ルウタに脳を焼かれたカプ厨転生者(無駄に盛られた強キャラ)によって、ルウタのための壮大な茶番(世界の危機)が引き起こされる物語。
同じ歌がテーマなのでマクロスシリーズの要素が出てきます。

1 / 1

一発ネタです。


劇場版黒幕転生者(ルウタ過激派カプ厨)「ご苦労様ウタ……貴女はもう用済みよ(全てはルウタ成就のため……全てのヘイトは私が引き受けてみせる!)」

 

「ッ!?この歌は……」

 

 初めてその歌声を聴いた時、その衝撃で私は前世の記憶を思い出した。

 

 音楽の国エレジア。

 国王ゴードンが治める煉瓦造りの建物が並ぶ美しい国。

 その国に住まう人々の間に王宮の壇上で歌う紅白頭の少女の歌声が響きわたる。

 

 まだ幼いが、電伝虫を通して国中の人々の心を震わせたその歌には、人々を惹きつける特別な何かがあった。

 

 そのせいか私も、歌をきっかけに色々と思い出すことができた。

 

 記憶が混濁する。けれどやがて、二つの世界を生きた記憶が統合され、再構築されて一つになる。

 

「ウタ……いずれ新時代を作る女……そう、そうなのね! 私はONE PIECEの世界に転生していたのね!」

 

 前世の記憶を取り戻した私は、すぐに記憶の整理を開始した。前世の"私"と今世の"私"が統合され、前世と今世両方を経験した私だからできたことだ。

 

 ここは前世で読んでいた漫画ONE PIECEの世界。それも、前世の私が何度も劇場に見に行ったFILM RED時空だということ。

 そして、記憶が戻る前の私はこの世界で一体何をしていたかというと……

 

「まず、私の名前はクロムウェル・グレイス……エレジアに来た目的は……うわあ、いずれ手に入れる予定の"魔王(トットムジカ)"に関する情報収集のためかあ。それに、経歴も色々とヤバいなあ……食べたのは幻獣種の悪魔の実、元ロックス海賊団所属、MADSに所属、自分で自分の肉体をサイボーグ化、MADS離脱後にマリージョア襲撃……厄ネタバーゲンセールじゃん……おまけにとんでもない額の懸賞金まで懸けられてる」

 

 ……どうやら、記憶が戻る前の私は、かなりヤバいロクデナシの犯罪者だったようだ。おそらく、世界政府から目をつけらている危険人物だったと思われる。転生したら大犯罪者とかほんと勘弁してほしい。

 

「そして、ウタちゃんが歌っているってことは、今日が魔王(トットムジカ)が顕現する日か……」

 

 さらに、今夜は、あのクソ楽譜——魔王がウタによって顕現される滅ぼされる日だ。ほんと悪いニュースばかりである。

 

「今から何とかして……いや、もう手遅れね」

 

 もっと早く記憶を取り戻せていれば、違う方法もあったかもしれないと悔やむ。

 

 うっすらと私の見聞色の覇気が告げているからだ。

 

 もう間に合わない。間も無く、何かが起きる。間も無く、何か嫌な存在が現れる、と。

 

 とても不思議な感覚だ。何となく未来がわかるのだ。

 

 試しに、他の覇気はどうなのかと考えて、拳を握って力を入れてみる。すると、拳が赤黒く染まり、バリッと一瞬大気を震わせる赤雷が迸る。

 

「あ、出た」

 

 まるで息をするように全ての覇気が扱える。

 

 どうやら覇気は記憶が戻る前の私が習得したものを同水準で使えるようだ。

 

「うん、このタイミングで異物の私が関わるのは悪手ね。絶対面倒な事になる。ここはシャンクス達に任せて、赤髪海賊団が去った後で軌道修正しましょう」

 

 未来視で読み取った情報から、私は一旦行動を控え、シャンクス達に魔王討伐を任せることを選択する。たぶんそれが、最善だと思った。

 

「今の私はもう既に犯罪者。なら、多少は悪事を働いても問題ないでしょう」

 

 状況の整理も終わったので、これから、私はある目的のために動く予定だ。

 私は、ONE PIECEという作品が大好きだ。特に、REDの映画は二桁に登る回数見に行った。その儚くも美しい結末に感動だってした。

 

 でも、私は違う結末も見てみたかった。

 

 たぶん、私はそれを成すためにこの世界に生まれたのだと。不思議とそう感じるほどに、前世の記憶を取り戻した私は、新たに芽生えたこの激情に染められていた。

 

 それは———

 

「待っていてね、ウタ。私が必ず、貴女をルウタが成就する新時代に連れていってあげるから」

 

 必ずルウタを成就させることだ!

 だって前世の私は、カプ厨(過激派)だったから!最高のifカップルを成就させなくてどうする!

 もちろん、ルウタ成就のためには絶望して病んでいるウタの生きたいと願う意志や、世界政府の介入などの障害がたくさんある。

 ならば、ウタに向けられる全てのヘイトを引き受ける役を演じて、ルフィ、ウタ、シャンクスの前に立ち塞がることで、私が二人の素晴らしい関係が構築されるきっかけになってみせる!

 

 その後、エレジアに破滅の歌が響いた。

 魔王(トットムジカ)が顕現し、エレジアは滅びた。

 赤髪のシャンクスは娘をエレジアに置き去り、代わりに娘の罪を全て背負った。

 

 そして、無傷で生き残った私は、その後赤髪海賊団と調べに来た海軍が去ったのを確認して、ウタとゴードンに接触した。

 

 素晴らしい未来を見据えて、ウタの信頼を得るために。

 

 そして、信頼を得た私は、やがてウタの活動をサポートするマネージャーに就任した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※※※

 

 エレジア壊滅から十二年後。

 かつて音楽の都として栄えた島に、再び美しい歌声が響きわたる。

 海上に設置された巨大なライブ会場。ウタについている()()()()()()()()()の手腕もあってか、多くの出資者にも恵まれて、とても設備が充実した豪華な造りになっている。

 その壇上には成長した赤髪の少女姿があった。

 

 "ウタ"。それが、歌声を響かせている少女の名前だ。

 

 彼女がすっと息を吸い、丁寧に、鮮やかに、歌声を紡ぐと、新たな世界を願う人々に希望をもたらす力強い旋律が、伸びやかなウタの歌声と一体になって聞く者の心を掘り起こす。

 

 その歌声に、会場の人々——だけにとどまらず、世界中の人々が耳を傾けていた。

 世界中にファンがいる彼女のライブの様子は、電伝虫によって世界中に配信されている。

 

 世はまさに大海賊時代。

 海に出た海賊たちによって、数多の悲惨な事件が引き起こされ、多くの人々が苦しめられてきた。

 そんな、海賊たちに怯え、苦しめられ、救われたいと願う人々にとって、彼女の歌は特別なものだった。

 

 しかし、このライブには裏が——大いなる別の目的があった。

 心優しい無垢な少女が描いた、新時代への扉を開く計画が動き出そうとしていた。

 

 そして、さらにその裏で、より壮大で、より恐ろしく、とても身勝手な目的の計画も秘密裏に進行しつつあった。

 

 

 

 

 

 ウタのライブの様子は、マリージョアにも配信されている。

 世界政府の最高権力者——五老星たちも、映像電伝虫を通して、熱狂するライブ会場の様子を監視していた。

 

「まさか、赤髪に娘がいたとは」

 

「だが、問題はそれだけではない」

 

 ライブの様子を監視している老人たちの表情は、皆一様に厳しいものだった。

 

「サイファーポールの報告によって、赤髪の娘はあの女——クロムウェル・グレイスと接触していたことが判明している」

 

「クロムウェル・グレイス……()()()()()()()()()()()()()()()()……かつて、白ひげ、カイドウ、ビッグマムと肩を並べロックス海賊団に所属し、その後MADSにも潜入、血統因子、クローン、サイボーグの研究では、あのベガパンクも一目を置くほどの成果を上げた……特に、パシフィスタ、セラフィム関連の技術に大きく貢献した実績を持つ力と明晰な頭脳を兼ね備えた怪物……」

 

「最後に目撃されたのは確かエッグヘッドだったか……よもや、ベガパンクのセキュリティを易々と突破し情報を盗み出すとは……」

 

「そして、奴はあの悪魔の実……最強最悪のゾオン系幻獣種の能力者だ」

 

「ムシムシの実モデル『◼️◼️▪️◼️』……アレは人類の脅威そのものだ」

 

「報告では、今、奴はエレジアで赤髪の娘のマネージャーを務めていると聞く。だが、奴のエレジアにいる目的には察しがつく」

 

「トットムジカ——アレが再び目覚めるのなら、そしてグレイスの手に渡る可能性があるのならば……悠長に構えているわけにはいかないだろう」

 

「では……」

 

 一刻も早く事態を処理するため——老人たちは海軍の元帥に司令を出す決断を下した。

 展開可能な全戦力をもって、ウタとグレイスを始末しろと。

 

 かくして、海軍の所有する展開可能な全戦力——二人の海軍大将と三十隻もの軍艦がエレジアに送り込まれることとなった。

 

 

 

 

 

「グレイス様、海軍に動きがありました」

 

「そう、舞台と歌い手の調整は?」

 

「問題ありません。ライブ会場に偽装して建造したウタウタの実の能力に共鳴し、歌の力を増幅させるための船——シグル=バレンス、並びに、魔王(トットムジカ)を制御するための闇の歌い手——()()()()()()()()()()()()()()()の方も学習の最終段階に入りました。もう間も無く覚醒、起動します」

 

「いよいよね———」

 

 一方、巨大なライブ会場の中の一室では、ウタのマネージャーを務める青紫色の髪を持つ眼鏡をかけた女性——グレイスが部下から報告を受けていた。

 すると、グレイスは部下からの報告に満足し、うっすらと口角を上げる。

 

 そして———

 

「では始めましょう。()()()()()()()()()()()()()()()()()、この私の新時代(フロンティア)計画を……!!」

 

 壮大な計画(茶番)の開始を高らかに宣言した。

 

 そして、ちょうど、ライブ会場の方でも大きな出来事があった。

 

 十年以上の時を経て、幼馴染の麦わら帽子の海賊と歌姫が再会を果たしていたのだ。

 

 グレイスのいる部屋のモニターの映像にも、その再会の様子が映し出される。

 

(ルウタ……尊い!!)

 

 映像を目にしたグレイスは、その喜びの感情を一切表に出すことはなかったが、心の中で感激の涙を流していた。

 

(マネージャーの立ち位置を活かして、ネズキノコも既に似た模様に着色した別の短時間だけハイになるキノコとすり替えておいた。後は私の立ち回りで全てが決まる!ルウタ完全成就という夢の果てのために頑張るわよ私!)

 

 こうして、麦わらの一味+ローとベポ、ビッグマム海賊団、赤髪海賊団、海軍、サイファーポールを一人で同時に相手することになる劇場版黒幕転生者の計画が始まった。

 

 

 




無駄に盛られたキャラ紹介

クロムウェル・グレイス
ウタに向けられるはずだった全てのヘイトと敵意を引き受け、ルウタ成就のきっかけになりたい真の黒幕担当。
表向きはウタのマネージャーとして配信活動やライブを支援する活動を行い、ウタの新時代計画にも賛同していた。
だが、真の目的はトットムジカをウタから奪い、歌の力とトットムジカの力を音響兵器として利用して世界を支配すること(建前)。そして、ウタとルフィの前に立ち塞がりルウタのきっかけになること(本命)。
ほぼワンオペで後の四皇、現四皇×2、バスターコール3回分の戦力を相手にしないといけないので、過去の経歴と力はその分しっかり盛られている。
食べた悪魔の実の能力はゾオン系幻獣種ムシムシの実モデル『◼️◼️▪️◼️』(マクロスF出典)覚醒済み。
強く、大きく、ビームも撃てる劇場版のラスボスらしい能力。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。