真は親善試合のためにイオとロナにレフトとモクレンの魔将四人と戦い、そうして圧倒してみせた。
その力を魔王であるゼフより讃えられたが直後、そのゼフに魔族達、真達すら狙ってホール全域に攻撃する者達がいた。
轟音と炸裂する光がホール全域を満たしたものの……。
「あらよっと……」
真は時間軸に対して改竄能力を使う事でそれらの攻撃が放たれる前の時間へと戻しつつ、魔将四人を完全回復させる。そして、『界』でホール全域に対する攻撃を防ぎながら、轟音と炸裂する光だけが生じるだけにしたのであった。
『なあっ!?』
「……最早、理解の及ばぬ力だな」
攻撃をした十数人の完全武装した魔族――魔王ゼフに対する反乱勢力であり、テロリストは驚愕し、ゼフも動揺を抑えながらも感嘆の息を漏らす。
「おのれ、化け物めっ!! 神殿のときと言い、良くも邪魔をっ!!」
「そりゃ邪魔をするだろ。俺達は賓客として呼ばれているし、魔王ゼフ殿達とは有効的でありたいと願っているからな」
「ならば貴様も死ねっ!!」
「死ぬのはお前達だ。そうだな、イオ、レフト!!」
『はっ!!』
そうして、あっという間にテロリストの間合いに接近したゼフは腰に佩いていた剣で、イオは手刀で、レフトは槍でテロリストをあっという間に屠った。
そうした片はついたはずだったのだが……。
「ほう、命懸けで使ったか……」
ゴテゴテした装飾を施された杖が床に突き刺さっており、その杖は光を放っていた。
「まさか、これはエリュシオンの神器――
識が杖を見て言った。
「どういった代物だ?」
真の質問に識は竜群王笏の解説を始めた。この神器は発動すると何が召喚されるかは運任せであり、使用者にとって一番最高の結果としては上位竜を除くあらゆる竜がこの場に召喚され、暴れ回るというものだ。
だが、その結果を引くのは万が一の確立である。だが、更にもっと極小の確率としては上位竜を呼ぶ結果を引く可能性もあった。
そうして、竜群王笏から放たれた光が闇を引き裂いて空に吸い込まれていき……。
「ルトが来るか」
眩い光から現在は真の仲間として『沙』になっているグロントより巨大であり、その巨躯を更に大きく見せている三対の翼だが、大きさがそれぞれ違う物を広げた神秘的な雰囲気を纏った二足歩行の竜が降臨した。
「(……まさか、こうなるなんてね)」
「(お前の仕込みか、万)」
「(殆ど、ネタとして仕込んだんだけどね)」
そう、降臨したのは上位竜のルトであり、真の仲間である『万』だった。
王笏の効果というか制約によって、『万』が六属性混合にして様々な状態異常に呪病まで混ぜ込んだ咆哮であり、ブレスをこの魔族の都に放とうとし……。
「させるかよ」
真は空の中心に空間の渦を作り出す事で万の攻撃を全て吸収し、そうして『万』は役目を終えて、その場から姿を消したのであった……。