

 

「と言うか、どうやって此処に来たんだ? お前に俺の家は教えてねぇ筈だが?」

 

 とある理由で、榊は実家から離れて一人暮らしをしている。そして、このマンションの場所は、定期的に仕送りをして来る両親以外、知らない筈だ。それなのに、直葉が来ているのは、可笑しいだろう。

 

「え、えぇっと……それはぁ……私の超感覚が何というか……」

 

 さっきまでの元気溌剌さから打って変わり、モゴモゴと口を歪ませる直葉。そ

 の様子を見れば、マトモな方法で榊のマンション(ここ)へ来ていない事が丸わかりだ。

 

 ──さて、どう追い返すか……このままウチに置いていたら、絶対に厄介な事になるだろう。もしかしたら、両親辺りが『誘拐だぁ!!』とか騒いで警察沙汰になりかねない。

 

「つぅかよ」

「ふべっ!?」

 

 何とかして上手く妹を追い返そうと、榊が頭を捻っている中、丁度つむじ辺りの位置に、ドスっとセイバーの肘が脳天を突き刺した。

 

「サッサと追い返せよ。こんなガキ、邪魔だ」

「お前が言うな、居候。言っとくが、お前のせいで今月ヤバいんだからな!!」

 

 不機嫌そうに、榊の頭を肘置き代わりにグリグリと擦り付けるセイバー。それを見てか、まるで活路を見出したかのように、直葉の鼻息が途端に荒く吹き鳴らされた。

 

「そ、そうだ! 兄ちゃん!! その人! その金髪ヤンキーの姉ちゃん!! 一体兄ちゃんの何なの!?」

「誰がヤンキーだ!! オレにはセイバーっつう名前があんだよ!! 覚えとけ!!」

「セイバー? 変な名前ー、もしかしてアメリカ生まれアメリカ育ち? 悪そうな奴とは大体友達的な!?」

「馬鹿にしてんのかテメェ! その喧嘩買ってやらぁ!!」

 

 頭の上で繰り広げられる、何ともレベルの低い争いに、榊は思わず目眩を覚える……露骨に話を逸らそうとしている直葉もそうだが、それに容易く乗ってしまうセイバーにも呆れてしまう。

 

「ハァ……こりゃ後で聞くしかねぇわな」

 

 ただでさえ、聖杯戦争とか言う超常現象に加えて、突然現れた妹の襲来。ガンガンに頭が痛くなる予感を覚えながら、取り敢えずはこのくだらない諍いを止める為に、榊は重い腰を持ち上げた。

 

「おい辞めろ馬鹿共。此処は一つ穏便にヘブァ!?」




新キャラ『榊 直葉』参戦!!やはり妹キャラは正義だと思っています……今後、直葉が物語にどう関わってくるのか。それは私自身も楽しみです。

『追伸』
X(旧Twitter)で投稿報告や、活動報告で裏話を投稿していますので、是非ともお暇な方は見に来てください。

https://x.com/8f8qdLIQID34426

作品の高評価や感想は何時でも待っています!!

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