短いけど、楽しんでくれれば本望!
一作目でへたっぴなんで、よろしければ感想いただけると幸いですー
「先生…!ちょっと、辛いんで休んできます!」
強い日差し。
夏の終盤。昼前の体育の授業中、今日ばかりは俺が熱中症で根を上げても、怪しまれなかった。
俺は彼女のいる校庭の木陰に身を置こうと足を向けた。ここはいつも彼女の特等席で、炎天下の校庭を一望できる。
しかも、ちょうど良い風が吹き抜けてくるのだ。
「いひ…珍しいじゃん」
「ぉ……おう、まいちゃってな」
吸い寄せられるように彼女のそばに座る。
声の持ち主は槙風なのは、近所の幼馴染だ。
肩に触れている黒のセミロングと、特徴的な笑い方、半開きの目。彼女の代名詞。
汗で纏まった毛束と、髪を結んで露わにした首筋に息を呑む。
「っ……」
「どしたの?」
むむっとした顔でこちらを見る
汗に濡れた透き通るような肌が眩しい。不思議な顔で、なのははソルティライチの入ったペットボトルを首に当て、気持ちよさそうに伸びている。
「んふー……あっ!もしかして、この前の小説の感想?」
「ま…まあ、そんなとこ」
「あたった…やた!」
何が面白いのか。ちょっとしたドヤ顔を見せつけている。こうなると、こちらも不思議と口角が上がってしまう。
「この場面、主人公の…なんて言うか、ヒロインに惹かれていく様が良いよね」
人生を怠惰に生きる主人公が、ヒロインと過ごして、変わっていく場面。ご飯を食べたり、映画を見たりしてお互いの理解を深めていく、あるあるのヤツだ。
「うん…」
「「いいなあ……」」
「何が…?」
「何がって…その………なんでもない……っ!」
なのはが目を逸らしてそっぽを向く。
心臓の高鳴りを感じる。
恥ずかしさに俯いてしまう。
「……」
「……」
ゆっくりと流れ落ちる汗が、長い時間を感じさせる。
──なのはは、俺の事をどう思っているのだろうか。
ガサツなやつ?話の合う友人?それとも?
好きなやつでもいるのか?
そもそも、なんていえば良い?
いくら考えても、落ち着いた答えが出てこない。どうも納得できないのだ。
校庭の向こう側で騒ぐ声と、セミの鳴き声、それと、ささやかな風の音にがんじがらめの理屈で腹を括って、目を瞑りながら──
「な、なのは…もし、もしで良いんだ。もし─」
熱のこもった、あましょっぱいソルティライチの味。
ほんのりとしたあまさがやみつきになる。
それから、やわらかい感触が体をつつみこむ。
触れたら、本当に壊れてしまいそうな身体。
いつもの眠たげな目尻が笑っていて、俺は本当にどきっとして。
しかも、幸せそうに、胸に耳を押し付けて、心音まで聴かれた。
一気に近くなった吐息が本当に生々しくて、焦ったくて、儚くそこにある。
今度は俺が、大切に、たいせつに、ぎゅっと抱き返して、だきしめる。
俺の汗と、なのはの汗が混ざり合りあって、本当におかしくなる。
「どんな気持ち?」
一思いに。
「幸せ」
ぐちゃぐちゃな思考の中で絞り出された一言。
本当に、どうでもよくなって、全てぶちまける。
「好きだよ」
目覚まし時計が鳴る。
校庭にはもう誰もいなくて、俺はからっぽのソルティライチを握っていた。
「あぁ………宿題やろ…」
読んでいただきありがとうございます!
小説サイトに掲載する初めてね作品!
展開早いし、説明たらずな所が多いとは思いますが、頑張ります……!
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