◆あらすじ
ランドソルを目指すペコリーヌ、キャル、コッコロ、ユウキの四人は旅の途中で「電車」なる乗り物に出会う。近道になるというので喜んで乗る余人だったが、着いた先は「きさらぎ駅」なる未知の世界。
戸惑うキャルを尻目に、ペコリーヌたちは…
もしもペコリーヌたちがきさらぎ駅のような場所へ迷い込んだら…やっぱり「アレ」も食べるのかな?
———— だだっ広〜い草原。
見渡す限り草の海。
その間を風が吹き過ぎ、波のように草をなびかせ、緑色の光をきらめかせる。
向こうを見れば遠い山々が青く霞み、なだらかな線を描いている。
その草原を二つに割るように細い一本の線が地平線まで伸びていた。
線路だ。
こんもりとした土手に赤錆びた線路が延々と続いている。
どこか懐かしいような、幻想的な…
そして、草原の中にポツンと無人駅。
線路の瘤のようなホームがひとつだけ。
片側に牧場の囲いのような木の柵がある。
今どきトタン屋根の小さな駅舎。もちろん改札口などない。
錆びたホームの看板はTの字に区切られ、上に『きさらぎ』とあり、左下は『かたす』、右下は『やみ』と書かれている。
一本だけの街灯が立ち、ホームの両端に短い階段。
それだけだ。
そのホームの縁に座って、足をぶらつかせている人間が約4名。
並んで仲良くのんびり空を見上げながら…
ペコリーヌ「…いー天気ですね〜〜〜♪」
ユウキ「いーぃてんきぃ〜〜〜♪」
コッコロ「ぽかぽかでございますね〜〜〜♪」
キャル「ほんっと、眠くなるわぁ〜〜〜………って、ダメダメダメェェェ!」
突如、紫の衣装をまとった猫耳少女が立ち上がる。髪を掻きむしり、尻尾をピコピコさせながら、
キャル「良い天気もなにも、こーんな所いられないっての!」
ユウキ「なんでー?」
キャル「なんでじゃない!なんでじゃない!胸に手を当てて考えなさいよ」
ユウキと言われた少年が口を塞ぎ、隣のちまっとした少女が目を塞ぎ、その隣の胸の大きなメイド風の衣装を着て大剣を担いだ女の子が耳を塞ぐ。
コッコロ「キャル様、これでよろしいでしょうか?」
キャル「わかっててやんてんでしょ、あんたたち!?見ざる聞かざる言わざなければ済むと思ってんの!?」
ペコリーヌ「…ひょっとしてキャルちゃん、お腹空いてるんですか?」
キャル「あんんっったの頭ほどしょっちゅう腹を満たすことなんか考えてないわ!…ぜぇ、ぜぇ、疲れた…そもそもアレが悪かったのよ…」
◆ここでアイキャッチ♪
——— 所変わって、ランドソルの街へ向かう途中の名もなき町。
そこへ歩いてくる一行。
キャル「…はぁ〜〜〜、けっこう遠いわねえランドソル。まだ着かないのかしら」
町民「お客さーん、それなら良い手があるぜえ」
髭面の男が声を掛ける。
キャル「え」
町民「ほら、あそこに鉄道がある。あれならランドソルまであっという間だ」
と、向こうの駅舎を指差す。
コッコロ「『鉄道』とは、どんなものなのでしょう?」
ユウキ「いってみよー」
行ってみると、遠州鉄道で使われるような2両編成の電車がポツンと停まっている。
ペコリーヌ「キャルちゃん、これ乗り物みたいです」
キャル「鉄の箱で出来た馬車?初めて見るわ…」
コッコロ「可愛らしい乗り物でございますね」
ユウキ「のるか〜」
ペコリーヌ「乗ってみましょう!」
キャル「ちょ、ちょっと、まだ乗るって決めたわけじゃ…」
ペコリーヌ「はいはいはい〜」
大剣の少女ペコリーヌに背中を押され、無理やり乗車させられるキャル。
コッコロ「なんだかワクワクします♪」
四人が乗り込むと自動的にドアがプシュ〜…と閉まって、プァン…とゆっくり走り出す。
…すると、今まで普通に行き来していた町の人たちがピタリと一斉に止まり、電車をうつろな目でジイッ…と見送る。
髭面の町民がニタリと笑った。
カタタン…カタタン…
ペコリーヌ・キャル・コッコロ・ユウキ「「「「わぁ〜〜〜〜〜」」」」
初めて乗る電車からの眺め。
車窓を開けて後ろへ流れる草原に目を輝かせる。
風に髪がなびく。
キャル「ん〜〜〜きもちいぃ〜〜〜〜」
ペコリーヌ「素敵ですね〜〜〜〜」
ユウキ「すてき〜〜〜〜」
コッコロ「はい〜〜〜〜」
の〜んびりタタタン、タタタン、と走ってゆく電車………
◆回想終わってアイキャッチ♪
キャル「…って思ってたのに、なによここ!?『きさらぎ』ってどこ?次のはいつ来るの!?」
ペコリーヌ「まあまあキャルちゃん、落ち着いて」
コッコロ「お腹がお空きですか?それならコレを…」
と、ロリ少女のコッコロがポシェットからパイっぽい何かを取り出す。
キャル「だから、ソレが問題だって言ってんの———!!」
◆またアイキャッチ♪
真夜中。
プァ〜〜〜ン…と電車が『きらさぎ駅』のホームを去ってゆく。
ガタンゴトン…わびしくライトを灯しながら走り去る影………
…で、ホームにポツンと取り残された四人を一つだけの街灯の光の輪が照らしている。
キャル「(ハッと我に返って)…って、ここどこ?」
ユウキ「さー」
コッコロ「え〜…(看板を見て)どうやら『きさらぎ』という所のようです」
キャル「きさらぎぃ?ランドソルはどうなったのよ」
コッコロ「いえ、わたくし、存じませんが…」
キャル「(再びハッと)待って…じゃあ…全然関係ない所で降りちゃったの?」
顔を見合わせる一同。
ペコリーヌ「(思いっきり明るく)降りちゃいましたぁ♪」
キャル「んんんなんじゃそりゃあああああぁぁぁ」
無人駅の周りを歩き回る四人。
ペコリーヌ「…誰もいませんねえ」
ユウキ「家なーし」
コッコロ「…わたくしたちだけでございますね」
キャル「…まさか乗り物に乗って遭難するなんて…(蒼白)」
ペコリーヌ「まあまあキャルちゃん、またいつか来ますって、次が」
キャル「って元凶が言うな!いつっていつよ?」
ユウキ「くるくるー」
キャル「あんた絶っっっ対分かってないわよねッ!?」
と、グゥ〜〜…とお腹が鳴る。
キャル「はあ…怒鳴ったら力抜けてきた」
コッコロ「このままここで野宿でしょうか」
ペコリーヌ「とりあえず食べ物を探しましょう。焚き火も起こして」
ユウキ「ん(と親指をサムズアップ)」
少年ユウキ、ホームから飛び降りて、向こうの草原へ探しに行こうとする。
キャル「あ——っ、ま、待ちなさい!スト——ップ!」
ユウキ「へ?」
ペコリーヌ「キャルちゃん、どうしたんですか?」
キャル「…さっきから感じないの?ここって超ヤバめな所なのに…」
キャル視点からすると、宵闇に隠れてそこかしこから真っ黒な何かの気配がモゾモゾと立ち昇っている…
キャル「とにかく、無闇に歩き回らない!」
ユウキ「え〜〜〜」
ペコリーヌ「でもぉ、お腹が…」
コッコロ「わたくし、うっかりしてお弁当を用意してきませんでした…」
キャル「はぁ…ちょっと待ちなさい」
キャル、杖を両手で構えブツブツつぶやく。その全身からオーラが立ち昇り…
キャル「——— えいっ!」
両腕を広げると、パアッと魔法陣が展開され、次々に地面に生えたグリッチが実体化する。うねうねと怪しくうごめくグリッチ。
キャル「わかった?アレとアレとアレは触るとヤバいブツなの。わたしが闇魔法に通じていたからよかったものの、踏んだら大変…」
ユウキ、早くもアレを口に入れてモグモグ。
キャル「だ————っ!?ナニ食ってんのアンタァ———ッ!」
ペコリーヌ「ユウキくん、食べられるんですか?」
コッコロ「大丈夫ですか、主(あるじ)様?」
ユウキ「ん………ぐ!」
コッコロ「主様!?」
シリアスな顔でモグモグしていたユウキ、ゴックン♪する。
ユウキ「(パァァ…と満面の笑顔でサムズアップ)しおあじ〜〜♪」
キャル「…ええ!?(硬直)」
ペコリーヌ「もぐもぐ…」
コッコロ「はむっ…」
キャル「ま、待ちなさいよ。そんな物食べたらお腹壊す…」
コッコロ「こちらはチーズ味です♪」
キャル「はあっ!?」
ペコリーヌ「キャルちゃん、コレいけますよ(サムズアップで歯をキラリ♪)」
キャル「…まさか闇物質を食べて平気な奴がいるとは…(愕然)」
ペコリーヌ「今夜はコレで決まりですね!」
コッコロ「集めましょう」
ユウキ「おー!」
◆アイキャッチ♪
ホームの上で焚き火を囲む四人。
パチパチとはぜる火の上でマシュマロのように小枝にグリッチを刺して炙っている。
ペコリーヌ「くーるくる、くーるくる、…っと。もういいでしょうか」
コッコロ「香ばしい香りがします」
ガブッと齧るユウキ。
ユウキ「ん!んまい」
ペコリーヌ「もぐもぐ…美味しいですぅ〜」
コッコロ「はむはむ…野生のお野菜も乙なものでございますね」
キャル「絶対野菜じゃないって…」
ペコリーヌ「はい❤︎キャルちゃん、あ〜ん❤︎」
キャル「ダメよ、近づけないで!わたしはあんたたちのような特異体質じゃないの」
ペコリーヌ「(ちょっと悪顔)…ほぉ〜ら、良い匂いですよぉ〜〜〜…」
コッコロ「(同じく)サクサクホロホロと…」
ユウキ「(同じく)おいしー」
キャルとお腹、グゥ〜〜〜〜…♪
キャル「ああ、もう、わかったわよ…もくっ。…ん?もく、もくもくもくっ、もくもくっ。…ビックリした。焼き鳥みたい…」
ペコリーヌ「——— さあっ、たっくさん食べてグッスリ寝ましょうっ!」
キャル「あんたホントに能天気よね…」
◆アイキャッチでコケコッコ〜♪
ホームに並んで座る四人。
キャル「…んで、寝たはいいけど…いつ来るの?鉄道ってやつ」
ユウキ「しらなーい」
キャル「(怒)あーはいはい、そうよね〜、あんたは…」
コッコロ「確かに来ませんね…」
ペコリーヌ「じゃあ、歩きましょう!」
キャル「はあ?歩くってどこへ」
ペコリーヌ「(線路を指差し)この道を伝って来た方向へ歩けば戻れます」
キャル「なによそれ。結局無駄足じゃない」
コッコロ「でも…もうお昼ですし」
ペコリーヌ「食料なら心配はいりません。昨日の残りがたっくさんあります」
と、膨らんだショルダーバッグをポンポン。
キャル「(引きつった笑みで)できれば普通のご飯が食べたいんですけど?」
ユウキ「とにかくいこう!」
ヒョイと線路へ降りるユウキ。そのままスタスタ歩き出す。
コッコロ「あ、主様」
と後を追う。
ペコリーヌ「キャルちゃん、行きましょう」
先に飛び降り、手を差し伸べる。
キャル「はあ…もういいわ」
ペコリーヌの手を取って飛び降りる。
◆アイキャッチ〜
大草原の中、線路伝いにテクテク歩いてゆく四人。
「「「「みーじたーくをする〜…もう…よーあけーはち〜かい〜…」」」」
…と、先頭のユウキがいきなり立ち止まる。
その背中に「キュッ」とぶつかるコッコロ。
コッコロ「…主様?」
ユウキ、草原の向こうをジッと見つめている。…そこに、何かがいる…。
ペコリーヌ「どうかしましたか、ユウキく…」
三人、同じ方向をジィ〜〜〜ッ…と見つめる。
最後尾のキャル、腰に手を当てて三人を睨む。
キャル「ちょっと。後がつかえてるんだけど?何を見て………はっ!?」
———— 線路の向こう、草原のある場所に何かがクネっている。
くねくね、くねくね…白っぽいそれがねじれ、ひねり、よじれ…こちらを誘うようにうねって………
キャル(くねくね…くねくねくねくねをを理解しちゃだだだめめめななななにぬねのののの……)
グッと辛うじてこらえるキャル、いきなりペコリーヌの脳天にチョップ!
キャル「チェストオ————ッ!!」
ペコリーヌ「んがっ!!?」
キャル「アタァ—————ック!!」
コッコロ「キュゥ〜〜〜〜ッ!?」
キャル「チョォ—————ップ!!」
ユウキ「ごはぁ————っ!?」
ズザ———ッ!と派手に滑るユウキ。
キャル「正気に戻りなさい!アレは魔物よっ」
ペコリーヌ「(おでこにタンコブ)キャルちゃん、ナイスフォローです!…プリンセス・ストラァ————ィク!」
背中の大剣を引き抜きざま、思い切り振り下ろす!
ドド —————ンン!!
地面に爆炎が上がり、そのままくねくねまで真っ直ぐ衝撃波が走り、チュド———ン!と冲天高くバラバラになる白いモノ。
コッコロ、そのうちの一片を何気なくキャッチ。掌の上でピクピクしているそれ。
コッコロ「あの…」
キャル「食うな!」
◆アイキャッチ!
線路の脇で焚き火を炊いて、フライパンでこんがり焼いた跡。
四人、満足そうにお腹をさする。
ユウキ「んまかった〜」
キャル「…まさかコレまで食べられるなんて…」
ペコリーヌ「今のはカレー味でしたね♪」
コッコロ「美味しゅうございました」
◆で、アイキャッチ。
なおも線路の上を歩いてゆく四人。
すると、後ろからか細い声がする。
「……ぉぉ〜〜〜ぃ、ぉお〜〜〜ぃぃぃ………」
ペコリーヌ「はい?」
ペコリーヌが素直に振り返ると、すぐ後ろに片足だけの見慣れない老人が立っている。姿形は普通の村人のようだが、不気味なオーラが漂っ…
老人「線路を歩くとぉ、あっぶねぇぞぉ〜〜〜」
キャル「まだ出るかぁ—————っ!!」
老人「ぼはら——————っ!?」
キャルのグーパンで空の彼方へ消える老人、キラリーン☆と星になる。
キャル「はぁ、はぁ、もううんざり…」
ペコリーヌ「(手をかざし)はぁ〜〜、よく飛びましたねえ」
ユウキ「(サムズアップ)ないすひっと」
*
白い麦わら帽子をかぶった背の高い妙な女が線路に立ち塞がる。
「はっしゃく…」
ペコリーヌ「プリンセス・ストラァアアアィク!」
チュド———ン!と吹っ飛ぶ怪女。麦わら帽だけがユラユラ浮かぶ。
*
上半身は巫女、下半身は大蛇の怪物が線路に立ち塞がる。
「みぃ〜〜〜たぁ〜〜〜な…」
ペコリーヌ「プリィンセス…ストラァァァアアアアィクッ!!」
チュドド———ンッ!
*
ペコリーヌ「ストラアアアアアアアアアイク!!!」
なんかドド————ン!と弾ける。
◆アイキャッチ…
すでに夜。
真っ暗な口を開けている。
…と、トンネルの奥の方から、カツゥ———ン…カツゥ———ン…と足音がだんだん近づいてくる。同時にポッと明かりが見え、大きくなって…
キャルの杖で明かりを灯しながら歩いている四人、トンネルから現れる。
ペコリーヌ「…抜けました」
ユウキ「ん〜〜〜…」
辺りを見回すが、やはり草っ原と線路だけ。
キャルが座り込む。
キャル「…もう疲れた。眠い」
ペコリーヌ「キャルちゃん、元気出してください。ほら(と手を引っ張る)」
キャル「お腹がいっぱいでも足が痛いわ…とんだ災難よ」
コッコロ「今夜も野宿でしょうか…」
ペコリーヌ「困りましたねえ。炊事道具は持ってきましたが、寝袋までは…」
ユウキ「…ん?」
見ると、線路の遥か向こうから小さな光が…
ユウキ「てつどう…」
ペコリーヌ「へ?」
コッコロ「あれは…」
どんどん近づいてくる…。
コッコロ「あの電車とかいう乗り物でしょうか」
キャル「(立ち上がる)よかった!おーい、おぉーーい!あたしたちを帰してぇ〜〜〜」
キャルがブンブン手を振るも、少しもスピードを落とさない。さらに近づくと…
ユウキ「…え」
コッコロ「…キュ!?」
なんと、車体にたくさんのドクロのような亡霊がまとわりついている。ミートトレインだ!
「「「ンォォォォォオオォォ……」」」
キャル「んもう、なによ!またなの?ペコ、やっちゃいなさい」
ペコリーヌ「はい!…プリンセス・ストラァ———ィイク!!」
ドォォォ————ン!!
振り下ろす剣の鋭い衝撃波がぶつかり、爆発が起こる!…と思ったら、全く無傷のソレが突っ込んできた!
ペコリーヌ・キャル・コッコロ・ユウキ「「「「うわわわわわわわ」」」」
慌てて回れ右で全力で逃げる四人。
またトンネルの中へ入ってしまう。もう逃げ道がない。
ぐんぐん迫るミートトレイン。
コッコロ「(振り向き)はぁ、はぁ、…追いつかれます!」
と、立ち止まってクルリと向き直るキャル。
キャル「…もぉぉあったまきた!」
ペコリーヌ「キャルちゃん!?」
キャル「逃げられないならやるまでよ!ペコ!コロ助!ユウキ!踏ん張りなさいっ」
ペコリーヌ「(不敵な顔で)…ですね!」
ユウキ「ふんっ」
ユウキが気合を入れると、黄金の魔法陣が展開され、四人を強いオーラで包む。
コッコロ「はああああっ」
コッコロが線路の砂利へ杖を突き刺すと、青い防御魔法が巨大な盾を築き、トンネルを塞ぐ。ガツン!とまともにぶつかるミートトレイン、車輪を空転させて咆哮する。
「ぉおおおおおぉぉぉおおおぉぉぉ」
キャル「あんたの正体なんてお見通しよ!はぁ————っ!!!」
キャルが杖を向けると、強烈なビームが何本も怪物へ撃ち込まれる。
さらに身をよじるミートトレイン。
キャル「ペコリーヌ!」
ペコリーヌ「はいっ!!プリンセスゥ…ストラァァァアアアアィィィイイイイイクッッッッ!!!!」
ドウッ!!!!!—————
閃光がミートトレインを真っ二つに切り裂き、引き千切り、粉々にする。吼えながら崩れ落ちる怪物。…と、トンネルの天井に亀裂が走り、ドドド !と大量の土砂が…
ペコリーヌ「あぶっ…」
キャル「なっ…」
コッコロ「ぃ…」
ユウキ「——— ふんっっっっっ!!!!」
ユウキが思い切り両腕を広げると、黄金の魔法陣が巨大化し、土砂を真上に吹き飛ばす!
ドォオオオオオオオオオン!!
派手な土煙を上げ、トンネルを含む丘が消し飛んでいた……。
キャル「…けほっ、けほっ、み、みんな、だいじょうぶ…?」
ペコリーヌ「キャルちゃん!コッコロちゃん!ユウキくん!」
コッコロ「あ、主様!?」
かたわらの土の山からポコリと手が現れ、サムズアップ。
キャル「はぁ…心配させんじゃないわよ」
コッコロ「うふふ」
ペコリーヌ「えへへ」
ユウキを掘り出す三人。
その四人へ光を当てている何か。
みんなが振り返ると…。
ペコリーヌ「これって…」
コッコロ「鉄道、でございますね…」
ユウキ「かえれるー」
キャル「…はぁ…(ガクッ)」
ペコリーヌ「キャ、キャルちゃん?」
ペコリーヌがキャルをおんぶする。
電車へ乗り込む四人。
プァン…。
何事もなかったように走り出す電車。夜の闇の中へ消えてゆく…。
◆アイキャッチ……。
キャル「………はっ!?」
気がつくと、道端にいる。
呆気にとられるキャル、辺りを見回す。
みんなで歩いていた道だ。
ペコリーヌ「キャルちゃん、どうしました?」
キャル「ねえ。あたしたち…戻ったの?」
ユウキ「もどる?」
ペコリーヌ「どこからですか?」
キャル「だって、あたっ………あれ?」
コッコロ「キャル様、大丈夫ですか」
キャル「だ、大丈夫よ。だけど…なんだったのかしら…」
ペコリーヌ・コッコロ・ユウキ「「「?」」」
キャル「ま、まあ、覚えてないならいいわ。それより今夜の宿は?」
コッコロ「申し訳ございません。今夜は野宿の予定です」
キャル「近くに町ってなかった?」
コッコロ「いえ。地図には載っておりませんが…」
キャル「そう?変ねえ。あったような気がしたんだけど…」
ペコリーヌ「まあまあ、もう日が落ちてきましたし、この辺で休みましょう」
ユウキ「さんせーい」
キャル「…そうね、ちょっと疲れてるみたい。休みたいわ」
コッコロ「食事のご用意をいたしますね」
わいわい騒ぎながら、いつものごとくキャンプを始める四人。
彼らは知らない。すぐ近くの森に、廃墟となった町があることを…。
◆おしまいのアイキャッチ◆
好きなキャラクターを動かすのは楽しいですが、この四人がきさらぎ駅へ迷い込んでも全然余裕でした(汗。なんだかんだ言って逞しいですね、みんな。三期来ないかなあ。