ゴジラVSクトゥルフ -The Call of Catastrophe-   作:江藤えそら

8 / 10
◼️注意
 本項にはEpisode C時点で登場するキャラクターと、世界観を構成する各要素に関する解説が記載されています。episode C全体のストーリーに関する情報がざっくりとですが含まれますので、匂わせる程度であってもネタバレを踏みたくないという方は、先にepisode Cを最新話まで読了してから本項をご覧頂ければと思います。
 また、本項で記載しているクトゥルフ神話的要素や学術的要素の中には、世間一般で広く用いられている設定や最新の学説等からの乖離が見られる場合があります。あくまでも「本作の世界ではこうなっている」という程度の設定であるとご理解頂けますと幸いです。


登場人物・設定紹介

◼️依諏間島統合調査団

 

水元祐也(みずもと ゆうや)

性別:男性

年齢:20

 依諏間島で生まれ育った青年。本土の大学に籍を置き、通信教育によって講義を受講している(現在は休学中)。依諏間島統合調査団のメンバーに抜擢され、本人も詳しい事情が分からないまま業務に勤しんでいる。

 

鳴山穂鉄(なるやま ほてつ)

性別:男性

年齢:58

 眼鏡をかけた中年男性。警視庁公安部公安第五課課長。警視正。依諏間島統合調査団の実働部隊の総指揮として公安警察、医者、学者などからなる調査団を管轄する。常に冷静沈着で、物腰が柔らかい。

 

戸村握人(とむら あくと)

性別:男性

年齢:36

 険しい目つきをした体格のいい男性。警視庁公安部公安第五課所属。警部。鳴山の直属の部下として依諏間島統合調査団のサブリーダーを務め、公安警察隊を統括する。生真面目で厳格な人物だが、一般人である水元には一定の配慮をしている。

 

堂本秀雄(どうもと ひでお)

性別:男性

年齢:49

 色付き眼鏡をかけ、スーツの上に白衣を着た中年男性。依諏間島統合調査団のメンバー。某有名大に所属する地質学・古生物学教授。誰に対しても飄々としており、権力や国家組織に対しては皮肉めいた態度を取る。かつて南極を調査していた研究仲間を失っている。

 国際連合の秘密組織であるアーカム調査団のエージェントでもあり、島内に潜むダゴン秘密教団の謎を追っている。

 

由良美恵(ゆら よしえ)

性別:女性

年齢:25

 ぼさぼさの長髪が特徴的な女性。依諏間島統合調査団に中途加入したメンバー。大戸島唯一の医者の娘であり、幼少期から父の手伝いをしていたため若年ながら既に実務経験を有する。本土の医大を優秀な成績で卒業した秀才だが、感情の起伏が激しく一癖ある人物。

 

萩本奏音(はぎもと-かのん)

性別:女性

年齢:25

 黒髪を後ろ結びにして白衣を着た女性。堂本の助手として統合調査団に加わった大学院生。博士課程を履修中だが、調査団の活動成果によっては飛び級で博士号を特例取得する可能性もある。自身の研究内容の話になると興奮して語り出してしまう癖はあるものの、基本的には清楚かつ快活な人物であり、水元からも信頼されている。

 

◼️官僚・公務員

 

与崎美鶴(よざき-みつる)

性別:女性

年齢:35

 黒髪をショートカットにしたスーツ姿の女性。内閣官房の内閣情報調査室を取り纏める内閣情報官。父親は元経済産業大臣の大物政治家であり、彼女自身も異例の若さで内閣情報官まで出世したエリート。依諏間島統合調査団の監督役として部下と共に来島、鳴山に調査結果の報告を求める。優秀だが神経質な性格。

 

摩周聡二郎(ましゅう-そうじろう)

性別:男性

年齢:57

 依諏間市長。依諏間島統合調査団の島内での活動を認可しているものの、彼らの行動内容がほとんど知らされないため彼らに対し強い不信感を抱いており、調査の即刻中止と本土への帰還を鳴山に求める。

 

◼️アーカム調査団

 

Patrick Florence(パトリック・フローレンス)

性別:男性

年齢:34

 口髭を生やした短髪の黒人男性。カリフォルニア州出身。依諏間島在住でバーを経営している。堂本とコンビを組んで活動するアーカム調査団のエージェント。金に困って調査団の仕事を請け負った。堂本のような知識は無いが元海兵隊員であり身体能力は高い。基本的に陽気だが冷徹で現実的な一面も時折覗かせる。

 

◼️深淵より来たる者たち

 

・深きものども

 英語では"Deep Ones"と表記される、魚の外見をした二足歩行生物。鱗のついた四肢と鰓を持ち、基本的に水中で生活するものの短時間であれば陸上でも問題なく活動できる。海底に棲家を持ち、時折地上に出ては人類と接触し、交配を進めることで地上の制覇を目論んでいる。種族としてダゴン秘密教団に加入しており、彼らの崇める神による地上支配が最終的な目的とされる。

 アメリカのインスマウスという街に一大拠点を築いていたものの、現代からおよそ100年前に政府の強制摘発により集落は壊滅。以後、世界中に散らばった。そのうちの一団が依諏間島に辿り着き、新たな拠点として根付いた。

 

・深きものどもの混血人

 深きものどもと人間との間に生まれたハーフ人種。深きものどもと比較すると人間に近い見た目をしているものの、個体によっては深きものどもの特徴を深く宿した者、精神が邪神に近づく事で深きものどもとしての姿に変貌する者も存在する。深きものどもとしての自意識を持つものは、彼らと同様にダゴン秘密教団に入信し、邪神による地上支配達成のため暗躍している。一方で人間の血が濃いものは自身が混血人であることを自覚せずに生きている者もいる。

 

・父なるダゴン/母なるハイドラ

 深きものどもの大型種であり頭目。身長6m以上、体重5トンにも及ぶ巨大魚人。深きものどもの中で数千年以上に渡って成長を続けた個体。父なるダゴンの名を冠したダゴン秘密教団を率い、邪神復活のため暗躍している。普段は海底に住まい、時節教団によって捧げられた生贄を捕食することで生活している。人間など問題にならないほどの圧倒的な身体能力を持つ他、魔力を用いた呪文にも長け、自らと契約した人間に豊漁をもたらしている。よほど精神の強い人間でない限り、その姿を見ただけで深い発狂に苛まれる。

 

◼️用語集

 

依諏間諸島(いすま-しょとう)

 硫黄島の東方約250km、母島の南南東約200kmの小笠原海台南端部に位置する諸島。依諏間島(いすま-じま)と属島の大戸島(おおど-しま)を中心にした約20個の島嶼から構成される。諸島内で有人島は先述の二島のみである。また、日本の領土の中で日本海溝(伊豆・小笠原海溝)より東側に存在するのは南鳥島と本諸島のみである。諸島全体が人口約5万人の東京都依諏間市を形成している。

 

依諏間島(いすま-じま)

 依諏間諸島で最も大きく諸島の中心となっている島。依諏間市の人口の99%がこの島に在住している。古代に海底火山の隆起により発生した島であり、島付近は非常に潮流が早く波が強いため、浸食作用により島内には切り立った岩壁や崖が多い。南側の海岸は比較的波が穏やかであり、砂浜も存在する。島自体が太平洋プレートの中でもかなり古い岩盤上に存在し、古代地層が島の何箇所かで露出している。

 外洋に面したその位置から、戦時中には日本軍の要塞や航空基地が建設されていた。戦後にはアメリカ人を中心とする海外移民が多く移転し、現在でも海外出身者が島民の多くを占める。

 1954年に一度海底火山の噴火により壊滅的な打撃を受けたと言われている。現住民に海外出身者が多いのも、その際に元々の住民が全滅したことが原因と推測される。

 

大戸島(おおど-しま)

 依諏間島から北方約15kmに位置する属島。依諏間市の1%にあたる約500人が在住する小さな島。天気の良い日であれば依諏間島を目視できるほどの距離にあるものの、付近の潮流の速さや波の強さなどにより、2島間の船の往来は古来よりほとんど行われていない。そのため依諏間島とは全く異なる独自の文化や宗教感が根付いている。外界と途絶された閉鎖的文化を持つものの、島民が外来者に対して特段攻撃的な態度を取るわけではない。

 1954年の海底火山で依諏間島が全滅した際には高波や爆風の被害を受けたものの、島自体に大きな被害は生じなかった。想定される海底火山との距離を鑑みると確実に火山灰を浴びているはずであるが、島の記録にも地層にも火山灰が見られないことは現代でも謎として取り扱われている。

 

依諏間島統合調査団(いすまじま-とうごうちょうさだん)

 依諏間島内にて発生した不穏な事件を解決するためとして日本政府が組織した調査団。公安警察を主体として学者、医者、自衛隊などを統合的に運用する。形式上の調査団指揮官は内閣総理大臣であるが、実際は内閣官房に所属する内閣情報官の監督の元、公安第五課課長が現地の指揮を執る。ただし、自衛隊に関しては公安警察とは全く別の組織であるため、自衛隊統合幕僚本部の補助の元で内閣が直接指揮を執る。

 名目的には危険活動の兆候がある島内の宗教組織を調査しているものの、実際には発掘調査など無関係と思われる活動も行っており、調査団の真の目的は不明。それら全容については鳴山も把握していないと語っている。

 

・アーカム調査団

 国際連合の下部組織。世間一般には認知されていない秘密組織であり、メンバーにも厳しい守秘義務が課される。第二次世界大戦前にアメリカ合衆国のインスマウスで発生した怪事件に対する結論に懐疑論を抱いた一部の連邦議会議員を母体とし、戦後に正式に結成された。

 "ダゴン秘密教団"と呼ばれる特定宗教組織及びその関連組織の活動を追っており、彼らの目論見を明らかにすると共に世界秩序の安定を害すると判断された場合にそれを排除することを目的とする。エージェントには様々な技能と知識を持つ人物が人種・国籍を問わず採用され、水面下で活動している。各国の政府や議員・軍人などにも調査団員が潜んでいるとされ、日本政府もその存在を把握できていない。

 その活動の裏で多くの犠牲者を生み、またそれら調査活動が原因でダゴン秘密教団側に堕ちてしまった人間も多く存在するとされているが、詳細は不明である。

 

・ダゴン秘密教団

 アーカム調査団が調査対象としている特定宗教。その正体や教条などについては謎に包まれているものの、彼らが信仰する対象を調査団は"邪神"と呼称している。

 世界中に下部組織を持っており、依諏間島においても関連組織が特定宗教組織として古くから活動している。近年では信者の数も急増しており、日本人も外国人も無関係に入信者が増え続けている。一方で、夜間に騒音被害を訴えられるなどの問題行動も見られている。

 その実態は遥か昔から地球に根付く魚人"Deep Ones(深きものども)"の土着宗教である。彼らが人間との混血を増やす過程で本宗教に加入させ、邪神復活のために精神及び肉体を生贄として捧げさせている。

 

・ジラサウルス

 英語表記は"Zilla saurus"。古生代ペルム紀末期に存在したとされる半水棲爬虫類。恐竜が生まれるよりも前に存在していた生物種であるものの、その巨体や牙のある外観は大型肉食恐竜に近かったのではないかと推測されている。また、それ以外の外観的特徴として、剣竜類のような骨の板(もしくは珊瑚礁のような枝分かれした骨)が背中に整然と並んでいたようであり、一部の化石から発見されている。

 頭部や肋骨などの化石が断片的に世界中から見つかっており、依諏間島の地層からも発見されている。特筆すべき特徴として、ほぼ全ての化石(主に胸部から腹部付近)から半減期の長い放射性元素が発見されており、彼らが生存していた時代から体内に放射性物質を宿していたのではないかと考える学者もいる。中にはさらにその仮説を発展させ、体内に生体原子炉を有し核エネルギーで活動する生物だったと主張する学者まで存在しているものの、あまりの突飛さに主流の学説とは言い難い。

 世界中の地層から見つかっていることからペルム紀末期には広く地球上に存在していたようであるが、P-T境界層を境に一切化石が見られておらず、P-T境界を機に絶滅したものと見做されている。類縁と思われる種も見つかっておらず、爬虫類から枝分かれ的に進化して単体で滅びていった特異な生物であると考えられている。彼らが滅びたはるか後に彼らと部分的に似た特徴を持つ恐竜が出現したことは一種の収斂進化とも考えられている。

 

・P-T境界

 地質学において、古生代ペルム(Permian)紀と中生代三畳(Triassic)紀の間に存在する地層の境界。時代としては約2億5000万年前に相当する。この時期には地球史上最大規模の大量絶滅が発生したとされており、地球上に存在する生物種の90%以上が絶滅した。要因については破局噴火、海面変動、海洋無酸素事変など様々な事象が挙げられているものの、確証に足る証拠は発見されておらず、いまだに真相は謎に包まれている。この大量絶滅の後に地球の生態系は一変し、恐竜を主体とする中生代に移行する。

 

 




最新話を期待された方、すみません。今回は設定集でした。
次話も今時点で半分は書けているので、早めに出したいところです。
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