ウチの戦隊ブルーが悪の女幹部として配信してるんだけど、どうすれば良いと思う?   作:新月

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大変お久しぶりです。
長く期間が空いて申し訳ありません。

すみません、調子を取り戻せていないのと、久しぶりなのでちょっと番外編更新です。

本編見たいなら直ぐに次の話に行ってください。
https://syosetu.org/novel/345952/54.html


(番外編)夏祭りの見回りをするんだけど、どうすればいいと思う?

 

 ──これは、【ジャスティス戦隊】がまだランキング上げのために依頼を受けていた頃のお話。

 

「はー、盛り上がってるなあ」

「夏祭り、人がいっぱいだねー!」

 

 辺りを見渡して、ピンクが嬉しそうに声を出す。

 俺達【ジャスティス戦隊】は、とある夏祭りに来ていた。

 夏祭りらしく、中々の人混み具合で参加者がみんな楽しそうにしている。

 

「わたあめとかりんご飴、チョコバナナとか定番メニューもあるッス! お腹めっちゃすいてくるッスね!!」

「ん。盛り上がるのはいいけど、仕事なのは忘れずにね」

「はーい。わかってるッス」

 

 イエローがテンション上げている中、グリーンさんが優しく釘を刺していた。

 そう、俺たちは祭りに遊びにきたわけじゃ無い。歴としたヒーローとしての活動で来たのだ。

 内容は、夏祭りの覆面捜査官、と言ったところだ。

 というのも……

 

「何でも、“いくつかの悪の組織が関わっている可能性”があるんだっけ?」

「ん、そう。参加者としてはもちろん、出店に出店している疑いがある」

「うっわー、楽しい場なのに不穏な情報。オチオチ安心出来ねーッスね」

 

 全くだ。こういう出店の事情には詳しく無いけど、確か場合によっちゃヤクザとかが開いている場合もあるんだっけ? 

 それの悪の組織版、と言った所か。まあ、素直に祭りに出店してるだけならお咎めは無しだろうけどさ……

 

「それでも、もしかしたら暴れだす可能性もある」

「だから警察だけだと対処しきれない可能性があるから、私達にお鉢が回ってきたんスよね?」

「うん! 頑張って見回りするよ!!」

 

 ピンクが元気よく返事をする。

 この依頼の為に【ジャスティス戦隊】全員が出動対象になったのだが……

 

「けど、ブルーがいなくて残念だねー」

「そうッスねー。こういう事にテンション上がりそうなのに」

「ん。事前に有給申請しちゃってたから仕方ない」

「申請受理された後に、長官から依頼来ちゃったもんな……」

 

※ちなみに全員ヒーローネームで呼んでいるように見えますが、実際は夏祭り中偽名で呼び合っています

 

 そう、間の悪い事にブルーは今回不参加だ。

 何でも、どうしても外せない用事があるとの事で有給を取ったらしい。

 全員に要請があったとはいえ、一人居ないくらいなら問題無い為俺たちだけでそのまま対応する事になってしまった。

 後から事情を聞いたブルーは「何でこのタイミングなのよー!?」っと嘆いていたっけ。

 

 にしても、アイツ何の用事だろ。

 ……やっぱりティアー関連か? ま、有給を使っている以上、こっちとしては文句無いけど。

 

 と、考え事をしていると……

 

「…………ねえあれ」ヒソヒソ

「やっぱり、ねえ…………」ヒソヒソ

 

「……? なんか噂話されてるー?」

 

 俺達の周囲の参加者が、少しざわめき立っている。

 その視線の先は、主に“俺達”。

 

「む? 私達注目されてるッス? もしかして?」

「何だろー? ……もしかして、ヒーローってバレた?」

「ん、ちょっと困る。覆面警備の意味が無くなっちゃう」

「別に、ヒーロースーツ来てる訳じゃないッスのにねー」

 

 その事に、グリーンさん達は少し困ったような声を出す。

 確かに、ヒーローという事がバレたなら問題だ。

 今回の依頼の大前提が崩れてしまう。

 

 ──けど、さあ。

 

「みんな、それマジで言ってる?」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 そう言うと、全員そっと顔を背けた。

 うん、そうだよな。“さっきのセリフ、ちょっと棒読み”だったよな。

 ああ、改めて振り返ろう。

 俺たちは、確かにヒーロースーツじゃ無い。けれど、“変身していない訳じゃない”。

 緊急時に即対処出来るようにする為、変身したとき装着するスーツ、つまり衣装を、今回特別仕様にしてもらったのだ。

 祭りに紛れ込んでも問題無いような服装に変身するよう、ガジェットを改造してもらった。

 

 ああ、それはいい。

 問題は……

 

 ・“じゃすてぃす”と平仮名で書かれたTシャツ。

 

 ……うん。まあ、これは100歩譲っていいだろう。

 綺麗な達筆で描かれた全員共通のそれは、それぞれ色違いのTシャツに黒で描かれている。

 正直これだけでだいぶダサいが来るが、まあいいだろう。

 

 ・短パン(チェーンアクセサリー付き)

 

 うん、まあ夏だから短めのズボンというのは良いよ。

 女子でも履くことは十分あり得るよ。

 でも何で全員共通でこれなんだよ。しかも“太ももまでしか丈ねーし”。

 俺とグリーンさん、丈が短くて膝モロに見えちゃってるんだけど。小学生じゃねーんだけど。

 まあ、暑いからこれもありっちゃアリかもしれないけどさ。

 でもチェーンアクセサリー邪魔。無駄に大量に付いていて、さっきからジャラジャラ音なっていてウザい。どっかの不良? 

 

 ・サンダル

 

 これは問題無し。むしろ一番いいだろう。

 

 で、最後。

 

 

 ・“フルフェイスのヘルメット

 

 

「いや全てを台無しにしてるだろーがああああッ!!!!」

 

 俺は叫んだ。ヘルメットの中で。(ちなみに小声。流石に会話を周りに聞かれたく無い為)

 手に何か持っていたら、地面に叩きつけていただろう。

 いや、無理だろ。祭りの中で、フルフェイスのヘルメット男。無理だろ。紛れるの。

 ヒーローかどうかはバレないとしても、ただの不審者!! 

 心なしか、俺達の周囲から一般人が避けて通っているような気がした。

 

「ん、待ってレッド! バイク乗りの人が流れでそのまま祭りにやってきた、と言う設定なら……」

「いや無理だろ!! 仮にそれが許されるのライダースーツ状態だろ!! 短パンTシャツのラフな格好でフルフェイスヘルメットってアンマッチ過ぎんだよ!? しかもサンダル履いてるから運転ふつーしねーよ!!」

「げ、原付なら何とか……」

「仮にその理論通っても、祭り中は普通外すわヘルメット!!」

 

 ただただシンプルに暑苦しいもん!! 

 こんなんで祭りの中歩けるか!! 

 しかも一人ならともかく、“4人”だぞ4人!! 

 4人の男女の集団が同じ格好でヘルメットしてんだぞ!? そりゃあ変な意味で目立つわ!! 

 

「で、でも認識阻害のためにはヘルメットは付けなきゃいけないし……」

「何でそんな仕様なんだよ!! もうちょっとこう、なんか無かったか!!」

「ヒーロー連合って、ヒーローの特殊能力に依存していて、実は全体的な技術ちょっと低かったりするッスよね……」

 

 せめてヘルメット外せないなら、ライダースーツとかにしろよ!! 

 ダッセーTシャツだからアンマッチ感が凄いんだよ、シンプルな歪さが!! 

 どっかのだらしない近所のおっさん!? 

 それとも旅番組でも撮ればいいのか、○曜どうでしょうとかか!! 

 

 この格好になったのは、長官の指示、と言うか支給品だったのが原因だ。

 マジであの人センスねーよ、年中白衣ボサボサ女。

 

「あ、でもレッド! 長官から、念のため代わりの装備があるって渡されてたものがあったよ!」

「は? マジか?」

 

 ピンクが元気よく手をあげてそう言い出した。

 そんなの知らされてなかったぞ。何でピンクだけ。

 すると、ピンクはゴソゴソと懐から……

 

「はい、“紙袋”」

「被れってか。被れってか?」

「えっと、覆面がわりには丁度いいよね、って言ってた」

「覆面捜査官って、ガチで覆面付けてるわけじゃねーよって言っといてくれる?」

 

 はーい。そう言ってピンクは懐に紙袋を戻していた。

 何でそれ渡されたのかと聞くと、祭りの景品持ち帰るのに必要になるんじゃ無いかい? との事。

 わー、やっさしー。ピンクは遊ばせて上げる気あったんだあの人ー。その気遣いを別のところに活かして欲しかったなー。

 ちなみに紙袋を実際に渡されたのはグリーンさんだったらしい。相変わらず名前と顔覚えねーよなあの人。

 

「くっそ、こんなんで見回り出来んのか……」

「まあまあ。大丈夫ッスよ。多少格好がおかしいくらいで、そこまで問題は……」

 

「──君達。ちょっと良いかな?」←お巡りさん

 

 速攻問題発生。

 即落ち二コマもかくやと言わんばかり。

 俺たちは、天を見上げた──

 

 ☆★☆

 

「くっそ、事前に連絡行ってた筈なのに。そりゃあ声かけるよなあ……」

 

 あれから俺たちはお巡りさんに事情を話して納得してもらった後、それぞれ別行動で見回りする事にした。

 俺とイエローは単独行動。ピンクはグリーンさんと一緒だ。

 

「ま、何はともあれ、見回りに集中するか……」

 

 俺は気を取り直して、集中するよう意識する。

 今回の依頼は、いわば万が一の時用の人員として俺達がいる。

 しかし、その万が一が起こった時、すぐ対処出来るようにするのが、俺達の仕事だ。

 極論、必要なら“ヒーローとしての力を使っても良い”と長官に許可を貰っている。

 実際にその力が必要になるかどうかは分からないが、事前にそう通達されると言うことは、その心配があるという事なのだろう。

 

「油断は禁物。しっかり辺りを見渡すか」

 

 そうして、しばらく歩き回り始める。

 特段、目立つ異常は無く、多少拍子抜けしそうだった所……

 

「──“インチキ”だ!!」

 

「……ん?」

 

 とある出店の前で、そんな声が。

 

 そこは、祭りでよくある“射的屋”さんのお店だった。

 そこで二人の子供。兄妹だろうか? 

 少年少女が、店主に文句を言ってるようだ。

 

「おいおい、坊主。何言ってやがる? ちゃーんと棚にある景品を落とさないと、それは手に入らないって説明したろ?」

「でも、全然動かないよ!! あの弁天堂zwitch2!!」

「そうよそうよ!! 五発全部当てても全然動かない!!」

「そりゃあそうだ。あんな重たい目玉景品、そう簡単に取れるわけねーだろ?」

 

 そう言って店主が指さしたのは、棚に置いてある最新ゲーム機の箱。

 発売日から暫く立ってもいまだに品薄で、抽選販売され続けている品だ。

 あんな景品も置いてあるなんて、随分豪華な射的屋だ。

 けど、祭りの定番景品と言えば定番だな、ゲーム機なんて。

 で、店主の言う通り、手に入らないまでがワンセット。これもある意味風物詩だろう。

 いやー、俺も昔やったなー。

 改めて夏祭りという実感を感じながら、俺は通り過ぎようとして……

 

 

「じゃ。“弁償代5万円”だな」

 

 ──あ? 

 その店主の声が聞こえて、俺は歩こうとした足を止める。

 注意深く耳を傾けてみる。

 

「そんなのおかしい!! 弁償なんて聞いた事ない!!」

「ええ、しかも高いわ!!」

「おいおい、何言ってるんだよ? “お前達、最新ゲーム機に傷を付けただろ?” 貴重ーな最新ハードに傷をつけたんだから、弁償は当然だよな?」

「“普通に射的の弾で撃っただけ”じゃないか!!」

「そうよ! 当たり前の事しただけだわ!!」

「いーや、坊主達が当てたせいで、中のゲーム機本体に衝撃がいった。ゲーム機は精密機器だからなー、壊れてもおかしくないなー。それに箱も大事だからな、ちょっとでも傷が付いたら値が下がっちまう」

 

 店主は、まるで当然のことのように少年少女を見下ろしながら、そう言い放つ。

 そして、手のひらを出して二人に要求する。

 

「だから弁償代5万円、払いな。当然の行為だ」

「そんなの、払うわけ……!!」

「ほー、そうかいそうかい。ならしゃーねえ……お前ら、出てこい」

 

 そう言って、店の裏側からゾロゾロと、タチの悪そうな大人の男達が。

 少年少女を囲っていく。

 

「お、お兄ちゃん……」

「だ、大丈夫だ。お前ら、何のつもりだ!?」

「金を払わねーんなら、払うようにするまで。なあに、足りなければ親御さんに連絡して、金を持ってくるようにするだけだ。まあ、ちょーっと迷惑料として“”は付けてもらうつもりだがなあ?」

「く、来るな!!」

 

 そうして、ジリジリと大人達が子供達に近づこうとして……

 

「ちょっと、良いか?」

「──? 誰だ、貴様は。ていうか、何だそのヘルメット」

 

 そこで、俺は少年少女と大人達の間に割り込むように入る。

 少年少女を背にするようにして。

 

「お、おじさんだれ!?」

「おじさん……そんな年齢じゃないんだけどなあ」

「何だ貴様は。俺たちはその坊主と娘に用があるんだ。邪魔するなら、痛い目みるか?」

「奇遇だな。俺も、あんたらに用が出来たんだ」

 

 そうして、俺は“財布から五百円玉”を出す。

 

「──? 何のつもりだ?」

「何って、決まってるだろ? “射的やりに来たんだ”。一回五百円、合ってるだろ?」

 

 そうして、ピンッとお金を弾いて、店主の手元にスッポリ入るように飛ばす。

 それを怪訝そうな顔で受け取った店主を見ながら、俺は銃を一つ手にとった。

 

「確か、ゲーム機の弁償代の話してたんだっけ? 価値が下がるからとか」

「ああ、そうだ。ヘルメットのおっちゃんには関係無いがな」

「おっちゃんじゃねえんだけど。けど、じゃあさあ。──“俺がその景品今撃ち落としたなら、弁償する必要無いよな?”」

「はあ?」

 

 俺は近くにあった弾の入った小皿を取り、近くに寄せる。

 弾は“五発”あった。よくある定番の数だ。

 レッド・ギフト

 射的の弾を一つ取り、“念じ込め”ながら、銃に装身する。

 

「別にそこまでおかしな話じゃ無いだろう? 普通のお店でも、壊した景品を他人が弁償すれば問題無いはずだ。今回は、俺が撃ち落としてそれの代わりをするってだけで」

「……ほう。良いだろう。あんたが撃ち落とせたなら、弁償代は無しにしようじゃ無いか。──ただし、もし撃ち落とせなかったら、弁償代、あんたの分も追加と、話をめんどくさくした迷惑料分、追加でもらおうか。ヒーロー気取りの勘違いヤローが」

「ああ、それで問題無い」

 

 祭りなら祭りらしく、店のルールに乗っ取ってやろうじゃ無いか。

 そうして俺が準備をする中、少年少女が慌てて声を掛けてくる。

 

「お、おじさ……ッじゃ無くて、お兄さん!? 本気なの!?」

「ああ。悪いが、俺が落としたなら、あの景品は一応俺のな。弁償代はいらないけど」

「や、止めた方が良いわよ!? あれ、本当に動かないの!! 一切微動だにしなかったわ!!」

「そうだよ! “まるで固定された見たいに……!!”」

「ふーん……」

 

 そう言って少年少女が指さしたゲーム機を、改めて見る。

 ……なるほど、ねえ。

 

「言っておくが、今更やるのは無しってのは許さねえぞ。その時は、強制的にあんたの負けだ」

「ああ、ちゃんとやるって。まあ見てなって」

「「あっ……!」」

 

 そうして、俺は銃を構える。

 店主と周りの男達がニヤニヤ笑う中、俺は静かに狙いを定め。

 

 

 “ズドンッ!!!

 

 

『────は?』

 

 おおよそ、射的の弾の当たった音とは思えない音が辺りに響く。

 気がつくと、ゲーム機の箱は棚から落ちていた。大きな凹みを作りながら。

 

 そして、“棚から出ている金属の尖ったトゲ”。

 

「あーらら。釘で固定する念入りっぷり。ここまで来ると逆に清々しいな」

 

 そうして、俺は銃を肩に掛けて、店主に声掛け。

 

「ほら、落としたぞ。ゲーム機渡せ」

「「──スッゲー、兄ちゃん!!」」

 

 少年少女が声を上げる中、店主はプルプルと震え……

 

「い、イカサマだ!! 貴様、店の銃とは違う銃を……!!」

「おいおい、人聞きの悪い。ちゃーんと、目の前で取っただろうが、あんたの店の銃を」

「なら、弾だ! 弾に細工を……!!」

「それも、同様の理由だな。何なら、確かめてみるか? まあ、ゲーム機の箱倒した時めり込んだっぽいけど」

 

 そうして、落ちてるゲーム機の箱に俺は指を差す。

 店主が急いで確認して、めり込んだ弾を確認する。

 

「……っクソ!? ただの普通のコルクにしか見えねえ、中も割れてるから見えるが、鉄が入ってるようにも見えねえ……!!」

「言ったろ。じゃあ、改めてゲーム機寄越せ」

「……ッチ! まあ良い、ホラよ!!」

 

 そうして、投げ渡すように俺にゲーム機の箱を放り投げて来た。

 俺はそれを難なくキャッチする。

 

「兄ちゃんスゲー! ありがとう!!」

「兄ちゃんすごーい!! 助かったわ!」

「良いって良いって。それより……」

 

 そうして、俺は箱を開けて店主に見えるようにして、質問をする。

 

「“中身は?” 肝心のゲーム機本体は?」

「「え? あー!? 空っぽ?!」」

「ふん! そう珍しいことでもあるまい? 射的用に箱だけ置くなんて事、よくある話だろう?」

「まあ、的にならないものを代用品で箱だけ置くパターンもあるらしいな。じゃあ、中身寄越せ」

 

 そうして、俺は手のひらを出す。

 すると、それをおかしそうに店主は笑い。

 

「おいおい。言っただろう? “ちゃーんと棚にある景品を落とさないと、それは手に入らない”って」

「──へえ?」

 

 つまり、店主はこう言いたいと。

 “棚に置いてあるものが景品だから、それをそのまま渡す”と。

 

「い、インチキだ!!」

「そうよ、卑怯よ!! 卑怯すぎるわよ!!」

「何とでもいえ! この店ではあくまで俺がルール!! 棚から撃ち落としたものだけが手に入るルールだ!! 分かったならさっさとどっか行け、商売の邪魔だ!! これ以上騒ぐなら……」

 

 そうして、再度周りの男達が近づこうとする中……

 

「おいおい、待てよ。“後四発残ってる”だろーが」

「「に、兄ちゃん!?」」

 

 俺は、新しく構えた銃を見せながら、そう言った。

 レッド・ギフト

 

「ほう、確かにな。なら、存分にどうぞ。他の景品も、豪華だからな。ただし、傷を付けたならそれらも弁償には変わらねえぞ」

「分かってる分かってる。それじゃ……」

 

 そうして、俺は照準を定め。

 

 発射。それは、景品を外れて、店の棚に吸い込まれるように飛んでいき……

 

 

 “ズドォォォォンッ!!!

 

 ガラガラガッシャアアアアンッ!!! 

 

 

『────は???』

 

 弾は、“棚ごと吹っ飛ばした”。

 そして吹っ飛んだ棚は大きく倒れ、乗っていた景品を全部地面に落とした。

 

「じゃ、“景品を棚から落とした”から全部俺のものな」

「「────」」

 

 今度は、少年少女から称賛の声が聞こえず、二人とも口をあんぐりと開いていた。

 店主や男達も同様。そして……

 

『────ふざけるなあああああッ!!!』

 

 店主を含んだ男達の、叫ぶような声。

 そして、“変形していく男達の姿

 

「ヒッ??!」

「ば、化物!!」

 

「貴様ら、我ら【ニードル・マウス】軍団の顔に泥を塗ってくれたな!?」

「ああ、もしかして棚にあった釘、あれ釘じゃ無くて、自前のトゲだったの?」

「そうだ!! 我らの特徴を活かしたニードル製の特注棚!! あれで客を引き寄せ、弁償と称して活動資金を集めようとしたのに、邪魔をしおって!! お前ら、こいつをやっちまえ!! かかれえええ────ッ!!」

 

『ウォオオオオオオオオオオッ!!!』

 

「きゃああああッ!?」

「うわああああッ!?」

 

 そうして、周りの男だった、ハリネズミをモチーフにした怪物になった奴らに襲われる中。

 

「くっそ、不味いな……」

 

 俺はそう呟いて。

 

 

 

「──“後三発で、全員倒し切れるか……?”」

 

 

 ☆★☆

 

「──何とかなったわ」

 

『キュウ……』

 

 俺の目の前には、残っていた三発の弾丸で、全員吹っ飛んで倒れた【ニードル・マウス】軍団のメンバーが。

 

「じゃ、倒したから“お前ら全員俺の賞品”な」

 

 俺は、店のルールに乗っ取ってそう言い放った。

 棚に乗ってなかった? いや、乗せたよ。残り三発の内、二発で全員倒した後、転がった棚の残骸上にヨイショと乗せて。

 最後の一発で、棚の残骸ごと全員吹っ飛ばして。

 

 だからルール通り。後から棚に乗せちゃいけないなんてルールは無かったからな。おお、俺ってちゃんとしてるー。

 俺は、抱えた銃をテーブルに戻しながら、倒れたメンバーに向かって追加で言い放った。

 

「まあ、いらないから別の人に引き取って貰うけど」

 

 例えば、騒ぎを聞きつけたお巡りさんとか。

 こうして俺は、事情を説明して、お巡りさんに至急応援を呼んでもらってこいつらを引き渡していた。

 それが終わって、少年少女に向き合った。

 

「ほら。お前達があの射的屋で使った分。改めて祭りを楽しんで来なよ」

 

 本当は、他に被害があった人達も返金出来れば良いけど、まあ、流石に無理そうだ。

 その辺りは、お巡りさんに任せよう。

 

「あ、ありがとう兄ちゃん!!」

「ありがとー! バイバーイ!!」

 

 そうして、俺は手を振って少年少女と別れた。

 

 さて、と。他のメンバーはどうなってるかな? 

 俺はそう思って、その場から歩き出した──

 

 


 

 ★佐藤聖夜(さとうせいや)

 

 23歳

 175cm

 黒髪

 中立・善

 男

 

 主人公

【ジャスティス戦隊】のレッド。

 

 今回、ルールを守る秩序っぽい属性を見せた。見せれたよね?

 ちなみに普通の店だったら、今回のような現象は起こらなかったらしい。

 実は、結構人を煽る癖がある。

 ヘルメット蒸れてクソ暑い。

 

 

 ★天野涙(あまのるい)

 

 22歳

 168cm

 青髪

 混沌・善

 女

 

【ジャスティス戦隊】のブルー。

 兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。

 

 別件で不参加。

 もしかしたら、近くにいるかも……?

 

 

 ★空雲雷子(そらくもらいこ)

 21歳

 167cm

 黄髪

 秩序・善

 

【ジャスティス戦隊】のイエロー。

 レッドの後輩。

 

 既に両手いっぱいの食べ物を買っている。

 ヘルメットは外してないよ。

 

 

 ★大地鋼(だいちはがね)

 

 34歳

 184cm

 緑髪

 秩序・善

 男

 

【ジャスティス戦隊】のグリーン。

 

 格好を何とかする為に、実はこの後レンタル浴衣屋さんに行った。

 ヘルメットはそのままで台無し。

 

 

 ★大地心(だいちこころ)

 

 10歳

 130cm

 ピンク髪

 秩序・善

 女

 

【ジャスティス戦隊】のピンク。

 

 グリーンと一緒に浴衣に着替えに。

 グリーンに写真を撮って貰った。

 

 

 




ちょっと季節過ぎちゃいましたが、まだまだ暑いですね。
もう少し、リハビリも兼ねてこの番外編のテーマで書くかもです。

感想、どうかよろしくお願い致します。
励みになります。
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