原作:BanG Dream! It’s MyGO!!!!!
タグ:ガールズラブ 長崎そよ 千早愛音 あのそよ MyGO!!!!! BanG Dream! BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 二次創作
「暇だねー」
「そうだね」
練習の休憩中、他の三人が飲み物を買いに行ってしまったせいで、練習スタジオに愛音ちゃんと二人ぽつんと残される。
ていうか、愛音ちゃんと二人でいるくらいなら私も飲み物買いに行けばよかったかな。
「そういえばさ、そよりんって、まだ私の事要らないって思ってる?」
少し曇った表情と暗い声で聞いてくる。
「はぁ……愛音ちゃん、意外とそういうとこめんどくさいよね」
「えー?でも気になるじゃん?一回要らないって言われてる訳ですしー?」
「……別に、要らないとは思ってない。あの時要らないって言ったのはCRYCHICを再結成する上での話だから」
少しの愛想もない私の言葉に愛音ちゃんは嬉しそうに顔をパッと明るくさせて、「そよりんってさ、たまーに優しいよね」なんて、褒めてるのか褒めてないのかよく分からない事を笑顔で返してきた。
「じゃあさ、私って必要?」
「……さあ?でも抜けたらバンド、一生できないね」
「それは意地悪すぎない?」
「そう?じゃあ私、お手洗い行ってくるから」
「あっ!逃げた!?」
ごねる愛音ちゃんを置いて、練習の跡が残る部屋から出て別に行きたくもないお手洗いへと向かう。
だって、その言葉を愛音ちゃんにかけてあげるのは燈ちゃんの役目でしょ。
あんなめんどくさい愛音ちゃん、私には手に負えないし。三人もすぐ帰ってくるだろうしね。
結局私が戻った頃には3人も戻ってきてて、愛音ちゃんもあれ以上何か聞いてくる事はなかった。
まぁ、忘れてるだけかもしれないけど。
それから、数日してライブ本番直前。
「あのさぁ、野良猫からは目離さないでって言ったよね?ほんっとありえない」
「ごめん……でもちょっとお水飲んでる隙に居なくなるとか思わなくない?」
「言い訳とかいいから。ちょっとでも目離したお前の責任でしょ?私達他のバンドに挨拶してくるからって野良猫見てるって言ったのお前じゃん」
相変わらずの喧嘩。
楽奈ちゃんは居ないし、燈ちゃんはあわあわしてるし、二人は喧嘩してるしで、本番直前なんて思えない空気感。
「もういいでしょ立希ちゃん。居なくなったのは仕方ないし、どうするの」
「探す。それしかないでしょ」
立希ちゃんが決意を固めた表情をした瞬間、
「なんでおこってるの?りっきー」
聞いたことのある声がこの場にいる全員の耳の中に入る。
理解にラグが生まれて一瞬だけ無言の空間が生まれたあと、立希ちゃんが怒りを通り越した呆れとも違う疲れの表情で、「もう、いくよ」とだけ呟いてステージへと向かっていった。
ライブしてないのに疲れるなんて、大変そうだよね。ほんとに。
他人事みたいに考えながら、立希ちゃんの後からステージへと向かう。
ステージに上がると、うるさいくらいの歓声が私達を歓迎する。
「凄くない!?私達、大人気バンドじゃん!」
「そうだねー。早く準備してねー」
ーーでも確かに、凄いかも。
最初はお客さんなんて数えられる程しか居なかったのに、今ここには数えられない程のお客さんが私達を見てる。
緊張が私の体を伝う。
「みんな、良い?」
燈ちゃんのその問いに、私達は頷く。
その瞬間、燈ちゃんの"うた"が始まった。
そして、演奏に負けないくらいの歓声が沸く。
不思議だよね。さっきまであんなにバラバラだったのに、今は皆繋がってるみたい。
意味も無く、愛音ちゃんの方に視線を向ける。
愛音ちゃんは、あの時の事なんてもう気にしてないなんて勝手に思ってた。
でも違ったんだね。
……愛音ちゃんが必要かどうかなんて知らないけど、もう一生要らないなんて言わないと思うよ。
絶対に本人には言わない事を頭で考えてると、愛音ちゃんがパッとこっちを向いてきて目が合う。
すると急に近付いてきて、握りこぶしを作ってこっちに向けてきた。
そんな笑顔でそんなことされたら、返すしかないじゃない。
私も握りこぶしを作って、愛音ちゃんの握りこぶしに軽く触れる。
そしたら愛音ちゃんは満足気な笑顔で自分の持ち場に戻って、さっきよりも数段レベルが上がった演奏で場を盛り上げた。
あーあ。私の考えてたこと、伝わっちゃったかな。
そのままライブは最高の状態で終演。
後に、愛音ちゃんに「そよりんってさ、そういうとこあるよね〜」なんて、意趣返しされたのだけは、ちょっとイラッとしたけどね。
読み切りです。続きません