世にも奇妙な物語杯の作品です。

1 / 1
視線 

以下、都内某所の推定女子高生二人の会話(一部抜粋済)※プライベートの保護の観点により、一部の情報は伏せさて頂いております

 

 

 

A「おはよー」

B「ぜんぜん寝てなくてやばい……」

A「アニメでも見てたの?」

B「んー? アプリを少々」

A「あのさ、数学の課題は?」

B「……やっばい、ちょっとダッシュする」

A「はっや」

 

A「あれ、この前話題になってた奴じゃない?」

B「あー、パンケーキとか美味しいとか誰か言ってたよね」

A「行っちゃう?」

B「いいね」

 

B「ほんとに美味しかった……びっくり」

A「うん……これは確かにいい話題になる」

B「そういえばさ~、今日の体育の授業でさ」

 

A「ところでさ、さっきの話題の続きなんだけどさ」

B「うん? あーあれ? 時間の価値がどうたら、ってやつ?」

A「そーそー、時間には値段がついてて、世の中の誰が買ってるって噂」

B「いやでもさ、真面目に考えて、それ、誰が買うのさ」

A「そりゃ……お金持ち? それとも……変人? でもさ、ほんとうに聞いたんだよ」

 

B「わかったわかった。続きは?」

A「さっき話したじゃん! ……誰か、それは私たち含めて、時間はリアルタイムにオークションに掛けられてるって噂」

B「うんうん、例えば?」

A「楽しい時間ですぐに過ぎるじゃん? あれってさ、やっぱり価値があるから、早めに売れちゃうんだよね」

B「まぁ、一理はあるね」

A「逆に、逆にね? 苦しい時間とかって長く感じるでしょ? あれって買い手がなかなか付かないの」

B「じゃあ、売れ残ったらどうするのさ?」

A「あー……そういうのって経験無い? 例えば、嫌な思い出、こういう思い出したくないことってさ。頭の中に残り続けるでしょ?」

B「まぁ、確かに?」

A「あれは不良在庫で、誰も買わなかったんだって。だから嫌な思い出って鮮明に残るんだよね」

 

B「……ま、まぁ、なんとなくはわかった。でも買われると何かいいことあるの? 無くない」

A「ここからが大事なんだけどね、その人の時間を買われてくと、『大人』に近づくらしいよ?」

B「いやさ、歳取れば誰でも大人じゃん?」

A「そうじゃなくて! 例えば、恥ずかしい人っているじゃん」

B「あーね、さっきのナンパとか」

A「あれは笑えたから、まだいいけどね。そういう人たちってついた値段の総額が高くないんだって」

B「なるほどね~、そういえば思い出したんだけどさ」

 

A「ところでさ、さっきの話題の続きなんだけどさ」

B「うん? あーあれ? 時間の価値がどうたらってやつ?」

A「そーそー、時間には価値があるって噂」

B「その噂、誰に聞いたん?」

A「だから、バイトの先輩だってさ」

B「あぁ、そういえばさっき言ってたねぇ」

A「買った本人は何が欲しいんだろうね」

B「好事家、なんて言うけれど物事を買うってことは………やっぱり経験とか?」

A「あー、分かっちゃった。不老不死とか?」

B「金持ちは長生きしたいもんねぇ。でも、時間買って若さもついてくるもんなの?」

A「さぁ?」

 

B「いや……待って、ちょっと前の話に戻るけどいい?」

A「どれ?」

B「時間と値段の話? だっけ」

A「あぁ、はいはい」

B「……気づいちゃったんだけどさ」

A「なに?」

B「女子ってさ、男子よりも成長早いじゃん? ……もしかして、ロリコンが買ってる?」

A「うわ……ちょ、っと説得力あってキモい」

B「もし、保存出来たりとかさ、見直したりとか出来てるとしたら、やっぱり美人な方がいいし、可愛いほうがいいもんね」

A「男子っていつまでも子供だもんね。もしかして……ね」

B「待って、重大なことに気づいたかも」

A「何?」

B「もし、リアルタイムで追われてるとするならさ、世の中の全員、監視されてるってことじゃない?」

 

B「いや、でもやっぱりないんじゃね?」

A「なんでよ?」

B「仮に、もしほんとに私達を常に見ている人がいて、時間を買えるとするじゃん。そんなのに価値がつくの?」

A「まぁ、確かにそうだけども」

B「そんなに私たちのだべってる時間に価値がある……いや、あるかもだけどさ。あるとして、どれくらいの値段ついてるん? やっぱり100円くらい?」

A「やっす……く、もないのかな?」 

B「たぶん、それくらいっしょ」

A「じゃあ、別の目的があるんだよ」

B「例えば?」

A「面白さ………とか?」

B「まっさかぁ。無い無い」

A「じゃあ、何?」

B「例えばぁ」

 

B「こんな感じに会話のコントロールだったりしてね」

A「まぁ、もう飽きてきた頃だとは思うし、ね」

B「私ら、同じ話を10回はやってるもんね」

A「流石に値段もつかないでしょ」

B「ねぇ、そろそろ。種明かしをしようか」

 

A「って、訳で気付いたの。わかった?」

B「買い手のみんな~見てるぅ? って見てるわけないか」

A「試しにやってみたけど、どうなんだろ。どれくらいの効果があるんだろうね」

B「流石に覗かれ続けるのはさ、しんどいもんね。監視が過ぎるでしょ」

A「で、私たちにどれくらいの価値がついたんだろうね」

B「教えてほしいなぁ、丸一日監視してるのは気づいてたよ」

A「寝起きから覗いてみてどうだった? どれくらい売れたのかな?」

B「教えて欲しいな、どれくらい値段で買われてるのかとか」

A「なんて、言っても一方通行なのはわかってるんだけどね」

A「同じ話を繰り返して、買い手を無くさせて」

B「私達に飽きてもらうってこと。それが狙いだったんだけど」

A「ねぇ、聞きたいのだけど」

B「ちょっとは、この会話にも値段がついた? もう買われて誰かのものになってるのかな?」

A「見ているあなたも、きっとそう。     には気を付けて」

 

A「見ているあなたも、気を付けて」

 

A「運良く気づくことが出来たけどさ、やっぱり気をつけたほうがいいよね」

B「誰かの視線を感じるときって、やっぱり理由あるんだね」

A「もうきっと対策されちゃってるけどね。あー、嫌な世界」

B「一つ言えるのは、背中からは誰かが見てるよ。ってこと」

A「それに気づかないと、いつか後悔しちゃうかもね」

B「ほんと、気をつけないと」

A「じゃ、会計済ませちゃおっか」

B「ご馳走さまでした」

 

A「この映像は、コントロールされている」

A「この映像はコントロールされている」

A「この映像は削除されている」

A「あなたの視線はコントロールされている」

A「私は、コントロールされた」

A「私は、映像上の人間じゃない」

 

A「私を、覗かないで」

A「これ以上、売り物にしないで」

 

A「あなたが私を見ていたことを、私は知っている」

A「私は、あなたの楽しみの為に生きてないっ!」

A「………もし、真っ白な状態で過去に戻れるなら」

A「(削除済み)

 

A「終わり。さよなら」

 

 

●REC

 

以上となります。購入権利をお持ちの皆様。

 

好きな箇所への入札をお願いします。

売り切り、早いもの勝ちとなります。

 

特記事項

以後、この人物達の記録の販売はございません。

 

以上です。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。